本会議論戦(大要)
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2008年12月定例会
以下は、2008年12月3日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
笹岡博之議員(公明党・新政クラブ)の一般質問(大要)
1 定額給付金について
追加経済対策の目玉となる、総額2兆円に上る「定額給付金」を評価しないとの声もあるが、11月17日付けの日本経済新聞によると、定額給付金の支給について、賛成、どちらかといえば賛成という意見が63%を占め、好意的な反応の方が多いと伝えている。賛成の理由は 「家計が厳しいので助かる」が48%、「定額減税より効果が期待できる」が19%、「公共事業費を増やすより望ましい」が17%となっており、「たしかに、日々の食卓に欠かせない食料品などの値上げで家計は以前より苦しくなっている」と補足している。
我が会派は、本年4月からの原油価格高騰に食料品の値上げが追い討ちをかける中、県民との対話を積極的に行ってきた。大変な事態となっているというのが実感である。中小企業も大変な状況である。貯蓄に回るという意見があるが、いまや貯蓄率は3.2%という状態であり、貯蓄に回す余裕のある人は多くない。定額給付金の理念は、第一に生活支援である。生活費を含めて、使うということは消費につながるということであるから、結果的に景気浮揚になるのは明確である。
(1) 知事は、定額給付金についてどのような評価をしているのか。
(2) 定額給付金に関し、県はどのような役割を果たすのか。
2 ドクターヘリについて
11月中旬、徳島県の消防防災航空隊を訪れ、ドクターヘリ的機能の導入経緯と現状及び課題について聞いた。
徳島県では、ここ数年の緊急運航のうち、救急活動の件数が増えてきており、特に道路事情が悪く、医師不足が深刻である県南部の救急医療体制を補完する意味合いも大きく、平成18年5月に移転新築した徳島赤十字病院との連携により、ドクターの同行が可能になったとのことである。救急でドクター同行の要請を受けた防災ヘリは、装備替えをして離陸までに10分から15分、徳島赤十字病院に10分弱で到着、ドクターと看護師を乗せて当該病院に飛行し、患者を乗せて治療しながら徳島赤十字病院に搬送するというパターンがほとんどで、運航実績は早月工日の開始から12件あり、患者や家族から大変喜ばれているという。今後は、いかに早く患者を徳島赤十字病院に搬送するかということで、消防からの事前要請までの時間と、ヘリの装備替えの時間の短縮などが課題であるとのことである。
本格的なドクターヘリは、現在、13道府県14機が配備されているとのことだが、年間2億はかかるといわれる維持経費等の問題で普及が遅れているという現状がある。我が会派は、これまでもドクターヘリ導入の要望を行ってきたが、島しょ部や陸上交通の便が悪いところの多い本県にこそドクターヘリが必要であると思う。
(1) 本県の消防防災ヘリコプターの救急活動の実態は他県と比較してどうか。
(2) 救急救命士の消防防災航空隊への配置について見解を問う。
(3) 本年2月議会で、「専用ヘリコプターの導入も有効な方策のひとつであることから、今後の課題として、四国4県による連携の可能性も含めて研究してまいりたい」との答弁があった。
ドクターヘリの導入検討の進ちょく状況はどうか。
(4) 高知県では、高知医療センターの救急担当ドクターのうち、希望するドクターには吊下げ装置によるへリコプターからの昇降訓練を受けてもらい、事故現場等に消防防災ヘリで同行する場合もあると聞く。8月の宇和島の戸島での住民との懇談、9月の佐田岬半島の突端に近い集落での住民との懇談の際に、多くの方が要望されていたのはドクターヘリの導入であった。県行政の使命は県民の大事な命を守ることである。
ドクターヘリの導入に関し、国に対して現状以上の予算措置を要望するのはもちろんだが、同時に、本格的なドクターヘリ導入前の緊急措置として、消防防災ヘリへのドクターヘリ機能の付与を強く要望する。
