本会議論戦(大要)
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2010年2月定例会
以下は、2010年3月2日の県議会本会議における、各議員の代表質問の大要です。
篠原実議員(自由民主党)の代表質問(大要)
1 知事の所信について
ここ数年、知事にとっても、我々にとっても厳しい財政難に直面している。県民の様々な要望に応えきれない悔しさは尋常でないものがある。知事も任期のほぼ半分は、財政難をいかに克服し、赤字決算を回避するかに相当なエネルギーを費やしてきたと思う。
そのような財政状況にあって、思うように県政を展開できない辛さや悔しさを、我々議会側もある意味において同情を持って見てきた。今、苦しくとも、次の世代につけをまわしてはならないという決意も伝わってきた。それ故、地元に帰れば、住民から様々な要望を受けながらも、辛抱するところは辛抱して、我々も踏ん張ってきた。地元の要望をそのまま県政にぶつけられたら、どんなに楽で、気持ちの良いものかという思いも常に抱えながら、県政与党としての責任において、取捨選択をしてきた。こうした状況にあっても、この11年、会派要望事項等には細心の心遣いをしてもらってきた。
3期目最後の年に当たり、県政にかける知事の思いと決意はどうか。
2 県財政の見通しについて
(1)県税収入等の見通しについて
政権が文代し、あらゆる面において戸惑いや不安がきまとっている。地域主権を掲げる現政権が、その言葉とは裏腹に、地方行政に大きく関わる課題を地域の意見をほとんど聞くことなしに、強引とも思えるような政治主導の掛け声とともに推進しようとしている。
現在審議されている22年度予算は92兆円を超える規模に膨れ上がり、過去最大の44兆円を超える国債発行を余儀なくされている。ここ数年、地方は財政難に陥っているが、それでも、これ以上国に大きな借金をさせないために辛抱してきたのではないか。簡単に国債発行することで事が済むのならば、この辛抱は何だったのか。政府は中長期的な財政フレームを国民に提示すべきである。
21年度国税収入は法人税や所得税等が大幅に落ち込み、24年ぶりに40兆円を割り込んでいる。税収が国際発行額を下回るという極めて異例な事態である。そのような中にあっても、国民の十数%しか賛成していない高速道路の無料化を、公約だからと2兆数千億円の収人を無視して、未だ放棄しようとしない。
本県経済に目を向けると、国以上に地域経済や雇用は深刻なダメージを受け、県内景気も依然として厳しい状況が続いており、法人関係税を中心に県税収入も相当な落ち込みになるのではないかと危惧している。
21年度の県税収入の見通しはどうか。また、22年度の県税をはじめとする歳入の見通しはどうか。
(2)財政構造改革4年間の成果について
22年度地方財政計画では地方交付税が1兆1千億円増額されたが、地方税の落ち込みが大きく、臨時財政対策債で補って赤字を免れているのが現状である。地方の財源規模は21年度と同程度であるが、社会保障関係費は毎年増加しており、地域活性化等冷え込んでいる県景気を下支えするための財源は厳しく、喫緊の地域課題に取り組むには不十分である。
現政権は、地域主権の確立を大きな柱としているが、実態は掛け声ばかりで、地方税財源の充実・強化についての具体的な方向性は末だ明確に示されておらず、本県をはじめとした地方公共団体における地方財政の基盤づくりといった観点からも大変憂慮される。知事が次の世代のために何としても地方消費税をアップしなければならないと主張している増収論議がほぼ凍結されていることは非常に残念である。
県は18年度から4年間を財政構造改革期間として、県民や職員に痛みを強いながら歳入歳出全般にわたる見直しをし、議会側もできる限りの協力をしてきた。しかし、地方財政を取り巻く環境はなかなか好転せず、今後も依然として厳しいことが見込まれるとして、財政構造改革の取組みを1年延長した。熱意は十分理解するが、1年間といえども各方面に痛みを強いることであり、できる限りの現状認識への理解と説明が必要である。
