本会議論戦(大要)
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2008年6月定例会
以下は、2008年6月30日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
村上要議員(社会民主党・護憲連合)の一般質問(大要)
1 耐震化問題
(1) 耐震改修の現状と取り組み
過去何度も建築物の耐震化促進への取り組みを取り上げ、耐震診断及び耐震化の現状と課題について質問してきた。土木部長からは、「本県における耐震診断の実施戸数は、年間200戸程度にとどまっている。耐震改修は今後の課題であり、まずは危険な住宅の把握が重要であり耐震診断の促進に努める」との答弁がなされている。
県は、昨年3月に県耐震改修促進計画を策定し、7年後の平成27年度末までに、耐震化率80%を目標に取り組むこととしているが、こうした現状で目標達成ができるのか不安を感じる。
耐震改修の現状をどのように認識し、今後どのように取り組むのか
昨年度、耐震診断などが具体的にどのように促進されたのか併せて問う。
(2) 学校耐震化
中国・四川大地震では、特に学校の耐震が問題となっている。本県における学校の耐震化は全国平均を下回り、公立小中学校が54.9%、県立高校は42.2%、特別支援学校は全国最下位の41.0%となっており、児童や生徒たちの安全確保はもとより、災害時の避難、救助の拠点となる学校の耐震化について早急な対応が求められている。
県は、厳しい財政事情の中で工夫しながら耐震化を促進するとのことであるが、国も、四川大地震の発生を受け、学校の耐震化促進へ取り組むと聞く。この動きと併せ、耐震改修促進計画の早期達成を望む。
学校の耐震化にどう対応しようとしているのか。
(3) 警察の耐震化
災害発生時の対策の拠点となる建物の一つとして警察署があるが、西条西警察署、伯方警察署、今治警察署は、建築後相当の年数が経過し、耐震化はもとより、県民にとっても利用しづらいと聞く。県では、財政構造改革に取り組んでおり、大型公共施設の建設については、原則凍結との考えが基本となっている。
しかしこれらの警察署は老朽化が著しく、耐震化というより早期の建て替えが望まれている。それぞれの地域事情もあることから、他の角度からの検討も必要ではあるが、財政構造改革が終了してから検討開始ということでは、県民の期待に応えることはできない。
警察署の耐震化及び建て替えについて現状をどのように認識し、今後どのように対応しようとしているのか。
2 交通政策
(1) しまなみ通行料金引き下げ
しまなみ海道が開通して9年が過ぎた。しまなみ海道は、観光とともに島民の生活道路としての活用に期待が寄せられてきた。そして、この期待は、市町村合併に伴い一層増しているが、同一行政区域に生活するものでありながら、役所に出向くにも生活のために移動するにも、他に迂回する一般道もなく、高額の通行料を支払わなければならないというハンディを負っている。
また、しまなみ海道の通行料は、他の高速道路と比較しても格段の料金格差を生んでいる。島嶼部住民はもとより流通、運輸関係者の不公平感を払拭するとともに、一層の利活用しやすい環境作りが求められている。
県には、なお前進に向けて努力を願う。
島民のしまなみ海道通行料の引き下げを、という切実な願いをどのように受け止め、今後どのように取り組んでいくのか。
(2) 離島航路の維持・確保
例えば、来島海峡大橋と並行して今治と大島の下田水を結ぶフェリーが運航しているが、橋の通行料金を低減、あるいは無料化することによって、当然のように船便に影響を及ぼす。両方の経路はもったいない、どちらかでよいとの声も聞くが、車を活用できない高齢者や高校生などもいる。
バスを利用すればよいとの声もあるが現在フェリーを利用している通勤者が約250人、通学者が約150人おり、バスに切り替えたとしても、一度に輸送することなどを含め問題が残る。
また、架橋に関しての昭和56年の本四連絡橋建設に伴う特別措置法及び平成15年の国土交通省局長要請も踏まえ、経済論理のみで論ずるのではなく、総合的な視野が必要であると思う。
今治-下田水航路が国庫補助対象航路でないことは承知しているが、県内には離島航路が複数あり、各事業者は原油価格高騰の影響などにより、厳しい経営環境におかれており、先日も上島町を経由して伯方-因島間を結ぶフェリーが廃止され、今治-下田水航路も減便されると聞く。
離島航路の維持・確保については、真に住民の移動を保障する公共交通の視点から検討する必要があると思うがどうか。
