本会議論戦(大要)
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2011年6月定例会
以下は、2011年6月29日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
黒川洋介議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 災害への対応について
3月11日に発生した東日本大震災は、甚大な被害をもたらした。
5月初旬、自民党県連の同僚議員とともに被災地を訪れたところ、その被害状況は想像をはるかに超える甚大なものであった。
津波被害への対策として、過去の被害を踏まえ、国ではGPS波浪計を使った警報システムの構築を進めるなど、住民の被害を防止・軽滅する取組みを進めていたが、地震による停電のために防災行政無線が機能せず、最新情報を住民に伝達することができず、同システムは効力を発揮できなかった。
話を聞くことができた気仙沼商工会議所の会頭からは、被災地の復興に向けた決意を感じた。南三陸町では、復旧作業に携わる自衛隊員に対する感謝の気持ちを多くの被災者から聞いた。本県からも、県民による義援金、警察官や医療救護班の派遣などの行政支援、県民によるボランティア活動などの支援を行っており、関係者に対し感謝と敬意を表する。
一方で、ある被災者から「細くても長い支援をお願いしたい。必死で生き抜こうとしている私たちを忘れないでほしい」との言葉を聞き、被災地支援継続への思いを一層強くした。
また、二本松市長からは「大災害への即応体制は、各地域の自立した活動が大切であること、地域を守り育てるのは住民であることを痛感した」、仙台市長からは「災害を機に新潟や山形との横軸の連携を図ることにも力を入れていきたい」との話を聞いた。
被災地の訪問を通して、災害に強い町は、住民参加のもとで作らねばならず、防災対策や災害からの復興のためには、生き抜く力・隣人を愛する心・感謝する気持ちを育まなければならないことを痛感した。
地域住民相互の連携は、災害時の対応において特にその力を発揮する。高齢者や障害者のような災害時要援護者に対するきめ細かな対応は、住民相互の連携によるところが大きい。この連携を作り上げていくためには、住民に一番身近な自治会活動を中心とする地域コミュニティ活動の活性化を図ることが重要である。
(1)松山市長の経験も踏まえ、今後、県として、自治会を中心とする地域コミュニティ団体の活性化に向けて、どのように取り組むのか。
県の直接的な支援や市町と連携した間接的な支援についても併せて問う。
(2) 被災者の不安解消に向けては、国・県・市町村の連携が不可欠であり、自治体間で締結している災害時応援協定も有効であるが、更に進めて、行政、民間企業、自治会等の間においても災害時応援協定を締結しておけば、より有効な応援対策が可能となると思う。
行政、民間企業、自治会等の間で災害時応援協定を締結してはどうか。
2 ものづくり日本の復活を目指した取組みについて
(1)義務教育におけるものづくり教育について
以前は、中学校の技術の時間に、自転車の組立てをするなど、考え・作る・工夫をするといった、ものづくりの入り口部分を義務教育の中で経験することができた。
現在は、技術・家庭科として男女共修となり、その半分の時間が「情報とコンピューター」に充てられている。また、小規模校では、技術・家庭科は専門の教科の免許を持たない教師による指導が行われている学校も多く、次世代を担う子供たちに、ものづくりの面白さや大切さを教えることがないがしろにされていると思う。
義務教育におけるものづくりへの取組みをどのように進めるのか。
(2)愛媛の優れたものづくり技術情報発信事業の進捗状況について
平成21年度の四国の製造品出荷総額は8兆1,364億円、そのうち本県が3兆5,816億円で約44%を、県内では東予地域が2兆8,107億円で県内シェアの約78%を占めており、四国の製造業の一大集積地となっている。
県の情報発信事業は、東予地域を中心に県内に集積する製造業などについて、各企業の優れた技術や製品をデータベース化することにより、知名度の向上や取引の促進を図ることを目的に取り組まれているものと認識している。これらの取組みが地域の新たな活性化につながることを期待する。