財政構造改革4年間の成果をどのように総括しているのか。また、今度の財政見通しと課題はどうか。
3 環境・地球温暖化について
環境保全は人類の生存基盤に関わる極めて重要な課題として、世界で共通認識となってきた。大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会活動や経済活動が、化石燃料の枯渇への懸念を生み、地球温暖化等様々な問題が提起されている。それ故、環境への負荷を最小にする循環型社会や地球温暖化問題に対応した低炭素社会、自然の恵みを将来にわたって享受できる自然共生社会への政策転換が、世界規模でなされようとしている。
日本版グリーン・ニューディール政策が新政権でも新成長戦略として継承され、温室効果ガスの排出を1990年比で2020年までに25%削減するという目標を掲げている。目標数値そのものの是非は議論のあるところであるが、方向性は正しいと思う。それぞれの国や地域において、また、各企業において利害が錯綜する問題であるが、人類の生存という大きな事柄であるので、一刻も早く世界的合意がなされることを期待する。
県では、「えひめ環境基本計画」と「愛媛県地球温暖化防止新実行計画」を取りまとめた。新しい環境の時代において、持続可能な地域づくりを推進するために、今後の環境政策の目標と道筋を県民に示すことは、県民総ぐるみの取組みを進める上で極めて大切なことであり、時宜を得たものである。
「えひめ環境基本計画」及び 「愛媛県地球温暖化防止新実行計画」の趣旨と両計画の具体化に向けての今後の取組みはどうか。
4 本県の経済成長戦略について
新しい技術革新が次の世紀を担う産業づくりの礎として世界レベルで始まっている。この流れは、低炭素社会や循環型社会の実現、地球温暖化対策等と相まって予想を超えるスピードで進むと思う。太陽光発電や電気自動車等の環境・エネルギー技術、植物工場、バイオ、再生医療など技術の急速な進歩は産業構造のみならず、社会構造の大変革も巻き起こそうとしている。
特に、太陽光発電や電気自動車等は新しい産業群として数年で相当な経済規模に成長していくと見込まれ、国内の産業構造の変革をもたらし、下請け企業群の系列、新製品の開発、取引形態の変化など様相が一変するかも知れない。新しい産業群の成長は、食料・水問題、交通政策、生活インフラ、地域医療、福祉など生活環境にも大きな影響を及ぼす。この潮流を認識し、産業対策、緩済政策を講じていかなければならない。
県独自の経済成長戦略は、時代の変革をにらみ、経済危機や雇用創出に対応すべく、食品、低炭素、健康、観光の4つの戦略分野を軸として、新たなビジネスモデルを創出するとしており、国に先駆けた取組みは実践的に地方主権の時代を一歩リードするものであり、大いに評価する。
また、本県には優れた技術力を持つ製造業や豊富な農林水産資源があり、これらを生かした取組みなど本県独自の特色を生かした事業展開が可能である。本県経済の一刻も早い回復につながることに大きな期待を寄せている。
県は、景気悪化や雇用危機を乗り越えるため、金融支援や緊急雇用など応急対策に全力で取り組んできたが、新たな需要創出に向けて、将来を見据えた成長産業の育成や産業構造の転換を支援していく必要がある。
(1)現在策定中の「愛媛県経済成長戦略2010」に盛り込もうとしている県内産業の方向性や戦略について、知事の所見を問う。
(2)22年度からの具体的な政策展開はどうか。
経済社会の急速な変貌に果敢に対応していくためには、迅速な取組が求められている。
(3)EV開発プロジェクトについて