3 労働問題
(1) 正規雇用への取り組み
パートに加え、派遣など非正規労働者が急増する背景を受け、格差社会の是正について、わが党の福島瑞穂党首が国会で質問したのが2002年であるが、今日では福田総理でさえ、配慮が必要と言わざるを得ないほど、格差の問題は社会全体の課題となっている。ワーキングプア、働く貧困層は、政府の統計によっても、働く人の4人に1人存在するということであり、社会全体で検討されなければならない重要課題でもある。また、数年前までは日本人の働きすぎが問題とされ、年間総労働時間の短縮、時間外労働の削減、ワークシェアリングなどが言われてきたが、規制緩和と競争、弱肉強食の社会が誘導される中にあって、働くものの労働条件は時代に逆行して悪化している。
格差社会は、大手企業と中小企業の格差と下請けの締め付けを生み、さらにいわれなき解雇や退職勧奨、賃金不払いなど、労働者に犠牲を押し付ける結果となっている。
本県における正規雇用、非正規雇用の状況はどうか。また、正規雇用化に向けてどのように取り組んでいるか。
(2) 労働相談
労使間の紛争を解決する制度として裁判所への提訴等もあるが、迅速な解決を図ることを目的に、愛媛労働局や労働委員会で個別労働紛争当事者からの相談申し出を受け付け、解決する取り組みが進められている。
本県における労働相談の現状と特徴はどうか。また、相談に対しどのように対応しているか。
(3) 外国人研修生・実習生
外国人研修生受け入れ特区において、不正行為が発覚し、特区の適用除外となる企業が多発するとともに、先日、研修生・実習生の時間外労働や賃金の未払いなどが報道された。法務省が昨年末、研修・実習制度の指針改定に伴い、受け入れの適正化を打ち出していたが、こうした事態が発生し、まことに残念である。
関係者によると、法的根拠や拘束力がなく警告しても実効性が伴わない、厚生労働省や経済産業省、法務省など5つの省が所管し、行政責任があいまいになっているなど、制度そのものの整備未熟を指摘する声もある。
また、所管は国だが、個別労働紛争のように現地に密着する地方自治体の関与と指導も必要ではないのかとの指摘もある。
本県における外国人研修生・実習生の受け入れ状況をどのように認識し、県としてどのような指導に取り組んでいるのか。また、制度の問題点と改善の方向についてどのように感じているのか。
4 後期高齢者医療制度
(1) 理念や制度
県内においても重大関心事となっているのが、後期高齢者医療制度である。社民党は、民主党、共産党、国民新党と共同して、参議院に廃止法案を提出して可決された。
厚生労働省は、長寿医療制度と名称を変えたり、窓口での医療費負担増を先延ばしにしたりするなど、本質を省みないで、小手先で国民をだまし続けようとしているように見える。今までと同じ医療を受けることができるのであれば、新しい制度を作る必要はない。
この制度は、財政的理由を主軸にしたものであり、高齢者の医療の確保に関する法律に明記されているように、さらなる医療費の抑制を図ろうとするものである。高額所得者が保険料を負担するというならまだしも、低所得者ほど保険料が上がるというのでは、ますます格差が拡大し、まともな医療も保障されないというのが、多くの国民の声である。
後期高齢者医療制度について、様々な角度からの疑問と不満の声が聞こえる。国民の声を真摯に受け止め、いったん白紙に戻した上で、将来にわたって長寿社会に的確に対応でき、国民全てが安心できる医療制度の確立が図られることを願う。
後期高齢者医療制度の理念や制度について、どのように認識しているか。また、国民の不満、不安の声をどのように受け止めているか。
(2) 後期高齢者に対する資格証明書の発行
国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねないものとして資格証明書の問題がある。今日までの保険制度にも資格証明書の発行はあったが、保険料を十分払える資産や能力がある悪質な滞納者が対象で、老人保健制度対象者は除外されていた。
しかし報道では、1995年から2005年にかけて国保資格証明書による死亡事例が21件あったとのことであり、現在除外されている後期高齢者に資格証明書を発行した場合、想像を絶する悲しい事件が起きることが予想される。
命を保障する医療・福祉制度は必要と考える。
後期高齢者に対する資格証明書発行についての考え方はどうか。
(3) 重度身障者への助成
後期高齢者医療制度は、75歳以上の人と一定の障害のある65歳から74歳の人が対象となっている。65歳から74歳の障害者の場合、後期高齢者医療制度に加入しない、撤回するという選択も可能である。
