本会議論戦(大要)
ホーム > 2011年9月定例会 > 本会議論戦(大要)
2011年12月定例会
以下は、2011年12月1日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
渡部浩議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 知事就任から1年を振り返って
この1年は、東日本大震災が発生したほか、デフレが長期化する中での急激な円高による景気低迷、TPP問題など、まさに激動の年であった。
知事は、就任挨拶で、「松山市長を約12年務め、大方、愛媛県全体のことは分かっているのではないかという錯覚を起こしていた自分に気付いた」と発言したが、市町とのフィールドの違いに戸惑うことなく、この気付きを謙虚に受け止め、持ち前の民間感覚を生かして、県政の様々な課題解決に向け全力疾走してきた。
大震災への対応では、強力なリーダーシップを発揮し、被害のなかった地域の使命として、市町をはじめとした関係団体等と連携し、チーム愛媛として、積極的に被災地支援等を行った。さらに、被災者等のニーズに即した支援、愛媛らしい支援、思いやりあふれる支援を可能にするため、「えひめ愛顔の助け合い基金」を創設し、被災地学校の修学旅行支援をはじめ、県民の思いを形にした事業に取り組んできた。
また、大震災後、国の措置を待つことなく、県単独で原子力災害対策や地震津波対策を緊急に講じたほか、ものづくり企業を対象とした「すご技データベース」の作成、愛媛ブランド牛の開発や地域医療の再生など、山積する県政課題にも、着実に取り組んでいる。
一方で、国に対しては、遅々として進まない分権改革の推進に向け、「えひめ発の分権改革」を提言したほか、全国知事会でも、社会保障制度改革検討プロジェクトチームのリーダーとして活躍している。
知事就任から1年を振り返っての所感はどうか。また、市政運営と県政運営の違いについて併せて問う。
2 新しい行政改革大綱の取り組みについて
平成8年度以降、県は、4期にわたり行政改革大綱を定めて改革に取り組んできたが、第4期の構造改革プランでは、数次のマイナスシーリングによる事務事業の削減や計画を上回る定員削減に加え、臨時的な給与カットなど懸命の行財政改革により、危機的な財政の建て直しに全力で取り組んだ。知事も、自らが本部長となり、行政改革地方分権戦略本部を設置し、今後の行政改革の指針として新しい行政改革大綱の策定を進めている。
この大綱は、更なる組織の進化のために、財政健全化基本方針や定員適正化計画に基づく取組みの継続を掲げている。しかし、これからは東日本大震災を踏まえた防災減災対策をはじめ、県内経済の下支えや活力を生み出す分野の強化という意味で、一定の事業量の確保が必要と考える。
また、定員適正化についても、これまでの職員の削減により、農業普及現場等では専門職員のマンパワー不足などを危惧する。
厳しい経済情勢や財政状況、さらには、少子高齢化の進展による社会情勢の変化など、様々な試練が目の前に立ちはだかる中、今後、改革を進める上では、県の活力をそぐことのないよう、政策立案型行政への転換などの新たな改革とバランスを取ることが重要である。
新しい行政改革大綱では、どのように改革に取り組むのか。また、改革をどのようにして実効あるものとするのか。
3 財政問題について
(1)財政健全化基本方針について
県では、三位一体改革により平成16年度の地方交付税等が251億円削減された地財ショックを受けて、財政再生団体への転落の危機を回避するため、17年10月に財政構造改革基本方針を策定した。
この基本方針では、18年度からの4年間で1,600億円もの財源不足が見込まれたことから、これまで以上に歳入歳出両面にわたる徹底した取組みを進めることを掲げ、国の行財政改革を上回るあらゆる改革に取り組んだ結果、財源対策用の基金残高200億円の目標も達成した。
改革期間中は、県議会も議員報酬の減額や海外視察の自粛など、自らの身を切って、県民の理解と協力を得るよう努めたが、この厳しい改革は、予算の削減を通じて、県民サービスの低下という形で県民に負担を強いたことは否めない。
県民の安全・安心を確保するため、東南海・南海地震等への備えを早急に行う必要があるほか、新しい長期計画への対応なども求められ、財政構造改革の目標が達成された以上、県民サービスの充実、強化にかじを切るべきと考える。