愛媛の優れたものづくり技術情報発信事業の進捗状況はどうか。また、その効果をどのように予測しているのか。
(3)県東京事務所への市町からの職員派遣について
県と市町の間で活発な人事交流が行われていることは歓迎すべきことであるが、一方で、有用な企業情報の収集など地場産業の育成にとって不可欠な東京事務所への市町からの職員派遣については研修扱いとされている。
このような取扱いに対しては、市町から、県からも職員を派遣する相互交流の形態が望ましいとの声を聞く。
県東京事務所への市町からの職員派遣についても、県と市町が相互に人員を派遣する人事交流事業として位置づけてはどうか。
(4)企業の留置事業について
製造業の海外移転により雇用や税収が減少するなど、地方を取り巻く状況は年々厳しさを増している。
そこで、企業誘致に限らず、企業の留置にも積極的に取り組まなければならない。特に、製造業が集積し、ものづくりに係る優秀な人材を確保できる東予地域において企業の留置事業を積極的に進めるべきである。
県においては、企業立地促進要綱に基づく助成制度を既存企業にも適用するとともに、制度の更なる拡充を図るべきと考える。
企業の留置事業にどのように取り組むのか。
3 認知症患者や家族の立場に立った支援体制づくりについて
平成23年版の高齢社会白書によると、65歳以上の高齢化率は23.1%となり、それに伴い認知症高齢者も年々増加することが見込まれている。団塊の世代が75歳を迎える平成37年には、要介護認定者における認知症高齢者の推計人口は、平成22年の約1.6倍の323万人に達すると予測されている。
認知症の進行により、記憶障害や判断力の低下等のほか、妄想、はいかい等の症状を生じた場合、本人の社会生活に困難を来すのみならず、介護者の知識不足や介護のストレスから悲劇へと発展するケースもある。
しかし、認知症であっても、適切な介護や医療により、症状の抑制、改善や日常生活の維持ができる場合があることから、早期発見を促す仕組みづくりや、福祉、医療など関係機関の円滑な連携が、今後ますます重要になってくると考える。
現在、県では、高齢者を地域で支えるための施策として、各種の事業に取り組んでいるが、国では、認知症に関する専門相談体制や地域連携の充実を図るため、認知症疾患医療センターの整備を、都道府県等に対する補助事業として実施しているところであり、本県においても、この事業に取り組むメリットはあるものと考える。
認知症患者や家族の立場に立った支援体制づくりのため、県としてどのように取り組んでいるのか。
国の認知症疾患医療センター事業の導入も含めて問う。
4 別子銅山産業遺産の活用について
総務企画及び経済企業委員会の県内視察において、国の重要文化財である旧広瀬邸及び東洋のマチュピチュと言われる東平地区を視察した。
明治時代に入り鉱山の近代化が図られたが、それに伴い製錬所からの亜硫酸ガスにより山野や田畑が枯れ、山々や人心が荒廃した。
そのような状況を改善するべく、毎年100万本を超える大植林事業が開始され、その結果、現在は緑豊かな山々に戻り、その中にひっそりと明治の遺産が埋もれている。
この貴重な地域資源である産業遺産を学びの場として、また、観光資源として積極的に活用することが必要であると思う。今後、この遺産をいかに磨き後世に残していくか、大切な節目を迎えているところであると思う。
(1)東予地方局では、東予地域資源活用促進事業において、別子銅山産業遺産を観光資源として積極的に活用する取組みを東予地域の4市1町と連携しながら進めているが、その取組みに当たり、基礎自治体とどのように連携し、支援していこうとしているのか併せて問う。
貴重な地域資源である別子銅山産業遺産をどのように活用しようとしているのか。
(2)被災地学校修学旅行支援事業について
東日本大震災や福島原発事故により、環境と産業の調和、安全安心な地域づくりなどが喫緊の課題となっており、鉱山開発により荒廃した森林を緑豊かな山々に戻した別子銅山の取組には学ぶところが大きいと思う。
学びの場として別子銅山産業遺産を大いに活用すれば、被災地域の生徒たちの勇気と希望が湧くものと思う。
えひめ愛顔の助け合い基金を活用した被災地学校修学旅行支援事業について、現時点でどのようなプランを考えているのか。