その場合は、家族の扶養に入る、家族の保険に加入するということで、保険料を支払わなくて済むなどのメリットがある。
しかしながら、こうした中、新制度に加入しないと、北海道を含む10道県では、重度心身障害者医療費補助の対象から除外しているほか、本県外3県では、助成対象は1割で残りは自己負担としているなど、都道府県によって対応に格差が生じている。
幸い本県では、全ての市町が自己負担の全額を助成対象としているため、今までどおり、障害者の自己負担は発生せず、制度の自由な選択も可能となっている。
県が重度心身障害者への助成を1割しか対象としていないため、市町の負担割合が増加し、市町から県の負担割合を増やすよう改善を求める声が上がっていると聞くが、県の見解はどうか。
阿部悦子議員(環境市民)の一般質問(大要)
1 がん対策
一昨年「がん対策基本法」が制定され、本県でも今年3月に「がん対策推進計画」が策定され、県の責任も明らかになった。1981年以降日本人の死因のトップががんであり本県でも患者数はさらに増加すると考えられ、その対策は今後の重大な課題といえる。昨年末に家族が末期がんの告知を受け、今日までともに闘病生活を送ってきたので、その体験に基づいて問う。
「がんは今や不死の病ではない」との声も聞かれるものの、末期がんや再発転移を伴う進行がんの患者や家族にとって、今なおがん告知は死の宣告に等しい。人は死と向き合って初めて、人生の意味、家族・友人との関係、さらには生活の質についても見つめ直すことになる。全ての人が、最後まで希望を失わず一日一日を快適に生き、患者は周囲に対し「自分は十分手を尽くしてもらった」と感謝できる社会こそ個人の尊厳が約束された社会であり、そのような社会に向けて努力すべきと考える。
(1) がん専門の精神科医
がんの告知を受けた人の大半が精神的なうつ症状を呈すると言われている。県計画でも「患者及び家族の苦痛の軽減」がうたわれ、がん専門の精神科医の確保を掲げている。
がん専門の精神科医の現況と目標数値はどうか。
(2) 医師・看護師への心理療法研修
多くのがん患者とその家族から、医師の無神経な接し方に起因する苦悩の声を聞く。胃がんであった知人は「もう打つ手はない。余命は1ヶ月」と告げられ絶望のうちに亡くなった。がん専門の精神科医の要請と同時に、何よりもまず、患者に接する医師が精神面の重要性を認識するよう望む。
米国医学博士の称号を持つ岡山県の伊丹仁朗医師は、がんや難病における精神的ケアが病気の治癒に欠かせないことを科学的に証明、実践している第一人者である。体内では毎日3000個のがん細胞が生まれ、健康な人ではNK(ナチュラルキラー)細胞ががん細胞を退治しているとのこと。漫才や落語を聞いて笑った後では、その数が少なかったすべての人でNK細胞が増加することを証明し、がん治療の常識を覆した。適度な運動とともに、心の働きが免疫力向上に役立つことを指摘している。これは今や世界医学の常識であり、現場の医師には、どんな患者にもあたたかい言葉と態度で接することが求められる。
がん治療を行う医師や看護師へ心理療法の研修を行ってほしいがどうか。
(3) 進行がん・末期がん患者数とその対応
県計画には、がんの予防や早期発見については多く書かれているが「がんの再発や転移などがあって、標準的治療では治癒させることが不可能な人々」についての言及はほとんどなく、治療方法や居場所を求めてさまよう、いわゆる「がん難民」への対応が不十分である。
県内の進行がんや患者数はどうか。また、これらの患者への対応をどう考えているか。
(4) 3大標準治療以外の治療法
現在、県内のがん診療拠点病院では、「3大標準治療」といわれる手術、抗がん剤、放射線の治療のみを行い、「未承認新薬」や免疫療法は無視されている。そのことが、進行がん患者の選択肢と希望を奪う要因になっているのではないか、併せて問う。
3大標準治療以外の治療法についての見解はどうか。
(5) 拠点病院への温熱療法導入
例えば、がん細胞が41.5℃以上で死滅するという特性を利用するハイパーサーミアと呼ばれる温熱療法は、化学療法や放射線治療と併せて行うとその治療効果を高め免疫力増強効果もあるとされ、体に優しいがん治療と言われている。この治療法は保険適用になっているにも関わらず、県下でこの治療を行っているのは民間病院1ヵ所のみである。
拠点病院には温熱療法などの治療法を取り入れて患者の選択肢を増やすことを望むがどうか。
(6) 拠点病院における緩和ケア
