本会議論戦(大要)
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2011年9月定例会
以下は、2011年9月27日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
阿部悦子議員(環境市民)の一般質問(大要)
1 やらせ問題について
(1) 四国電力伊方原発のプルサーマルシンポジウムでは、原子力政策を規制する原子カ安全保安院と四国電力、そして県が手を携えて、プルサーマル容認の空気を演出した事実が明らかになった。
不正なシンポジウムを根拠にした伊方3号機のプルサーマル発電は即刻中止すべきではないか。また、第三者調査機関を設けるべきではないか。
(2)玄海原発のプルサーマル問題で発覚した、古川佐賀県知事の電力会社や自民党県議への「やらせ依頼」をどう考えるのか。
(3) 九州電力第三者委員会の中間報告では、討論会申込者1,000人のうち650人が九州電力関係者で、アンケート結果を左右するのに十分な動員数であると考える。
伊方でのアンケートで、世論のねつ造があったとする疑惑をどう考えるのか。
(4) 知事は記者会見で、「片や主催者、電力会社の動員、片や政治的な思惑を持ったグループの動員合戦」であったとして、やらせ問題の本質を隠し、わい小化している。
知事が言う「政治的な思惑」とは、一体どういうものか。
(5)加戸前知事が、長年「県と四国電力は運命共同体」「国策には従う」と発言してきたことについて、知事はどう思うのか。
(6) 知事は、脱原発を求める市民には一切会わず、四国電力の原子カ本部長と知事室で会っている。四国電力のやらせ問題が発覚してから密室で会うことは自粛すべきであった。
7月から今までの間に、知事と副知事は何回、原子力本部長など四国電力関係者と会ったのか、また、会談内容はどのようなものだったのか。
(7)脱原発を知事に直接訴えたい人は、どうすれば会えるのか。
2 震災対策について
南海地震は、東海地震と並び、近い将来発生するとされている。
1995年の阪神淡路大震災以降、日本各地で地震の活動朝に入っており、これを観測するための強震計が整備された結果、今や2000ガルを超える強い地震動加速度が観測されている。伊方3号機の最新版の基準地震動僅か570ガルという数字は、県民の安全を考えない背信行為である。電力会社が独善的に行ったモデル計算の評価を、内輪の審査委員のみが審査するという今の体制は、正当性を失っている。
(1) 南海地震と中央構造線活断層帯の地震が連動する場合の原発震災のリスクに備えるため、20年間程度、運転しないまま凍結させるべきと考える。
伊方原発全基を即時停止させ、20年間程度のモラトリアムを提唱する気はないか。
(2)企業向けBCPマニュアルでは、民間に対し震度6強に備えるよう指導する一方で、県庁版BCPでは、中央構造線活断層帯による地震が想定されず、震度6弱となっている。早急に県庁版BCPを見直し、緊急時対策本部となる県庁舎の耐震性を確保すべきと考えるが、見解を併せて問う。
中央構造線活断層帯による道前・道後地震を地域防災計画に組み込むべきではないか。
3 地域防災計画について
(1) 地域防災計画の見直しについて
原子力災害対策特別措置法の不備が今回の被害を大きくした。
国の権限が強化され情報操作を可能にしたことと、地域防災計画でチェルノブイリ級の深刻な事故を想定していないことが決定的な誤りである。
新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災したことを受け、新潟県は地域防災計画に複合災害を想定し、2009年に広域避難などの項目を設定した。
福島第一原発事故を受けて、地域防災計画をどのように総括、反省し、今後どう見直すのか。
(2)EPZの範囲見直しについて
我が国では、防災対策を重点的に拡充すべき地域(EPZ)の範囲は、原発から10kmとされてきたが、福島第一原発事故での避難区域は30kmに及んだ。
新潟県では既にEPZについて50kmを視野に入れて市町村との検討を始めており、伊方原発でもEPZの範囲の見直しが必要である。
地域防災計画で、EPZの範囲を松山市を含めて行うべきではないか。
(3)オフサイトセンターを移転すべき
