本会議論戦(大要)
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2011年9月定例会
以下は、2011年9月26日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
石川稔議員(社会民主党県議団)の一般質問(大要)
1 県の緊急消防援助隊に対する評価と課題について
今回の大震災では緊急消防援助隊が大きな役割を果たした。
緊急消防援助隊は、阪神淡路大震災の教訓を踏まえ、大規模災害発生時における全国の消防機関相互の援助体制を構築するため、1995年6月に、総務省消防庁により創設された。
都道府県部隊は、指揮支援部隊の指揮の下、被災現場において最前線で活動することを主とし、全国規模の応援体制が確立されており、本県部隊は、県下14消防本部から60隊、総勢232人の隊員で構成されている。
地震発生翌日には、消防庁長官から県消防防災航空隊への出動指示があり1隊7人が3月13、14日と捜索救助活動を実施し、宮城県亘理町で2名を無事救助したが、その後、福島第一原発事故により退避を余儀なくされ、3月15日に帰県した。
また、3月14日には、緊急消防援助隊陸上隊への出動指示があり、34隊112人が、片道約1,300kmもの遠隔地に向けて出動したが、福島第一原発事故による待機命令や、路面陥没など様々な悪条件も重なり、岩手県に到着したのは、出発から3日目の夜になった。
陸上隊は、3月21日までの8日間派遣され、そのうち、岩手県釜石市において人命救助活動などを実施した現場での活動期間は2日間となった。現場では、情報がほとんどない中、人海戦術による捜索を行い、2日間で10体の遺体を発見・収容したものの、生存者の救出は果たせなかった。
また、救急隊は、救急車10台で、傷病者を市内の病院から、片道50~100kmの市外病院に搬送したほか、消防隊の活動支援も行うなど、2日間で9件の出動があった。
今回初めて派遣された県の緊急消防援助隊に対する評価はどうか。また、派遣に際しての課題は何か。
今回派遣された緊急消防援助隊の極めて貴重な経験などを県の災害対策に生かすべきと考えるが、併せて所見を問う。
2 化学物質過敏症への対応について
人類がこれまでに開発した化学物質は数千万種以上と言われ、これらの化学物質を呼吸や飲食など日常生活の中で、日々体内に取り込んでいる。
化学物質過敏症の発症の経緯は花粉症と似ており、体内に徐々に蓄積した化学物質が自分の適応能力を超えると突然様々な症状が現れ、放置しているとやがてほんの少量でも反応し、それまで症状の出なかった多様な化学物質にも反応するようになるほか、電磁波過敏症との重複も少なくないと聞く。
化学物質過敏症は、症状が多様で個人差が大きく、化学物質が脳の神経に影響を与えることから、うつ病と似た症状なども出て診断が難しい。
診断には、問診による細やかな環境チェックや化学物質を排除した環境医学施設、いわゆるクリーンルームで原因物質を突き止める必要があるが、経費がかかるため、設置は極めて不十分な現状にある。このような中、患者は学校教育、医療教育などについて政府に具体的な要望を出している。
化学物質過敏症を疑う自己判断の目安は、ホームセンター、新車などの特定の場所で体の変調を覚え、その場を離れると症状が消える場合に要注意と言われている。
学校では、理科実験室の化学実験薬品、床用ワックス、殺虫剤、油性フェルトペンなど室内の建材や教材、塗料や備品などに含まれる化学物質は、児童生徒などが不快な刺激や臭気を感じさせ、シックハウス症候群などを発生させる要因とされている。揮発した有毒ガスは下にたまり、背が低く呼吸回数が多い子どもは、大人より多く体内に取り込み、しかも体が小さいために飽和量に達しやすく、集中力の欠如、落ち着きがない、キレやすいなどの症状が、化学物質の影響である可能性も指摘されている。
2001年7月の 「厚生労働省における室内空気中化学物質の室内濃度指針値等」の設定に伴い、文部科学省は学校環境衛生基準に教室などにおける揮発性有機化合物の基準を示していると聞く。
化学物質過敏症について、文部科学省の定める学校環境衛生基準に沿ってどのような対応を取っているのか。
3 有害鳥獣対策について