拠点病院では、3大標準治療で救うことのできなかった末期患者を緩和病棟で受け入れている。県計画ではこの緩和ケアについて、「治療の初期の段階から切れ目なく実施」することを目標としており、歓迎したいと思う。
しかし現在、拠点病院において患者が緩和病棟に移ると、痛みは取るががんそのものの治療はしないと聞く。患者にとっては「楽にしてあげるけど、生きるのはあきらめてください」と言われるのと同じである。
拠点病院における緩和ケアの実態はどうか。また、緩和病棟ではがん治療はしないというこれまでのやり方を改めるべきだと思うがどうか。
(7) 病院給食に県産品を
県計画では、がんの予防対策として栄養・食生活の改善を挙げている。
拠点病院をはじめとした病院の食事について、有機農法により栽培された県内の米や野菜などを使用するよう働きかけてほしいがどうか。
(8) 医療費抑制をやめるよう国に求めよ
医療費抑制政策による医師・看護師不足、療養病床の大削減、診療報酬見直しなどにより、十分な治療ができないと悩む病院関係者が多いと思う。
県は国に対して、医療の抑制策をやめ、国民が十分納得できる医療制度の実現について要望するよう求めるがどうか。
(9) 肝炎、肝がん問題
肝がんや肝硬変で亡くなる人は年間34,000人、その8割はC型肝炎からの移行という。C型肝炎ウイルス感染者は200万人以上で、適切な治療をしなければ10年で3割が肝硬変、その3分の2が肝がんになるという。C型、B型肝炎は、予防接種・輸血など過去の医療上社会的な原因により広がったもので、国も健康診断で早期発見による予防策をとるよう勧告している。
県はC型・B型肝炎のウイルス感染者及び肝がんの患者数を把握しているか。また、ウイルス感染者の肝炎ウイルス検診の受診率はどのようになっているか。
(10) 早期発見
県計画では、早期発見と適切な事後指導を行うとしているが、それはどのような指導でどのような数値目標をもっているか。
(11) 「アスベスト対策マニュアル」の遵守
社会的発ガンにアスベスト粉じんによる肺がんがある。建物の改築や取り壊し、発生が確実視されている南海地震に伴う建物倒壊など、十分な対策をとらなくてはアスベストが広範囲に拡散する。中皮腫や肺がん患者には、例えば日曜大工で不用意に含有建材を削って粉じんに暴露するケースもあると思われ、特定業種のみならず一般県民にも危険性の啓発が急がれる。
県が昨年策定した「アスベスト対策マニュアル」を遵守させる監視体制はどのようになっているか。
(12) 大気中のアスベスト濃度の測定と公表
県下各地で定期的に、また大規模な改修・改築や取り壊し工事の周辺では重点的に、大気中のアスベスト濃度を測定・公表してほしいがどうか。
(13) アスベストの危険性の周知を
県の広報紙や生涯学習時、また小中高等学校の授業等で、身近なアスベストの危険性をどの程度周知しているか。また、更なる周知を求めるがどうか。
2 障害児差別
(1) 全ての障害者に入試の特別措置を
昨年12月議会において、高校入試での障害児の特別措置の対象者が、文言では「身体に障害がある等」とあり、これは身体障害以外の障害児を差別することになるのではと質した。
当時の教育長は「身体に障害がある等」とあっても、知的障害の生徒にも特別措置を行っている」との答えであった。これは質問の時期が「入学者選抜実施細目」を各中学校に配布後の時期であったことから致し方なかったが、来年度入試には今なら間に合うのではないか。
学力検査を受検することが困難な生徒に配慮する対象を「全ての障害児」であることが分かるように来年度の実施要綱を修正してほしいがどうか。
(2) 障害児の高校入学を支援する制度の周知
障害児の高校入学を支援する制度について、その存在を中学校の校長さえ知らない場合がある。
中学、高校また一般県民に対して、障害児の高校入学を支援する制度についてどのように周知しているか。
(3) 知的障害児の普通高校への進学について
知的障害のある男子生徒が、今年度南予の普通高校を受験したが、受験者が募集定員と同数にも関わらず不合格であった。中学校まで普通学級に通い、授業を受けることも、自分の行動を省みることも身につけていた。今は「高校いいな僕も行きたい」と言いながら身の置き場に戸惑っているとのこと。
この親子と来年受験予定の子どもの家族が、不合格の理由を尋ねたところ、校長は「出題の作文において意欲が見られなかった」「数学の点数が取れなかった」「世間一般から見て障害児が高校教育を受けることは理解が得られない」と答えたと聞く。
① 今年の受検で出題された作文の題については、「障害者の権利条約」にいう「合理的配慮」があってしかるべきではなかったか。