財政健全化基本方針を策定した理由と今後の進め方はどうか。
(2) 来年度当初予算編成について
地方財政対策や社会保障と税の一体改革の議論の行方が不透明であり、地方税収や地方交付税の見込みが困難な状況にあるが、防災・減災対策をはじめ、県内経済の振興や雇用対策など、対応すべき県政課題は山積している。
来年度当初予算編成にどのような方針で取り組むのか。
4 伊方3号機のストレステストと再起動について
知事は、福島第一原発事故を受け、四国電力に対して、直ちに「原子カ本部の松山市への移転」や「国の基準を上回る電源対策」などを求めるとともに、「基準の2倍以上の揺れに対応する耐震性の向上対策の実施」や「伊方原子力発電所異常時情報の県内全市町への提供」など対応が必要と感じたときに、次々と的確な要請をし、県民の安全・安心の確保に努めている。
県議会でも、伊方原発の安全対策や防災対策などについて、県民の安全・安心の確保に向けて議論を重ねるとともに、女川原発等の視察も行った。また、自由民主党愛媛県連伊方原発安全対策プロジェクトチームでは、検討会議に原子カ安全・保安院職員を招へいし、伊方原発の安全対策について議論を深めてきた。
このような中、四国電力は、3基全てが停止した場合、四国の電力需給バランスは危機的状況になることが懸念されると10月末に公表し、伊方3号機の再起動の判断の前提となるストレステスト一次評価結果を11月14日に国へ提出した。
伊方3号機のストレステストの審査状況も踏まえ、再起動についてどういう見通しを持っているのか。
5 被災地学校修学旅行支援事業の実施状況について
東日本大震災の被災地では、復旧・復興に向けた取組みが進められているが、児童・生徒の教育環境への影響は深刻である。福島県の相双地区において、サテライト方式による授業を余儀なくされるなど、困難な状況が続いており、児童・生徒が将来に向けての希望を持つためにも、教育環境の充実は急務である。
このような中、県は、被災者等のニーズに沿った支援を行うため「えひめ愛顔の助け合い基金」を創設し、本県独自の様々な支援に取り組んできた。基金事業のメインとなる被災地学校修学旅行支援事業は、大震災の影響等により、修学旅行を断念した学校に対して、「在学中に一度しか経験できない修学旅行を実現してもらいたい」との知事の強い思いにより、被災地3県から10校1,250人を招待することになっている。10月末の岩手県立大槌高等学校を皮切りに、既に5校が来県し、県内各地での体験学習や施設見学とともに、地元高校との交流が活発に行われたと聞く。
被災地学校修学旅行支援事業の実施状況はどうか。また、この状況を踏まえ、知事はどのような思いを持っているのか。
今後もこの事業を継続していくのか併せて問う。
6 TPPをどう捉えているか
TPP交渉は、関税撤廃の例外を認めない完全な貿易自由化交渉であり、農林水産業だけでなく関連産業を含め。地域経済、社会、雇用の安定という国民の生活に大きな影響を及ぼし、国の仕組みや基準が一変しかねない重要な問題を抱えている。
報道によると、現在、TPPに関する意見書が44道府県で採択され、そのうち「参加すべきではない」が17議会、「慎重に検討すべき」が27議会であり、市町村では、8割程度の1,425議会が、「参加すべきではない」または「慎重に検討すべき」という意見書を採択している。
各省庁の試算では、TPP参加のメリットは、実質GDPが2.7兆円増加するとともに、サービスや投資、貿易円滑化等を含めれば更に効果が拡大するとされている。一方、デメリットは、1次産業の生産額が4.1兆円減少し、食料自給率が40%から14%に低下するとともに、混合診療の全面解禁を迫られ、国民皆保険制度が崩壊する。さらには、遺伝子組換え食品の表示変更や使用農薬基準の緩和など、食品安全措置に影響を及ぼすとされている。
しかし、TPPが我が国にもたらすメリット、デメリットに関する国の統一的な試算は明確にされず、国民が納得できるような説明がないため、不安感は更に増大している。国は、様々な疑念に応えられるよう、正確な情報を提供する責任がある。
県は、TPPをどう捉えているのか。また、交渉参加に対する考えはどうか。
7 新ふるさとづくり総合支援事業の見直しについて