オフサイトセンターは、防災関係機関を一堂に集めて情報を共有し、指揮の調整を図ることを目的に建設されているが、福島第一原発事故では要員が参集できず、テレビ会議システムや通信設備が使えなくなり、福島県庁に撤退した。オフサイトセンターの立地場所が原発から4.5kmしか離れていない伊方でも、福島と同じ運命が待っていると思う。
オフサイトセンターは、災害に耐えて本来の役割が果たせるところに移転すべきではないか。
(4)予防的措置範囲の設定について
国際原子カ期間(IAEA)の安全要件には、予防的措置範囲という区域の設定を行うことが提案されている。我が国の原子力防災にはこのような概念はなかったが、福井県と新潟県は、既に予防措置の考え方を導入する地域防災計画の改訂を行った。
福鳥県でも、もしIAEAの提案が取り入れられていたならば、住民の不安が解消され、被害を小さくしたと思う。
予防的措置範囲の設定を、地域防災計画に盛り込むべきではないか。
(5)最先端の地域防災計画を作ることについて
知事は、伊方3号機の再起動には、国による安全基準の提示、四国電力の安全対策、地元の同意が必要としているが、県自らの責任が欠けている。
御用学者を排して、県民の生命を守るための最先端の地域防災計画を作り、実施することを4つ目の条件にするべきと思うがどうか。
(6)先日の村上議員の耐震性評価の質問に対し、「概ね1,000ガル以上の耐震安全性を確保する」との答弁があったが、四国電力の対策完了目標年度は2015年度である。
少なくとも4年間は伊方原発全基を止めるべきではないか。
4 汚染瓦れきの処理について
福鳥第一原発事故が東北と関東全域に大量の放射性物質をばら撒いたが、国は国民を守る方針を打ち出さず、汚染を日本中にばら撤く施策を進めている。
汚染瓦れきについて、国は、目先の判断で緩い基準を作り、全国の自治体等に押し付けている。
環境省は、岩手県と宮城県の震災瓦れきを広域処理するとして各県に照会をかけ、東温市にあるオオノ開発が全国一膨大な処理可能量を報告した。
(1)オオノ開発での排出ガスと水質観測データの検証と公開について
オオノ開発は、愛媛のほぼ中央にある水源地に位置しており、松山市の地下水に影響を与え、西条市、新居浜市にも及ぶ可能性がある。
国は、震災瓦れきの受入れに当たり、焼却施設の集じん能力が99%、最終処分場の遮水工が健全であることを求めている。
県は、オオノ開発の焼却施設での排出ガスのデータ及び最終処分場での地下水観測井戸の水質観測データの検証と公開を行う計画はあるか。
(2)松山市が言う「放射能汚染のない震災瓦れき」があると思うか。
(3)震災瓦れきの受入れに向けて、岩手県、宮城県あるいは環境省からの働きかけ、又は協議があるか。
(4)オオノ開発のほかに、環境省に受入可能量を報告した自治体などをどのように把握しているのか。
(5)震災瓦れきは、国が責任を持って放射性廃棄物の拡散を防止し、封じ込めるべきである。
震災瓦れきなど廃棄物の広域処分を止めること、本県には持ち込ませないことを国に求めるべきではないか。
5 エネルギー政策について
現在、全国54基の原発の中で、稼働中の原発は11基となった。
東京電力管内では、中小企業や家庭の協力により、平日の最大需要平均値は、前年同時期より20%も節電されるなど、国民の多くが福島第一原発事故を受け、生活のあり方を見直している。
新聞の県民世論調査によると、県民の原発への不安が9割に上り、9割以上の人が節電に取り組んだこと、電気料金が上がっても自然エネルギーの拡大を希望する人が9割に迫るとのことである。
今夏、伊方原発2基が停止しても電力は不足しなかった。問題は、今冬の電力ピーク時に2号機を止めたときであるが、四国域内の電気は十分にある。
(1)伊方の全ての原発を止めても、四国電力管内で電力不足はないと認めるか。
(2)これまで、県は四国電力管内での全体の供給量について答弁できないままであり、知事が脱原発と言っても、基礎データがないとなれば、知事の本気度が疑われる。
県で四国電力管内の需要と供給量の正確なデータを把握できないのであれば、国に提出させるべきではないか。
(3)四国電力と大企業の需給調整契約における、緊急時の需要抑制量を四国電力に公表させるべきではないか。
(4)県民や企業に対して節電に向けての目標や方法を周知し、1年のうち数日間の電力ピークを減らすために調整役を果たすべきではないか。
