本会議論戦(大要)
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2011年9月定例会
以下は、2011年9月28日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
三宅浩正議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 護国神社参拝による英霊顕彰について、知事の所見を問う。
本年7月、県議会自由民主党神道議員連盟が、活動方針として、皇室敬慕の念が広くかん養されるよう努力すること、首相の靖国神社公式参拝支持と護国神社への参拝促進に努めること等を掲げ発足した。
護国神社には、戊辰戦争から大東亜戦争で国難に殉じた本県出身の護国の英霊をはじめ、社会公共のために尽力し、県の産業文化に貢献して、永く県民に恩恵をもたらした功労者等が祭られている。
国家の安全と独立を守るために殉職した県民の御霊に哀悼の誠を捧げ、県民を代表する知事が参拝することは、世界の常識に照らして当然であり、道義的にもしかるべきことである。
愛媛県玉串料訴訟の最高裁判決は、玉串料の公費による支出を違憲としたが、公職者による神社参拝そのものは否定しておらず、他県では知事等による護国神社への参拝が見られる。
本年8月、長崎県議会は、護国神社に参拝するよう知事に求める請願を賛成多数で採択した。その請願書では、参拝は儀礼としての一過性の宗教的行為であり、教典によって布教などを継続的に行う宗教的活動ではないため、政教分離の原則にも反しないとしている。
県教育委員会の教科書採択をめぐり数々の訴訟が提起されたが、県と県教育委員会が毅然と粛々と対応したことは記憶に新しいところである。知事が護国神社に参拝すると同様の事態となることも想定されるが、決して安易な妥協に走ることなく毅然とした対応を望みたい。
護国神社参拝による英霊顕彰について、知事の所見を問う。
2 歴史及び公民の教科書採択について
今夏、来年度から中学校で使用する教科書の採択が全国各地で行われた。平成18年に改正された新たな教育基本法が教育の目標の一つとして掲げる、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する心を養うことに寄与する歴史及び公民の教科書が編さんされると期待していたが、検定で合格した多くの教科書は、改正法に基づく学習指導要領に沿っていないとの印象を受けざるを得ない。
歴史及び公民の教科書には、自国の歴史の負の部分をことさらに強調する、いわゆる自虐史観が横行し、次代に継承すべき日本の伝統と文化は消え去り、日本人としての誇りを失わせる内容との批判がある。例えば、国旗・国歌について、「国民の自覚を高めるために用いられるものに世界各国の国旗と国歌があります。ほかの国々の国旗と国歌を尊重することは現代世界の礼儀となっています」と記述するのみの教科書もあり、これでは日章旗と君が代の意義は、子どもには伝わらない。この点、育鵬社のものには日章旗と君が代についても詳しい記述がある。
公教育が示す歴史観や国家観は、将来を担う子どもの価値観形成、国家の土台形成に大きく関わるものである。県教育委員会が、来春から県立中等教育学校及び特別支援学校中学部で使用する歴史及び公民の教科書について、育鵬社のものを採択したことに敬意を表する。
どのような判断に基づき、歴史及び公民の教科書を採択したのか。
3 台湾との交流促進について
台湾独立派の人と交流する中で強く感じていることがある。一点目は、台湾が日本の生命線であり、運命共同体であるということ。このことは、日本のシーレーン防衛上、台湾が最も重要な位置にあり、また、中国共産党が台湾併合を国家目標に掲げ、軍事力を増強していることからも明らかである。二点目は、これまでの国民党主導にまる反日教育が改められ、新しい歴史教科書により日本統治時代を正しく評価する歴史教育が始まるなど、台湾は非常に親日的ということである。
