本会議論戦(大要)
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2011年9月定例会
以下は、2011年9月22日の県議会本会議における、各議員のxx質問の大要です。
住田省三議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 補正予算の狙いについて
東日本大震災は、歴史的な転換点と言われているが、我が国は以前から様々な構造的問題を抱え危機的状況にある。今こそ国政はもとより、県政においても、夢と希望がある未来の実現のため、明確なビジョンが必要である。
知事は疲弊した地方財政に配慮しつつ、愛顔あふれる県政を実現するため、施策の選択と集中により、限られた財源の効率的な配分に努め、財政健全化を実現しようとしている。
本県の県債残高は約1兆円であるが、うち3,000億円余りは国が後から全額負担する臨時財政対策債であり、投資的な事業に充当する建設地方債については抑制基調となっているため、健全な財政運営と考える。しかし、大規模災害のような突発的な事案が発生した場合、急きょ復旧対策等を講じようとしても現金が不足するのではないかと懸念する。
今回、東日本大震災を受けた防災対策を柱に、224億円の予算を計上しているが、県単独事業が中心で、国の経済対策への対応分を除いた予算規模としては過去10年で最大と聞く。
厳しい財政状況の中で編成した補正予算の狙いはどこにあるのか。
2 防災関係について
(1)情報通信体制の確保について
6月初旬に復興支援PTの一員として、宮城県と福島県を訪れたが、津波被害の大きさと、被災地域とその他地域との格差にがく然とした。今一度、被災者の立場に立って気持ちを酌み取り、支援を継続すべきである。
また、被災者が心のケアや就職先、住居をどれほど必要としているか、生の声を聞き、その現実がよく分かった。
亘理町長から避難訓練の成果についての話を、飯舘村長から危機管理上の留意点や避難先でのストレス等についての話を聞いた。中でも特に印象に残った話は、東松島市長から聞いた防災無線の重要性である。無線基地を2か所に分散していた結果、消防署の1か所が無事であったことから、住民に避難勧告を伝えることができた。
このことから、住民が津波から安全に避難するためには、日頃の訓練はもとより、情報通信体制の確保がいかに重要か再認識した。今回の震災では、大規模地震や津波により、災害時の拠点となる建物や通信設備が被災し、さらに、長期停電が発生したことから被災地との通信も遮断された。
その結果、被災状況の把握、支援要請の連絡、県民等への情報発信などが困難となり、迅速な災害応急対策に支障が生じた。
どのような状況でも、通信機能が維持できるよう多様な情報通信体制の整備を図る必要があると考える。
南海地震に備え、情報通信体制の確保にどう取り組むのか。
(2)地域防災力の向上について
9月1日に砥部町で県総合防災訓練があり参観してきたが、参加者はきびきびした態度で真剣に訓練していた。
「備えあれば憂いなし」という故事には前段があり、「安きに居りて危うきを思う、思えばすなわち備えあり、備えあれば憂いなし」と続く。これは、日頃の備えや訓練の必要性を説いている。
防災といえば、一般的には避難訓練、消火訓練など断片的なイメージを持っているに過ぎない。地元の自主防災組織の訓練に参加したことがあるが、自分の地域では、どういった被害想定があるのか、どのように組織を動かすのか、という戦略が抜けているケースが多いと聞く。住民が防災を始めるためには動機付けが必要である。それには、自らの地域をよく調べ、今後、発生が予想される具体的な災害の種類や規模、頻度を理解するとともに、その対応の手順を住民間で共有することである。また、自らの家屋における耐震補強など自助対策も重要である。
地域防災対策を進める上で、災害図上訓練DIGは有効な手法である。これは、地震や風水害など災害が起きたとき、どのような被害が発生するかを地図上で想定し、参加者自らが地域の特徴や課題を地図から読み取り必要な対応を具体的に考える訓練である。このような訓練を本県でも導入すべきである。
地域防災力を向上させるためにどのような対策を考えているのか。
