本会議論戦(大要)
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2008年9月定例会
以下は、2008年9月26日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
大西渡議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 食品不正行為の原因と防止策について
昨年の世相を漢字一字で表現すると「偽」であった。食品偽装や耐震偽装等が多発したことによるものである。これだけ関心を集めたにも関わらず、今年も各地で食品に関する偽装が相次ぎ、9月には輸入汚染米の不正転売事件が発覚しその悪質さに憤っている。
県内においても、2業者が賞味期限切れ冷凍食品を再製品として話め替えたり再加熱して出荷した事件や、うなぎの蒲焼の産地偽装も発覚している。
幸いこれらの事件に関して、今のところ健康被害は報告されていないが、先般の中国製冷凍ギョーザ事件も記憶に新しいところであり、食の安全・安心に関心が集まる中で、再びこれらの事件が起こったということは、業者の商道徳や法令遵守意識が非常に希薄だと思わざるを得ない。
県では愛あるブランド産品など、安全・安心で優れた愛媛の農林水産物を全国にPRするなど確固たる信用を築くための取組みを行っているところであるが、そのような中での誠に嘆かわしい偽装事件であり、本県のイメージダウンにつながってしまう。県は「えひめ食の安全・安心推進本部」を設置し、食品の生産から流通消費までの各段階における安全性の確保に取り組んでいるが、食品安全行政のチエック体制に見直すべき点はないのか。
健康被害を招きかねない食品の不正行為の原因をどう捉えているのか。また、再発防止策に今後どのように取り組むのか。
2 新たな輸送サービスの取り組みについて
全国各地で公共交通空白地域が年々拡大しつつある。いわゆる交通弱者、移動制約者の中でも、高齢者の増加は際立っており、特に過疎地域の高齢者にとって公共交通の衰退は命を削られるに等しいものである。
県内の乗合バスの輸送人員は平成18年度で1,539万9,000人と昭和44年度に比べると約6分の1にまで落ち込み、生活バス路線は平成15年度の44路線から、今年度には311路線へと縮小している。
利用者が少ないために路線が減少し、不便になるため更に利用者が減るという悪循環は、いずれ路線廃止へと向かうであろうことが推測され、移動手段を持たない過疎地の高齢者は、社会から隔絶されるに等しい。
東温市でも公共交通の将来について憂えており、有志の方々による公共交通を考える会が結成され既に3年目を迎えているが、その間バス路線の乗車調査や地区懇談会など地道な活動を積み重ねている。それらの活動を通して利用者の二ーズに合っていない路線経路や時間帯の実態が浮かび上がってきた。市民アンケートによると、バスを利用しているのはわずか5%で、そのうちの50%は高齢者であった。しかし、夏休みになると通学の児童生徒がいないためバスがなくなるなど、運行時間帯が高齢者に配慮されていない。
住民が希望する場所から場所までの移動を低額で提供する新しい公共交通サービスであるデマンドバスを待望する声も上がっている。平成20年度から創設された国の総合的な支援制度では、市町村が設置する法定協議会による地域公共交通総合連携計画がなければ補助対象とならない。連携計画の策定主体は市町であっても、地元市町と共に過疎地域における公共交通の状況を把握の上、広域的な観点から県自ら主体的、主導的な取組みを行い、その充実に積極的に取り組む必要があると考える。
生活バス路線の維持・確保や、デマンド交通などの新たな輸送サービスの導入促進に、県としてどのような支援を行っているのか。
3 正規雇用化について
最近の社会環境の悪化は目を覆うものがある。特に青少年による凶悪犯罪が多発しているが、周囲から相手にされず孤立感・疎外感を募らせたことが原因の1つとも言えるのではないか。