3局体制となった平成20年度の地方局再編で、地域の声が県政に届きにくくなるとの懸念があったが、県は、地方局がなくなった今治市と八幡浜市には支局を置き、各地方局に地域政策課を新たに設け、地域政策懇談会を開催するなど、地方局の政策推進機能の強化に努めた。
政策推進機能の柱である新ふるさとづくり総合支援事業は、制度がスタートした20年度こそ、事前の周知不足などから予算額の半分程度の執行であったものの、21年度以降は毎年ほぼ満額の補助が行われ、市町をはじめ、様々な主体による地域づくり活動に有効に活用され、各方面から有意義な補助制度として評価を得ている。
先般、行政評価システム外部評価委員会が、制度の抜本的な見直しを行い、予算規模を少なくとも2分の1程度に縮小すべきとの意見を示したと聞く。
現下の厳しい財政状況の中、より効果的、効率的な事業の実施に向けた努力は当然必要だが、この補助制度が県下各地でどのように活用され、どのような効果を上げているかについて、市町や団体の側にも立った検証が十分に行われたのか、また、予算規模の縮小について、どのような根拠があるのかなどの疑問を感じる。
外部評価委員会の意見は尊重すべきだが、意見も踏まえて、本事業創設の意義を再確認した上で、事業の効果等を精査すべきである。
新ふるさとづくり総合支援事業の見直しについて、どのような方向で検討しているのか。
8 建設業BCPについて
東日本大震災を教訓とした地震・津波対策については、国などの専門機関が検討を進めているが、本県にも多大な影響があると予想される南海地震は、今後30年以内の発生確率は60%程度、連動して発生する可能性が高い東南海地震は70%程度、さらに、東海地震は87%とひっ迫した状況である。
これまでの県の被害想定調査では、最大震度6弱、県下全域で震度5弱以上の揺れとともに、宇和海沿岸部では大きな津波が発生し、死者約3,000人、負傷者約4万7,000人の人的被害とともに、130か所を超える幹線道路など多くの公共土木施設が被災し、山間部や半島部などで多数の孤立集落の発生が想定されている。
大規模災害時には、国、県、市町、地域が一丸となって、早期に復興できる体制を整えることが重要である。
被災直後の人命救助や瓦れきの除去、輸送路の確保などの応急復旧は、地域に根ざした建設業者の協力なくしては、実現不可能である。業者自身が被災しても、迅速に事業を再開させるために建設業BCPをあらかじめ策定しておき、事業を継続することが、県民の安全・安心のためにも重要である。
県内の建設業BCPの策定状況や策定支援の取組みはどうか。また、今後どのように取り組んでいくのか。
横山博幸議員(民主党・かがやき)の一般質問(大要)
1 平成24年度当初予算編成について
本年8月に政府が発表した普通交付税大綱によると、普通交付税がなくても運営できる団体は、前年度から2割減って59団体となった。これは、社会保障関係経費をはじめとする財政需要の伸びが税収の伸びを上回ったことが主な原因と言われている。国は歳出総枠を抑制する意向であるため、来年度の地方交付税の大幅な増額は見込めず、自治体は一層厳しい行政運営を求められる。
先日策定された財政健全化基本方針には、「自治体に倒産はありえる」「地方交付税等の大幅な削減があれば、本県財政はたちどころに行き詰まる」と特筆され、財源不足が今後3年間で385億円に上ると予測されている。
一方、県債残高は、本年度末に初めて1兆円を超える状況となり、財源対策用基金の昨年度末残高は約24O億円であり、まさに本県も財政再生団体に転落する直前の状況と言っても過言ではない。
また、「岐路に立つ愛媛」という項目を冒頭に掲げた第六次県長期計画「愛媛の未来づくりプラン」の長期ビジョン編は、厳しい現実への認識の高さを表しており、知事からは、平成24年度を「愛媛の末来づくりプラン」の本格的なスタートに当たる重要な年と位置付け、「選択と集中」を更に徹底しながら着実に前進しようとする強い意気込みを感じる。
(1) 知事公約の実現を図るため、新長期計画の重点戦略方針等を踏まえた特別枠が設定されるなど平成24年度当初予算編成のポイントが発表された。
平成24年度当初予算編成の基本的な考え方と今後の方向性はどうか。
(2)平成24年度重点戦略方針において、重点的推進姿勢として、「チーム愛媛」の推進による基礎自治体との連携が掲げられている。