(3)津波対策のための護岸、堤防等の整備について
これまでの津波想定に対する海岸保全施設の整備状況は、宇和海沿岸では約144km中、約57kmが予想される津波高に対して護岸高が不足しているが、瀬戸内海沿岸では約358km全てが予想される津波高以上の護岸高になっていると聞く。現状を認識する一方で、地震で堤防が被害を受けた場合や、予想外の大津波が来た場合は大丈夫なのか疑問を持った。
東日本大震災の津波の浸水区域は海からの距離が最大約10km、標高は最大約30mである。本県は県土の約1.3%に当たる765km2が浸水区域に該当し、同区域には県人口の約54%である79万6,737人が居住している。
瀬戸内海沿岸における津波対策のための護岸、堤防等の整備は万全か。また、今後、宇和海沿岸の整備にどう取り組むのか。
3 集落営農の組織化を促進することについて
専業農家のリーダーによると、今の農業収入は、農機具などの減価償却費を引くと完全な赤字になるため、今後、農業が好きで就農を目指す人が生活できるか心配しているとのことであった。
農業振興策で大事なことは、集落営農の組織化である。高齢化により農家が減少している中、農業を辞めたいと考える兼業農家も増加していると聞く。このような状況で、農地の一部を営農組織に貸すことにより、大型機械の活用による規模拡大や、作付け場所を毎年変更し、野菜の連作障害を防止するなど、集落で農業を守り生産を拡大しなければならない。
本県農業の再建を図るためには、集落営農の組織化を促進すべきと考えるがどうか。
4 観光振興策について
先月、京都市を視察し観光政策について話を聞いた。観光のメッカである京都は年間5,000万人の観光客が訪れる。その京都も大震災の影響を受け外国人客が激減したが、現在、未来に向けて前進する観光政策を考えている。
その内容は、5,000万人を増やすよりキープしつつ京都の魅力を堪能してもらうことであり、観光スタイルの質と観光都市としての質を高めることを目指し、キャッチフレーズを「いよいよ旅の本質へ」としている。
旅の本質とは、旅を通して、気付き、学び、癒され、元気をもらい、成長し、人生が深く、豊かになることである。その具体策として、「暮らすように旅する」滞在・宿泊型の観光、「歩いてこそ京都」環境にやさしい歩く観光、「市民の京都再発見」市民が知り、学び、楽しむ観光など、ただ見て回る従来型の観光ではなく、その土地の文化や歴史、風土、食べ物、産業などを、体験したり感じたりすることを重視している。
この視察で、京都市職員からは、四国八十八箇所参りの中で、自然の素晴らしさ、瀬戸内しまなみ海道の美しさに感動したことや、お接待による人の温かさに感激したことなどを聞いた。
また、新しい観光の切りロとして、知事と平田オリザ氏の対談において、アジアの観光に大きな影響を与えるフランスでは、現在、俳句が評価されているという話があった。さらに、松山市が周遊型の観光ルート開発に取り組んでいることなども、今後の観光振興に活用できるのではないかと思う。
愛媛の素材を最大限に活かし、観光客に対して旅の本質を提供できる観光振興を図るべきと考えるがどうか。
5 生物多様性地域戦略の検討状況について
昨年、名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議が開催され、自然と共生する世界の実現を目指し、生物多様性の損失を止めるための行動を実施する新戦略計画が採択された。
また、私が、昨年9月議会で、県として生物多様性についてどう認識し、どう取り組んでいるのか質問した際に、「生物多様性の保全については、早急に取り組むべき重要な課題であり、23年度中を目途に生物多様性地域戦略を策定し、県民総ぐるみで、本県ならではの多様で豊かな生態系と、これらを育む自然環境の保全に取り組む」との答弁があった。
一方、先進的に戦略を策定している千葉県では、これまで、生物多様性の保全・再生にかかわる施策が行われてきた。しかし、必ずしも事態の好転に結びついていない実態を踏まえ、県はもとより、県民、NPO、市町村、企業に至るまで、生物多様性に関する情報を統合管理する研究拠点として生物多様性センターを設置したと聞く。
生物多様性地域戦略の検討状況はどうか。また、戦略を実効性あるものとするため、生物多様性センターを設置すべきと考えるがどうか。