(1)具体的な取組みとの成果について
有害鳥獣には、主にイノシシ、サル、ニホンジカ、ヒヨドリ、カラスなどが挙げられ、本県では、昨年度は約4億4,000万円の被害があり、イノシシによる被害が全体の約6割を占めている。
丹精込めて、労力と時間を費やして収穫の時期を待っていた作物が、一夜にして鳥獣に荒らされ、その様を見た生産者は肩を落とし、ぼう然と立ち尽くしたとの話をよく聞く。生産者が受ける精神的、肉体的ダメージは計り知れず、生産意欲や所得を減退・低下させることは想像に難くない。
食料自給率や耕作放棄地、農林業の後継者の問題が言われる中、鳥獣被害は、我が国の農林業の衰退に拍車をかけるものであり、極めて重大な社会問題と考える。
これまでの対策は、農林水産部では、被害防除に主眼を置いた「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」、県民環境部では、有害鳥獣捕獲に主眼を置いた「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」に基づき、別々の部署での対応を余儀なくされていた。
そこで県は本年度、部局横断的に鳥獣害防止対策班を設置するとともに、農林水産部内に鳥獣害対策係を新設した。また、関係予算も昨年の約1.7倍の1億5,000万円余りを計上し、愛媛大学との連携、被害防除、鳥獣捕獲、普及指導、人材育成などの取組みを行っていると聞く。
鳥獣害対策の具体的な取組みと、その成果はどうか。また、課題は何か。
(2)西予市獣肉処理加工施設について
本年3月に鳥獣害防止対策の一環として、国庫補助事業により、西予市獣肉処理加工施設「ししの里せいよ」が旧野村町に完成した。これは、狩猟者の捕獲意欲を高め、捕獲した獣肉を有効活用するよう、鳥獣害被害防止や特産品化、地域振興を目的として建設されたと聞く。また隊員220名を擁する「西予市有害鳥獣捕獲隊」も設立。西予市全体での捕獲体制の充実、連携を強化して捕獲活動を実施することで、年間120頭の解体処理及び精肉加工を見込み、将来的には地元飲食店をはじめ、県内外への販路の拡大など、西予市の特産品を目指していると聞く。
西予市獣肉処理加工施設の運営状況はどうか。また、鳥獣害防止対策にどのように寄与しているのか。
4 献血の重要性について
血液は、栄養や酸素の運搬、免疫など人間の生命を維持するためには欠くことのできない機能を多く含んでおり、今日、血液の機能を完全に代替できる手段は存在せず、医療では輸血が欠かすことのできない治療法となっており、血液を確保し続けなければ現代医療は成り立たない。一方、血液は生きた細胞であり、長時間にわたって保存することもできず、輸血に必要な血液を常に十分確保しておかなくてはならない。そのため、絶えず誰かの献血が必要となる。
我が国では、1952年に日本赤十字血液銀行東京事務所が開設され、血液事業がスタートした。1964年には献血によって輸血用血液を確保するようになり、この業務を日本赤十字社が行うこととなった。
この後、民間商業銀行の預血制度の廃止や、エイズ、ウイルス性肝炎などへの対策の実施、男性に限定した全血献血の可能年齢引下げなどを経て、今日に至っている。
また、2003年7月にいわゆる新血液法が施行され、国、県、市町、日本赤十字社が血液事業を分担して推進することとなり、2009年には全国で延べ530万人が献血に協力し、今日の医療を支えている。
本県の献血者は、1991年度の10万8,000人をピークに減り続け、2009年度には6万3,000人となったが、実人数は3万8,000人に過ぎない。今でも十分な量を確保できていない中、このまま推移すれば16年後には、全国で100万人、本県では1万人分の血液が不足すると予測されている。
献血の重要性をどう認識し、どのように取り組んでいくのか。また、課題は何か。
将来にわたって安定的に輸血用血液を確保するために、県として今後取るべき対策についても併せて問う。
中政勝議員(公明党)の一般質問(大要)
1 防災対策について
(1)県内の福祉避難所について