このように運命共同体であり、さらに、歴史を共有する精神の結び付きも感じる台湾と交流を深めることは、意義深いものと思う。
県では、東アジアをターゲットとしたインバウンドの推進を目標としているが、台湾には親日家が多いうえ、所得水準も高いことから、観光客誘致による地域活性化の点からも大きな期待を寄せている。知事は、市長時代より台湾からのインバウンド促進に熱心に取り組んでおり、現在もプロモーション活動の強化や、台北松山空港と松山空港を結ぶ路線開設に向けたチャーター便の運行促進を図るなど、観光交流の推進に精力的に取り組もうとしており、今後の県の取組みに大いに期待している。
台湾との交流促進に今後どのように取り組むのか。
4 日本人の住民票の転出入地欄への記載について
現在、在日台湾人の外国人登録証の国籍が中国と記載されることについては、台湾においても強い批判の声がある。
外国人登録制度は来年7月に施行される入管法等改正法により廃止され、在留管理制度に移行し、外国人登録証に代わり発行される在留カードでは、国籍に加えて地域の記載も認められ、この地域には台湾も含まれるとのことである。
また、同時に施行される改正住民基本台帳法に基づき作成される外国人住民の住民票にも、台湾の表記が認められるのではないかと考えている。
このように、在日台湾人への配慮が進む中、日本人について作成される住民票の転出入地欄の記載は、多くの自治体において、台湾ではなく、中国と記入することとされている。一方、東京都では、台湾との表記を容認する旨、管内区市町村に通知したと聞く。
台湾との交流を進めるためには、日本人の住民票への台湾表記についても台湾人の尊厳を尊重する観点から考え直す時期にあると思う。
日本人の住民票の転出入地欄への記載について、県内市町においても台湾表記を容認すべきと考えるがどうか。
5 四国朝鮮初中級学校との国際交流促進事業について
平成20年8月、北朝鮮当局は生存者を帰すための調査やり直しを約束したが、その翌月、約束を一方的に破棄して以来3年が経過した。その間、民主党政権は、朝鮮学校への高校授業料無償化適用の検討を始めていたが、昨年8月、朝鮮学校の元男性教諭が学校の実態を告発し、無償化適用に反対する手記を脱北者問題に取り組む民間団体に寄せたことが新聞報道で明らかとなった。記事によると、朝鮮学校、拉致事件等への関与が明らかな朝鮮総連、金正日率いる朝鮮労働党は、三位一体の組織とのことである。
また、昨年12月の新聞報道によると、平成20年度に福岡県から市民交流の名目で九州朝鮮中高級学校に支給された補助金が、教員と特定支援者との不明瞭な交流費に使われ、その大半が飲食接待をうかがわせる渉外費として処理されている。さらに、福岡県内の朝鮮学校では補助金の二重取りも発覚するなど、朝鮮学校への補助金のあり方が改めて問われている。
本県においても、地域住民や小中学校の児童生徒との交流事業を実施し、地域レベルの国際化を推進するとの目的で、四国朝鮮初中級学校に対し、年額60万円の補助金を支出している。
外国人学校の子どもと、地元住民の交流は、県民の国際理解の増進につながることから大いに賛同する。しかし、朝鮮学校が、朝鮮総連及び朝鮮労働党と三位一体の組織である実態からすれば、県から支出された補助金が、たとえ少額とはいえ、北朝鮮当局を利する可能性を完全には排除できない。
四国朝鮮初中級学校との国際交流促進事業にどのように取り組んでいるのか。
6 通常の学級での指導を受ける発達障害児に対する支援について
発達障害者支援法では、発達障害を自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものと定義しており、その態様は様々である。
これらの原因は、脳機能の障害と考えられているが、治療法はいまだ確立されていない。発達障害は幼い頃からその症状が現れることが多く、早い時期から周囲の理解を得て、個人の能力を伸ばすための療育等、必要な支援の提供、環境整備を行うことが重要である。