エコカーはここ数年急速に脚光を浴びてきており、全くC02を排出しないEVはエコカーの本命とも言われている。EVは車の部品が3分の1から10分の1になるため、海外では既に自動車製造に全く関係のなかった企業やべンチャー企業等の参入が相次いでいる。EV産業は今後成長していくものと確信する。
県は、電気自動車研究の第一人者である徳島工業短期大学の佐藤員暢教授を指導者として招聘し、来年度、県産業技術研究所にEV開発センターを新設し、EVの技術開発に取り組むと1月に発表した。夢と意欲が伝わってくるビッグ・プロジェクトであり、心からエールを送る。
景気悪化に加え、経営資源不足によって苦しい経営を強いられている県内中小企業にとって、いくら成長が確実に見込まれるとわかっていても、簡単には手を出しにくいのが実情だと思う。県が主導し、開発に係る拠点整備やスタンダードづくりをし、県内に蓄積する知恵と技術を集積することによって、中小企業にも門戸を開き、参入するチャンスが広がる。
県の旗振りのもと、他地域に先んじた取組みが進められ、本県における電気自動車関連産業が芽生え、育っていくことを期待する。
ア EV開発プロジェクトをどのように位置付けて取り組んでいくのか。
イ プロジェクトの具体的な内容はどのようなものか。
5 観光振興について
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」は関東地区で平均視聴率約17%を記録したと言われている。日銀松山支店の試算では、3年にわたる放迭で150億円以上の波及効果があるとしている。今、NHKドラマを通じて四国全体の魅力も全国に発信されており、観光振興の千載一遇のチャンスである。観光は、旅行業、宿泊業、飲食業など裾野の広い産業群を形成しており、その振興を図ることは、直接的な経済効果のみならず、幅広い関連産業の生産や雇用の創出を誘発するなど地域経済の活性化に大きく寄与する。
昨年の12月議会で、議員提案の「えひめお接待の心観光振興条例」が可決された。この条例は、県民等の役割や県の責務を明確にして、それそれが連携と協働のもとに、旅行者への温かな心配りなど、お接侍の心で、観光の振興を図ることにより、地域経済の発展と活力ある地域社会の実現を目指すものである。併せて、基本理念や基本方針を踏まえた観光振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、根幹となる計画を定め、その計画により講じた施策の実施状況については、議会に報告する旨を規定するなど、実効性を高めるための県の役割や責務を明確に示している。
県においては、条例の基本理念や基本方針に基づく観光振興施策を強化し、多大な成果が挙がることを大いに期待する。
「えひめお接待の心観光振興条例」の制定を踏まえ、今後、観光振興にどのように取り組んでいく考えか。
6 農林水産業について
本県農林水産業の産出額は、農業が全国23位、林業が20位、漁業が3位で、全体の総生産額は全国17位であり、農林水産業は本県の基幹産業の大きな柱の一つとなっている。特に南予地域においては、製造業の工場閉鎖や事業縮小が相沢ぐ中、地域活力を維持するためにも何としてもその振興を図らなければならない。
本県は中山間地域が多く、その基盤は必ずしも恵まれていない。そのため、多くのハンディを抱え、販売農家1戸当たりの総所得が443万円である中、農業所得は88万円と、年金や農業以外の所得に頼って何とか生計を維持しているというのが現状である。そのため、農道・林道の整備など集約化、経営規模の拡大のための基盤づくりが大事である。ある新聞のコラムに、来年度から廃止される国の農道整備事業の必要性を地元農家への取村を通じて訴える記事があったが、政府は「コンタリートから人へ」と言いながら、地方の実情を理解しない端的な例である。