東日本大震災を受けて、公明党県本部では、現場目線で、防災対策を着実に進めるため、5月には防災対策委員会を立ち上げ、県下17市町の自主防災組織責任者を対象にアンケート調査を行った。その中で、「地域の『福祉避難所』は住民に周知できていると思いますか」との問いに対し、「できている」と答えたのは、回答者数512人中僅か1%で、障がい者をはじめ災害時要援護者が、震災時に円滑に避難生活を送ることができるのかと疑問を抱く。
また、今回の大震災では、災害時要援護者の避難所への受入れについて問題が生じたほか、避難所生活に支障を来した例が見られた。
これらアンケート調査の結果や大震災における教訓を踏まえ、県は、市町はもとより、社会福祉施設や医療機関等との連携を図りながら、早急に対策を進める必要がある。
県内の福祉避難所の受入体制の現状はどうか。また、今後、福祉避難所の更なる周知や体制強化を図る必要があると考えるが所見はどうか。
(2)学校施設の防災機能の強化について
学校施設は学習の場であるとともに、災害時には応急避難場所としての役割も担っており、過去の大規模災害時にも、その多くは避難所として活用されたが、防災機能の整備が不十分なため、不便や不具合が生じた。また、東日本大震災後においても、発災直後から学校再開までの避難生活の間に、様々な課題が見られた。
学校施設には、耐震性の確保はもちろん食糧や生活必需品等の必要な物資の備蓄や避難生活に必要な機能を備えることも求められており、全ての人が、助け合い、支え合いながら、避難所生活を送れるように、障がい者をはじめとする災害時要援護者の受入れに対する配慮や特別支援学校を福祉避難所として利用するなど、県、市町、関係者があらかじめ綿密な連携を図っておく必要がある。
現在、各自治体においては学校施設の耐震化に併せて、避難所としての防災機能向上に向けて、様々な取組みが進められており、その中の一つにマンホールトイレがある。
震災時には、トイレ難民が増加し、衛生状態の悪化を招き、健康への2次被害を引き起こすおそれがあるが、マンホールトイレは、下水道に直結したマンホールの上に簡易トイレを設置する仕組みになっており、今回の大震災においても、有効であったと聞く。
ア 学校施設の防災機能の整備に要する財源については、文部科学省の補助金のほか、内閣府や国土交通省の制度も活用でき、例えばマンホールトイレの整備では、国土交通省の下水道総合地震対策事業などの国の財政支援制度があると聞く。
国の財政支援制度も活用し、災害時に避難所として十分機能するように、公立学校施設の防災機能を向上させる取組みが必要と考えるが所見はどうか。
イ いざというときには、住民同士で助け合い、支え合うことができる地域コミュニティの存在が重要と考える。
避難所にもなり、地域住民にとって身近な公共施設でもある小中学校は、地域コミュニティづくりにどう関わるべきと考えているのか、所見を問う。
2 森林・林業の再生について
我が国の経済成長は、石油や原子力などのエネルギーによって支えられてきたと言っても過言ではないが、日本文化が形成された長い歴史の中で、それ以上の役割を果たしてきたのは、森林の持つ力であると思う。
本県では、戦後の荒廃した森林の再生と山村経済の活性化を目指して植林活動をしてきた結果、今では人工林率62%の全国有数の森林県となった。
しかし、山村地域は、都市部への人口流出と高齢化の進展により、いわゆる限界集落となっているところもあると聞く。
さらに、外材輸入の増大や円高等の進展により木材価格は長期的に低迷し、水源かん養や土砂流出防止等、森林の公益的な機能に支障を来してきており森林を県民共有の財産として、次世代に引き継ぐためには、以前にも増した取組みが必要と考える。
こうした中、国では平成21年12月に森林・林業再生プランを公表し、将来の木材自給率を50%以上に高めることなどの具体的な目標を示したところである。本県においても、本年3月に、えひめ森林・林業振興プランが策定され、基本理念として、「健全な森林づくりと環境に優しい木材の利用拡大」を掲げ、「森林づくり」「人づくり」「地域づくり」の3つの柱で推進されており、今後の積極的な取組みに期待する。
本県の森林・林業の再生を図るため、えひめ森林・林業振興プランに掲げる目標の達成に向け、どのように取り組むのか。
3 安全・安心な農産物づくりについて