発達障害児の教育については、通常の学級での指導が多く行われているが、いくつかの学校では学級の混乱、いわゆる学級崩壊を引き起こしていると聞く。混乱が長引けば、障害のない子どもの学習に支障が生じるため、障害のある子どもの通常の学級での指導に否定的な意見が多くなりかねず、教師の負担も相当なものとなる。このような混乱を解消し。学校を障害のある子どもと障害のない子どもが共に学び、相互の理解を深める場とすることは喫緊の課題と思う。
通常の学級での指導を受ける発達障害児に対し、どのような支援をしているのか。教師の負担を軽減するための取組みについても併せて問う。
笹岡博之議員(公明党)の一般質問(大要)
1 伊方原発について
(1)EPZの範囲の見直しについて
公明党県本部では、防災対策委員会を設置し、視察活動やアンケート調査を積極的に行っており、自主防災組織の責任者及び防災士の代表512人から防災アンケートの回答を得た。「伊方原発の事故の可能性について、どの程度不安を感じるか」との設問では、全県では、すごく不安31%、やや不安48%と、79%が不安感を訴えている。地域別では、東予が、すごく不安22%、やや不安52%、合わせて74%、中予が、すごく不安23%、やや不安51%、合わせて74%、南予が、すごく不安44%、やや不安42%、合わせて86%との調査結果となった。
特に、宇和島市では98%が不安感を特っており、原子力防災対策を重点的に充実すべき地域、いわゆるEPZの範囲の見直しが必要と考える。
福島第一原発事故では、半径30kmを超える区域の自治体が避難対象となり、放射性物質の拡散が広範囲にわたり、現在も除染の方法等が大きな問題となっている。
8月に県原子力防災対策検討協議会の初会合が開催され、伊方原発から半径10km圏内の伊方町と八幡浜市の住民避難を想定しているEPZの範囲拡大や、広域での避難方法等の検討が行われたと聞く。
EPZの範囲の見直しについて、どのような考えを持っているか。
来年2月に実施予定の広域避難訓練の内容についても併せて問う。
(2)「やらせ」問題について
伊方原発1号機が定検に入り、運転を停止した。来年1月中旬には2号機が定検に入る。また、四国電力は3号機のストレステストの1次評価結果を今月中に政府に提出するとしている。枝野経済産業大臣は、定検のため停止している原発に関して、安全性について周辺住民の理解を得る努力をした上で可能な原発は再起動すると言明している。
防災アンケートを実施する過程で、伊方原発の住民向け説明会やシシポジウムでの「やらせ」問題について不信や疑問の声が多く聞かれた。特に、原子力安全・保安院がやらせを働きかけていたことは、福島第一原発事故の対応のまずさや情報公開の在り方などで不信感を募らせているところに油を注ぐ形となったと思う。
当面のエネルギー確保を考えた場合、安全性を最優先にした上で稼働できる原発は活用せざるを得ないと考えてきたが、規制当局である国の機関がやらせを働きかけていた事実を目の当たりにし、県民の原発に対する不信感は増したと断ぜざるを得ない。本来、伊方原発の安全対策を技術約な対応などを冷静に判断し、広く県民に周知することで、より一層の安全対策を図るべきであったものを、議論さえはばかられるようになった気がする。
また、福島第一原発事故の責任や、原子力安全・保安院のやらせなどを理由に、8月初旬、当時の海江田経済産業大臣は、事務次官、資源エネルギー庁長官、原子力安全・保安院長を更迭したが、3人の処分で終わることに疑問を感じた。
安全対策に関する議論は、経過説明と謝罪を踏まえた上で、国が安全性について責任を持つことを再度明確化したところから始まると考えるがどうか、併せて問う。
「やらせ」問題については、原子力安全・保安院の責任者と政府の責任ある立場の者が来県し、経過説明と謝罪をすべきと考えるがどうか。
(3)緊急被ばく医療を担う人材育成への取組みについて
県地域防災計画原子力災害対策編に「緊急被ばく医療体制の整備」「緊急被ばく医療の実施」が記述されている。原子力災害が現実のものとなった今、人材育成も含め、目頃からの対応が不可欠である。西日本ブロックの三次被ばく医療機関として広島大学が指定されているが、連携について気にかかる。