6 自立的に生きる力を育む障害児教育について
最近の子どもの障害は、発達遅滞や肢体不自由などの障害以外に、学習障害や注意欠陥・多動性障害、そして高機能自閉症などが注目されるようになっており、障害の重度・重複化、多様化が進んでいる。その結果、子どもの状態を総合的に捉えた多様で的確な指導が重要となり、従来の障害種別の枠を越えた新しい教育を進める必要がある。
先月視察した京都市では、障害のある子どもに対し、単なる養護育成教育から総合性・地域性のある総合育成教育に発展させ、質的充実を図っている。
例えば、高等部の職業学科では、開設以来、卒業生ほぼ全員が企業就職を果たしている。その理由として、企業での長期実習と学校の授業を組み合わせた「総合養護版デュアルシステム」の推進や、生徒一人ひとりの障害の状態に応じた幅広い多様な進路を確保するため、労働関係機関や企業と連携した「巣立ちのネットWORK」の設置が挙げられる。
さらに同市は、地域の小中学校では、対象者が一人でも特別支援学級を設置するなど、障害種別を越えて、児童生徒一人ひとりのニーズに応じた教育を推進する個別の包括支援プランをもとに、最適な内容・方法・形態による学習を進めている。
このように、京都市では、障害児童一人ひとりの可能性を最大限に伸ばし、自立的に生きる力を育む教育を進めている。
本県の障害児教育において、自立的に生きる力を育む教育を進めるべきと考えるがどうか。
福田剛議員(民主党・かがやき)の一般質問(大要)
1 本県の資産価値について
仕事は、資産価値を上げるために努力することだと考える。県でも、資産価値を上げる、本県のブランド価値を上げるという視点で仕事をすべきであり、資産価値という株価のような指標が人口である。つまり、人口を増やすために仕事に取り組むことが働く意義である。
第六次県長期計画では、基本理念を「愛のくに愛顔あふれる愛媛県」とし、政策体系は「産業」「暮らし」「人づくり」「環境」の4分野を柱としているが、分かりやすい数値目標が必要と考える。
2020年の県の将来予測は、総人口が134万人程度で、2010年と比較して9万1千人の減少、65歳以上の老年人口の割合は30%を超える見込みである。また、世帯数についても核家族化の進行等を背景に増加傾向にあったが、人口減少の影響により2011年以降は減少する見込みである。
長期計画の策定に当たり、人口を増やす視点がないことが疑問であり、現在143万人の総人口を、2020年までにどれだけ増やすかという数値目標があるべきと考えるが、10年後には約9万人自然減少するという予測があるのみで、第五次県長期計画の反省が生かされていない。日本全体が人口減少にある中、仕方がないという諦めにも似た計画ではなく、他県も羨む人口増加県にできるという目標を掲げるべきである。
人口を増やす方法は、自然増と社会増の2つしかなく、即効性が高いのは、他地域から移り住んでもらう社会増であり、そのための政策に資金投資をしなければ、「愛のくに愛顔あふれる愛媛県」の実現はスローガンだけに終始すると考える。
他県から本県に移り住みたくなるという視点での取組みを期待する。
なお、私の5つの質問全てに対して、賛成か反対か等の立場を明確にして答弁を願う。
(1)第六次県長期計画の中で、資産価値を上げる視点をどのように考えているのか。
(2)資産価値を上げる具体的な数値目標として、人口増加が分かりやすい指標と考えるがどうか。
2 県内産業の貿易支援策について
人口を増やすためには、他県に移動せず、定住することが必要であり、人は仕事があるからその地域に定住する。仕事は、需要と供給のバランスで生まれ、消費者の欲しいという欲求で生まれる。そのため、人ロが減少していく国内よりも、より人口の多い地域で需要を喚起すること、人が多い場所で商売をすることが必要である。づまり、内需型産業から外需型産業への転換を図る必要がある。
県内経済情勢の主要経済指標の輸出入状況を見ると、本県はここ数年貿易赤字県である。本県の貿易の特性は、素材を海外から輸入し、自動車などの最終製品に使用する部品等を作り、他県へ出荷する加工貿易県であることは理解しているが、地域主権の時代、自分で稼げる県、自立した県の実現のため、外需型、輸出型産業へと転換するための決意と覚悟と投資が必要である。