また、戸別所得補償制度のモデル事業を理解しようとしているが、交付金単価を10アール当たり1万5千円とし、対象をコメの販売農家だけに限定している。全国に比べて生産規模が小さく、生産コストも高い本県コメ農家は、1万5千円の交付金では生計が成り立つとは思えない。果樹・野菜農家や水産養殖業者、林業関係者等も極めて厳しい経営を強いられているにも関わらず、今回の所得補償制度の対象から外されている。これでは、本県の農林水産業は衰退していく一方であり、生産現場を担っている集落や地域はますます後継者づくりに苦しむことになる。
県では、できる限りの施策を講じてきた。
危機的な状況にある本県農林水産業の現状をどのように認識しているのか。また、今後、その振興に向け、どう取り組むのか。
7 愛媛県暴力団排除条例案について
近年、暴力団は組織実態や活動内容が巧妙化、潜在化してきている。企業活動の偽装や行政庁に対する不当要求など資金獲得活動を多様化させている。
また、振り込め詐欺も巧妙化し、被害は後を絶たない。その組織活動は市民のあらゆる日常活動に探く、さりげなく介入してくるようになってきた。
その情勢を踏まえ、県警が暴力団壊滅に向けての諸施策を強力に推進する中、暴力団は少しずつ社会から孤立してきているが、県内の暴力団の実態は、依然として根強く資金獲得活動が続いている。
官民一体となり暴力団排除に取り組んでいるにも関わらず、極一部ではあるが、暴力団の資金源犯罪に加担するような企業もあり、残念に思う。県内には50余りの暴力団事務所があり、約1千人の暴力団員がいると聞く。多くの暴力団が活動を続けられるというのは、それだけの資金源があるということであり、資金源を断たなければ、いつまででも存続することになる。
こうした中、県警は、更なる暴力団排除を目指し「愛媛県暴力団排除条例」を本議会に上程している。この条例が制定されることにより、今まで以上に暴力団壊滅に向けた動きが加速していくのではないかと期待する。
暴力団の排除は、警察のみに全てを任せるという時代ではなく、県民や地方公共団体、関係機関、事業所等が一体となり、官と民が協働して社会全体で暴力団に対抗していく時期にきている。また、暴力団組織の事務所近隣の住民は一時たりとも心が休まることがないため、暴力団に対抗していく新たな対策が急務となっている。
(1)条例が制足されれば、暴力団壊滅に向けた動きがどのように加速するのか、条例案の必要性を問う。
(2)条例案の内容はどうか。
土居一豊議員(民主党)の代表質問(大要)
1 加戸県政の総括について
知事は、平成11年1月に就任し、 「県民の県民による県民のための県政」を基本理念に掲げ、これまで3期にわたって懸命に県政のかじ取りをしてきた。平成10年8月23日に知事選出馬を表明し、翌年1月3日の正月選挙で県民の圧倒的な支持を受けて初当選して以来、文字どおり粉骨砕身、愛媛のために全力で走り続けてきた。このことは大多数の県民が認めるところであり、当初から知事を支えてきた一人として、でき得る限りの協力をしてきたつもりである。
知事は、文部省に在籍していた当時から「ミスター著作権法」と呼ばれ、文部省退官後も日本音楽著作権協会の理事長として大活躍しており、我が国の著作権の世界には欠くことのできない傑出した人材であった。その人材を愛媛県知事候補にと白羽の矢が立ったとき、東京では 「愛媛県知事の代わりは他にもいるだろうが、加戸理事の代わりはいない」と、反対運動まで起こったと聞いており、恐らく知事自身も、できるならば東京に残りたかったのではないかと推察する。
しかし、当時の県政の状況はそのことを許さず、気さくで、誠実で、実行力があり、しかも、公正・公平な行政運営が期待できる知事が、権威的で硬直化した県政を改革するためには最適な人材であると、各界各層の人達が期待し、まさに三顧の礼をもって愛媛に帰ってくるよう説得し、最終的には知事も「惻隠の心」でもって、こうした声に応えたのである。
(1)3期にわたる県政において、特に思い出に残る出来事は何か。また、思い入れが深い施策・事業は何か。