規制緩和による派遣業務の範囲拡大は終身雇用の崩壊を招き、年収・生涯賃金の差は歴然と大きくなりつつある。そのような中でおりのようにたまっていく派遣先でのストレスや、負け組などという職場や社会に対する悲壮感が犯罪へと結びついてしまったのではないか。
年収200万円以下の人が1,000万人を超えると言われ、いくら働いても給与が上がらず、低所得から抜け出せないいわゆるワーキングプアの存在が若者の就労意欲を滅退させる要因とも言われている。フリーター、パート派遣・契約社員など、非正規労働者は全国で労働人口の3 分の1の1,700万人、本県では15万9,000人で労働人口の34.5%であり、また、ニートは1万500人と推計され、本県の15歳から34歳の若者全体の約3%で全国ワースト5位と聞く。
「恒産無き者は、恒心無し」という孟子の言葉の通り、将来の展望や夢を持って生きられるような労働環境の安定が、若者を支える社会のあり方として担保されなければならず、派遣社員といった不安定な就労状況にある人を正規雇用へとシフトさせていくことが、地域や社会の安定につながるのではないか。県ではジョブカフェ愛workやえひめ若者サポートステーションと連携して県内雇用状況の改善に尽力している。
今後の正規雇用化目標とその取組状況はどうか。
4 ふるさと生活体験推進事業について
本年8月文部科学省から平成19年度における小中学校の不登校児童生徒の状況が公表された。小中学校の不登校児童生徒は2年連続して増加しているとのことである。本県においても全国同様小学生148人、中学生960人と平成18年度より増加傾向に転じている。これは、個人の問題だけでなく、友人関係や親子関係、児童生徒を取り巻く環境の変化にも要因があると思われるが、現在の社会環境、教育環境の中で特効薬はない。
このような時こそ、子どもには幼児期や低学年のうちから善悪の判断力や基本的なしつけを身に付けさせるべきであり、他者との関わりや多様な体験の中から、人や生き物を思いやる心、命を大切にする心、感謝の心や忍耐力を育てることが必要である。
同様の趣旨の下、今年度から総務省、文部科学省及び農林水産省が連携し、環境省の協力を得て 「子ども農山漁村交流プロジェクト」が実施されている。これを受けたものが、学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などを育み、力強い子どもの成長を支える教育活動としての 「農山漁村におけるふるさと生活体験推進校」であり、県内では今年度3校が推進校となったと聞く。豊かな国を残していくのが我々の務めであり、金銭に直結しないこと、すぐに結果が出ないこと、形に見えないことを無駄だと決め付ける現代の世相にあって、子どもを守るために真にすべきことについて警鐘を鳴らし続けたい。
県教育委員会が取り組んでいるふるさと生活体験推進事業の実施状況はどうか。また、児童生徒の豊かな心を育てるための取組みはどうか。
5 道路整備と信号機設置について
(1)経済や文化のバロメーターである道路は、地域の自立と活性化を促進するものである。昨今の道路行政では交通弱者対策や事故抑止対策などが重要施策として位置付けられている。
東温市は毎年人口が増加しているため、生活道路などはそれに伴って改善しなければならない。
県道森松重信線は、東温市の幹線道路であり、当県道の見奈良地区周辺においては、市役所、伊予鉄道見奈良駅、東温高等学校、重信中学校、県立しげのぶ特別支援学校、県立子ども療育センターなどの福祉施設が立地しており、通勤通学の歩行者・自転車の他、車椅子も多く通行している。また、大型ショッピングセンターや、坊っちゃん劇場などがあることから、通勤通学時間帯や休日には交通渋滞や重大な事故も発生している。
当県道は、歩道の幅員が狭く、歩行者、自転車の通行に支障をきたしているが、主要な交差点に右折レーンが設置されていないことが原因と考えられ、歩道の拡幅及び右折レーンの設置を切望しているところである。
県道森松重信線の見奈良地区付近において、歩行者、自転車などの安全確保及び交通渋滞の解消について、今後どのように取り組んでいくのか。