基礎自治体との連携の推進に向けた具体策についてどう考えているのか。
2 TPPの県内産業への影響について
TPPは、2006年にシンガポール、ニュージーランド、チリ及びブルネイが結んだ自由化率の高い自由貿易協定(FTA)であり、通常のFTAと異なり輸入自由化の例外品目をほとんど認めていない。
現在、政府はTPPが対象とする分野を24の作業部会に分けて検討を始めており、物品の関税の原則撤廃、弁護士や看護師などの有資格者の活動規制緩和、政府調達や直接投資での内国民待遇化、労働条件や環境の見直しなど、問題点は多岐にわたり、日本として、発展途上国や米国の要求にどう応えるかが問題になると言われている。
内閣府はTPP参加による経済効果として10年間でGDP2.7兆円増、農林水産省はGDP7.9兆円の損失と雇用340万人減、また、経済産業省はTPPに不参加の場合は参加した場合に比べGDP10.5兆円の損失と雇用81.2万人減との試算を発表している。
一方、各自治体では、TPPに参加した場合、北海道は農林水産業に大きな影響があり、単年度で2兆1千億円の損失と雇用約1.7万人減、岩手県は米や畜産品の生産の減少により、2,410億円の損失、沖縄県は1,420億円の打撃を受けると試算しており、特に肉牛やサトウキビ等の農林水産物に影響が大きいため,本年11月1日に政府と与野党にTPP参加反対を求める要請書を提出した。
(1) 政府、自治体ともにそれぞれの立場で見解が違うが、TPPへの参加が国の在り方を大きく左右するのは間違いない。
日本のTPP交渉参加に対する知事の見解はどうか。
(2)本県の農林水産業や経済分野への影響について、どのように予測しているのか。
将来予測される事態への対応策についても併せて問う。
3 小規模企業者に対する経営支援や地域活動への支援について
中小企業基本法では、おおむね常時使用する従業員数が20人以下の事業者を小規模企業者と定義している。
経済産業省の定めた中小企業憲章によると、中小企業は、経済をけん引する力であり、社会の主役である。世界的な不況、環境・エネルギー制約、少子高齢化などにより疲弊する地方経済を活気付け、日本の新しい未来を切り拓くには、中小企業がその力と才能を発揮することが不可欠である。
また、中小企業政策の実施に当たっては、中小企業が誇りを持って自立することや、社会的課題に取り組むことを高く評価し、家族経営の持つ意義への意識を強め、事業承継を円滑化するとともに、中小企業の声を聴き、どんな問題も中小企業の立場で考え、政策評価につなげ、地域経済団体、取引先企業、民間金融機関、教育・研究機関や産業支援人材などの更なる理解と協力を促すことが求められる。
小規模企業者が組織的な活動をしている県商工会連合会の青年部連合会は、県下の商工会の会員やその後継者のうち、40歳以下の経営者・後継者で構成された組織である。青年部では、定例会、研修会、研究会などを通じて、経営理念の構築や経営ノウハウ・技術の修得など、資質の向上を図っており、各事業の傍ら地域の消防団にも所属し、有事の際には強力な部隊となり、災害時の道路復旧や避難誘導など地域での貢献は、想像を超えるものである。さらに、地域活性化の中心的存在として、イベントの企画立案・実施なども行い、地域文化の向上にもその役割を果たしている。
経済産業省においても、地方自治体との連携を一層強め、政府一体となって取り組むと、地域の中小企業者への支援を確約している。
県下の小規模企業者に対する経営支援や地域活動への支援にどのように取り組むのか。
4 防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲の拡大について
東日本大震災による原発事故では、政府は当初、半径3kmとした「避難対象地域」を10km、20kmと徐々に拡大し、20~30kmの範囲に屋内退避を指示した。想定を上回る範囲で被害が拡大したことなどの反省から、原子力安全委員会は、原発事故に備えた事前準備が求められる「防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲」について、拡大する考え方をまとめた。