5 国体開催に向けた準備状況について
世界で活躍するサッカーの長友佑都選手、ロンドンオリンピックへ向けた女子ウェイトリフティングの星である八木かなえ選手などの活躍を見ると、多くの関係者による平素の支えがあることを実感する。
第54回熊本国体は、選手を民泊で受け入れるなど、地域が一体となって選手を支えたすばらしい大会であった。
(1) 愛媛国体で来県する人々には、県民総参加のお接待の心を生かした愛媛らしさを体感してもらうとともに、県内にあっては、指導者や選手、設備が地域の誇りとして残る大会となることを望む。
現時点で取り得る最大限の努力の下で行われる大会が身の丈にあった大会であると認識している。
愛媛国体にどのように取り組むのか。
(2)国体開催の拠点施設となる県総合運動公園の整備計画について、今後の予定も含めた全体像はどうか。
6 狩猟者育成の取り組みについて
報道によると、県内における平成22年度の野生鳥獣による農作物被害額は、過去10年で2番目に多い4億3,588万円、前年比38.4%増とのことであり、県下全域にわたる鳥獣被害の防止対策が望まれている。
また、本県における狩猟免許所持者は、平成5年度の6,314人から平成21年度には3,918人と大幅に減少し、その年齢構成も平成5年度には60歳以上が約3割であったが、平成21年度には約6割を占め、高齢化が進行している。
このような状況を受け、知事は2月議会で、猟友会員の減少や高齢化等により、狩猟者の確保が大きな課題となっていることから、国に対し、総合的な狩猟者育成制度の創設など、被害防止対策の更なる強化について積極的に働きかける内容の答弁をしている。
総合的な狩猟者育成制度の創設に向けた国の取組状況はどうか。また、国の対応を待つことなく、県独自の狩猟者育成に向けた取組みも必要と考えるがどうか。
佐々木泉議員(共産党)の一般質問(大要)
1 今後のエネルギー政策について
福島第一原発事故は収束せず、周辺地域住民避難の事態が続いている。
知事は、先の記者会見で「今の危険性を鑑みると、長い目で見たときに脱源発を追い求めていくというのは取るべき道筋だと思う」と原発から自然エネルギーへの転換の意向を明らかにしており、伊方原発の再起動についても、「細かい説明がなく安全の基準が見えない」「全国一律ではなく原発ごとに安全性を検証する必要がある」と述べたが、これは多くの県民の気持ちでもある。
中性子による原子炉のぜい性劣化を示す監視試験片のぜい性遷移温度は、伊方原発1号機で初期値マイナス25度であったものが、運転半年後に0度、5年後に16度、18年後に30度と上昇している。その後の16年間調査されていないが、九州電力玄海原発1号機では98度にも達しており、緊急冷却で原子炉が割れる可能性が指摘されている。
また、青森県六ケ所村の再処理施設の行き詰まりで、伊方原発の使用済み核燃料は既に1,324本、低濃度廃棄物を詰めたドラム缶は2万9,500 本にも達している。
安全な原発などあり得ず、期限を決めた原発からの撤退は避けられないと考える。共産党は5~10年という期限を切って、原発からの撤退を提唱している。
全国では、太陽光発電への独自の補助を従来から行ってきたのが38府県、福島第一原発事故後の制度拡充や新設が17都府県ある。
(1)エネルギー政策の転換として、原発ゼロに向け県のかじを切る知事の決意はどうか。また、その期限と目標はどうか。
(2)太陽光発電への県独自の新たな補助制度を創る考えはないか。
2 原発は危険なものと考えるか
米国スリーマイル島原発事故調査委員会は、「原子力発電所は安全だという態度を改め、原子力は本来危険をはらんでいる、という態度に変えなければならない」と、既に30年も前に指摘した。また、福島第一原発事故調査・検証委員会畑村洋太郎委員長は「原子力は危険なもの。それが安全なものとして取り扱われてきたのは間違いだった」と述べている。
原子力発電への基本認識として、「原子力は危険なもの。安全というのは間違いだ」と考えるか。
3 伊方原発のメルトダウン対策について