(2)県議を拝命以来、県民から一番多い要望が信号機の設置である。幹線道路である国道11号線に加え、高速道路の川内インターチェンジがあるため、アクセス道路として伊予川内線など周辺の道路は交通量が急激に増加しているように思う。
また、愛媛大学附属病院への緊急車両や通院車両も多く、東温市内では重大事故発生の危険性の高い箇所が多くあり、高齢化等に伴い通過車両による巻き添え事故も頻繁に発生している。
県警によると8月末までの県内の今年の交通事故死者は64人で、このうち65歳以上の高齢者は46人にのぼり全死者に占める割合は71.9%
でこの比率は全国ワースト1位である。県警交通企画課の分析では、46人のうち20人は歩行中や横断中の高齢者であり、そのうち16人が夜間や早朝に事故にあっている。残念ながら、東温市は人口10万人当たりの交通事故死者数が県内ワースト2位である。
県警では、高齢者のための事故防止対策を様々行っているが、信号機の設置は事故防止に何より寄与すると思われることから県民の安全確保のため早期整備を強く要望する。
県警は信号機の設置についてどのように考えているのか。
6 ふるさと納税制度について
出身地や応援したい自治体に寄附をする、いわゆるふるさと納税制度への取組みが5月から本格的に始まり、ほぼ5か月経った。全国の自治体で寄附への協力を呼びかける動きが広がりを見せるにつれ、これらの動きが報道される機会も増え、この制度も少しずつ人々に浸透してきたのではないか。
ふるさと納税制度は、厳しい財政状況にある本県にとり貴重な財源を得られる機会である。しかし、この制度は税制上の寄附控除の手続きが煩雑であるなど、寄附者が少し不便さを感じるところがあることや、制度自体を認識していない人が多いなど、まだまだ粘り強い普及啓発活動が必要であると思う。
ホームページの開設、ダイレクトメール、ちらしの配布など、自治体により様々なアイディアを生かした活動が展開されていると聞くが、この制度への取組みを通して、愛媛を想う出来るだけ多くの人々からの寄附金がふるさと愛媛の更なる発展につながることを願う。
ふるさと納税制度の普及啓発に今後どのように取り組むのか。また、本県への寄附の申出状況はどうか。
7 医療に関することについて (要望)
(1)療養病床の再編成について
入院患者とその家族等から医療難民になるのではないかとの不安の声が寄せられている。また、転換対象である医療区分一にも医療の必要性が高い患者も多く含まれる。療養病床の再編成の推進に当たっては入院患者と家族の希望や意志を尊重し、医療難民が出ることのないよう、慎重に進めてほしい。
(2)医師確保対策の取組みについて
全県的に見ると医師不足は深刻な状況にある。新研修制度により派遺医師が不足しているため、初期臨床研修制度の見直しが必要と考える。県民の命を守るため、県においては医師確保のための様々な取組みを実りのあるものとするため一層の尽力を願う。
木村誉議員(公明党・新政クラブ)の一般質問(大要)
1 南予の養殖業について
先月、愛媛大学南予水産研究センターを訪問し、新しい水産学という同センターのコンセプトや、その研究成果をもって地域と世界に貢献するとの意欲に、思わず快さいを叫ぶ思いがした。南予の基幹産業は水産業だということを改めて肌で感じ、それが元気にならなくては未来が展望できない程、水産業は南予地域のかけがえのない価値ある産業だということを再認識した。
また、漁業者との対話で、原油高騰に対する悲鳴を肌で感じ、水産業界の構造改革の必要性を漁業者自ら感じていることも初めて知った。
宇和海は、地理的特性から養殖業が盛んで、本県は養殖生産額日本一を誇っており、県水産研究センターに加え、愛媛大学南予水産研究センターという新たな拠点を得た。今、世界では石油ばかりではなく、食糧全般についても、その限られた資源とどう向き合うのかが問われている。漁業資源を考えた場合、養殖はシェアの概念であり、世界市場のプランニングが可能な将来性あふれるビジネスになりうると思う。