これは、原子力施設などから放射性物質放出の事故等に備え、あらかじめ避難場所や経路などの防災対策を重点的に充実すべき地域であり、これまでは、原子力安全委員会の防災指針に基づき、原発から約8~10kmをひとくくりとしていた対策地域(EPZ)を、施設からの距離に応じて、概ね5km圏内を事故が起きたら直ちに避難する予防的防護措置準備区域(PAZ)、概ね30km圏内を事故の状況等に応じて避難や屋内退避を準備する区域(UPZ)、概ね50km圏内を放射性物質を含んだ雲の通過に備え安定ヨウ素剤などを準備する地域(PPA)に区分けした。
現在、県内で、伊方原発のEPZの対象となっているのは、伊方町と八幡浜市であるが、UPZを新たに導入した結果、大洲市、西予市、伊予市、宇和島市、内子町を加えた7市町となった。
防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲の拡大に対して、どのような見解を持っているのか。また、その具体的対策を国に対してどのように求めるのか。
対象区域の市町は、どのような対策を講じていくのか、また、県としてどのような支援対策を講じるのかについても併せて問う。
5 児童虐待について
児童虐待には、保護者がその監護する児童に対して一方的に暴力を振るうなどの身体的虐待、性的虐待、ネグレクトと呼ばれる育児放棄、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行う心理的虐待などが挙げられる。
本県でも、平成22年度の児童相談所における相談対応件数が、前年度に比べ14.7%増加したとの報告があった。これは、昨夏に大阪市で幼い姉弟が、マンションに放置され遺体で見つかった悲惨な事件が大きく報じられたこと等により、児童虐待に対する県民の意識が高まり、児童の安全確保のための積極的な通告が一因と考えられる。
大阪府では、一般住民の力を借りて虐待の芽を摘もうとする取組みが広がっており、乳児がいる家庭への訪問や母親からの悩み相談を、自治体職員ではなく、より身近な一般住民が請け負うことで地域の絆を強化する狙いもあると報道されていた。具体的には、寝屋川市が今年始めた「子育て応援リーダー事業」であり、子どもの発育や健康、虐待防止の支援方法を学んだ一般住民が子育て応援リーダーの資格を得て、母親の育児相談に乗ったり、一緒に問題を解決したりするとのことであり、虐待の防止には、地域のつながりを深めることが重要との判断は的確と感じる。
(1)児童相談所及び市町における相談対応状況はどうか。
(2)児童虐待の未然防止について、寝屋川市の事例などを踏まえ、具体的にどのような対策を講じるのか。
青野勝議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 市町への権限移譲について
真の分権型社会に移行するためには、地方はこれまでの改革の実績を踏まえ、国に対し、無駄の排除と効率化を求めるとともに、地方のあるべき姿を提示し、それに見合った財源と権限の移譲を主張していかなければならない。
(1) 権限移譲の現状について
知事は基礎自治体重視の県政運営を掲げているが、その具体化の一つの方策が権限移譲である。県から市町への権限移譲により、住民に最も身近な市町で多くのサービスが提供され、県民の利便性が向上する。また、地方分権の実現にとって権限移譲は不可欠であり、二重行政解消や行政コスト削減も可能となる。
県は、平成16年に権限移譲推進指針を策定し、さらに平成18年には、移譲可能事務を大幅に追加した現在の権限移譲推進指針を策定し、これに基づき計画的な移譲を進めている。しかし、権限移譲に対する市町の姿勢は必ずしも積極的ではない。その理由は、権限移譲による市町の負担増に対する県の財政支援や人的支援等が十分でないという不安や不満、また、ほとんど処理実績のない事務の移譲もありメリットが乏しいことなどが挙げられる。
県は、今後、こうした点にも配慮しながら、県民の利便性向上を第一に、一層の権限移譲を進めてほしい。
権限移譲の現状をどう評価しているのか。
(2)第2次一括法等による市町への権限移譲について
地域主権改革の一部を具体化した2つの一括法が5月と8月に公布された。このうち第2次一括法では、義務付け・枠付けの見直しや、都市計画決定等に関する都道府県から市町村への権限移譲が行われることとなった。