福島第一原発事故について、東京電力は、想定外の津波による電源喪失が原因のように言ってきたが、津波が来る前に既に送電線鉄塔が倒壊し電源が喪失していたこと、69台もの電源車を集めたにもかかわらず、1台も役に立たなかったことが明らかになっている。巨大津波が原因でないとすれば、全国どこの原発でも福島第一原発のような重大事故があり得ることになる。
福島第一原発事故では「止める」「冷やす」「閉じ込める」の3つの安全上重要な機能が当てにならず、放射能漏れを防止するという「5重の壁」が全て破壊された。
福島第一原発の事態を迎えた今、メルトダウンは想定外のことではない。予防策だけでなく、実際にメルトダウンした場合の方策が重要である。IAEAの調査団は6月1日、福島第一原発では「事故後ベストの対応が取られた」と評価している。すると、伊方原発でメルトダウンに至り、電源も冷却水も喪失したまま回復が望めないといぅ事態に陥ったとき、やはり、ヘリコプターによる散水、放水車(キリン)による送水に始まり今日に至る一連の対応がべストの対応と考えるのか。
メルトダウンのような事故に至れば手の尽くしようがない危険な装置となる原発をこれ以上存続させることはできないというのが、合理的、理性的な判断である。
伊方原発がメルトダウンしたときの対策はどうか。
4 伊方原発の立地条件について
伊方原発1号機は寿命の30年を超え、2号機も来年30年を迎える。3号機はプルサーマル運転をしている。世界最大級の活断層である中央構造線の直近で、南海大地震や豊後水道の地震の影響も大きな地震観測地域のど真ん中にある伊方原発は最悪の立地条件にある。福島第一原発事故の結果、伊方原発の地震想定も見直しが必要となっている。また、福島第一原発では大量の放射能汚染水を海へ排出したが、瀬戸内海は閉鎖水域であり汚染水で死の海となる。
(1)三波川帯について
伊方原発の地盤は三波川帯の緑色片岩であるが、四国電力はこれを「約2億年前に形成された古くて固い緑色片岩」「伊方原発は強固な緑色片岩の岩盤上に建設」と言うのに対し、一般の地質解説では、「三波川帯変成岩は薄く割れやすい性質」で「もろく崩れやすい」「三波川帯地域は日本有数の地すべり地域」としている。固くてもろいのか、もろいが強固なのか、固かったりもろかったりするのか。
三波川帯について、対立する見解をどう説明するのか。
(2)送電線鉄塔の耐震性について
送電線鉄塔については独自の耐震基準がなく、風速40メートルの風に耐えるレベルをもって耐震基準としていると聞くが、風速40メートルの風が吹くもとで地震が起こればどうなるのか。
送電線鉄塔の耐震性はどうなっているか。
また、福島第一原発の鉄塔も風速40メートルに耐えるとして建設されていたはずなのに倒壊しており、伊方原発だけが大丈夫という保証はないと考えるがどうか、併せて問う。
(3)津波の引き波の規模評価について
新潟県中越沖地震以前の基準では、地震による引き波で水面が下がると、伊方原発3号機の取水口までわずか4cmの余裕しかない状態だったが、その後の耐震性見直しバックチェックの結果が2009年2月に出され、水面が下がったとしても取水口まで121cm余裕があるように改訂された。地震の揺れは大きくなるように改訂されたのに、引き波の規模は小さくなっている。
伊方原発の耐震性見直しの結果、想定される地震の揺れの規模が大きくなったのに、津波の引き波の規模が小さくなったのはなぜか。
さらに今年3月4日には、バックチェックの改訂版が出され、取水口までの余裕は37cmになった。バックチェックしたものが、更に改訂されるのは不明朗と考えるがどうか、併せて問う。
5 原発「安全神話」の背景について
(1) 伊方原発は、浜岡原発に次いで日本で危険度の高い原発だと考えざるを得ない。これまでも、週刊ダイヤモンド、週刊現代、女性自身などの雑誌が安全神話に異議を唱え、伊方原発は全国の原発の中でも危険度が高いと報道してきた。週刊現代の5月28日号では、元京都大学原子炉実験所講師小林圭二氏が、「立地で最も危険なのが浜岡だが、四国電力の伊方原発も止める優先順位が高い」と指摘し、全国的に危険な原発に数え上げている。
伊方原発の危険度については、県政の大問題である。
安全神話に異議を唱える雑誌の報道に、四国電力は抗議や訂正要求をしているのか。
(2)四国電力の広告関係費について