養殖業のシリコンバレーになるということは、養殖に関する世界最先端の研究がここで行われ、世界から人材、情報、様々なマーケティング機関が集まり、その結果、水産物そのものを扱う1次産業はもちろん、個食・中食・外食向けなど様々なチャネル向けに水産物を加工販売する2次産業、水産物が持つ有効成分を抽出した健康食品・化粧品などの通信販売といった3次産業、そのいずれの分野にもトライアルなべンチャーが集う地域になるということであり、今、大事なことは、県民に対しそうした大きなビジョンを示すことではないか。
南予地域は、養殖業のシリコンバレーを目指すべきと考えるがどうか。
2 若者の自立について
日本は、かつてのように利益を分け合った時代から、負担を分け合う時代に入ったと言われている。世界でも例のない急速な少子高齢化が進展する時代にあって、急増する高齢者を支え、この国を支えていくべき若者の中に、経済的・社会的に自立できない若者が増えている。
総務省によると、直近の平成19年時点で、フリーター人口は181万人、ニート人口は62万人、合わせて約243万人とのことである。本来、社会を支える側が、支えられる側に回っている、あるいは支える側に回れないというのは、財政上の社会効率からいえば非常に大きなロスと言わねばならない。
一方、現在の社会の仕組みや不条理が、そうした若者たちの自立を困難なものにさせているとしたら、それは政治の責任である。責任を持って社会に道理を取り戻し、若者たちの経済的・社会的自立の実現に取り組まねばならないと強く思う。
(1)若者の自立をテーマとして活動に取り組んでいる方々と交流を重ねてきたが、極めて高い志に基づいて、若者の自立を目的とした活動に取り組む様子に、心から感謝する一方、それぞれの活動が点に留まっていることはもったいないと感じており、行政は、その点を面へとつなぐコーディネートをもっと積極的に行なわねばならないと痛感した。
9月1日に県総合保健福祉センターがオープンしたが、関係者にとって心強い追い風となるよう大いに期待を寄せている。
また、厚生労働省では来年度、引きこもり者や家族の相談専門窓ロとなるひきこもり地域支援センター (仮称)を、全都道府県に設置するという方針を固めたとの報道があった。
ひきこもり者の自立支援体制の構築に向け県総合保健福祉センターをどのように位置付けるのか。また、民間の取組みをどのようにつなげ広げていくのか。
(2)ひきこもり者の多くの家族は、それを世間に隠しがちであるため、実態の掌握は困難であるが、手を差し伸べるべき若者が、どこに、どれだけ、どのような事情でひきこもっているかわからない状況では、適切な対策を講じられない。
ひきこもりは、長引くほど解決が困難になるということは、学説的にもはっきりしていることであり、対策は急がねばならない。
行政がサポートする旨の温かいメッセージを、ひきこもり者と家族に届く形で、また届くまで発信し続けることが大事であり、そしてサポートを求める動きと流れが起きて初めて、ひきこもり者を顕在化させることができる。その結果明らかとなった、社会不安障害、発達障害、統合失調症等といった個々の実態に即して初めて、適切な対策が講じられると考える。
ひきこもり者の実態を顕在化させ、それぞれの態様や課題に応じた支援が大事と考えるがどうか。
(3)ひきこもった若者を、各種機関や施設に連れ出したり、社会活動や職業訓練に参加させたりすることは、決して容易ではないことから、こちらから足を運び、ひきこもり者の閉じた心を開かせ、少しずつ社会との関係を取り戻していくという粘り強い往復作業、つまり訪問活動が重要である。そのためには、専門スキルを有した訪問指導員の人材育成が不可欠である。
ひきこもり問題の解決は、民間ノウハウを結集させるべきと考えており、例えば、行政がコーディネーターとなって、関係団体が一堂に会し、それぞれの訪問成果を発表し学び高めていく場と仕組みを作ってはどうか。
ひきこもり者への訪問支援について、これまでの取組みと今後の対応はどうか。
3 がん対策について
本年7月、高知県のがん対策の取組みについて視察を行ったが、本県と異なるのは、計画とともに条例まで制定されている点である。
高知県の条例では、医療関係者以外に、患者、家族、遺族の方々を加えた「がん対策推進協議会」を位置付け、協議会を中心に県の計画を推し進めていくということを規定しており、この意味は非常に大きいと思う。