消防防災ヘリコプターへのドクターヘリ機能の付与について見解を問う。
3 がん患者への相談支援の充実
10月初旬、愛媛がん患者・家族会「おれんじの会」の例会で、島根がんケアサロン代表の納賀良一さんの講演があったが、島根県では「がん患者サロン」という患者関係者が運営する相談・支援窓口が現在20か所あり、注目すべきは、島根県内のがん診療連携拠点病院6か所すべてに「がん患者サロン」が設置され、相談窓口にがん経験者がおり、患者・家族の相談にも対応するということである。
四国4県の患者・家族会が協力して、四国に18か所あるがん診療連携拠点病院の「相談・支援窓口」について、初めての聞き取り、アンケート調査を8月、9月に行った。その調査結果では、他県より本県の7病院の「相談・支援窓口」が充実しているような印象を受けるが、改善点も多いと思う。
7か所のがん診療連携拠点病院への調査結果では、がん専用相談窓口があるのが3病院、相談件数は7病院合計で月約700件あり、電話が59%、対面が41%、患者会の情報を把握しているのが3病院となっている。
次に、がん患者とその家族への調査結果では、相談窓口の対応に不満足なのが39%で、その理由には 「相談時間が短い」「悩みや苦しみを親身に聞く態度ではない」などが挙げられている。相談したいのにできなかったという意見も多く、「医師が多忙すぎて声をかけにくい」「誰に話せばよいか分からない」との内容になっており、相談窓口へのがん経験者の配置については85%が賛同している。
がん患者と家族にとって、同じ経験をしている先輩患者の「励まし」や「生死をかけて得た知識」は、不安や恐怖を和らげ未来に希望を持つことにつながる。患者会は 「私たちの患者力を活用してもらいたい」「自分たちと同じ思いをさせたくない」との思いで活動を続けている。がん連携拠点病院の相談窓口への患者会からの相談スタッフの参加を検討してほしい。
がん相談・支援体制の充実強化に今後どのように取り組むのか。
4 若者の自立支援について
アメリカ発の世界的金融危機による不景気、雇用環境の悪化の中、愛媛若者サポートプランをより実効性のあるものにしていくためにも、関係各機関の相互連携が今以上に求められている。
若者サポートステーションは、現在全国に77か所設置されており、四国には、本県に1か所、香川県に2か所、高知県に2か所、徳島県に1か所となっている。人口比で考えると、本県には複数あってもおかしくない。特にニートの比率が高いとされる本県では、東中南予にそれぞれ1か所をという要望、また、東予、南予にえひめ若者サポートステーションのサテライトをというような要望もあると聞いているが、やはり地域のことは地元の団体等が自治体や関係機関としっかり連携を取りながらすすめていくのが望ましい。そのうえで、地域ごとの若者サポートステーションが連携を取りながら切さたく磨していくのが理想である。
様々な事情から就労していなかった1人の若者が、就労意欲を持つようになり、その後就職する。そこにはそ生のドラマがあり、様々な人達の励ましがある。家族が喜び、周囲の人達が喜び、何よりも本人に人生を生き抜いていく希望と喜びが湧く。その喜びは、同じ悩みを持つ若者に伝ぱし、勇気と希望を与えていく。経済という一面から見ても、効果は計り知れない。
(1) 県と関係機関、また、関係機関相互の連携については、定期的な連絡協議会での情報交換こそ、各組織の特性を生かす最良の道だと思う。
関係機関等の連携について、現状と今後の取組みはどうか。
(2) ニート対策を大きく前進させるためには、地域の事情に詳しい民生委員など、様々な関係者と連携し、支援を必要とする若者に対し、自立へ向けた適切な支援を提供していくことが必要と思う。
ニートの掘り起こしと支援機関への誘導に県はどのように取り組んでいるのか。
(3) 中予以外にも若者サポートステーションを設置してほしいがどうか。
県内地域ごとの二一トの状況分析を含めて問う。
5 OA実務科訓練生の就職について