2009年9月議会における同様の質問に対し、県は承知していないとの答弁であったが、2010年度の民間調査機関発表によると、四国電力の広告宣伝費は31億3,100万円、販売促進費は23億9,500万円の合計55億2,600万円となっている。巨額の宣伝費によって、「原発は重大事故を起こさない」、「放射能を漏らさない」との誤った安全神話を振りまいてきたのであり、この虚偽宣伝のための宣伝費についての県の調査不足については反省すべきではないか。四国電力の広告宣伝費の実態を示すとともに、福島第一原発事故後の現時点に立ち、県の調査不足の反省についても併せて問う。
(3)原発メーカーからの天上がりについて
電力会社ばかりでなく、国の原子力安全・保安院も安全神話に手を貸してきた。2010年2月議会において、原子力安全・保安院の保安官の半数が民間、主に原発関係メーカーからの天上がりの実態を紹介した。共産党の4月21日付けしんぶん赤旗が報道したところによると、原子力安全・保安院が創設された2001年以来、民間から採用された職員は82人で、原発メーカーの東芝22人、関西電力6人、旧石川島播磨重工業6人、三菱電機5人、その他、日立製作所、清水建設、鹿島建設、竹中工務店など35社に及んでいる。これら原発メーカーの影響の強い原子カ安全・保安院が、原発建設やプルサーマルにゴーサインを出していた。これについて、どう考えるのか。
国の原子力安全・保安院への原発メーカーからの天上がりの実態と県の評価はどうか。
6 伊方原発の安全対策について
(1) IAEAは世界の原発の総点検を議論した。伊方原発では原発の安全に関わるあらゆる分野の専門家、有識者、住民代表を加えて、率先して総点検を進められたい。
伊方原発の総点検を、国と四国電力任せではなく、県の責任で進めること。(要望)
(2)かつて、プルサーマル導入の際、大規模なシンポジウムを開催した。原発そのものの今後をめぐる討論会を開いて、県民の不安と疑問に答え、県民の声を直接聞く機会とされたい。
県民の不安に答える公開の討論会を開くこと。(要望)
(3)電源立地地域対策交付金など、原発関連の交付金が総額32億円、本県と伊方町、八幡浜市などに交付されているが。これを伊方町などとも協議の上、自然エネルギー開発のために活用されたい。自然エネルギー日本一の大分県は既に25%を自給しているが、本県は全国第25位、5%という状況である。
原発関連の交付金を自然エネルギー開発に振り向けること。(要望)
鈴木俊広議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 柑橘産業の振興について
(1)柑橘の品種対策と生産流通基盤の再構築について
22年産温州みかんは裏年に加え、天候不順や鳥獣害等により収穫量が激減し、全国では前年比13%減の78万6,000トン、本県では22%減の11万5,600トンで、裏年における量の確保に課題を残す結果となった。
一方で、本県産の温州みかんは、食味が良いこと、生産減による品薄や生産者・生産者団体の計画出荷の徹底等により、全市場の平均価格は1キロ当たり269円で、21年産の173円を大きく上回った。
22年産の柑橘は、総じて数量減・単価高となり、果実数が多くなる表年と少なくなる裏年とが交互に発生する隔年結果を是正し、生産数量を確保した優良産地や篤農家では収益増となった。しかし、裏年で数量を確保できなかった生産者は大変厳しい経営状況となるなど、産地間・生産者間の収益格差の大きい年となった。今後は、市場等の信頼を確保するためにも、表年と裏年の数量・品質の格差を縮めることが産地及び生産者共通の課題であり、今年は量の増える表年のため正念場となる。
県は、3月末に、柑橘王国愛媛の今後10年間の果樹農業施策指針となる新たな果樹農業振興計画を策定した。品種供給対策として、温州みかんやせとかなどを基幹品種に、新品種の紅まどんなや甘平などを戦略品種に位置付けて振興を図るほか、貯蔵技術を利用した出荷調整等による周年供給体制も構築するとしている。
また、需要に応えた生産・流通のための需給調整対策の推進として、隔年結果を是正するための取組みを行うとともに、次代につながる生産基盤の構築や幅広い消費拡大・需要創出の推進などに取り組む計画である。