(1)愛媛県がん対策推進計画の基本方針には、がん患者を含めた県民の視点に立ったがん対策の実施が記されている。
本県もがん対策推進条例を制定すべきと考えるがどうか。
(2)高知県では、「がん相談センターこうち」を民間に事業委託する形で稼動させ、がんに対する不安を抱える人々が気軽に相談できる場所として、着実に成果を収めつつある。
本県の相談支援・情報提供体制の整備状況と今後の見通しはどうか。
(3)国のがん対策推進基本計画の中で、重点的に取り組むべき課題の1つとして、治療の初期段階からの緩和ケアの実施が掲げられている。
緩和ケア病棟を有する県内の病院は、現在、松山圏域の2施設・45床、東予・南予地域には未整備という厳しい現状で、緩和ケアの実施に関して、医師等の人材育成とともに、緩和ケア病床の確保と整備が必要であると考える。
緩和ケア病床にかかる県の方針を含めて問う。
緩和ケアを推進するため、今後どのように取り組んでいくのか。
4 離島・過疎地域対策について
この夏、本県の有人離島33島のうち9島を訪ね、それぞれの島にそれぞれの課題を感じたが、共通して挙げられる課題は、やはり社会資本のぜい弱性ではないかと思う。
上島町では同じ町内の弓削島と岩城島の間を車で移動するのに、島民の足であったフェリー航路が、本年6月、経営判断によりその区間の運航を廃止したため、県境を越え因島を経由して行かなければならない。
このことは、離島に限らず、中山間地域が大部分を占める過疎地域などにおいても、バス路線の廃止など、今後容易に起こりうることである。
また、交通だけではなく福祉、医療、教育も同様で、同じ県に暮らしていながら、地域格差が厳然とあることに気付かされ、それが拡大していると感じられてならない。
(1)離島・過疎地域等にみられる社会資本の地域格差をどう認識し、その対策にどう取り組むのか。
(2)上島架橋整備事業のうち、岩城橋の今後の見通しはどうか。
5 公益法人制度改革について
本年12月から、新公益法人制度がスタートするが、平成19年10月時点で、国が所管している公益法人は約6,700、都道府県が所管している公益法人は約18,000で、本県所管の公益法人数は、本年4月時点で257となっており、今回の制度改革はここにメスを入れようとするものである。
公益法人の設立許可と監督については、明治以来、一度も書き換えられることなく、主務官庁である国や都道府県の裁量権に基づいて行われてきたが、明確なルールや統一基準のない中で公益が裁量されるということは、既に、その構造自体に天下りや不正の温床があったと言わざるを得ない。
今回の制度改革の最大のポイントは、公益を誰がどのように認定するかというルールを初めて明確にしたという点にある。
新制度による公益法人の見直しは、移行期間である今後5年間で行われるが、本制度改革の局面は、国と同様、本県行革においても非常に重要なポイントと考える。
(1)今回の公益法人制度改革の意義についてどのように考えているのか。
(2)県公益認定等審議会のメンバーをどのような基準で選任じたのか。
(3)新公益法人制度の運用について、今後どのように取り組んでいくのか。
鈴木俊広議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 地方局職員について
近年、基礎自治体である市町には、市町村合併による所管区域の広域化や地方分権に伴い、機能や権限の強化が求められ、一方、県には、広域自治体としての調整能力や専門的で高度な行政執行能力が求められている。このため、県は、県と市町との行政分担の変化に対応し、国の改革に伴う交付税の大幅削減による危機的な財政状況を乗り切るためにも 「機能・能力の高度化」や 「県組織のスリム化」など、県の行政運営のあり方を大きく転換しなければならなくなったことから、本年4月に地方局を新たに3局体制に再編し、スタートさせたものだと考えている。3局体制を見ると、組織体制については、組織や人員の集約化のメリットを最大限に活かし、地域政策の企画立案機能や危機管理機能のほか、産業振興への取組体制の強化など、地域の特性に配慮した組織づくりがなされ、きめ細かで期待の持てる組織体制であると思う。