福島第一原発事故は、多くの農産物に影響を与え、最近では肉用牛からセシウムが検出され、国民に大きな不安を与えた。この放射能汚染問題は、輸入農産物の残留農薬や食品添加物に対する不安と併せて、消費者の食品の安全・安心に対する関心をこれまで以上に高めた。
今後、安全・安心な農産物を求める傾向はますます強くなると思う。県は、国の有機農業の推進に関する法律に基づき、県有機農業推進計画を策定し、化学肥料及び農薬を使用せず栽培された有機農産物の生産振興等に取り組んでいる。有機JAS認定に当たっては高いハードルがあり、県内で有機農業に取り組む農家を大幅に増やすことは困難な面もあるが、県を挙げて積極的に推進することを期待する。
一方で、栽培期間中に減農薬及び減化学肥料で栽培された農産物をエコえひめ農産物として県が独自で認証する制度があるが、これらは有機農産物のように収穫前3年以上又は作付前2年以上という条件がないことから、農家としても比較的取り組みやすい制度である。エコえひめ農産物は、地産地消にもつながる仕組みであるとともに、今後、消費者の間に定着し広まっていけば、比較的安定した価格を維持でき、農家収入の増加にもつながることから、有意義な取組みと考える。
(1) 県有機農業推進計画は、今年度が最終年度となっており、現在、次期計画を策定中と聞く。
今後、次期計画の下、どのように有機農業を推進していくのか。
(2)エコえひめ農産物については、着実に成果を上げてきていると思うが、現在の取組状況はどうか。また、今後どのように推進していくのか。
4 農業の6次産業化について
我が国の食品産業の国内生産額は約82兆円で全経済活動の約8%を占める一方、国内の農業総産出額は約8兆円と食品産業の1割でしかなく、また、近年、農産物の価格決定権は実質的に流通業界が握り、生産者は自ら価格が決められず、再生産価格の維持もままならないのが現状である。
農業を取り巻く環境は厳しさを増しており、これらを打破するために、付加価値を高め儲かる農業を実践し、生産者が夢を持って農業に取り組めるようにしなければならない。県内でも、高度な生産技術、優れた経営感覚を持ち、立派な農業経営をしている生産者もいるが、儲かる農業を考えたとき、これまで進めてきた高品質・多収生産や生鮮品に片寄った販売戦略では限界がある。そのため、生産者自らが商工業者等と連携し、1次加工や新たな商品の開発、その販路開拓に取り組む必要がある。
国では、本年3月に、いわゆる6次産業化法を施行し、意欲ある農林水産業者を支援している。県でも、あぐりすとクラブによる農業と商工業とのマッチング支援やアドバイスなどとともに、えひめ愛フード推進機構によるスイーツプロジェクトなど、新しい加工品の開発や販路開拓にも取り組んでおり、大いに期待している。これまでの取組実績も併せて問う。
農業の6次産業化に向け、実需者ニーズに応じた加工品の開発や生産体制の強化、販路開拓などの総合的な支援にどのように取り組むのか。
5 発達障がいに関する相談の現状、早期発見と支援について
障がい者支援の基本原則などを定めた改正障害者基本法が成立した。中でも特筆すべきは、障がい者の定義に自閉症など発達障がい者を含むことが明記されたことであり、これにより発達障がい者に対する理解と施策の普及啓発が進むことを期待する。
障がい者は、平成23年版の障害者白書によると、全国で約744万3千人で、そのうち発達障がい者は100万人以上とも言われており、相談件数が年々増加する傾向にあると聞く。発達障がいは、早期発見と保護者に対するフォローが大事とされているが、保護者の心情としては、我が子に障がいがあると思いたくなく、日々悩んでいる人も多いと思う。
現在、全ての市町村で、母子保健法に基づく1歳半と3歳の健診を実施しており、その後は就学時の健診となるが、最近は、5歳児健診の必要性がクローズアップされている。専門家によると、大事なのは、子どもに対する毎日の関わり方のアドバイスであり、知識を持って関わり方を改善すれば、就学までにかなり効果があると聞く。
子どもに不安を感じている保護者は、病院などの相談窓口に行くが、問題は相談することさえ思いつかない保護者がいることである。相談窓口の設置状況、相談スタッフの資格、相談利用者数についても併せて問う。
本県における発達障がいに関する相談の現状はどうか。また、発達障がいの早期発見と支援について、県としてどう取り組むのか。
6 特別支援学佼について