この権限移譲は、8月公布にもかかわらず、多くが平成24年4月1日施行であり、施行に向けた準備を急ぐ必要がある。しかし、市町では、限られた準備期間の中で、法施行に向けた体制整備を行うことは困難が多く、対応の遅れで現場が混乱することを心配している。
地域主権戦略大綱では、円滑な権限移譲に向けて、都道府県に、市町との間での推進体制の構築を始めとする環境整備、円滑な引継ぎや研修、職員の派遣、自治体間連携の具体的手法の周知・助言等を期待している。
第2次一括法等による市町への権限移譲について、県はどのように市町を支援し、今後どう取り組んでいくのか。
2 台湾との交流について
(1)台湾における本県柑橘の知名度を向上させることについて
先日、知事をトップとする訪問団が台湾を訪れ、愛媛の観光やみかんのトップセールスを行った。私も、県議会果樹振興議員連盟の一員として同行し、愛媛みかんのPRイベントに参加した。イベントでは、知事自ら愛媛みかんの魅力や安全性、本県の観光等をPRし、大盛況であった。また、私はみかんのPR配布を行ったが、試食した人にも好評で、愛媛みかんのおいしさを感じてもらえたと思う。
滞在中は、台北市内の青果卸売市場などにも行ったが、行く先々で温かくもてなされ、台湾の人が本当に日本に好意的であることを実感した。また、良いものは高く評価され買ってもらえることを目の当たりにし、高品質の愛媛みかんの輸出拡大に十分可能性があることを確信した。
今後、有望市場である台湾への輸出拡大を図るためには、広く台湾の人に本県柑橘の素晴らしさを知ってもらうことが重要と考える。
台湾における本県柑橘の知名度を向上させるため、どのように取り組んでいくのか。
(2)台湾との観光交流について
今回の台湾訪問で、知事は様々な分野の人と面会し交流を深めた。特に、世界最大の自転車メーカージャイアント社の劉会長との面会では、同社の自転車が東レ愛媛工場製造の炭素繊維を使用している縁もあり、今後の交流促進に向けて好感触を得たと聞く。
現在、台湾は空前のサイクリングブームにあるが、本県には、しまなみ海道や石鎚山など魅力的でバラエティーに富んだサイクリングロードがあり、今後、これらの観光資源を活用し、サイクリングを軸とした観光交流を進めてほしい。
また、知事は、台北市の松山空港と本県の松山空港のチャーター便運行を目指しており、今回の訪問でも関係機関に働きかけを行い、一歩進んだ感触を得たと聞く。
松山―松山間のチャーター便運行に向けた取組みも含めて問う。
今後の台湾との観光交流について、どのように取り組んでいくのか。
3 介護保険制度における県の役割等について
介護保険制度が施行され、12年目を迎えた。制度導入の検討段階で、私は全国市長会の介護保険制度検討メンバーとして、有志とともに、「介護保険制度は利用者一部負担を除いて、保険料として徴収するのではなく、全額を国の社会保障費として公費で賄うべきではないか。その財源は福祉目的税として広く負担を求めるべきではないか」と提言した。しかし、主張は通らず、原則40歳以上から保険料を徴収し、負担割合は公費、保険料各50%で、市町村が保険者として運営することになった。
それでも、今も私の考えは変わっておらず、今後も一層の社会保障の充実に向け、福祉目的税導入を国が決断できる状況づくりに地方から声を上げていきたいと思う。
現在、国では、介護保険制度改革を含む社会保障と税の一体改革に向けた議論が行われているが、混とんとした状況にある。そのような中では、県のリーダーシップに本県の介護保険制度の今後がかかっていると思う。
(1)市町の市民後見人育成等に対する取組みへの支援について
今後、親族等による成年後見が困難な人の増加が見込まれているが、弁護士等専門職は人数が限られ、また費用も高いことから、成年後見の担い手として一般市民の役割が強まると考えられる。
このため、老人福祉法改正により、来年4月から、市町村は市民後見人の育成及び活用を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとされている。既に松山市ではモデル的な取組みが始まったと聞いており、また、活動支援のための市民後見の拠点となるセンターを各市町に設置すべきとの意見もある。
県は、市町の市民後見人育成等に対する取組みを支援する必要があると思うがどうか。
(2)第1次一括法等により、介護保険事業所の指定基準が条例委任され、地域密着サービスについては市町が基準を定めることとなった。