しかし、輸出となると、日本製品に放射能の風評被害があり、企業独自の努力では難しい事態である。第一次産業の食品、第二次産業のタオル、紙製品などの工業製品を海外で儲けるための振興、販路拡大、渉外に県が商社となるくらいの強い取組みが必要と考える。
県内産業を輸出型産業へ転換していく過程で、需要が高まり、仕事と雇用が増え、本県で暮らす必然が生まれ、人口が徐々に増えていく。県内の企業や産業が海外をこれからの主たる市場として捉え、本県が貿易黒字県へと進化していくための支援として限られた財源を県下の第一次・第二次産業の貿易支援策へ集中投下することは、将来への投資として必要と考える。
本県が貿易黒字県となるために、今後、県内産業の貿易支援策を拡充する必要があると考えるがどうか。
県内産業の貿易支援策を拡充する場合、どのような事業展開でどれほどの予算規模を考えているのかについても併せて問う。
3 公立教育現場への限られた資源・財源の集中と選択について
全国から本県に移り住んでもらうためには、教育水準を飛躍的に上げることがセールスポイントになる。佐藤拓氏の著書「データ比較『住みにくい県』には理由がある」によると、2007年の全国学力・学習状況調査の結果において、本県の小学6年生の総合順位は全国30位であったが、例えば公立学校教育の大幅な学力向上を掲げ、5年以内に全国10位以内に順位を上げる目標を掲げるなど、教育水準の高い県として売り出すこともできると思う。そのためには、公立小中学校の教職員が、プロの学習指導者として専門性を一層高めることが重要である。
しかし、小中学校の教育現場では、教職員は授業を受け持つ以外にも、スポーツ・文化の部活動の指導に放課後や休日等の多くの時間が割かれている実情がある。しかも、部活動を過去専門的に経験したことのない教職員が大半であり、そうした教職員が子どもを指導することは、子どもにとっても不幸なことである。
スポーツや文化的な活動の指導は、経験豊かなプロが直接子どもを指導することにより、才能を伸ばせると考える。そして、教職員は教育のプロとして、教育技術と授業時間に個々の持つ力を集中して実力を発揮してもらう。
一方、公立学校教育だけでは子どもの学習習熟度が高まらないため、現実には、多くの家庭で学習塾に通わせている。しかし、経済不安の昨今、教育費を捻出することも厳しい家庭が多く、子ども手当の多くを学習塾等に支出していると聞く。
公立学校教育だけで、より高い教育水準に子どもが育てば、親からも喜ばれ、また、小さい頃からスポーツや芸術面でプロからの直接指導を受けることが、分野ごとの才能を伸ばすことにつながる。そうした愛のある教育水準の高い県を標ぼうすることで、他県から移り住んでもらえると思う。ちなみに、全国学力・学習状況調査によると1位は秋田県であり、学力1位であることが秋田県のブランドを高めており、30位である本県は学ぶことも必要である。
また、学習塾等へ通わせなくても子どもを育てることが実現可能であるなら、どのような取組みを行うかについても併せて問う。
公立教育現場への限られた資源・財源の集中と選択により、学習塾等へ通わなくてもいい愛媛の子どもを育てることが必要と考えるがどうか。
4 土・日・祝日や平日夜に議会を開くことについて。県議会の録画中継の実現について
本県議会においては、県民が傍聴しやすい土・日・祝日や平日夜に議会を開催するのではなく、月~金曜の平日昼間に開催することが当たり前のように続いている。
また、第五次県長期計画の中にも、電網の風と呼ばれる情報ネットワーク愛ランドの創造と大きく宣言していたにもかかわらず、インターネットでの議会中継は本県議会には生中継しか存在せず、県民が夜など時間のある時に議会中継を見ようとしても録画中継が見ることができない。近県の香川・徳島・高知県議会などは当然のように録画中継もインターネットで見ることができ、本県議会は、県民に開かれていない議会だと判断されても仕方がない。
土・日・祝日や平日夜に議会を開いてはどうか。また、インターネットで県議会の録画中継をすぐに行ってはどうか。
録画中継は、すぐにでも補正予算を組んで実施すべき課題と思う。
また、これらの実施に当たり技術的に可能か否かについても併せて問う。