知事が就任してから12年近くの間に、県政には様々な出来事があった。
1期目は、しまなみ海道や四国内高速道路網エックスハイウェイの開通、情報スーパーハイウェイ稼働など社会資本整備が進んだ一方で、えひめ丸事故や芸予地震など暗いニュースもあった。
2期目になると知事は 「愛と心のネットワーク」を提唱し、在宅介護研修センター開設やボランティア・キャンペーンの実施など、県民が助け合い・支え合う県政運営に尽力するとともに、武道館の開館、えひめ町並博2004の開催、上海便の就航、市町村合併の推進などにも取り組んだ。
3期目は「輝くふるさと愛媛づくり」の旗印の下で、みかん研究所や子ども療育センターの開設、「三浦保」愛基金の創設などを進めたほか、財政構造改革や地方局の統合再編といった課題にも積極的に取り組んだ。こうした数々の実績は高く評価する。
(2)次の知事ほどのような人であってほしいか。また、引き継いでしっかりとやてもらいたい施策・事業はあるのか。
知事の常に公正で公平な政治姿勢、清廉潔白で飾り気のない性格、そして何よりも在任期間が4,000日を超えてもなお初心を忘れず、決しておごることなく、休みもほとんど取らずに「明るくさわやかで活力のある愛媛」の実現のため、真しに公務に取り組む姿には、頭が下がる思いである。
知事の愛読書でもある新渡戸稲造博士の著書「武士道」の中に、「義は武士道の掟の中で最も厳格な教訓であり、卑劣な行動や曲がった振る舞いほど忌むべきものはない」という趣旨のことが書かれているが、義理人情に厚く、他人のために自分を犠牲にし、卑劣で曲がったことが嫌いな知事は、まさに武士道の魂を持った現代の侍である。
2 知事の政治姿勢について
これまでの知事の様々な言動から、知事はただ単に愛媛のことだけを考えているのではなく、常に「日本の中の愛媛」という座標軸で県政を考えていると強く感じる。
第一に、えひめ丸事故に際しては、被害を受けた人々を代表してアメリカ海軍との直接交渉を重ねる一方で、日米友好関係の維持にも心を配っていた。
第二は、原子力発電所の問題に関して、地元住民の安全・安心の確保を最優先に考え、そのための最大限の努力を行いつつも、我が国のエネルギー政策全体のことを考えて、プルサーマルを含めた原子力行政全般にも一定の理解を示している。
第三には、全国知事会の地方消費税特別委員会の姿員長に就任し、単に地方財政健全化の視点で地方交付税の増額等を国に要求するだけでなく、もう一段踏み込んで「消費税を上げないと、もはや我が国の財政はもたない」「一刻も早く消費税アップの議論を始めるべきだ」と主張するなど、日本全体の税体系のあり方にまで積極的な提言を繰り返している。
(1)国政追従という批判に対する知事の考え方はどうか。
知事の政治的スタンスに対して、一部には国政追従と批判する者もいるが、それは全くの的外れだと思う。知事は、自分自身の生活を大幅に犠牲にしながら日夜県民のために尽力している。要するに「公私」の「私」の部分を極めて少なく、「公」の部分をできる限り多くしようと自分を厳しく律している。それゆえに、本県だけが良ければいいとの考えではなく、常に日本全体が良くなるための道筋を考えて行動していると思う。
(2)知事退任後の身の振り方をどう考えているのか。
知事が引退後、場合によっては東京に戻ってしまう小もしれないと危ぐする。そうなれば愛媛にとっての大きな損失である。引退後も引き続き何らかの形で「ふるさと愛媛」の発展のために尽力してほしい。
3 宇和海再生への取組状況について
まき網漁業を主体とする漁船漁業が盛んであった昭和50年代後半の南予地域の水楊げは、13万トン、金額にして300億円にも上っていたと記憶しており、漁船漁業は、運送業、造船業、鉄鋼業など地域の産業のけん引役を果たし、地域経済は活気を呈していた。