四国電力にオール電化住宅の推進営業を求める考えはないか、併せて問う。
6 学校給食を放射能汚染から守る
6月議会に市民から「放射能汚染のない学校給食を求める請願」が出されたが、不採択となった。しかし、その1週間後に福島第一原発から30km圏内で飼育され、セシウムで汚染された疑いのある牛肉を9,000人の子どもが、県内の学校給食で既に食べていたことが分かった。
学佼給食において、放射能汚染からどのように子どもを守るのか。
7 学校からの原発見学を中止すべき
原発の安全性や防災計画の見直しを国、県、市町が緊急に取り組む中、3月11日以降も、これまで通り伊方原発に見学に連れて行く学校がある。
3月11日以降、何校、何人の小中高校生が伊方原発の見学を行ったのか。また、県教育委員会は各学校に中止を指導すべきと考えるがどうか。
8 教科書採択について
先月、来年度から4年間中学校で使用する教科書の採択が終わったが、社会科の教科書のうち歴史や公民の教科書に、新しい歴史教科書をつくる会の流れをくむ育鵬社版を選んだ自治体が増え、注目されている。
(1)育鵬社版教科書が採択されたことについて
憲法の3大原則である国民主権・基本的人権の尊重・平和主義についての記載に乏しく、学習指導要領の社会科の目標に反している。
県教育委員会をはじめ、これまでにない多くの自治体で育鵬社版教科書が採択されたことをどう評価するか。
(2) 東日本大震災と福島第一原発事故を受け、日本中が原発の安全神話の崩壊を認めたが、育鵬社版も安全神話にのっとり原発推進を大前提にした記述が目立っている。
今年の教科書採択には、原発への評価の見直しが必要だったと思うがどうか。
(3) 県教育委員会の教科書採択の議論で、教育長が、私としてではなく、公民としての生き方を考える教育ができる教科書であることを育鵬社版の採択の理由として発言したと傍聴者から聞いたが、憲法13条違反である。
教育長は公共が個人よりも優先して尊重されると考えているのか。
(4)県教育委員会が当日配布した議案書の中に育鵬社版との記載があったが、公開の場で審議される前に、いつ、誰がどのような経緯で育鵬社版を決めたのか。
梶谷大治議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 原子力防災対策の広域化の取組について
福島第一原発事故は、いまだに解決の糸口さえ見えない厳しい状況にある。地震や津波などあらゆる天災を予期し、万全の対策が講じられていたはずの原発が、有害な放射能の放出をコントロールできない状態に陥っている。世界に誇る日本の原発の安全神話が崩壊したと言わざるを得ない。
国は、従来、原発からほぼ10km圏内を、防災対策を重点的に充実すべき地域、いわゆるEPZとして原子力防災対策を実施してきた。しかし、福島第一原発事故では、被害が国の想定をはるかに超えた広範囲に及び、原発から半径20Km圏内が警戒区域となったほか、計画的避難区域、緊急時避難準備区域という新たな区域が設定された。約9万人の住民が、突然日常生活を奪われ、将来を見通せないまま、過酷な避難生活を強いられている。家族や肉親を亡くした多くの被災地の人々が、復興に向け、冷静に苦難に耐えている姿に対し、頭が下がる思いである。
福島第一原発事故では、オフサイトセンターが全く機能せず、また、放射能の拡散などを予測し、いち早く報知することが可能なSPEEDIシステムも活用されなかった。災害の規模が想定を越えた時点で、従来の原子力防災対策がほとんど無力化し、被害拡大を見過ごす結果となった。
今後、同じ過ちを繰り返さないため、今回と同規模の事故発生を視野に入れた原子力防災体制の確立が急務である。
県は、四国で唯一の原発立地県として、伊方原発周辺に暮らす人々の安全・安心の確保のため、6月16日に県民環境部防災局内に原子力安全対策課を設置し、さらに、8月10日には、関係市町、防災機関で構成する原子力防災対策検討協議会を開催し、県の原子力防災対策の諸課題の検討を始めたと聞く。
想定外の原発事故に対処するため、原子力防災対策の広域化に、どのように取り組んでいるのか。
2 八幡浜支局の現状と機能強化について
平成20年度の地方局の大規模な再編により、八幡浜地方局は南予地方局八幡浜支局として新たなスタートを切った。