作文の題は「ふれあい」と「まごころ」の2つからの選択であった。しかし、2題とも抽象的な概念をきくものであって、学校側は知的障害のある子どもには難解だと考えなかったのか、併せて問う。
② 校長は、数学の点数が取れなかったことを不合格の理由の一つに挙げたが、県教委は知的障害児が点数を取れないことをどのように考えているか。
③ 校長の言うように世間一般の常識を理由に不合格としたのなら、それは一般社会の差別や偏見を容認することには当たらないか。
(4) 知的障害児の普通高校への受け入れ
社会には知的障害のある子は、健常児と一緒に学ぶことが困難だという偏見がある。現実には普通学級において、むしろ健常児や教師が知的障害児に教えられたり励まされたりしており、同質の価値観を持った者同士では育むことのできない喜びを、子どもたちが見つけていくのである。
しかし、今年度の障害児の特別措置を受けて受検した生徒のうち、知的障害児のみが一人も入学を許されていない。
今後、知的障害のある子どもの県立高校への受け入れを進めていく考えはあるか。
(5) 盲聾学校の統合には当事者の声を
県教委は今後5年間の再編整備計画案を公表し、統合は当面見送るが計画撤回はしないと表明した。障害の違いから来る伝達手段の違いを無視して計画されたこと自体が障害児への差別に当たり、計画案を承認した検討委員会に当事者側の委員も公募委員もいないことが今日の事態を招いた。
県はこれまで保護者や教師集団を含めた当事者の声を、盲・聾・養護学校でどのように聞いてきたのか。
(6) 「障害者差別をなくすための研究会」について
障害者問題を考えるとき、障害当事者を抜きにすることがあってはならない。差別をする人には差別される痛みが分からない。そこで県が「障害者差別をなくすための研究会」を立ち上げることを提案したい。これは一昨年できた「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」にヒントを得たもの。条例策定にあたり千葉県が立ち上げた研究会のほとんどのメンバーは公募委員、無報酬で誰もが参加できる夜に開催されている。
研究会では初めに、「差別に当たると思われる事例」を県民から募集した。教育、雇用、医療、サービスなど日常生活の広範な分野にわたる800件もの事例が集まり、多くは障害のある当事者からの訴えであった。これらの事例を分析し話し合うことから作業を始め、終始県民主体で行政がサポートする形を崩さず、ついにわが国初の「障害者差別撤廃条例」が生まれた。
盲・聾・養護学校の統合、知的障害児の高校入学における差別問題への認識を県民と共有し、誰もが障害の有無に関わらず暮らしやすい社会を実現するため、「差別撤廃条例」策定を目指して研究会の立ち上げを希望する。
① 千葉県の例を参考にして「障害者差別をなくすための研究会」を作り、「差別と思われる事例」を募集してほしいがどうか。
② 研究会メンバーは、基本的に公募制とし、盲・聾・養護学校問題の議論もここで行なってはどうか。
3 地震災害と防災
(1) 地震の被害想定
南海地震と中央構造線断層帯地震の2つの地震を想定しなければならないことが判明している。県は南海地震について全県で車座集会を開き、死者3,000人、負傷者46,000人、全半壊の建物28万6,000棟と被害想定している。車座集会では南海地震についての周知しかしていないが、防災対策としては不十分ではないか、併せて問う。
中央構造線断層帯地震の死者数などの被害想定をどのように見積もっているか。
(2) 伊方原発の耐震性
① 新指針により3月末に四電が国に提出した耐震安全評価の中間報告には、最も影響がある地震をこれまでどおり伊方原発沖8キロの原発敷地前面海域の長さ42キロの活断層による地震と位置づけ、不確実性を配慮して断層面を30度傾斜させ、最大の揺れをM7.6に改め、基準地震動を570ガルとし、現状のままで耐震安全性は確保されていると公表した。
地震規模を想定するとき、過去の地震のデータ分析に基づく断層モデルを使うが、計算式は2通りあり、どちらを使うかで地震規模が変わるためきわめて重要な要素となる。四電の計算は「入倉式」を使っているが、このデータは大半がアメリカで起きた地震を用い、M6.8以上の地震では逆断層と呼ばれる縦にずれる地震がほとんどのため、横ずれ活断層主体の日本でこれを適用すると、想定される地震規模が小さくなる。
想定地震が過小評価されることのないように日本のデータに基づく武村の式、又は松田の式を使うよう四電を指導すべきではないか。