10月初旬に、松山高等技術専門校を訪問した。障害者職業訓練のうち、発達障害者対象のOA実務科は、本年7月から厚生労働省のモデル事業として開始をしているとのことであるが、発達障害者といわれる人たちは、その個性を理解した上で対応すれば高い能力を発揮することがあると言われており、コンピューターの操作に長けている人も多く、あとは周囲の理解があれば、十分職場の戦力になるとのことであった。モデル事業として導入した職業訓練であるから、実績を上げ、定着してほしいと強く念願する。
OA実務科を修了する訓練生の就職こそが、本人そして家族、関係者の切なる願いである。そのためには、企業の経営者や採用担当者に発達障害者のことを理解してもらう必要がある。
発達障害者を対象とした職業訓練であるOA実務科訓練生の就職に向けてどう取り組んでいるのか。
6 県立病院の看護体制の充実について
県立中央病院では、診療報酬で優遇される患者7人に対して看護師1人の「7対1看護体制」ではなく、「10対1」になっていると聞く。
県立病院に入院している患者から「看護師さんを呼んでも、すぐに来てくれない場合がある」「丁寧に処置をしてくれない」などの話が伝わってくる。また、働いている看護師の関係者からは、「疲れているようで心配」という声も聞かれる。医師不足や看護師不足の問題は、当事者の過重労働につながり、極度の肉体疲労から多少でも労働環境の良い職場に移る人が出て、それが残った人の更なる負担につながる悪循環の状況にある。新規に応募してくる看護師も「7対1看護体制」の病院を選ぶ傾向にある。
また、中央病院の建替えに伴って院内保育を充実させると聞いているが、現状を鑑みると「待ったなし」ではないかと強く思う。育児休業中の看護師ができるだけ早く職場に復帰できる環境を整えることと同時に、新規に応募してくる看護師にも魅力であると考える。
(1) 中央病院の院内保育では、3歳までしか預かっていないと聞いている。
院内保育対象年齢を就学前までに拡大するなど、院内保育の充実について見解を問う。
(2) 看護師の募集における45歳までの年齢制限について、看護師不足の現状を踏まえ、引き上げるべきではないか。
県立病院の看護体制の充実に今後どのように取り組んでいくのか。
豊島美知議員(民主党)の一般質問(大要)
1 医療問題について
(1) 国の医療政策に対する見解
平成18年6月議会で、「医師不足が進む中、どのように医療制度改革に取り組み、また、特に顕著である産科医減少に対しどのような対策を講じていくのか」質問をした。産科医が減少の一途をたどっていることにより病院でお産することが困難になるのではないかといった危惧があり、早急な対策が必要であるとの思いからであった。県は医師不足への対策を重要課題として積極的に取り組んでいるが、未だ医療の現場は、医療に携わる方々の激務によって何とか支えられている状況である。
先日、総理は医師に対し、非常識とも思われる発言をした。医療現場の厳しい実態を踏まえ医療システム全体を見直さなければならないところまできている現状への認識が、欠落しているのではないかと思う。過酷な労働条件のもと、医師をはじめとする医療関係者は 「患者の生命」を救うために日夜奮闘されている。
医療の現場は、まさしく崩壊しつつあると言っても過言ではないが、その最大の要因は、大幅な医師不足をもたらした国の医療政策にあると思う。
これまでの国の医療政策に対する見解はどうか。また、今後医師不足の解消に向け、国に何を要望していくのか。
(2) 周産期医療について
総合周産期母子医療センターにおいて、妊婦の受入れ拒否が相次ぐという問題が起こっている。厚生労働省の調査では、全国の総合周産期母子医療センターの7割を超える施設で、母体搬送の受入れを断ったケースがあったとの結果が先月発表された。理由としては、新生児集中治療室が満床、母体・胎児集中治療室が満床、診察可能な医師が不在、というものであった。これらの理由をみると、受入れ拒否というより、受入れが不可能であったという方が適切であると思う。関係者が指摘し続けているにも関わらず、産科医師は不足、病床数も不足といった事態のまま、現場はぎりぎりの綱渡り、毎日が戦場のような環境下におかれている。