緊急被ばく医療体制がスムーズに機能するための総合的な訓練体制や内部被ばくの状態を測定するホールボディカウンターなどの機器整備はどうなっているのか、併せて問う。
緊急被ばく医療を担う人材育成への取組みを関係機関との日頃の連携はどのようになっているのか。
(4)伊方原発に対するテロ攻撃防止策について
伊方原発の安全確保のため、県警が昼夜を問わず警備しており、海上保安庁も警戒に当たっている。また、県国民保護計画第4編「伊方発電所における武力攻撃原子力災害への対処」には、緊急時の自衛隊との連携が規定されている。
国策として原発周辺の警備警戒行動は、もっと厳重にすべきである。
伊方原発に対するテロ攻撃防止策について、自衛隊との目頃からの緊密な連携などが効果的であると思うがどうか。
2 防災対策について
(1)沿岸部の学校や幼稚園、保育所にライフジャケットの常備する
防災アンケートの「最も危険性を感じる自然災害は何か」との問いに対し、地震との回答が最多であり、沿岸部、特に南予では津波に対する警戒感が多く見られた。沿岸部の学校などでは、津波に対する避難訓練が盛んに行われており、命を守る防災教育の重要性は言うまでもない。
沿岸部の学校や幼稚園、保育所に、いざという時に使用できるようライフジャケットの常備を提案するがどうか。
(2)エリアメールで緊急情報を配信できるようにする
台風12号は県内にも大きな爪痕を残したが、同日、滞在先の岡山市で、市内を流れる旭川と笹ヶ瀬川の水位が危険水域に達し、堤防決壊のおそれがあるため避難指示等が出されたとの内容のエリアメールを携帯電話で受信した。エリアメールは、緊急地震速報と同じ仕組みであり、災害・避難情報が国や自治体からNTTドコモを通じて配信される。
9月現在、県内では今治市、新居浜市、四国中央市、松前町の4市町において配信できる。また、通信の混雑による遅れがほとんどなく、画面表示や専用の警告音で受信を確実に知らせるため、情報提供手段として極めて有効と思う。
現在、NTTドコモだけのサービスであるが、来春にはKDDIでも同様のサービスが開始されると聞く。
県内市町に対し、県民の生命を守るためエリアメールで緊急情報を配信できるよう、提案してはどうか。
3 駆除した二ホンジカの肉の活用について
台風12号により大きな被害をもたらした直接的な原因は、深層崩壊という山の崩落現象である。森林の荒廃も今回の災害の一因であり、ニホンジカなどの食害により人工林が大きな被害を受けている実態もよく知られている。
環境省のガイドラインでは、ニホンジカの適正な生息数は1k㎡当たり3~5頭とされているが、和歌山県によると、紀伊半島南部では1k㎡当たり、これを大きく上回る8.5頭が生息していると推測されている。森林の荒廃には、急増している二ホンジカが関係しており、山の保水カが弱くなった分、大災害につながりやすいことは自明の理である。そのため、各地で二ホンジカの駆除対策が行われている。
アメリカのイエローストーン国立公園でもシカの急増による食害がすさまじく、森林の荒廃を食い止めるため、灰色オオカミを移殖して効果を上げたという話もある。
高タンパクで脂肪分が少ないシカ肉は、特に犬が好むようであり、ペットフードの原材料等にシ力肉が有効利用されれば、農林作物等の被害の軽減にもつながると思う。
駆除した二ホンジカの肉を、ペットフードの加工用に利用してはどうか。
4 しまなみ海道の観光振興等について
(1)電動サイクルやタンデム自転車のレンタルについて
先日、来島海峡大橋を、電動サイクルをレンタルして走り、その景色のすばらしさに感動した。
電動サイクルは便利であるが、バッテリーの持続時間が4時間であることから、レンタル時間が4時聞に限られており、途中のレンタサイクルターミナルでの乗り捨てはできない。一方、一般のレンタル自転車は、広島県尾道市側にあるサイクリングターミナルまでの14か所で乗り捨てができ、複数日にわたってのレンタルも可能である。