当時、南予地方局の設置場所をめぐり、八幡浜と宇和島の間で激しい綱引きが続いたことは、記憶に新しい。多くの議員が、大規模な組織合理化の必要性を理解しながらも、支局となる八幡浜や今治地域において、本当に住民サービスが低下しないか、地域の活力に悪影響が起きないかを案じた。
支局発足から3年5か月が経過したが、住民サービスは再編前の水準を維持しており、不満の声はほとんど上がっていない。しかし、支局になって以降、職員数は約30%減少し、市町の指導や地域振興などの業務が地方局に一本化されたため、地域経済振興などへの取組みも弱まった気がする。
福島第一原発で未曾有の大事故が発生し、伊方原発のある八幡浜地域に大きな不安材料がのしかかり、支局発足当時と状況が大きく変わってきている。こうした状況を踏まえ、八幡浜支局のあり方について検証すべきと思う。
八幡浜支局の現状をどう認識しているのか。また、地域住民の安全・安心の確保や地域経済の活力回復に向け、支局の機能強化を図る考えはないか。
3 伊方原発周辺の避難路等の整備について
福島第一原発の事例を見ると、伊方原発周辺でも、支援物資や復旧資材の輸送を迅速かつ円滑に行うため、複数のルートを設定できる、広域的な道路網の整備が極めて重要ということが明らかである。
南海・東南海地震の発生が高い確率で想定される中、四国で唯一の原発が立地する八西地域では、避難路等の整備が最重要課題の一つである。
(1)名坂道路の完成見通しと末着手区間の今後の取組みについて
大洲・八幡浜自動車道を安全・安心な原発避難路として、また緊急輸送活動のための道路と位置付け、早急に整備促進を図る必要がある。
平成9年度から、八幡浜市保内と大平の約2.3kmを名坂道路として、また、平成17年度からは、これに続く八幡浜市郷までの約3.8kmを八幡浜道路として事業化し、整備が進められているが、名坂道路は一部関係者の理解が得られず停滞している。
一方、八幡浜市郷から大洲市北只までの間は、当面、現道を利用する区間として末着手であるが、避難路確保の観点から、この区間の早急な整備も必要と思う。
大洲・八幡浜自動車道の名坂道路の完成見通しはどうか。また、末着手区間の今後の取組みはどうか。
(2)県道鳥井喜木津線の整備について
伊方原発がある佐田岬半島は日本一細長い半島で、原発事故が発生した場合、半島は東西に分断され西側は陸の弧島となる。
県道鳥井喜木津線は、瀬戸内海側の佳民にとってかけがえのない生活道路であるが、伊方原発から西側の旧瀬戸町・旧三崎町に至る区間は、幅が狭く、見通しの悪いカーブが続き、落石の危険のある箇所が数多く残る。
住民からは、不測の事態が発生したとき、円滑に避難できるかという大きな不安の声があり、一日も早い整備を待つ。
県道鳥井喜木津線の整備に、今後どのように取り組むのか。
(3)三崎港の見直しについて
陸上ルートとは別に、安全な海上ルートの確保も必要である。佐田岬半島先端部に位置する三崎港は、半島西側に取り残された住民の避難を緊急物資輸送のための基地として、また防災拠点として見直しを行い、その重要性に応じた基盤整備を行う必要がある。
三崎港の防災上の位置付けと整備方針はどうか。
(4)国道197号のトンネル内ラジオ再放送設備の設置について
伊方原発で重大事故が発生したときは、地域住民や観光客などの速やかな避難が求められる。避難に際し、リアルタイムで正確な情報を得る手段として欠かせないのが緊急ラジオ放送である。
国道197号の八幡浜市から三崎港までの間には21か所のトンネルがあるが、ラジオ再放送設備があるのは僅かに3か所で、原発が立地している伊方町のトンネルには一つもない。
車で避難する場合、現状では重要な情報を聞き漏らすおそれがあるため、できるだけ早い時期に、必要な全てのトンネル内にラジオ再放送設備を整備し、トンネル内を走行中でも最新の災害情報や交通情報等が得られるようにしてほしい。
防災上の観点から、国道197号の八幡浜市から三崎港までの間のトンネルにおけるラジオ再放送設備の設置についてどう考えるのか。
4 八幡浜地域水産業の振興について
本県の漁業生産額は、平成3年度の1,64O億円をピークに、平成21年度には869億円と約5割近くに落ち込み、厳しい状況にある。