5 答弁、発言の必要のない理事者の議会出席の理由は何か。
本県議会では、長時間各部署の管理職が、答弁の必要のない者も含め、この議場に着席・同席している。仕事場に管理職がいればすぐに解決できることも、議場に出席しているから決裁ができず、行政サービスが遅れる。事前に各議員からの質問項目は提出されており、また、各部署では、テレビ中継により、議場の内容は同席しなくても必要な事項は理解できると思う。議題と直接関係のない部署の管理職が議場に出席することは本来業務の妨げとなるため、場合によっては見直すことも必要と思う。
古川拓哉議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 目指すべき新たな愛媛県の姿について
(1)第五次長期計画で積み残された課題と第六次長期計画での対応について
野田内閣誕生に際して日本経済新聞社が行った緊急世論調査による内閣支持率は67%で、7月末の菅内閣支持率19%を48ポイント上回る船出となったが、過去5年間で6人目となる首相の交代によって国際社会から失った信頼は大きく、国の未来を切り開く一貫した方向性を指し示すことができない現状に、国民の中にも閉塞感が広がっている。
そのような中、県は、第五次長期計画から、先日、基本構想が発表された第六次長期計画へ移行しようとしている。基本構想では、目指す将来像を「次代を担う活力ある産業を創る」「快適で安全・安心の暮らしを紡ぐ」「未来を拓く豊かで多様な『人財』を育む」「調和と循環によりかけがえのない環境を守る」による4つの愛顔で表現しており、本県が時代の荒波を乗り越えていくため、新たな計画の実現に向けて、議会と理事者が車の両輪となり、総力を挙げて取り組まなければならない。
第五次長期計画で目指していた全てが達成できたわけではないと考えるが、残された課題は引き続き第六次長期計画で取り組むことが重要である。
第五次長期計画で積み残された課題は何か。また、その課題に対し、第六次長期計画においてどのように対応していくのか。
(2)財政の健全化について
平成22年国勢調査の速報では、人口の23.1%が65歳以上の高齢者・で世界最高となり、13.2%が15歳未満の子どもで世界最低水準となるなど、世界のどの国も経験のない少子高齢化社会を迎えている。
社会保障関係経費は年々増加を続け、国、地方とも、その財政負担に耐え切れない状況にある。国は現在、社会保障と税の一体改革に向け検討を進めているが、東日本大震災の復興財源確保の問題もあり、今後の財政運営は一層困難なものとなることが予想される。
既に地方は、三位一体改革による地方交付税大幅削減に端を発した危機的状況の中、血のにじむような歳入確保・歳出削減を進め、本県も、平成17年10月に財政構造改革基本方針を策定し、財政健全化に向け努力を続けてきた。しかし、現在の社会情勢の中では、多様な公共サービスの維持は非常に難しい状況にある。
現在、国、地方とも借金なしには公共サービスを維持できない構造にあり、本県も県債残高が1兆円を超える事態になっている。人口減少時代の中、県債発行は今の世代が将来世代に負担を残すことであり、可能な限り県債発行を減少させ、より良い形で次の世代に引き継ぐことが我々の責務である。
一方、大規模災害や経済情勢の急変など予期せぬ外的要因への対応も想定され、その備えに財源対策用基金の確保にも配慮しなければならない。
現在の財政状況を踏まえ、今後、財政の健全化にどう取り組んでいくのか。
(3)地方分権時代に向けての行政改革について
昨年12月議会における所信表明で、知事は、地方分権改革実現のための地方のあり方として、国に対しては、あるべき役割分担を明確にした上で権限と財源の移譲を主張すべきであり、一方で地方には自己責任と自立への覚悟が求められると述べた。
地方分権改革において必要なのは、これまでの国に支えられている地方自治から、主体性、自主性を持って地方から国を支える地方自治という発想の転換であり、そのための分権、それを実現するための財政、それらを活かせる人材である。また、地方分権時代の地方自治の確立には議会の役割も重要であり、地方分権時代にふさわしい議会を目指すべきと考える。