また、視覚障害者でサイクリングを楽しむ人は多いと聞くが、その際使用するタンデム自転車もレンタルされてはいるが、乗り捨てができない。
これらについて工夫すれば、サイクリングのメッカの名にふさわしいアピールができると思う。
電動サイクルやタンデム自転車の乗り捨てができるよう、対策を練ってはどうか。
(2)瀬戸内の離島における住民の花粉症について
大島では、スギ、ヒノキなどの植林をほとんど見かけなかった。伯方島に移り住んだ人からは、移住後、花粉症の症状がなくなったとの話を聞いた。
花粉症で苦しむ人は多いため、瀬戸内の島に移住すれば症状が改善されるのではないかと思う。
瀬戸内の離島における住民の花粉症の実態調査を行い、根拠を明確にした上でIターン、Uターンのアピールに活用してはどうか。
(3)今後の瀬戸内の観光振興について
広島県知事の提唱する「瀬戸内海の道構想」の瀬戸内全体を一つに考える視点に共感を持つ。
広島県との連携は、互いの発展のために重要である。
今後の瀬戸内の観光振興について、広島県との連携も含め、どうするのか。
泉圭一議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 新行政改革大綱の基本的な考え方や策定作業の進捗状況について
地域主権改革を一丁目一番地の政策として政権に就いた民主党は、昨年6月には地域主権戦略大綱を閣議決定し、地方も大いに期待したが、政権発足から2年を経過した今、改革はほとんど進展していない。
地域主権改革を前進させるためには、行政改革を進めてきた地方が声を上げるとともに、地域主権の担い手として、住民の信頼を得て行政運営ができるよう、自ら行政改革に取り組むことが重要である。
このような中、知事は「行政改革には終わりはない」として、行政改革のプロジェクトチームを設置し、新しい行政改革大綱の策定に着手した。1月には行政改革・地方分権戦略本部を立ち上げ、7月の全国知事会では「えひめ発の分権改革提言」を発表し、地方が住民とともに自由で独創的な行政運営を行える真の分権型社会への移行を求めるなど、行政改革と地方分権改革を車の両輪として、分権時代をリードする自治体づくりを進めている。
行政改革は、単に予算や人員を削減すればいいものではなく、決して閉塞感を与えるものであってはならない。厳しい時代だからこそ、創意と工夫をもって前向きに改革に取り組み、新しい愛媛づくりを進めてほしい。
新しい行政改革大綱の基本的な考え方や策定作業の進捗状況はどうか。
2 防災対策について
(1)県がEPZを拡大した場合の支援体制について
県原子力防災対策検討協議会の初会合が8月に開催された。今後、実務者レベルで検討を進め、来年2月の広域避難誘導訓練で課題に基づく対策を検証し、県地域防災計画(原子力災害対策編)改訂に反映させると聞く。
東日本大震災を受け、独自に防災計画を見直す都道府県は9割を超え、その見直しの内容は、避難場所やルートの変更、物資の備蓄強化等が多いが、原発立地県以外で原子力関連施設を災害対象とする自治体もある。
現在、原子力安全委員会が示す原発で事故が起きた場合に備えて原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ)は、原発から半径8~10kmで、住民への迅速な情報連絡手段や避難場所の確保などの対策が講じられている。しかし、福島第一原発事故では、20~3Okm圏に計画的避難区域や緊急時避難準備区域が設定され、特に計画的避難区域は30km圏外にわたっている。そうした中、同心円ではなく地理的条件や気象条件を踏まえるなど県独自で避難地域の拡大方針を決め、国にEPZ見直しを求めるため、具体的な対応を打ち出している自治体もある。
7月のエネルギー・防災対策特別委員会では、私のEPZ拡大に関する質問に対し、理事者から見直す方向である旨の答弁があった。
EPZを拡大した場合、新たに対象となる市町は、原子力防災に係る計画を策定し防災対策に努めることとなり、そのための防災資機材の整備や職員研修などが必要になると思う。