(1)クーラー設置と通学送迎用バスの増車について
ほとんどの小中学校に特別支援学級などが設置されているが、地元の学校で対応できない中予地域の知的障がいのある児童・生徒の多くは、みなら特別支援学校へ通っている。先日、同校を視察したが、1か月前に視察した素晴らしい教育環境の京都府立宇治支援学校との差があまりにも大きく、がく然とした。
宇治支援学校は今春に開校した生徒数の224名の小中高一貫校で、町の中心部に位置し、最寄り駅から徒歩で通えるため、高校生の半数は自主通学し、また、通学送迎用バスも8台と恵まれた環境であった。一方、みなら特別支援学校は、338名と中四国一の生徒数で、定員いっぱいの状態であるが、東温市にありながら通学送迎用バスは3台しかなく、乗車できない児童・生徒は保護者が対応し、大きな負担を強いられている。
また、夏には、教室にクーラーがないため、体温調節が困難な子どもにとっては、我々が感じる以上の暑さを感じていることと思う。健康上の観点からも、教室のクーラ一設置は必要と考える。
クーラー設置と通学送迎用バスの増車についての所見を問う。
(2)みなら特別支援学校の高等部の分校設置について
みなら特別支援学校の中学部では、現在、校舎の建替えは始まっているが、寄宿舎等は老朽化が進んでいる。また、年々増える高等部の生徒に対応するため、来年度から松山聾学校に分校を設置すると聞く。
高等部においては、卒業後、社会人としての自活を支援する大切な役割を担っており、障がい者にとって、厳しい現実社会で一人ひとりが生かされる社会環境が必要と考える。
みなら特別支援学校の高等部の分校設置に、どのような展望を持っているのか。また、生徒等への就労支援など社会参加の推進にどう取り組んでいるのか。
西田洋一議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 社会保障と税の一体改革について
(1)全国知事会における対応の状況について
戦後、経済発展とともに社会保障制度も充実し、医療、年金、介護、生活保護など各分野において制度が拡充された。しかし、社会保障制度を取り巻く環境は大きく変わり、現行制度維持は厳しい状況にある。
こうした情勢の中、政府は6月30日、社会保障・税一体改革成案を決定した。注目すべきは、社会保障の財源としで消費税を2010年代半ばまでに10%へ引き上げるとしている点、財政再建への道筋も考えたものとしている点である。今後の各論に期待するが、国における財政再建や社会保障改革の議論の中に、地方の役割、地方の立場の話がないことが気になる。
現行の消費税5%のうち4%部分が国税、1%部分が地方税、国税部分の一部は地方交付税の財源であり、地方の主要な財源の一つであるが、7月13日、当時の与謝野経済財政担当大臣は、消費税を5%から10%に増税した場合、増税部分は全て国税で福祉目的税とし地方消費税は考えない、地方税1%を除く9%部分は地方交付税に充てられた分を含め全て社会保障に使うなどと発言した。地方交付税は地方の固有財源であるにもかかわらず、地方無視の施策が行われようとしている。
財政問題、社会保障問題、経済問題、防災問題など多くの課題を背負う地方の実情を強く訴えなければならない。社会保障関係の地方単独事業のうち、増税後の消費税の対象となる事業の考え方についても、国と地方が十分議論し、納得できるものにするため、全国知事会において真剣な対応がなされることを願う。知事は、全国知事会の社会保障制度改革検討プロジェクトチームリーダーであり、大いに期待している。
全国知事会における対応の状況はどうか。また、知事は、プロジェクトチームリーダーとして、今後、国とどのように協議を進めていくのか。
(2)医療保険制度の改革案について
成案には、改革の具体策として、昨年12月の高齢者医療制度改革会議の取りまとめを踏襲した高齢者医療制度の見直しをはじめ、国保の財政運営の都道府県単位化、低所得者に対する保険料軽減の拡充等による財政基盤の強化などが盛り込まれている。このうち、高齢者医療制度の見直しについては、財源論の棚上げや国保の構造的問題が検討されていないことなどを理由に、全国知事会が強硬に反対したため先送りされたにもかかわらず、成案に同じ内容が盛り込まれている。