地方分権改革関連法案は、ようやく先の国会で可決成立したが、国の出先機関改革などまだまだ課題は山積している。そのような中、県は、地方分権推進と同時進行を図るべき行財政改革に積極的に取り組んでいる。
地方分権時代における地方自治体のあるべき姿を考えると、今後、主体性、自主性の確保と地方自治の担い手となる人材の育成が重要と考える。
来るべき地方分権時代に向けて、どのような行政改革を行っていくのか。
2 「愛媛ものづくり企業『すご技』」データベース」の構築について
先月の共同通信社によるアンケートでは、最近の円高や株安、長期化する電力不足など経営環境が厳しさを増す中、5割を超える企業が事業基盤を強化する対策として「海外への進出を加速したい」としている。今後、その動きが現実となれば、国内産業の一層の空洞化を招き、県内企業、特にものづくり企業に大きな影響を及ぼすことを懸念している。 このような日本経済全体としての問題は、国が早急に対策を打ち出すべきであるが、迅速な対応が期待できない中、県が積極的に企業支援施策を展開することも大切である。
県内には、東予地域を中心に製紙、紙加工業、非鉄金属業、化学・一般機械関連等世界に誇る企業が数多く集積し、厚みのある産業構造を形成し、その高い技術力や生産力で本県経済を力強く支えている。しかし実際には、優れた技術力が各産業分野や系列企業、あるいは県内産業界だけに埋もれ、持てる力を充分に活かせていない状況にある。これら個々の企業が持つ優れた技術力や企画開発力を、全国にPRし知名度を上げれば、今後、県内企業が大いに飛躍する可能性があると考える。
知事は、県内ものづくり企業の優れた技術や製品を積極的にPRし、知名度の向上と販路拡大につなげていきたいとして、今年度、「愛媛ものづくり企業『すご技』データベース」構築に取り組んでおり、大いに期待している。
「愛媛ものづくり企業『すご技』」データベース」の構築に向けた進捗状況はどうか。また、その活用方策と期待する効果をどのように考えているのか。
3 「誇れるふるさと東予プラン」の成果と課題について
東予地域は、高い技術力や生産力を持つものづくり企業が数多く集積し、経済産業省発表の平成21年工業統計調査における製造品出荷額等は、地域約2兆8,100億円と県全体の78.5%を占め、東予地域だけで、香川、徳島、高知を上回る四国最大の産業拠点となっている。また、日本一の海運業や全国トップクラスの裸麦、愛宕柿をはじめとする農林水産業など、本県を支えていく魅力ある力、磨きをかけて輝かすべき力を有している。
このような中、県も地域が有する力を存分に発揮できるよう支援することが求められているが、東予地方局では、地域の総合力を発揮した持続的な地域づくりを具体化するため、地域振興重点化プログラム「誇れるふるさと東予プラン」を策定している。このプランは、地域の特性を踏まえた「基本目標」、目標実現のための「重点戦略」「重点戦略推進プロジェクト」等を掲げ、また、プラン実現に当たっては、地域の有識者や各市町関係者等による地域政策懇談会等で地域課題を拾い上げながら、現場の声を生かす形で政策実現に取り組んだと聞く。こうした地域に光を当てる取組みには地域課題が山積する市町も心強く感じており、今後、より地域に密着した取組みを期待する。
プランの実施期間は平成22年度までで、今後、第六次長期計画に合わせた改定が行われると思う。
「誇れるふるさと東予プラン」の成果と課題をどう認識しているのか。
4 東予地方局の「発達障害ネットワーク事業」の進捗状況はどうか。また、今後、県下全域でのネットワーク構築に取り組んでほしいがどうか。
県では、発達障害の問題に取り組むため、平成19年4月に発達障害者支援センターを設置し、発達障害者に対する総合的な支援を行っており、また、東予地方局では、平成21年度から「発達障害ネットワーク事業」に取り組んでいる。この事業は、広域的なネットワークの確立と支援体制の整備を図るもので、ネットワーク会議を核に、情報の共有とともに市町への相談支援や支援機関の資質向上、住民への普及啓発など様々な取組みを行っている。
平成21年の東予地方局管内の就学前の発達障害児に関するアンケート調査によると、保育所等に在籍する0歳児を除く幼児1万5,327名のうち、発達障害と診断された子どもと、保育者が気になると感じている子どもの計1,876名、全体の12.2%で育ちに気になる点があるとされた。また、子どもの保育・教育上の不安や困りごととして、発達レベルの判断や対応、保護者への関わり合いの難しさを挙げ、専門機関の支援が求められている。