現在、各市町で指定基準の条例化に向けた準備を進めているが、複数の市町で事業所を運営する法人にとって、隣接市町で運営基準が異なることになれば、現場の混乱が懸念される。
市町の条例制定に当たり、指定基準の考え方等について県の助言等が望まれているが、所見はどうか。
(3)認知症疾患医療センターの設置について
国は、認知症疾患医療センターを全国150か所に整備するとしているが、先日の報道では、今年度中に整備予定がない都道府県は、本県を含め5県で、多くの関係者が県の積極的な対応を望んでいる。香川県は県内6か所に整備しており、本県でも各医療圏域に設置できるよう、前向きな取り組みを期待する。
認知症疾患医療センターの設置について、どのように考えているのか。
4 地域医療について
(1)地域事療再生計画における今後の対応について
地域医療が疲弊していく中で、本県の地域医療再生の起爆剤として期待していた地域医療再生計画に対する国の交付金が、要望時の約35億円から約25億8,500万円へ大幅減額された。幸い全国の中では減額幅が少なく、県の計画の妥当性、緊急性が評価されたと理解する。しかし、これにより、国に提出した事業費ベース61億円の計画も見直さざるを得ず、救急対策やがん対策の強化への取組みが滞ることを心配している。
計画では、高度医療機器導入や医師が不足する病院への人材支援等、今年から3年間での待ったなしの施策ばかりであり、既に予算化した事業も含めて、関係機関との調整が必要となっている。
交付金減額を受け、地域事療再生計画における今後の対応をどう進めていくのか。
(2)医療圏域を越えた救急搬送について
「医療圏域を越えて救急搬送できないか」との声を多く聞く。救急車を呼んでも、受入病院の手配がつかず、玄関先で動かないことも多い。
本県の医療圏域ごとの傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準では、搬送先の選定は原則として圏域内の救急医療機関を掲載した医療機関リストの中から行うこととされており、原則圏域内の病院に搬送される。しかし、圏域周辺部等で、心臓や脳疾患等緊急を要し、かつ近くに専門医が不足する場合は、救急搬送に苦労している。また、受入医療機関確保基準では、照会回数が4回以上又は現場滞在時間が30分以上要した場合、救急隊は、圏域外も含め病院群輪番制参加医療機関が受入れを応諾するまで、繰り返し要請を行うことになっている。しかし、脳卒中等一分一秒を争う事態には適切に対応できないおそれがあり、早く確実に手当できる病院への搬送が望まれる。
このことは、地域特別枠の医師が増え、全医療圏域の救急医療体制が充足されるまでの経過措置として、最優先で取り組んでほしい。
医療圏域を越えた救急搬送について、県として調整役を果たしてほしいがどうか。
医療圏域を越えた救急搬送の実現には、医療機関の協力が不可欠と考えるが、県の考えを併せて問う。
5 水問題について
昨年9月、水問題に関する協議会が発足し、県と西条市、松山市及び新居浜市の4者で、加茂川及び黒瀬ダムの水資源の有効活用その他の水問題についての協議が始まった。協議会の下には幹事会が設置され、これまで5回開催された。
8月には、3市で市民説明会が開催された。説明会では、県から「3市の水問題の課題と対応及び加茂川の水事情の現状分析について、幹事会として一区切りついたので、広く市民に周知したい。あくまでも松山分水を前提とするものではなく、幹事会として次のステップである加茂川及び黒瀬ダムの水資源の有効活用方策の検討に入る前に、市民の皆さんの意見を伺いたい」旨の説明があった。
現在の河川法では、地下水かん養は河川の正常流量の対象とされておらず、また、地下水には水利権が与えられていない。上水道の91%を地下水に依存し、近年、上水道の安定的確保のための水源や渇水時における農業用水の水不足対策を課題とする西条市において、県と市が協力して、西条の水を守っていく取組みを願うことはごく自然である。
黒瀬ダムから加茂川へ、かんがい用水分は流すが、上水道である地下水分としての補給はない状況を改善できるよう、加茂川及び黒瀬ダムの水の活用を図ってほしいと願っている。
水問題に関する協議会主催の市民説明会では、主にどのような意見があり、それらの意見を今後の協議にどう結び付けようとしているのか。