改革会議の取りまとめの問題点は、被用者保険に移る被扶養者は保険料負担がなくなり、再び保険料を払う人と払わない人ができること、被用者保険に移る人以外の後期高齢者は国保に戻し、都道府県と市町村が共同運営するが、若年層は市町村が運営するという複雑な制度となること、70歳から74歳の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げ、75歳以上の低所得者に対する保険料軽減策は段階的に縮小するとしていること、按分方法の変更から比較的所得の高い健康保険組合や共済組合の負担が増え、一人当たりの保険料額が上昇する見通しとなっていることである。主に年金収入で生計を維持する高齢者の負担増は再び混乱を招き、都道府県と市町村が共同運営することで市町村の責任を暖昧にするなどの懸念がある。
高齢者医療制度や国保制度の改革は、社会保障問題の根幹であり時間の猶予はなく、対応が遅れるほど将来世代の負担が累積する。国の出方を待たず、自治体としての考えを訴えていくことが必要である。
医療保険制度の改革案をどう評価しているのか。
2 第11次県へき地保健医療計画の施策について
へき地保健医療対策は、国の策定指針を踏まえ、県へき地保健医療計画に基づき実施されている。しかし、医師不足など医療環境の変化、高齢化などの問題を抱える過疎地域や離島における保健医療の状況は深刻である。住民が安心して暮らせる地域づくりにおいて、医療拠点などの体制維持は重要であり、政治や行政の大きな責務の一つである。
医師不足は中核病院においても切実な問題となってきており、へき地診療所を支援するへき地医療拠点病院における医師不足は、診療所維持に影響を来し、個々の医師に掛かる負担が増え、赴任する医師の意欲をそいでしまう。
かつて、市町村合併前の河辺村では、診療所維持を最優先施策と位置付け、施設更新、医療機器整備、医師の待遇改善対策を講じてきたが、合併後の自治体の厳しい財政状況の中、優先順位がどうなっているのか、今後どうなるのか、心配である。
国においても、様々な施策が講じられているが、費用対効果や効率化の考えの下で削減となれば、過疎地域の保健医療体制は切り捨てられる可能性がある。地域、特にへき地の保健医療体制老どう維持していくのが、国、県、市町それぞれの役割を認識した上で、明確な方針や対策が必要と考える。
こうした中、へき地保健医療の充実を図るため、本年3月、第11次県へき地保健医療計画が策定された。市町をはじめ、へき地医療を担う各主体に対し、どのような役割を求めるのか併せて問う。
第11次県へき地保健医療計画では、新たにどのような施策に取り組むのか。
3 伊方原発の安全対策等について
原子力政策は「原子力発電所は安全である」という土台の上に進められてきたが、福島第一原発事故によりその信頼が崩れた。国は、安全・安心という信頼を一日も早く取り戻すことに最大の努力をすべきである。事故の収束に向けた取組みと汚染された地域の対処策、既存の原発の安全性の確立に向けた明確な対策を取ることが重要であり、政府の責任において、しっかりとした対応を望む。
伊方原発を有する本県においては、事故後、いち早く安全対策に取り組んでおり、県独自の対策方針を打ち出し、四国電力に改善措置を求めている。伊方原発の安全対策については、事故の検証からの視点、原発とその周辺地域の地理的、気象的な条件を勘案Lた対策が必要である一方、県民に対する安全対策についての説明を行い、理解を得ることが重要と考える。
エネルギー政策は、本来的には国策であるが、例えば、四国4県、仮に足並みが揃わない場合は本県単独でも、四国経済産業局、四国電力とともに実務レベルでの検討組織「チーム四国」を編成し、電力需給を研究。検討し、広く県民に示すことも一つの方策と考える。
今後の原子力政策の方向性は不透明な状況であるが、現存する原発はある一定の期間、運転を続けなければならない。停止した場合も安全な状熊を維持しなければならず、廃炉となった場合の処置も考えなければならない。これまで原子力の平和利用を行ってきた日本において蓄積された原子力技術という資産は、むしろこれからも生かされなければならない。
(1)配電盤等受電設備の津波対策について