② 四電は断層モデルによって地震規模を過小評価した上、さらに断層モデルから求められる放出エネルギーのマグニチュードを0.2ずつ小さくして地震規模を半分にしている。例えば敷地前面海域の断層群は、過小評価の入倉式断層モデルでも7.3となるが、四電は7.1として0.2小さくしている。従来の松田式では7.5となるため、四電の7.1という見積もりは地震エネルギーでは4分の1になる。この引き下げは伊予・川上セグメントでも、130キロでも系統的に行なわれている。
四電が地震動評価でマグニチュードを0.2引き下げていることについてどのように考えるか。
③ 四電は石鎚山脈北縁西部から伊予灘区間中央構造線断層帯の130キロの評価で、約40キロの3つの断層の地震動を足して地震規模を決めているが、複数の断層が一体となって活動する場合、M6.8から8.7までは地震規模は断層面積の自乗に比例して大きくなり、足し算をするのではなく自乗しなければならない。足し算では断層面積がほぼ等しい3つの断層が一体に動くと地震動も3倍になるだけだが、ルールに従えば3の自乗で9倍になる。ここでも3分の1に過小評価したことになる。
足し算と自乗のどちらが正しい評価法だと考えるか。
④ 四電は130キロが動いた場合のマグニチュードは7.5であると中間報告の本文の中で公表している。
県の安全管理委員会で配布された資料には、3つの活断層が一体的に動いた時の試算、M7.5が記されていなかったのはなぜか。
⑤ 正規の試算では、130キロの活断層による地震規模はM8.3になる。また文部科学大臣を長とする地震調査研究推進本部は、前面海域と伊予セグメントの2つを合わせ80キロ動くとM8、断層帯全体ではM8以上との見解を表明しており、四電のM7.6という過小評価を浮かび上がらせる。
安全管理委員会の審理を白紙に戻して全ての情報を正しく伝え、再度やり直すべきと考えるがどうか。
⑥ 県は四電に130キロが動いて地震動がM8.3になる想定で安全性の評価をやり直すよう求めるのが筋ではないか。
⑦ 文科省の推進本部は、これまで自らが行なってきた地震規模の想定が、現実に照らし合わせて過小評価に当たると認めて、今年の4月11日、「修正レシピモデル」を発表した。
修正された断層モデルとはどのようなもので、今後の評価にどのように影響するのか。
梶谷大治議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 八西地域の救急医療体制
八西地域の中核的医療機関である市立八幡浜総合病院の医師数は平成17年の38人をピークに減少の一途をたどり、現在は28人と10人もの減員となった。
原因のひとつに、当院が軽症の急患を診療する一次救急医療、並びに365日24時間体制で手術や入院治療を行う二次救急医療を受け付けてきたことがある。まさに、八西地域の命綱的な存在ともいえる病院であるが、医師は常にオンコール状態で拘束されるなど激務を強いられ、耐え切れずに辞めるケースが多かったと聞く。
その後も新たな医師は補充できず、今年6月から週2日、二次救急の受け入れが出来なくなってしまった。県も協力し、現在宇和島市、松山市などと連携した救急体制づくりを進めているが、当院の救急患者の大部分は地理的条件の悪い佐田岬半島に暮らす人々で、地域特性や住民の暮らしに合致した解決策になっていない。救急車で松山や宇和島へ2時間走ると、軽症患者が重症になったり助けられる命も失いかねないと住民たちは大きな不安を抱えて生活している。
当院ならではの存在意義に、中四国で唯一の原子力発電所「伊方原発」にもっとも近い医療機関として初期被ばく医療機関の指定を受けていることがある。万が一放射線被ばくや汚染を伴った患者が発生したとき、最前線で対応する役目を担っているが、二次救急ですらままならない現状である。
大規模な天災が続いており、南海大地震も30年以内に50%以上の確率で発生すると言われているが、災害発生時に病院は頼りになるのか、地域住民は万が一の恐怖を身近に感じている。医療は人の命に直結しており、人々が毎日を安心して送るために最も欠くことのできないもので、地域や収入で受けられる医療に格差があってはならないが、財政基盤の弱い一自治体の取り組みだけでは、当院が抱える深刻な医師不足問題は解決できない。国や県が思い切って動かなければ、八西地域の医療機関は崩壊してしまうと考える。
八西地域の救急医療体制の維持に向け、県としてどう取り組むのか。
2 肝炎対策