また、機能強化についても権限委譲が積極的になされ、部局横断的な執行体制や企画調整機能も拡充・強化されており、地域政策懇談会や地域戦略推進会議が、早々に設置、開催され、地域二ーズを的確に把握し、地方局が予算編成にも参画して、県の地域政策に地域の声を反映させるため積極的に取り組んでいる。「新ふるさとづくり総合支援事業」が創設され、市町が取り組む特色のある地域づくりに支援されていることにも、大いに期待している。先月、各地方局において策定された、今後の地域づくりの基となる「地域振興重点化プログラム」の内容を見ると、色々な角度から検討され、知恵を出し合い3局体制の現実を見据えたプログラムであると強く感じ、これらの実現のために我々もあらゆる努力を傾注しなければならないと思った。このようなすばらしい計画も立案だけでは絵に描いた餅で終わる。現実にどう動き、地域といかに協力体制を構築して、それを実行するかが大切であり、この計画の成功の鍵を握っているのは、現場地方局の職員の力であることから、その資質を向上させて、職員にやる気を持たせ、持てる力を十分発揮してもらうことが一番重要であり不可欠だと思う。一例として、職員のやる気を出させる手段の一つとも言える昇任のうち、第一の目標とも言える課長職への昇任人数を見ると、3局体制スタートの平成20年度は、事務職が本庁132人中18人で13.6%、出先163人中3人の1.8%、技術職は本庁38人中12人で31.5%、出先297人中31人の10.4%などとなっており、本庁と出先では非常に大きな開きがあり、この数字を見て少し疑問を感じる。知事はいつも「県民の目線で」と言っているが、土木や保健所、税務など、身近な県政を担っているのが出先の職員であり、そこを訪れる県民にとっては、対応する職員一人ひとりが、いわば知事その人なのである。
山本五十六の語録にある「やってみせ、言って聞かせて、させて見せ、褒めてやらねば人は動かじ」という心で、知事も県職員をリードし、生かして欲しい。新しい地方局制度を定着させ確実なものとさせるには、仏作って魂入れずと言われるが、新地方局体制を担う、いわば仏の魂とも言える現場の地方局職員が大切なのである。
地方局職員の士気高揚や意識改革に向け、どのように取り組んでいるのか。
2 消防広域化の実現について
昨年、消防組織法の改正に伴い、平成19年度中に策定しなければならない消防広域化推進計画の策定状況について質問したところ、当時の部長から「策定状況については、10月下旬に実施した検討部会において、広域化の組合わせ案として県下1ブロック案を第一に、副案として県下3ブロック案を各消防本部にたたき台として提示した。この組合わせ案について、各消防本部から市町へ報告が行われ検討されており、県としても全市町の首長等を訪問し。県下1ブロック案を第一案とした理由の説明あるいは各市町が抱えている問題点等について、協議を行っている」との答弁があったが、現実は、本年9月4日の 「第2回県消防の広域化及ぴ消防救急無線の広域化・共同化等検討協議会」において了解され、この中で、最も重要課題である広域化対象市町の組合せとして、「県下1ブロック案」と「県下3ブロック案」が示されたことは結論を先送りしたと思う。
消防の広域化は単なるブロックの問題ではなく、機能、体制の問題であり、市町の消防の広域化の必要性として、消防は、災害や事故の多様化及び大規模化、複雑化、過疎化、少子高齢化、住民二ーズの多様化等の消防を取り巻く環境の変化に的確に対応し、将来に向けて住民の生命、身体及び財産を守る責務を全うしなければならない。また、推進計画には、「広域化によって、災害発生時における初動体制の強化、統一的な指揮の下での効果的な部隊運用等、消防力の強化による住民サービスの向上や消防に関する行財政運営の効率化と基盤の強化が期待される」と明記されており、県下全域で広域化を果たし、県内の消防指揮権を一元化し、事務の簡素化、効率化を図り災害危機管理能力の向上に努め、地域密着型の消防を実現してこそ広域化理念に沿った市町の消防広域化であると思う。