八幡浜地域でも、沖合トロール漁による豊富な水揚げが魚市場ににぎわいをもたらしてきたが、近年、トロール漁業の衰退などによる取扱量の減少や長期にわたる魚価の低迷、諸経費の増大により、漁業者は経営力を失い、町そのものが過疎高齢化の進展とともに昔のにぎわいを失っている。
この苦境を打開するため、八幡浜地方卸売市揚では、平成24年度末の完成を目指して、新たな市場の整備が進められている。消費者ニーズを先取りした新市場は、付加価値向上や流通コストの削減に大きな役割を果たすものと期待され、八幡浜では、水産関係者、行政、民間、学識経験者が一体となり、新市場の活用策を熱心に論議している。
宇和海全域の流通拠点となる新しい市場の整備を契機に、品質の高い魚介類を、経験豊富な仲買人や高い技術力を持つ地元加工業者により全国に向けて販売すれば、かつての八幡浜のにぎわいを取り戻すことも夢ではない。
県は、水産えひめの再生を掲げた水産えひめ振興プランを策定した。
低迷が続く八幡浜地域水産業の振興に向け、どのように取り組むのか。
5 三崎漁協の債務超過問題について
先般、伊方町三崎漁協で巨額の債務超過が発覚した。約17億円に上る赤字が累積した背景には、経営陣による不適切な会計処埋があり、厳しい法的責任の追及は避けられない事態となっている。えひめブランドの岬あじ、岬さばや、天然の伊勢海老、鮑などの品質の良さが全国に知られ、一層の販売拡大が期待されていただけに、地元や県水産関係者の受けた衝撃は計り知れない。
三崎漁協は、8月31日に組合員集会を開き、組合長を解任し、理事9人と監事3人の役員全員も辞任の意向を示した。今後は、新たな体制で再出発し、繰越欠損金約16億2,300万円のうち、10億円を10年間で解消し、経営再建を目指すとの財務改善計画案が示されている。
しかし、三崎漁協の現状を見る限り、計画の実現には大きな不安がある。計画が実行できなければ、三崎漁協は経営破綻し、解散を余儀なくされる。
長年、愛媛の水産業を支えた屈指の好漁場が失われ、三崎の海とともに生きてきた漁師の暮らしの道が絶たれることだけは何としても、避けなければならない。
そのため、まず、十分に実現可能な財務改善計画を改めて策定することが必要である。また、監督官庁である県に、他の漁協との合併なども視野に入れた、組合員の生活を守るための具体的な処方箋を示してほしい。
組合員保護の観点から、三崎漁協の債務超過問題に、どのような対策を講じていくのか。
6 県立中央病院総合周産期母子医療センターについて
近年、救急搬送された妊婦の受入拒否による死亡事故が続いたことにより、妊娠中期から出産数日後までの周産期医療の重要性が指摘されている。
八西地域の中核医療機関である市立八幡浜総合病院では、少子化に伴う分娩数の減少や医師不足等により、産婦人科の常勤医師の確保が難しくなっている。9月からは、常勤医師が1人になり、週2日は非常勤医師による外来診療となった。また、来年1月からは分娩や手術はできなくなり、4月からは常勤医師が不在となり非常勤医師による週3日程度の外来診療のみに縮小されると聞く。
市立八幡浜総合病院では、今後、産科の救急・要入院患者について、県立中央病院などの周産期母子医療センターと緊密な連携を取りながら非常勤医師によって対応していくが、ハイリスク分娩への対応も含め、出産を迎える妊婦への安定した周産期医療の提供に強く不安を感じる。
こうした中、医療過疎地域にとって周産期医療の最後のとりでとなる県立中央病院総合周産期母子医療センターへの期待は極めて大きい。安心して子を生み育てられなくては、若い人のふるさとへの定住はかなわない。
県立中央病院総合周産期母子医療センターでは、どのように地域医療機関との連携体制を取りながら、安全・安心な出産を実現していくのか。
兵頭竜議員(維新の会)の一般質問(大要)
1 畜産業の振興について
(1)県内産牛肉への風評被害について
福島第一原発事故が原因で、放射性セシウムに汚染された稲わらを餌として与えられたことで牛が汚染され、肉牛の出荷制限などにより、畜産農家は大きな打撃を受けた。また、出荷制限のかかった福島県の酪農家が「原発さえなければ」と書き残して自殺したことは、大きな社会問題となった。
この汚染牛肉の問題により、牛肉の消費が進まず市場価格が低迷し、その影響は本県畜産農家にも広がっている。大阪市場の現況を見ると、和牛のA5ランクで、本年3月平均でキロ当たり2,106円だったものが7月には2,006円と、100円下落しており、大きな痛手となっている。