福島第二原発及び女川原発では、福島第一原発と同様の揺れと津波被害により、電源喪失の事態に陥ったものの、両原発ともに敷地内の電気設備が正常に機能回復し、電源確保ができたことから原子炉が正常に冷温停止した。
事故後、伊方原発においても電源車の追加配備や新たな電源ルートの確立等の対策がなされたと聞く。
伊方原発敷地内の配電盤等受電設備の津波対策はどうか。
(2)伊方原発での水素爆発防止対策について
福島第一原発事故では、福島県にとどまらず広範囲にわたり農産物等から放射性物質が検出されるなど被害の範囲が拡大した。
国は、シビアアクシデントの発生を防ぐための緊急安全対策に加え、万一、発生した場合でも迅速に対応できるよう、全ての電力会社に対し、水素が原子炉建屋等に多量に滞留することを防止するための措置を講じるよう指示している。
伊方原発では、どのような水素爆発防止対策が取られているのか。また、県は、これをどう評価しているか。
(3)今後の四国電力管内の電力需給について
伊方原発の3号機、1号機が停止しており、来年1月には2号機も定検に入り、このままでは全ての原子炉が停止する事態となる。電力不足は避けなければならないが、3基ともに運転停止となった場合、四国の電力供給は大丈夫か。平時にこそ、対策を検討すべきではないか。
県では、今後の四国電力管内の電力需給をどうみているのか。また、電力不足に陥った場合の企業の対応について、今から準備すべきと思うがどうか。
4 肱川の治水対策について
肱川流域住民は、有史以来、自然災害と戦っており、洪水の不安をなくすことが住民の願いである。しかし、2004年に策定された河川整備計画は突然のダム建設凍結により、総合的な治水対策が取れなくなり、計画的な整備が進められない状況にある。凍結の方針から2年経ったが、高齢化や過疎化が進み、長年、公共基盤整備の遅れを甘受してきた住民は、国との補償基準の合意という約束を棚上げされ、ふびんな生活を余儀なくされている。
ダム問題は検証中だが、昨年11月に四国地方整備局と地元自治体からなる「山鳥坂ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」が設置されたものの、まだ2回しか幹事会が開催されておらず、いつ結論が出るのか、スケジュールさえ明らかになっていない。肱川流域住民の安全・安心の早期確保と清流の復活はもとより、水没地域住民の生活再建を一刻も早く開始するためにも、ダム事業の早期再開を強く願う。
併せて、治水に重要な役割を果たす堤防整備について、国管理地区の下流部においては無堤防地区が解消されるなど、段階的に治水安全度の向上が図られているが、県管理の大洲市菅田地区については完成に至るまで長期間を要すると思われる。6月にも浸水被害が発生しており一日も早い整備を望む。
(1)山鳥坂ダムに係る検証作業の進捗状況はどうか。また、県としてどのように対応していくのか。
(2)大洲市菅田地区における河川改修の進捗状況と今後の整備方針はどうか。
5 教科書採択制度について
県教育委員会及び県内市町教育委員会は、8月30日までに2012年度から4年間使う中学校教科書の採択を終えた。
教育は国家を形作る上で重要な柱であり、教科書は教育の主たる教材であることから、国の方針に沿った教科書が採択されなければならない。文部科学大臣の諮問を受けた教科用図書検定調査審議会は「教育基本法等に示される教育の理念・目標や学習指導要領の内容は、教科書に記述されることによって、はじめて目に見える形で実現されるものである」と提言している。
教育基本法は教育における憲法のようなものであり、教科書採択も教育基本法に即したものでなければならないが、採択理由として「子どものために分かりやすい」「学校現場の評価を大事にした」としているものがあり、教育基本法の目的や理念にあった採択の議論がなされたのか疑問に思うところがある。
教科書採択についてはその重要性から、採択における経緯、経過、結果を注視する必要がある。内政干渉とも取れる他国の圧力を排除し、自虐的史観や階級闘争史観などにより、ゆがめられることのない健全な教科書のもとに教育がなされることを願う。
(1)改正教育基本法は教育に何を求めていると思うか。また、国の学習指導要領はどう変わったのか。
(2)採択権者である市町教育委員会に対し、どのような指導、助言又は援助を行ったのか。