6月2日に農林水産省が公表した23年産温州みかんの全国予想生産量は99万トン程度で、適正生産量及び22年産の生産量を大幅に上回ると見込まれている。また、東日本大震災による経済活動の混乱や福島第一原発の事故の問題が長期化するなど、個人消費への悪影響が懸念される中で、温州みかんをはじめ柑橘を取り巻く販売環境は、引き続き厳しい状況が見込まれる。
新たな果樹農業振興計画の実践初年度として、柑橘の需要に応じた品種対策と生産流通基盤の再構築に、どのように取り組むのか。
(2)第57回全国力ンキツ研究大会への支援について
「ビジョンと誇りを持って拓け、未来のカンキツ産業」をテーマに、全国の生産者、関係者が結集する第57回全国カンキツ研究大会が8月23日に県内で開催される。県内生産者等は、3年前から視察園地の整備を行うなど、周年供給に向けた技術・産地事例を紹介するほか、産地が互いに協力し、高品質生産・反収増加による経営安定を図ることを確認するとしている。
第57回全国力ンキツ研究大会に対して、どのような支援を行っているのか。
(3)県産柑橘の輸出促進について
報道によると、福島第一原発の事故発生後、日本産農林水産物に対して諸外国の輸入規制措置が実施され、日本産というだけで敬遠され、あるいは輸入量が大幅に減らされるといった事例が散見される。香港では日本食離れが止まらず、日本産食品を扱う青果店やレストランが経営不振に陥り廃業に追い込まれる店も出ている話などを聞くと、風評被害もここまで来たのかと実感する。
国は、25年までに農産物の輸出額を1兆円規模に拡大することを目指し、積極的に輸出促進に取り組んでおり、県も、えひめ愛フード推進機構が主体となり、経済成長著しいアジア地域を重要市場と位置付け、特に台湾や香港に対して、中秋節や旧正月の贈答需要をターゲットに、柑橘を中心とする輸出促進に積極的に取り組んでいる。その結果、温州みかんをはじめとする柑橘や販売額が急増し、今年度は更なる販売拡大に取り組む計画で、大いに期待している。
これまでの官民挙げた取組みにより、台湾、香港での本県産柑橘の知名度が向上しているため、今回の福島第一原発の事故による風評被害が長期化し、秋以降の本県産柑橘の輸出に影響するのではないかと危惧する。
今後は、従来からの販売促進活動に加えて、本県産柑橘の安全性を現地の消費者に直接訴えかける取組みを通じて、安定的に輸出できる環境を整備することが求められると思う。
県産柑橘の輸出促進に、今後どのように取り組んでいくのか。
2 防災対策について
本県では、県・市町、関係諸団体の職員、即応予備自衛官等が、東日本大震災の被災地に各任務を持って派遣され、行政や会社、個人が援助物資を届けている。県民の温かい心は愛媛の誇りである。
東日本大震災から教えられることは多い。その中で「励まし合い、訓練通り子どもたちは避難した釜石の奇跡。防災教育徹底の成果」という話がある。学校等が行う防災教育は、あらゆる角度から検討を加えて実践的な計画を立てていると思うが、その内容を広く周知してほしい。
また、時間的、場所的、人口構成等から、広域での統一した訓練は大変難しいのが現実である。訓練は、回数を重ねることにより、一人でも多くの生命を守ることができるようになるが、実施できない言い訳を聞くことも多い。
いつ地震・津波が押し寄せて来るのか分からないからこそ、今考え、今話し合い、そして今取り組むべきである。県は、どこまで防災教育や計画を周知・徹底することができるかが課題と思う。
過去の地震・津波の実態の研究不足が、今回の大震災の被害が大きかった一因であるとも考えられる。将来にわたって東日本大震災から学び続けることの大切さについて、どうすべきか考えなければならない。例えば、各学校において、3月12日から2か月間の新聞を職員室に永久保存することは、教育にとっても大変有意義であると思う。
(1)小中学校において、防災教育に今後どのように取り組んでいくのか。
(2)県民に対する防災の意識啓発に、どのように取り組んでいるのか。また、今後どのように取り組んでいくのか。
3 住民と一体となって行う地域づくりについて
地方分権が進むこれからの時代は、地域の自立に向けて特色ある魅力的な地域づくりを進めていくことが大切と思う。