肝臓は「沈黙の臓器」とも言われるように、病気にかかっても気付かない人が多い。しかし、ウイルス性肝炎はいったん発症し、これを放置しておくと肝硬変や肝がんに進行してしまう恐ろしい病気である。肝炎患者に対するインターフェロン治療は、B型肝炎の場合は患者の約3割から4割、C型肝炎の場合は約5割から9割の方に治療効果が期待できるとのことであるが、高額な医療費が治療の促進にブレーキをかけているとも言われている。ウイルス性肝炎は、今や国内最大の感染症となっており、がんと並ぶ国民病とも言われるほどの広がりを見せる現状を鑑みると、一般の肝炎患者に対する手厚い救済策は欠くことができないと思う。
このような中、国では今年度からインターフェロン治療に対する医療費助成などを内容とする新たな肝炎総合対策を開始した。県も国の対策を受けて20年度当初予算に肝炎治療特別促進事業費約3億4,500万円を計上し、慢性肝炎の患者に対し医療費を助成する制度を創設した。県内にはウイルス性肝炎患者が約7,800人いると言われている。
インターフェロン治療などの肝炎対策をどのように進めていくのか。
3 地方局の現状
県の組織体制のスリム化と効率化を目指し、今年4月地方局の統合再編が実施され、新しいサービス体制が立ち上がった。昨年、八幡浜地方局管内の代表者として、八幡浜地方局と宇和島地方局を統合し、宇和島地方局一局を残すことに対する地域住民の不安の声を伝えるとともに、再編後の事務手続き効率化への県の考えを質問した。
総務部長からは、現地即決現地完結型の地方局実現のため、本庁から大幅な事務権限の委譲を行うこと、支局でも事務処理が完結する体制を整え、本局権限の事務であっても可能な限り支局で受け付けることなどの答弁があり、地域住民とともにその行方を見守ってきた。再編整備後3ヶ月が経過し、農地の転用事務など多くの権限が地方局に委譲され、また、南予地域全域で職員定数が50人ほど削減されるなど、効率化、経費節減の面で大きな成果が上がっている。八幡浜地域では、住民から窓口業務で困っている、不便を感じているといった声は聞かない。しかし一方で、支局では担当者が不在で書類の受付のみになるため、様々な相談への対応が不十分になるのではないかという不安の声もある。
地方局再編の大きな目的は、地方に権限を移すことで意思決定が早くなり、地域の声が政策に生かされることにある。再編して「県民サービスがよくなった」「県行政を身近に感じられるようになった」と地域住民に言ってもらえるよう立ち上がり時期の今、このような不安の声に適切に対処するとともに、今後一定の期間はきめ細やかな検証作業を行い、必要な場合には見直し等を行って欲しいと考える。
地方局3局体制をどう認識しているか。
4 農業復活の施策
農家の生産意欲は消失しかねない厳しい状況となっている。一方、世界に目を転じると中国など新興国の急速な経済発展や、世界的なバイオエタノールの需要増大などが穀物高騰を引き起こしている。消費者は「食」に対する不安を募らせ、安定した価格で安心できる農産物を求めている。消費者ニーズと生産者ニーズ、この両方がかってないほど高まって来た今こそ、日本の農業が元気を取り戻し「食」と「農」に明るい未来を切り開く好機ではないか。
全国では既に自ら流通の経路を確保し「売れる」農業を展開している農家や、消費者と生産者が一体となって新しい農産物の開発販売を行っている地域がある。消費者を魅了し、生産者が豊かに暮らせるそれらの試みに共通するのが、地域の特性を生かした画期的な発想と、失敗を恐れない実行力である。
「和をもって貴となす」で始まる聖徳太子の17条の憲法の16条で「畑を耕さなければ何を食うのか」「蚕を育てなければ何を着るのか」と訴え、国を支える根底にあるのは田畑を耕す民の力であり、農業であると唱えている。農業の再生こそが南予の地域活性化に繋がると確信しており、県も農業の担い手確保や高収益農業の展開と新たなる愛媛ブランドの確立など、多くの農業振興施策を推進している。県農政のリーダーである知事には、今一度聖徳太子の言葉をかみ締め、思い切った発想と実行力のある施策をお願いしたい。
愛媛県ならではの施策として、農業復活の好機に最も重要だと思うものは何か。また、今後どのように取り組んでいくのか。
5 八幡浜卸売市場の支援策
八幡浜水産物地方卸売市場は、「さかなのまち」のシンボルとして地域経済に貢献してきたが、施設の老朽化や市場機能の低下もあり、市の活性化対策の一環として整備計画が立ち上がった。八幡浜水産物地方卸売市場は四国最大の水揚げ量を誇り、その多くが京阪神に出荷されるなど、瀬戸内海及び宇和海で操業する生産者並びに県内外の関係者にとって必要不可欠な存在である。さらに、市場の一角に開設している一般向けの「どーや市場」や「やわたはま海鮮朝市」は、市場の活気を感じながら新鮮な海の幸を手軽に買える観光スポットとして人気が高く、地元はもとより県外からも年間5万人もの来場者を集め、南予全体の水産業ならびに観光の一大拠点となっており、今回の市場整備の成否は、南予の今後の経済発展に大きな影響を与えるものと考える。ハード、ソフトともにオンリーワンの市場を作り上げてこそ、他地域との競争に勝ち抜き、生き残っていけるものと確信する。