県がEPZを拡大した場合、新たに対象となる市町で必要な防災資機材の整備や職員研修などについて、県はどのように支援していくのか。
(2)広域的な支援体制構築の取り組みについて
6月の四国知事会議において、中国知事会からの打診として、中国・四国地域の県における災害時の広域的な支援体制の連携について提案があり、大筋で賛同が得られた。また、先月の中四国サミットでは、大規模災害発生時に相互に支援する県同士の組み合わせを決めておくカウンターパート方式の導入など防災体制の強化が合意された。
阪神淡路大震災後にも、中国・四国地域の災害時相互応援に関する協定書が締結されている。
広域的な支援体制構築のため、今後どのように取り組んでいくのか。
(3)県内市町のBCP策定状況について
東日本大震災では、自治体間の広域応援協定等により他県から多数の応援職員が派遣され、不完全ながらも行政サービスが回復できたが、短期間でも自治体業務の停止は、住民サービスや社会経済活動に大きな影響がある。そのため、平時から業務継続計画(BCP)を策定し備えておくことが重要である。
県内市町のBCP策定状況はどうか。また、策定に向けた取組状況はどうなっているのか。
(4)被災企業に対する企業誘致助成制度の拡大について
多くの自治体で、東日本大震災による被災企業支援のための様々な施策を行っており、本県も、被災企業応援ワンストップ窓口を創設した。
震災後、全国大手製造業等を対象にしたアンケート調査には、部材の調達先を見直す又は検討する企業が4割近くあり、複数箇所から更に拡大する企業は約5割あった。今までは工場集約が企業のコスト削減につながったが、今回の震災で、一極集中が経営リスクを高めることが判明した。
西日本の自治体では、被災地等の企業を対象に新たに企業立地施策を打ち出しているところもある。自治体同士で被災企業を奪い合うべきではないが、企業の海外流出を防ぐ手立てになる。
被災企業の施設等の移転、新設のための企業誘致助成制度の拡大を検討してはどうか。
3 石油製品供給体制の現状について
東日本大震災の被災地では、多くの石油製品給油所(SS)が多大な被害を受け、数日間燃料の補給ができず、給油できない状態が続いた。当時、被災者にとって最も必要な物資はガソリン、灯油であり、SS店頭の長蛇の車列や老夫婦が両手にポリタンクを下げてSSに向かう姿をテレビで見て、石油供給網の重要性を再認識した。
しかし、SS業界の現状は、平成10年のセルフ解禁等の自由化で販売競争が激化し、平成6年に全国で約6万か所あったSSは、平成21年度末には約4万か所に減少した。また、2月施行の危険物の規制に関する規則の改正により、老朽化した地下貯蔵タンクの流出事故防止対策が求められ、ほとんどが中小零細業のSSにとって、老朽化タンクの修繕が大きな負担となり、今後、更なる減少が懸念される。
資源エネルギー庁が3月に取りまとめたSS過疎地域調査報告書では、全国石油商業組合連合会がSS過疎と定義するSSが3か所以下の市町村は、全国で2年前の222町村から238市町村に増えており、SS過疎の問題が各地で顕在化していることが浮き彫りとなった。本県では該当市町はなかったが、合併前の市町村で見ると、いくつも該当すると思う。現にSSが廃業してなくなった地区もあり、今後、本県でも該当市町が出てくることが懸念され、事前に対策を講じる必要がある。
化石燃料依存からの脱却は進むべき道ではあるが、現在の過渡的な状況では、依然として石油製品に依存せざるを得ない状況は変わらず、急激な供給不足によって県民の安全・安心の生活を脅かすことのないよう、石油製品供給体制の維持を図る必要がある。
県内における石油製品供給体制の現状をどう認識しているのか。また、SSの減少を食い止めるため、経営支援に取り組んでほしいがどうか。
4 県産農林水産物の新たな販路開拓について
農林水産業が依然として厳しい状況にある中、県産農林水産物に付加価値を付け、産地間・地域間競争を勝ち抜くためには、生産と販売の両方がうまく連携し機能することが大切である。