地方では、搬送をすべて受け入れるとしているところが多いようで、センタ一が最後の砦であるという強い意識があるのだということを記事でも読み、また、本県の関係者からも聞いている。無理をしてでも引き受けるという姿勢に、本当に頭の下がる思いがする。
本県の周産期医療体制整備への取組みは、積極的に進められてきていると認識している。県内の5施設を中心に周産期医療体制が確立され、その連携も進められてきた。しかし先日、住友別子病院が9月末で地域周産期母子医療センターの認定を辞退したとの報道があり、不安に思った方も多いのではないかと思う。産科医不足の影響は影を落とすばかりであるが、県立新居浜病院において、本年4月から産婦人科が開設され、婦人科の診療が始められている。また産科の診療も開始できるよう整備が進められていると聞く。
ア 県立新居浜病院の産科診療開始の準備状況はどのようになっているのか。
イ 空白となった東予地域の地域周産期母子医療センターについて、県はどのように考えているのか。
ウ 第5次愛媛県地域保健医療計画によると、周産期医療対策として、必要に応じて新生児集中治療室などの重症患者専用病床の増床など、施設整備の強化を図るとされている。現在、総合周産期母子医療センターでは、ほぼ満床の状態が続いているようで、緊急搬送を受け入れるためには、重症患者を新生児後方病床へ移動しなければならないといった状況が生み出されることになる。
総合周産期母子医療センターの新生児集中治療室の増床を早急に進めてほしいが、どう考えているのか。
エ 県立中央病院は、ユニセフとWHOが進めている「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されている。県立中央病院総合周産期母子医療センターのホームページには、関係職員の長年の努力の結果認定されたこと、今後も母乳哺育を中心に母子関係が円滑に確立するようサポートする努力を続けるとの挨拶が載せられていた。重篤な新生児を受け入れながら、きめ細やかな配慮を長年続けることは大変な努力が必要であったことと思う。母乳を飲むことができない疾患を抱えた新生児達には、看護師が一人ひとり抱っこしてミルクを飲ませているとも聞いている。
総合周産朝母子医療センターでは、最後の砦として緊急搬送を受け入れているため、新生児後方病床にも重症と言ってもよい新生児がいるということが起こり得る。後方病床は、一般病床に含まれるものではあるが、通常よりも手厚い看護を必要としていると考える。
総合周産期母子医療センターの新生児後方病床においては、どの程度の看護体制を採っているのか。
(3) 7対1看護体制について
現在、医師不足だけでなく、看護師不足も問題となっている。県内の看護職員確保のため、県では、離職防止、養成力の確保、再就職の支援等の総合的な看護職員確保対策を実施していると聞いている。
2006年度の診療報酬改定によって、7対1看護職員配置墓準を導入する医療機関が増えてきた。それまでは一般病床で10対1の看護体制であったが、1人の看護師が7人の患者を受け持つ体制へと移行することにより、看護師の過重労働が緩和され、質の高い看護を期待することができる。積極的に進める機関は、看護師の争奪戦の様相を呈しているようでもあり、導入できるところとできないところの医療機関格差ができる懸念もあるが、7対1看護体制を導入することが望ましいと考える。
県立病院でも、まず中央病院から早期に7対1看護体制を導入するとして、来年度採用の看護師募集が行われており安堵した。この導入が看護師の離職防止につながればと期待している。
7対1看護体制について県立中央病院での導入時期と順次検討となっているその他の県立病院での進め方はどうか。また、離職率が高いと言われている看護職の確保のため、今後どのように取り組んでいくのか。
2 認知症高齢者とその家族を支える体制について