八幡浜市でも漁協と協力して、より良い市場づくりのための計画を検討しているが、市の予算では最小限の機能しか整備できないのが実情であり、このままではこれからの南予経済をリードする市場に生まれ変わることは難しいのではないかと心配している。今回の市場整備を、南予の経済、愛媛の水産業を元気にするチャンスと捉え、県、市、地元関係者が力を合わせて、安心・安全な魚を提供できる市場づくり、他にはない賑わいと楽しさに満ちた市場づくりを行い、全国にアピールしていくことが重要だと思う。
八幡浜市水産物地方卸売市場の具体的な支援策をどう考えているのか。
6 建設産業への支援について
建設業界は、これまで地域の雇用を守り、地域経済の活力となり、災害発生時には住民の安全を守るなど、多大な貢献をしてきたが、この建設業者を取り巻く環境は激変し、経営を維持していくことにあえいでいる。その要因の一つは、公共工事を含めた建設投資額の激減である。その反面、建設業者数は愛媛県知事許可業者数を見ても平成10年3月の7064社に対して、本年3月でも6285社と11%に減少にとどまっている。全国的にもその傾向は変わっておらず、需要の減少による供給過剰の状態が続いており、この現象は過当競争による低価格受注を招き、現在の建設業者の経営不振の大きな要因となっている。
①県は一般競争入札の拡充、総合評価落札方式における地域要件等においても、地元建設業者に受注機会の確保の具体的取り組みを実施している。昨年9月にも質問したが、地元建設業者の受注機会拡大に関する新たな取り組みについてさらなる配慮を願う。
地元建設業者の受注機会拡大に関する新たな取り組みについて要望。
②耐震偽装事件の再発防止策として、昨年6月に施行された改正建築基準法による建築確認申請手続きの再チェックシステムや罰則の強化の影響により、大幅な住宅着工件数の減少となっている。平成19年度新規住宅着工件数は、対前年比19.4%の減少となった。
今後の建築確認審査にどのように取り組んでいくのか。
③建設業者の経営を圧迫しているのが、建設資材の急騰である。施工する業者は、この値上がりの負担分を発注者等に転嫁できない状況であり、さらなる資金繰りの悪化が懸念され、早急な対応が必要と考える。
発注単価の見直し等の具体的な対応状況はどうか。
④建設業者に対する各金融機関の対応は、今や10年前の建設業者への貸出の50%まで融資残高が落ち込み、新規融資はもちろん既存取引先にも貸出がされないと、数多くの業者から聞く。帝国データバンクの平成20年4月の調査結果では、全国の建設業者の倒産件数が前年と比べ41.2%も急増している。このままでは失業者が溢れ、さらに地域は崩壊の一途をたどることになる。
建設産業への助成事業や融資制度等の支援にどう取り組んでいるのか。
7 大規模災害への対応について
ミャンマーにおけるサイクロン被害は、サイクロンの通過に伴う高潮等により、大規模な被害が発生し、発災後に当局が迅速・的確な対応を執らなかったことも加わり、被害が拡大したと聞いている。また、中国・四川省を震源とする巨大地震は、強い揺れにより家屋やビル、学校の校舎を倒壊させ、広い範囲に被害をもたらしたほか、悪天候や余震等も加わって土石流による二次災害も発生してしまった。こうした大規模災害に関する報道に接する都度、多くの県民が30年以内に50%以上の確率で発生すると言われている南海地震等の大規模災害に対する不安を感じているものと思う。本県でも、平成16年に台風が相次いで上陸・接近し、26人が亡くなる災害が発生したことは記憶に新しい。
県民にとって、この種の自然災害は、決して他人事や対岸の火事ではなく、各種防災関係機関は平素から、特に防災関係機関の中でとりわけ強い執行力を持ち、救出救助、避難誘導、緊急交通路の確保を中心とした交通規制等の重要かつ幅広い任務を担っている県警に対して、発災直後のできる限り早い段階での対応に期待を寄せている。
①県警では大規模災害に対して平素どのような対策を講じているのか。
②昨年の新潟中越沖地震では、救出救助活動に大型切断機等が有効であったと聞く。
救出救助活動に有効と思われる装備品の整備についてどう考えているか。