知事が参加する「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」の設立趣旨に、「公務員が社会貢献活動、地域づくり活動、自治会等の活動に参画することは、国民、地域住民と思いを共有し、ひいては現場の国民目線、住民目線で行政を推進することにつながり、行政の在り方を国民本位、住民本位に変えていくために極めて有効」とある。
県は、市町や地域に働きかけていくやり方から、職員自身が地域に入り、地域の現状や住民が求めているものを直接肌で感じ、それぞれの地域に合った取組みを一緒に考え、活動する方向に変えていくべきと考える。
高知県は地域支援企画員制度を導入し、23年度には県内全34市町村に53人の地域支援企画員を配置している。県の出先機関に属さない職員が、縦割りの組織に縛られず、産業振興計画の地域アクションプランに盛り込んだ取組みの支援、住民活動のサポート、情報提供、人と人とのつなぎ役や地域と市町村等とのパイプ役の役割を果たしている。この制度の特徴は、企画員が市町村役場等に常駐し、職員の自由な発想で自主的に活動していることで、成果も上がっていると聞く。
本県も今年度から、市町との人事交流制度を拡充するとともに、企画振興部に地域政策課を新たに設置し、地域振興施策を一体的に推進する体制を整えるなど、現場重視・地域重視の取組みを積極的に進めているが、知事が提唱する「愛顔あふれる愛媛県」の実現のため、更に踏み込んだ取組みを期待する。
県と市が連携し、また、住民と一体となって行う地域づくりに、今後どのように取り組むのか。
4 県道上分三島線の現状について
県道上分三島線は、四国中央市の重要路線であり、沿線には、伊予三島郵便局や市庁舎、県庁舎など公共施設のほか、県立三島高校等の教育施設、商店や住居が連なり、通勤・通学や買い物等の生活道路として重要な役割を担っている。
しかし、当県道は、部分的に2車線と片側歩道で整備され、また末整備区間が多いため、朝タの通勤通学時間帯は、自動車や自転車、歩行者が集中し、交差点付近はボトルネックの状態となり、危険な状況である。
また、市が整備を進める市道中曽根三島港線の完成後は、交差する当県道への交通量の増加が懸念される。
当県道の整備により、災害時には、市が計画する防災センターと近接する官公庁や避難所が、安全かつ確実に連携できると考える。また、2車線の道路空間の確保は、火災の延焼の防止につながる。
東南海・南海地震の発生のおそれがある中で、県道上分三島線の現状をどのように把握し、安全安心な整備にどう取り組んでいくのか。
5 松山聾学校への知的障害高等部設置について
19年4月に学校教育法等の一部が改正され、障害のある子ども一人ひとりの教育的二ーズに応じた適切な教育の実施をはじめ、盲・聾・養護学校という障害種別から、複数の障害種別に対応した教育を実施できる特別支援学校の制度が創設されるなど、障害のある児童生徒等の教育の一層の充実を図っている。
文部科学省の調査によると、21年度の知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒数は10万2,084人と、10年間で約1.86倍に急増し、知的障害特別支援学校に在籍する生徒の増加が顕著であるほか、障害の重度・重複化や多様化が進んでいる。
県教委では、特別支援教育の理念を踏まえ、障害のある子どもたちの教育的ニーズに適応した教育の充実を図るとともに、より効率的な学校経営を図ることを目的に、21年度から25年度までの5年間の県立学校再編整備計画を20年8月に策定し、これまで、宇和聾学校と宇和養護学校との組織統合、知的障害児施設内分校の廃止、松山聾学校の学科改編などを進めてきた。
本年4月には、今治特別支援学校新居浜分校を本校化して新居浜特別支援学校とするなど、学校経営の効率化にも意を用いながら、特別支援教育の充実に向けて、着実に成果を上げていると考える。
本計画は、みなら特別支援学校の児童生徒数の増加に対応して、学校規模の適正化を図るため、24年度に松山聾学校へ知的障害高等部を設置し、同校の大規模化の解消を明記している。
一つの敷地内に聴覚障害と知的障害という複数の障害を対象とした教育の場を設けることに対し、これまでの聾学校における教育の専門性の確保や質の低下を招くことなどについて、不安を感じている方もいると聞く。
24年度の松山聾学校への知的障害高等部設置に向けた現在の状況と方針はどうか。