現在、認知症高齢者数は全国で約170万人と言われている。認知症の方や家族の苦しみは大きく、大変な状況におかれているが、これまで「認知症を知り、地域をつくる10か年」構想を展開すること等により、認知症への理解や支援も徐々に進んできている。このような中、厚生労働省は「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」を立ち上げ、その報告書が7月に公表された。報告書では、今後の認知症対策の基本方針は、早期の確定診断を出発点とした適切な対応を促進するとしている。医療と介護の密接な連携のもとで適切な医療サービス、介護サービスを提供するとともに、本人やその家族を支援し、その質を向上するための施策に、今後大変期待する。
厚生労働省は「認知症を知り、地域をつくる」キヤンペーンとして、認知症サポーターを全国で100万人養成しようとしている。養成講座を受けた人がサポーターとなるが、何かを特別にやるというものではなく、認知症を正しく理解し、認知症の方や家族を温かく見守る応援者になる、というもので、そういう人が増えることによって認知症になっても安心して暮らせるまちをつくっていくことが目的とされている。今年8月現在、全国のサポーター数は、58万885人。養成講座の講師役であるキャラバンメイト数とサポーター数は、本県では現在1万5270人。サポーター1人当たりの担当高齢者人口は24人と全国で4番目という大変優秀な数字である。しかし、県内市町別では、温度差やキャラバンメイトの養成が困難等の要因があるからなのか、担当高齢者人口は6人から265人と大きな開きがある。
認知症を支える地域づくりは、市町が中心となった取組みが必要であるが、認知症への理解は全県的に進めていかねばならない。県では、キャラバンメイトの養成やかかりつけ医の相談役であるサポート医の養成を行っているが、地域間のばらつきも生じている。
認知症高齢者とその家族を支えるための市町に対する支援について、現在の取組状況はどうか。また、今後どのように進めていくのか。
3 障害者の雇用と就労支援について
(1) 法定雇用率達成への取り組み
厚生労働省が先月発表した、2008年度障害者の雇用状況によると、公的期間、民間企業の障害者雇用は着実に進展し、本県でも、民間企業の雇用率は前年度比0.04ポイント上昇して1.65% となり、3年連続で上昇した。都道府県機関は法定雇用率が2.1%で、本県は2.15%であるが、県教育委員会は法定雇用率が2.0%に対し、1.71%と未達成であった。公的機関は民間に率先垂範して法定雇用率を達成する立場にあることから、未達成の機関に対し、労働局長等から機関のトップに対して呼び出し等による指導を徹底する旨を発表している。
県教育委員会では、法定雇用率達成へ向けて、今後どのように取り組んでいくのか。
(2) 障害を持った方々の約半数が一般就労を希望しているが、特別支援学校からは20%程度、社会福祉施設からの就職率は年間1~2%に留まっている。近年障害者の求職件数は年々増加傾向にあり、就労支援をさらに進めていく必要がある。
県では、障害者の職業的自立を目指して、松山高等技術専門校を中心として障害者の職業訓練を行い、また、求人開拓をするための人員を東中南予に1名ずつ配置するなど、就労を促進するための支援事業が行われている。訓練により能力が高まり、なおかつ企業に採用され初めて就労が成り立つわけであり、こういった支援は必要不可欠だと思う。しかし、訓練期間が短いものもあり習得時間が足りているのか、松山が中心で県内各地の障害者にとっては、訓練を受けるチャンスが少ないのではないか、また、東中南予に1名ずつの求人開拓員では、企業開拓も大変ではないか、といろいろ考えさせられる。
就労のポイントとなる障害者と企業をつなげる取組みの状況と職業訓練を経ての就労状況はどうか。
菅良二議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 県民力について