しかし残念なことに、漁獲量、漁獲金額金額ともに、それ以降徐々に減小を続け、農林水産統計によると、平成199年には5万9千トン、145億円の水揚げにとどまり、ピーク時の昭和59年と比較すると、漁獲量で44%、金額では48%にまで減少しており、資源の減少に加えて、漁価の低迷が漁業経営に重くのしかかっているのが現状である。
このような厳しい状況の中、漁業者自身も、生産コストの削減に努め、懸命に経営を維持しているところであるが、輸入水産物の増大、量販店主導の価格形成、消費の減退などにより、漁価に上昇の兆しが見えてこないことに加えて、燃油高騰など経緯はかさむ一方であり、多くの漁家では漁業経営を維持していくことが困難になっている。さらには、高齢化や後継者不足など構造的な問題も抱えている。
こうした状況にあっても、宇和海の漁船漁業による生産量は、県内漁船漁業全体の61%、生産額で44%を占めるなど、県内漁業にとって大きなウェイトを占めていることには変わりなく、宇和海の漁船漁業を南予地域の基幹産業として、今後とも守り育てていかなければならない。
一方、養殖業においても、漁船漁業と同様に、輸入水産物との競合、飼料価格の高騰、消費の伸び悩みなどから、厳しい経営状況にあると聞いており、漁場環境を維持しながら、新たな養殖魚種の開発や養殖技術の研究などにより、漁業経営の安定につなげていくことが喫緊の探題であると思う。
(1)八幡浜魚市場の整備状況と今後の見通しはどうか。
八幡浜漁港は西日本有数の水揚げ量を誇り、宇和海で漁獲された水産物の一大流通拠点となっているが、施設の老朽化が進むとともに、近年の安全・安心な水産物を求める消費者ニーズに対応できる衛生管理機能を備えていないことから、これらの機能を備えた魚市場の一刻も早い整備を侍ち望んでいる。
(2)愛媛大学南予水産研究センターとどのような取組みを行っているのか。
県は、漁業者や水産業界の要望に応え、これまでも水産研究センターを中心に、試験研究に取り組み、その成果を漁業現場に普及することにより今日の魚類や真珠の一大養殖産地への発展に大いに貢献してきた。
また、愛媛大学は、一昨年の4月に愛南町に、地域に根付いた産学官の連携の拠点として愛媛大学南予水産研究センターを開設して以来、施設やスタッフも充実し、南予地域の活性化に貢献していると聞いており、今後とも、地域漁業の振興に寄与するものと大いに期待している。
宇和海の再生を目指した試験研究を進めるにあたっては、それぞれの得意な分野を分担しつつ連携して、より効率的に研究を推進することが重要であると思う。
4 原発の代替エネルギーについて
現代社会においては、電気のない生活は考えられない。原発は、地球温暖化対策の面でも重要な役割を担っているが、原発のみでは電力供給は賄えないことから、化石燃料などによる発電に加えて、様々なエネルギー開発が行われている。
太陽光発電については、国内でも数箇所開発が進んでおり、風力発電は佐田岬半島でも実験段階から実用化に向け稼働中である。
潮力発電については、既に技術は確立されていると思われるが、例えば、佐田岬半島の中ほどに位置する三机地区に、宇和島の伊達藩がつるはしとスコップで運河を掘ろうとした跡が残っており、300年以上経った今、ここを活用する方法も考えられる。
この他にも燃料電池など、将来性のある各種技術が確立されつつあり、これらの先進技術をもってすれば、原発の代替エネルギーを開発することは、さほど難しい問題ではないと思う。
佐田岬半島は、日本で最も長い半島であり、風光明媚なところであるが、そこで暮らす住民は、伊方原発で万が一事故が発生すればと不安を抱きながら生活をしている。
地域住民の原発に対する不安感を思えば、将来的には、発電における原発の比重を少しでも減らし、太陽光、風力、潮力などの代替エネルギーを活用する方策を今から検討すべきである。
伊方原発の比重を小さくするために、佐田岬半島の地理的条件を生かし、太陽光、風力、潮力などによる発電を推進すべきと考えるがどうか。