また、石油価格の高騰や近年の新興国の人口増加などにより、輸入粗飼料の価格が高騰し、今後も引き続き高い水準で価格が推移することが見込まれるなど、畜産農家は非常に厳しい現状にさらされている。
県は、7月28日から県内の畜産農家が使用する稲わらなどの放射線量測定を実施し、県内産の畜産物の安全性を確認している。
県内産牛肉への風評被害を防ぐためにどのように対応してきたのか。また今後、どう取り組んでいくのか。
(2)愛媛ブランド牛の開発・販売戦略について
県内の畜産農家は厳しい状況にあり、愛媛ブランド牛の開発は、畜産農家復活のきっかけになると大いに期待する。
今回開発するブランド牛は、現代の消費者ニーズを捉えた、柔らかく旨み成分の多い赤身で、脂肪とのバランスがとれた新時代の肉質にすることで産地間競争における差別化を図り、また、農家がもうかる経営につながることをコンセプトに、出荷月齢を27か月に短縮する肥育技術を確立することとしている。肉牛農家が集中する南予地域にとって、このプロジェクトの成功は地域活性化に大きく寄与するものと思う。
今後、開発に当たっては、行政だけではなく、民間企業、農家との連携が重要である。また、西予市の肉牛農家からは、このプロジェクトに期待する一方で、現場で働く農家ならではの厳しい指摘もある。
全国に数多くのブランド牛がある現状において、販売戦路が成功への大きなカギを握ると考える。
どのような販売戦略で愛媛ブランド牛の開発に取り組んでいくつもりなのか。
(3)老朽化の著しい畜産研究センターの改築について
先進的な研究開発のためには、開発を担う人材はもちろん、研究を効率的に進めるための施設や設備も重要である。
今回のブランド牛開発の中核となる県農林水産研究所畜産研究センターは、地域や農家と連携しながら、本県の畜産業を支え、発展させていくという大きな役割を担っている。
本館は昭和37年に建設されたもので老朽化が進んでおり、豚舎以外の畜舎も昭和11~59年に設置された、古いものである。
効率的な開発を進めるためには、老朽化の著しい畜産研究センターの改築が急務と考えるがどうか。
(4)処分家畜の埋却地の現在の確保状況について
昨年4月に宮崎県で発生した口蹄疫の被害は全国を震撼させ、その対策については、本県議会でも様々な観点から議論されてきた。
県は、県内への侵入を阻止するための水際対策の徹底や、防疫資材の備蓄、知事をトップとした県対策本部体制の見直し、防疫対策マニュアルの改訂など、対応強化を図っている。
宮崎県で感染爆発につながった大きな要因は、殺処分した家畜を埋める土地の確保が遅れ、感染した牛や豚が殺処分されずに大量に放置されたことにある。このような状況を踏まえ、本年4月の家畜伝染病予防法改正に伴い、飼養衛生管理基準が今後見直され、畜産農家が確保すべき埋却地面積が示される予定である。
万が一の家畜伝染病の発生に備え、処分家畜の埋却地の現在の確保状況はどうか。
2 観光振興について
(1)県歴史文化博物館の観光面での活用とその充実について
県歴史文化博物館は、全国有数の規模を誇る博物館として平成6年に開館し、昨年2月には来館者数が累計170万人を超え、さらに平成22年度は、「水木しげるとゲゲゲの鬼太郎―妖怪道五十三次―」の開催や、高速道路無料化の効果も重なり、入館者数が前年の5割増の15万4,700人となるなど、県内外の多くの人が本県の歴史や文化に触れることとなった。
また、管理運営や普及事業は指定管理者が行い、学芸部門は県が担当するという、全国的にもあまり例がない方式で官民が連携し、「こども歴史館」などの新たな取組みを行っている。
県歴史文化博物館は社会教育施設であると同時に主要な観光施設である。健全経営に努めながら観光施設の中核として発展するには、特別展の企画力と、常設展での更なる目玉といった部分がカギを握ると思う。県内外の多くの人が興味を持ち、西予に行ってみたいと思う、ここにしかない展示物があれば、同館の魅カアップと、南予地域の観光振興や活性化につながるものと確信する。
県歴史文化博物館の中期運営計画には、県内の資料館等との交流・連携によるネットワークの推進に努めると示されている。近隣には重要伝統的建造物群保存地区に指定された中町の街並みや、四国遍路43番札所の明石寺もあることから、こうした観光資源を活用しながら、県内外からの利用者拡大につながるよう、県と指定管理者が協力して取り組んでほしい。