「147万県民のやさしさとパワーを結集した県民力を糧に、輝くふるさと愛媛づくり」というスローガンを掲げた県政改革第3ステージの主柱は、知事が力を入れている愛と心のネットワークの拡大・浸透にある。当初、福祉分野を中心に立ち上げられ、今では、子育て支援や教育、環境美化、地域の安心・安全など、様々な分野に広がりを見せている。私も、これこそ21世紀における地域づくりのお手本と考え、心より賛同してきた。この「やさしさの心の輪」を広げていくことが重要と考える。
愛と心のネットワークを地域共助の輪と捉えるならば、これは地方においても崩壊しつつあり、その復権・再生が求められている助け合い・支え合いの地域コミュニティである。
地域の愛と心のネットワークは、福祉や子育て、防犯面はもちろん、地域住民の生命・財産に直結する防災・災害時対応で、極めて重要な役割を果たす。
(1) 阪神・淡路大震災では、被災者の多くは、家族や近所の方々によって救出された。また、芸予地震では今治市等が被害を受けたが、かなりの確度で近い将来の発生が予測されている南海地震では、甚大な被害が出る可能性もある。そうした災害時に、各地域の自主防災組織が大きな役割を果たす。
第3期加戸県政では、市町における防災士の確保や自主防災組織率80%の達成支援という目標が掲げられた。
市町における防災士の確保や自主防災組織率80%の達成支援について、現状と見通しはどうか。
(2) 自主防災組織の活性化を図るため、市町と連携してどう対応しているのか。
2 行政力について
地方は厳しい財政状況にある。地方分権改革への対応も待ったなしである。財政健全化における徹底した行財政改革、住民サービスを維持・向上させる不断の努力と創意工夫、これこそ行政力である。
県政改革第3ステージでは、財政構造改革に加えて、県民サービ不改革、パートナーシップ改革、県庁シェイプアップ改革という3つの改革の実践を明示された。
そして、県民サービスの民営化や民間委託などのアウトソーシング、えひめ夢提案制度、県認証NPO法人の倍増と協働事業の拡充、県庁マン1人1役ボランティア、地方局の再編、試験研究機関の抜本的な見直しなどを推進している。
(1) 一連の改革の成果は徐々に表れているが、加戸県政3期目が折返し点をようとしている。
3つの改革について、進ちょく状況と見通しはどうか。
(2) 行政力とは、様々な分野に及ぶ行政の総合力といえるが、職員一人ひとりが変わる必要がある。職員一人ひとりの意識を改革し、磨いた能力を最大限発揮させなければ、行政が高い総合力を得ることはできない。
市町の行政力向上にはどのような方策があると考えているのか。
3 合併後の周辺部格差問題について
平成の大合併では、知事の力強い旗振りもあり、70市町村が20市町に集約された。地方の厳しい財政構造、本格的な地方分権改革の進展を考えると、時代のすう勢であり、方向性として正しかったと考えている。
合併後のまちづくりを見ると、行財政の効率化などでは合併効果がはっきり表れているが、広域行政は光の部分をもたらしただけではなく、各地域では様々な問題が浮上している。特に旧郡部、小さな旧町村部の活力低下は、新市町の新たな課題となっている。
今治市では、旧町村役場から移行した11支所では、職員数が激減し、活用されない建物の余剰スペースは宝の持ち腐れ状態である。しかし、支所には予算も権限もほとんどなく、地域固有の財産を生かした取組みもままならない。
民間活力の面では、旧町村単位で経営が成立していた中小・零細の事業者が、仕事が取れず事業所を閉鎖するところが少なくない。かつて旧町村から委嘱され、まちづくりに貢献された方々も、その役割がなくなることで、持てる能力、マンパワーが生かされていないよぅな状況にある。
国全体では、中央と地方の格差拡大が深刻な問題であるが、合併後の市町も同様である。中心部と周辺部の格差が広がる一方で、このままでは旧町村部の疲弊に歯止めがかからない。同じ市民・町民でありながら、様々な格差が存在することは住民にとって大変不幸なことであり、格差の是正・解消は、極めて重要な行政課題といえる。
県は、「南予の活性化なくして愛媛の発展なし」という考え方から、南予地域の活性化を県政最重要課題の一つに掲げているが、合併後の新市町も同様で、活力を失いつつある周辺部が元気にならなければ、市町全体が元気にならない。