また、あらゆる災害に対し、消防と一体となって立ち向かわなければならない警察との連携についても県下全域を管轄とし、より強い災害連携体制を作り上げることが必要である。さらに、県下全域で共同整備を進める消防救急無線のデジタル化と同様、消防指令センターの共同運用等についても、県下全域で据えるべきである。消防広域化組合せの各首長の考え方も、約8割が「県下1ブロック案」に賛成並びに条件付き賛成であり、全ての県民の安心・安全の確保並びに道州制を見据えると、「県下1ブロック案」が最善の方法だと思う。県は強力なリーダーシップを取り、早期の決定をお願いしたい。
消防広域化推進計画の策定後の広域化実現に向けて、県はどう取り組むのか。
3 安心できる地域医療を担う県立病院の役割等について
地方の医療機関や医療体制は、国の医療改革のもと、平成16年度から義務化された新臨床研修制度が導入されたことで、医師の偏在等により医師不足が生じ、深刻な状況に直面している。このような中、「第5次愛媛県地域保健医療計画」がスタートし、必要な地域医療の確保等を基本理念に、県民が安心して暮らせる医療体制の確保に向けた取組みに期待が寄せられる。
(1)宇摩圏域の2次救急について
宇摩圏域における医療機関や医療体制の現状は、一般病床数、医師数とも県下6医療圏域で最も低い水準で、いずれも全国平均を下回り、隣接する新居浜地域や香川県三豊地域等へ否応なく依存しなければならない状況に置がれている。一方、受入側の近隣の医療圏域においても、宇摩圏域からの受入件数の増加等により、医療体制の維持は難しい事態に陥ることが懸念されており、とりわけ二次救急、小児科、産科等は早急な対策を講じなければ、近隣の医療圏域を巻き込んだドミノ倒しのような地域医療の崩壊という危機的状況になることが危惧される。宇摩圏域を支える医療体制の現状は、大病院を中核とした医療体制とは異なり、県立三島病院、四国中央病院、石川病院及び長谷川病院の4病院が中核となり、支え合う形で地域医療を担っており、その一翼を担う県立三島病院においては、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科に続き、7月から小児科が救急輪番時を除き休診の状況となっている。宇摩圏域における小児科医は、24時間診療体制を確保することは到底困難な状況であり、二次救急においては、四国中央病院と輪番時のみ対応の県立三島病院の2病院での対応で、小児救急の受入れに関して、一次・二次救急とも既に危機的な状況に陥っている。さらに、産婦人科に至っては、緊急時の対応が到底困難な状況である。救急医療に関しても、四国中央市の一年間の救急搬送全体の2割が市外へ搬送され、その半数近くが県外への搬送となっており、現状の4病院による輪番制は十分でなく、その上、輪番制の4病院の一角が崩れるという事態になれば、二次医療圏としての宇摩圏域の全面的な救急医療の崩壊に繋がることが懸念される。併せて、当地域の地形上、隣接する他市へのアクセスは、国道11号線と高速道しかなく、ライフラインが寸断されれば、市外への救急搬送等が出来なくなるという非常事態をも考慮した安全で安心な医療体制の確保が求められている。県立三島病院は二次救急の一翼を担うにとどまらず、災害時医療や感染症治療等、重要かつ中核的な役割を担う公的医療機関として、県の計画等の中で位置付けられるとともに、公的医療機関としての役割が明記されているが、医師不足等の影響により一部診療科において休診を余儀なくされ、このままでは、県の計画等に位置付けられている、救急医療をはじめとする政策医療の提供が極めて困難になると思われる。
宇摩圏域で喫緊の課題である二次救急をはじめ、小児科、産科医療の確保をどのように考えているのか。
(2)県立病院の運営について
県立病院の経営環境は、診療報酬の引下げや医師法の改正による医師不足など厳しい状況に置かれていることは十分承知しているが、県民の生命に直接係わる医療の根幹を成す県立病院に関しては、経営の効率のみを論ずるのではなく、県民の安心・安全を最優先する病院運営が求められていると思う。