南予地域の観光振興と活性化に向けて、県歴史文化博物館の観光面での活用とその充実をどう図っていくのか、知事の所見を問う。
これまでの活動の評価と今後の利用促進の取組みも併せて問う。
(2)歴史・文化遣産を観光振興に活用することについて
県の調査によると、観光の目的として「文化・歴史」を挙げる人の数は、「買い物」に次いで、第2位となっている。
こうした人々のニーズを捉え、県外観光客を南予へ誘導するためには、南予の観光資源を有機的に連結させ、優れた歴史文化資源を有効活用することが望まれる。
西予市には、重要文化財である開明学校や申義堂、末光家住宅や鳥居門などの江戸中期から昭和初期にかけての商家、109mの木造廊下を誇る宇和米博物館、宇和歴史民俗資料館など、貴重な文化遺産や施設があるが、地元以外ではあまり知名度がなく、県内の人でさえ、場所や内容をはっきり知らないことが多い。
今年3月に策定した県観光振興基本計画では、「物語性のある観光資源づくり」を進めるために「歴史的人物や場所の発掘」に取り組むことが盛り込まれている。
県内の歴史・文化遣産を、今後の観光振興にどのように活用していくつもりなのか。
(3)「えひめ南予いやし博2012」について
知事は、観光振興を公約の柱として、地域資源を最大限に活用した観光客誘致に全力を挙げて取り組んでおり、特に、南予地域の素晴しい観光資源に着目し、県ホームページや松山市の広報誌に南予の観光イベントや特産品等の情報を掲載するなど、南予地域への誘客促進に努めている。
来春からは、高速道路の宇和島延伸を契機として「えひめ南予いやし博2012」が開催されるが、一過性で終わることなく、南予地域全体の観光客の安定的な増加につながることを期待する。
「えひめ南予いやし博2012」を、南予全体の観光振興にどのようにつなげていくのか。
3 土砂災害対策について
近年、集中豪雨や大型化する台風の影響で土砂災害や洪水が多発し、大きな被害が発生している。
本県においても、6月に内子町で梅雨の長雨によるがけ崩れが発生し、先日の台風12号では、西条市及び東温市の山間部で起きた土砂崩れ等により道路が寸断され、集落が孤立するといった事態が発生しており、こうした自然の猛威を目の当たりにして、土砂災害対策の重要性を再認識した。
本県は、急しゅんな地形とぜい弱な地質構造から、土砂災害が過去に幾度も発生しており、事業採択の遅れから、高齢化が進む地方では不安な生活を強いられている現状もある。
土砂災害危険箇所が多い本県は、被害を最小限にとどめるため、土砂災害防止施設の整備を計画的かつ迅速に行うことが必要である。
また、更なる減災につなげていくためには、警戒避難体制等のソフト対策を組み合わせた実施が肝要と考える。
土砂災害対策をどのように推進していくのか。
4 えひめ結婚支援センターについて
平成元年に、国と地方が一体となって少子化対策に取り組み始めてから約20年、出生率は更に下がっており、少子化対策は正に「待ったなし」であり、思い切った施策を大胆かつ積極的に展開していくべきと考える。
本県の昨年の出生率は、1.43と前年に比べて若干上昇したものの、出生数は1万1,427人と戦後最低を更新している。高校卒業後、大学進学や就職などで多くの若者が故郷を離れる人口流出県である本県にとって、少子化は都市部以上に極めて深刻な問題であり、強い危機感を持つ必要があると思う。
少子化の要因は様々な指摘があるが、主たるものが未婚化・晩婚化である。しかし、日本の少子化対策は、都市部で深刻化している保育所の待機児童対策などの子育て支援に重点が置かれ、未婚化対策は重視されることなく、国の取組みは大きく遅れているのが現状である。
県では、国に先行して未婚化・晩婚化対策に積極的は取り組んでおり、平成20年11月に開設したえひめ結婚支援センターにおいては、結婚支援イベントの開催を通じて、結婚を望む独身男女に出会いの場を提供し、大きな成果を上げていると聞く。さらに今年度は、「愛結び」事業の創設などセンター事業を大幅に拡充しているとのことであり、その成果に期待している。
えひめ結婚支援センターのこれまでの実績と事業拡大への取組状況はどうか。