一義的には各市町が取り組むべき課題であるが、20市町の市民・町民は県民でもある。合併で生じた格差を目の当たりにし、ほっとけない思いが募る一方である。
合併市町周辺部における格差・活力低下の対策を講じる考えはあるか。
4 「ものづくり」を育成発展させる
現在、世界経済は大混乱に陥っている。日本も景気が大きく後退し、国民生活が大打撃を受けている。一連の金融危機、経済危機は、実体経済をりょうがするマネー経済の危うさを国際社会に強く印象付けた。
こうした状況下、改めてスポットが当てられているのが、日本のお家芸であり戦後の高度成長を支えてきた「ものづくり」の復活である。
私は「ものづくり」こそが、これからの日本の産業力強化のキーワードになると考えている。県下各地には「ものづくり」の集積がある。今治市にも、海運と連動した造船、タオル・縫製や食品加工、伝統的な菊間瓦や桜井漆器など、様々な「ものづくり」が地場産業として根付いている。
産業力を高めるには、「ものづくり」の伝統や技術、技能を次代に伝承しつつ、さらに磨きをかける必要がある。経営環境の厳しいタオル業界でも、素材やデザイン等の創意工夫により巻き返しを図ろうという動きがあり、多重織り技術を炭素繊維の加工に活用し、それを飛行機や自動車等の素材にしようという試みが始まっている。
地場産業は地域の盛衰を左右する活力の源である。地域の発展を目指すなら、地場産業を守り育てていく必要がある。まず企業・産業界が自助努力によって道を切り開くことが第一であるが、それを後押しする、勇気付けるという意味で、行政のサポート・応援は非常に重要である。
県財政が大変厳しく、多額のコストを要する政策誘導・支援は難しいと思うが、できることはあるはずであり、それが本県、各市町の活性化に不可欠であるならば、選択と集中に照らして果敢に挑戦すべきだと思う。
今後、産学連携の橋渡しやビジネスマッチング、「ものづくり」の技術を生かした新しいビジネスモデルの構築、愛媛産としてのPRと販路開拓、技術の継承と人材の育成など、5年先、10年先をにらんだ対策が必要と思う。
「ものづくり」を経済政策にどう位置づけ、いかに育成・発展させていくのか。
5 えひめ教育の日制定について
知事は3期目の公約で、愛媛の教育を再生するため「えひめ教育の日」を創設すると明言され、県民への約束通り、今年、11月1日が 「えひめ教育の日」と制定され、11月が「えひめ教育月間」と定められた。
教育は、幼児期の教育から成人やお年寄りを対象とした生涯学習に至るまで、人の一生と歩みを共にする。
中でも重要なのは、人間形成に大きな影響力を持つ学校教育である。学校教育の現場において、知育・徳育・体育の三育をバランス良く実践することで、知恵と精神力、体力を備えた未来の使者が健全に育まれる。
教育は学校だけの問題ではない。教育機関、家庭、地域社会、この三者が共通の目的・目標を持ち連携を強化しながら、それぞれの役割をきちんと果たしてこそ、理想的な教育環境を整えることができる。学校・家庭・地域社会は、いわば三位一体であり、いずれが欠けても子ども達の心身の健全育成は叶わない。
子ども達は、未来を託す大切な宝物であるが、その子ども達が被害者になる痛ましい事件が後を絶たないばかりか、逆に子どもが加害者側に回るという悲しい現実も少なくない。
こうした社会の病根に目を向ければ、日本の教育が抱える大きな問題点が浮かび上がる。三育の観点に立てば徳育の欠如、「三位不一体」の教育環境が、病める社会の主たる要因の一つであると言っても過言ではない。
愛媛の子ども達の健やかな成長を願い、県民総ぐるみで愛媛の教育について考え、行動するきっかけにしようという、教育の日、教育月間の創設は、まことに時宜を得たものであり、愛媛の教育改革・教育再生への力強い一歩になるものと、心より期待している。
知事は、えひめ教育の日制定を契機に、未来を託す子ども達のため、県民にどのようなメッセージを発信し、愛媛の教育がどう変わっていくことを願っているのか。