発達障害の支援には、早期発見、早期介入が必要で、一生涯にわたり切れ目ない一貫性のある支援が求められているが、市町ごとの取組みに温度差があり、転居等によって継続した支援が受けられない場合もあることから、今後、県が支援体制の拡大を進めていかなければならないと考える。
東予地方局の「発達障害ネットワーク事業」の進捗状況はどうか。また、今後、県下全域でのネットワーク構築に取り組んでほしいがどうか。
5 愛媛国体に向けた選手の育成について
本県では、平成29年に愛媛国体の開催が予定されている。国体は日本最大の総合スポーツ大会であり、その効果はスポーツの振興から選手等の育成や組織体制の充実、郷土意識の高揚に及び、地域の経済効果も大きい。近年、開催経費負担の問題や選手の国体への参加意識の希薄化等が指摘されているが、「大会の充実・活性化」「大会運営の簡素・効率化」に向けた国体改革も進んでおり、本県でも簡素で効率的でありながらホスピタリティあふれる大会に向けた準備が進められている。
一方、愛媛国体を契機として本県競技スポーツの更なる活性化を目指す「競技力向上対策基本計画」が平成19年度に策定され、競技力向上対策本部による様々な競技力向上対策が進められている。
(1)「運動部活動強化・育成指定校事業」について
競技力向上対策では、平成19年度から、愛媛国体の啓発と積極的な取組みを促すため、指定校を定め競技力向上と育成を図る「運動部活動強化・育成指定校事業」に取り組んでいる。
埋もれた逸材を発掘し育てるためには、行政の関与も重要で、しっかりとした支援に取り組んでほしい。
「運動部活動強化・育成指定校事業」のこれまでの成果と課題をどう認識しているのか。
(2)今後の競技力向上について
選手の育成状況の目安の一つに国体の成績があるが、最近の本県の成績は、昨年が天皇杯38位、皇后杯30位など、あまりはかばかしくない。
最近の国体での本県の成績を踏まえ、今後の競技力向上にどのように取り組んでいくのか。
6 学校運営への学校・家庭・地域の連携について
教育がまちづくりにもたらす影響は大きく、また、どのように次代を担い創造していく人材を育てるかは、教育現場だけの問題ではなく、我々全員の責務であり、行政の役割も大きい。特に現在のような財政状況が厳しいときこそ、将来への最大の投資として、どれだけ教育を大切にするかによって、行政の真価が問われている。
私は市議会議員当時、地域住民とともに生徒指導困難校の立て直しに取り組んだ。その学校では、校内暴力や不登校、常識を逸脱した保護者からの抗議など多くの問題を抱え、教職員が学校に来られなくなり、子どもたちが当たり前の学校生活を送れない環境になっていた。その状況を聞いた地域住民が、「自分たちの暮らす地域の子どもたちは自分たちで守ろう」と集まり。学校に足しげく通い、様々な機会を通じて生徒との人間関係をつくり、保護者と学校との緩衝材になり、時には教員とも議論を重ね、学校の立て直しを図った。
私は、この経験から、教育は学校や家庭だけでなく地域ぐるみで取り組むべきもので、地域が積極的に学校運営に参画し、学校と地域が手を携えて地域の子どもたちを育める仕組みづくりが必要と考えている。
文部科学省では、平成16年9月から学校運営に保護者や地域住民の声を生かすコミュニティ・スクールを導入し推進しており、実際に、コミュニティ・スクールを基盤として小中一貫教育を続けている三鷹市では、学校運営への参画、学校教育への支援に地域の人材を活用し、学習到達度調査での正答率の上昇、中学生の不登校の出現率の低下、地域団体による諸行事への生徒・教員の参加の増加といった成果を上げている。コミュニティ・スクールの指定は、平成23年4月1日現在、32都府県で789校となっているが、本県ではまだ指定校がない。
中村県政でも地域力向上は重点課題であり、次代を担い地域社会の一員として活躍する人材の育成には、地域社会が責任を持って育てる環境をつくることが必要である。
学校・家庭・地域の連携による学校運営への取組みについて、どのように考えているのか。