県産農林水産物は、生産者の努力によって高品質なものに進化し、県農林水産研究所でも新たな品種や栽培方法が開発されるなど、生産面の取組みは相当進んでおり、今後は販売面における思い切った取組みが必要である。
ブランド総合研究所が実施した「地域ブランド調査2010」によると、愛媛県産の食品の購入意欲度は24位と全国中位であった。本県の農林水産物の実力からすると不満足ではあるが、逆に考えると、今後、愛媛県産の良さをうまくPRすれば、販売を伸ばすチャンスがあると思う。
全国で都道府県や市町村、農業団体等が販路開拓にしのぎを削る中、本県が抜きん出た成果を挙げるのは難しいが、本県には素晴らしい農林水産物が多く、また、知事がトップセールスに精力的に取り組んでおり、今後の取組みと成果に大いに期待している。
優れた県産農林水産物の新たな販路開拓にどのように取り組んでいくのか。
5 犯罪の起きにくい社会づくりについて
全国で女性や高齢者等社会的弱者が被害者となる事件が多発する中、県内でも昨年、娘の元交際相手による母親刺殺事件が発生した。また、今年も性犯罪やその前兆とみられる不審者情報、高齢女性を狙ったひったくりが多発しており、さらに最近では、高齢者をだます振り込め詐欺が連続して発生するなど、市民生活に不安と脅威を与えている。
一方、万引きや自転車、オートバイ泥棒は、刑法犯認知件数が全体で減少する中、増加か横ばい傾向にあり、特に万引きは、高齢者の割合が高まり、近年は少年の割合を上回っており、県民の高い規範意識が時代とともに希薄になってきていることは大きな問題である。
そのような中、県警は昨年から、防犯ネットワーク整備や規範意識の向上に向け、犯罪の起きにくい社会づくり対策を推進し、防犯ボランティア団体、民間企業等官民協働による犯罪の抑止や取締り強化に取り組んでおり、今後、地域、自治体、警察が一体となって、犯罪の起きにくい社会づくりを強力に進めることが、治安確保において重要であると思う。
(1)女性や高齢考を対象とした犯罪被害の状況はどうか。
(2)今後、犯罪の起きにくい社会づくりにどのように取り組んでいくのか。
6 拉致問題について
政権交代から2年が経ったが、その間で拉致対策本部長である総理大臣は3人目、拉致問題担当大臣は5人目となった。しかも今回の担当大臣は他の大臣等との兼務で、国会議員でつくる拉致議連にも所属しておらず、現政権の拉致問題軽視を感じる。
5月8日に行われた拉致問題の全国集会「生きているのになぜ助けられない!すべての拉致被害者を救出するぞ!国民大集会」では、飯塚繁雄家族会代表が挨拶で「拉致は天災ではなく人災である。北朝鮮という瓦れきに、さらにその上にかぶされた網があり、その下から『早く助けてくれ!』という声が私には聞こえてくる。みんな生きている。生きているのに助けられないもどかしさを皆さんが感じているはずである」と語った。国民大集会では、これまで政府認定拉致被害者17名の家族、拉致議連役員や政府関係者が壇上で訴えていたが、今年は特定失踪者の家族21名が壇上で紹介された。また、昨年10月「北朝鮮による拉致被害者救出のための集い」が開催され、特定失踪者の71家族約120名が涙ながらに訴えた。
拉致された全ての人を救い出すことはもちろん、特定失踪者等拉致の可能性のある事案の捜査に全力を挙げ認定する機運は高まっている。
(1) 知事は、松山市長時代に拉致問題を人権問題として積極的に取り組み、知事就任後は救う会愛媛の顧問に就任するなど、拉致問題の早期解決に強い思いを持っていると感じている。
知事の拉致問題に対する所見を問う。
(2) 政府は、4月の閣議で「人権教育・啓発に関する基本計画」を一部変更し、「北朝鮮当局による拉致問題等」を追加した。拉致問題に関し政府各部署が取り組む具体的課題も明記され、文部科学省は「学校教育においては、児童生徒の発達段階等に応じて、拉致問題等に対する理解を深めるための取組を推進する」とされた。
県教育委員会では、平成21年に「拉致問題の解決に向けて」という教職員用資料を作成し、学校現場での指導を進めている。
これまでの学校現場における拉致問題に対する理解を深めるための取組状況はどうか。