県は、地元行政との連携も含め、今後県立病院の運営にどのように取り組んでいくのか。
4 観光客誘致の取り組みについて
8月22日から24日の日程で、福島県で全国都道府県県議会議員親善野球大会が開催され、本県が念願のブロック優勝を果たした。来年は、全国親善野球大会を愛媛で開催することに決定している。今回の大会での経済効果を試算してみると、26チーム(約600人)が参加し、約6, 000万円が福島県に2泊3日で落ちたことになる。このことを考えると、いかに他県から人が来てくれるか、来てくれるような仕掛けをするかが重要で、これはまさしく観光産業であると思う。
日本全体での観光産業における経済波及効果について、国土交通省 「平成18年度旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」によると、平成18年度の国内の旅行消費額は、23兆5,400億円であり、これによる直接の雇用創出効果は215万人、消費がもたらす生産波及効果は52兆8,900億円で、これにより442万人の雇用創出効果があると推計され、これはGDPの5.6%、総就業者数の6.9%に相当するとなっている。観光産業は「21世紀最大の産業」と言われており、本県にも各地域に全国に名高い観光スポットがある。これを活かす手段として、各種全国大会誘致に積極的に取り組むことが経済活性化に繋がると考えるが、こうした観光客を誘致するためには、愛媛の観光資源を全国に積極的にアピールし、知名度を上げる必要があると思う。
県は、全国大会の誘致等を含めた観光客誘致に向けて、どのような取組みを行っているのか。また、その受入態勢はどうか。
5 突発性災害における県警の対応等について
今年の夏本県は、梅雨の時期の降水量が少なく水不足により渇水対策を講じている一方で、全国的には、特に東日本を申心に各地で大雨による被害が相次いで発生し、地域住民の命を預かる警察や消防の対応がいかに重要であるかということを再認識させられた。7月28日に神戸市灘区の都賀川で発生した災害では、大雨による増水のため、遊んでいた学童らが流され5名が亡くなり、8月5日には東京都豊島区の下水工事現場において、作業員6人が豪雨めため増水したマンホール内で流され、5名が死亡というショッキングな出来事が発生するなど、各地で尊い命が犠牲になりマスコミでも大きく報じられた。これらの被災者は、突然大量の水に襲われ、どうすることもできなかったのが実情だと思う。こうした 「局地的な集中豪雨」は気象予測が難しいと聞くが、被害を未然に防止し、あるいは被災後、速やかに救助することができるのであれば、可能な限りの手立てを講じて欲しい。
(1)大雨により、人が流されるというような事案が発生した場合に備えて、どのような装備を持ち、どのような訓練を行っているのか。
(2)消防との連携も含め、県警はいかなる対応を取るのか。
(3)県警では、平成19年4月に通信指令室のシステムを一新し、その導入効果として、警察官が現場に到着する時間が大幅に短縮したと聞く。
また、今年の初めに110番の通報件数が3年連続して減少したという新聞記事を見たが、その中に、携帯電話からの110番通報が増加しているとあった。携帯電話は、通報者が移動中であったり、地理不案内の場所からの通報であることにより、通報者の位置を確認することが非常に困難であると聞いており、今後パトカーの到着時間が延びることも懸念される。
本県における携帯電話からの110番通報の現状はどうか。
(4)8月16日に栃木県鹿沼市の高架下で発生した軽乗用車の水没事案では、被害者や目撃者が携帯電話で警察や消防に通報したにもかかわらず、救助できながった背景には、110番や119番通報がふくそうし、発生場所を誤認したことや、警察と消防等の連携の不備があったのではないかと言われている。このような中、一部の都道府県では、携帯電話からの110番通報についても自動的に位置情報を把握できるシステムを導入していると聞く。
全国における携帯電話の位置情報を自動的に把握できるシステムの導入状況及び本県における導入の見通しはどうか。