本会議論戦(大要)
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2011年12月定例会
以下は、2011年12月2日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
徳永繁樹議員(自由民主)の一般質問(大要)
1 被災地学校修学旅行支援事業の効果について
先月中旬、慰問、復興支援、調査を目的とした自民党県連主催の「がんばろう!東北応援ツアー」に参加し、被災地を訪ね、生まれて初めて息をのむ体験をした。
ツアーの参加者からも、「被災地に来て本当に良かった。この惨状を持ち帰って、多くの人に伝え続けたい」「地震や津波の恐ろしさ、悲しさが本当の意味で分かった。来るべき東南海・南海地震への備えの必要性を説いていきたいし、自分がその担い手になってみせる」「再び被災地を訪問し、少しでも役に立ちたい」といった声が上がるなど、それぞれに多くの気付きと学びがあったようである。現地を訪れなければ、こうした声の重なりにはならなかったと思う。
現在、本県では被災者等のニーズをしん酌しながら、多岐にわたる支援に加え、被災三県からの修学旅行生の受入れなど、被災地と本県をきずなで結ぶ事業を実施している。
現地を訪れなければ本当の意味での惨状は分からないと思うので、将来の愛媛の担い手でもある世代には、実際に現地を訪れ、何かを感じ取ってほしい。そして、相互扶助に富んだ人間へと成長し、被災地に向けた支援の輪を多くの県民に広げていく一助となってほしい。
被災地学校修学旅行支援事業などで生まれた新たなきずなを、今後どのように活用、深化させていくのか。
2 障がい者の就労支援について
障がいのある子どもの成育環境について、京都市の総合支援学校高等部職業学科では、生徒一人ひとりの障がいの状態に応じ、幅広い多様な進路を保障するための情報交換や、社会啓発などを推進する「巣立ちのネットワーク」と職業教育システムを、労働関係機関や企業との連携の下で積極的に推進しており、全国の特別支援学校における就職率が20%台半ばであるのに対し、平成18、19年と2年連続で卒業生の就職率100%を達成した。
現在、200を超える地元企業が受入先に名乗りを挙げ、生徒一人当たり3年間で約10社、合計30週ほど実習に出向くことにより、個々の能力や障がいの種別、程度に合った仕事を見つけることにつながっていると聞く。
さらに、毎年「障害のある市民の雇用フォーラム」と銘打ち、卒業生の就労体験や企業からの雇用事例報告、在校生の実習報告などの関係者による意見交換と、情報や課題の共有の場も設置されており、障がいのある子どもの就労に対するPDCAサイクルが構築され、機能している。
本県の特別支援学校でも、就職希望者の就職率は、ここ数年、高い数値を維持している。しかし、子どもの将来を考えた場合、その子に応じた適性を見つけられる支援体制の整備こそ、永続的な就労が可能となり、共生社会実現への一歩となるのではないかと考える。
(1)これまでの就職率や定着率といった成果や課題などを踏まえ、特別支援学校における就労支援の在り方について、所見を問う。
(2) 特別支援学校の通学エリアごとに、教育・労働・福祉・家庭・地域の連携基盤を整備してほしい。
子どもの適性に応じた就労支援体制を強化してほしいがどうか。
(3) 障害者自立支援緊急対策事業について
平成22年度の県下8ハローワークにおける障がい者の就職件数は、過去最高であった平成21年度を7.9%上回り、解雇者数は20.8%減少した。
県内の法定雇用率達成企業は48.2%とまだ低水準ではあるが、これらの数値は、労働施策の取組みとともに、県が国の障害者自立支援対策臨時特例交付金により基金を造成し、障害者自立支援緊急対策事業として実施した諸施策が実を結んでいるあかしと言える。
基金事業は本年度までと聞くが、在宅者を含め、汎用性のある職場実習・職場見学促進事業など実効性のある施策の継続を願う。
本年度までの基金事業をどのように総括し、次年度以降、障がい者の就労を どのように促進していくのか。
3 漁村の活性化について
本県漁船漁業の平成21年生産量は、全国15位の74,88Oトンで、このうち瀬戸内海の生産量が45%を占めている。
今治・越智地域の沿岸や島しょ部は、全国屈指の好漁場として、また、瀬戸内海全体の水産資源の補給海域として広く知られている。来島海峡の速い潮流で育った来島マダイやアコウ、ワタリガ二など、数多くの魚介類が水揚げされ、また、鯛の浜焼やいぎす、でべらといった二次加工品もあり、天然魚というブランドカとおいしさを兼ね備えた高級魚の一大産地と言える。
しかし、近年、水産資源の減少、魚価の低迷や燃油価格の高止まりに加え、漁業就業者の減少、高齢化など、地域の水産業を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。
また、アピール不足のため、地元に水揚げされる魚介類や二次加工品が、高級商材として県内外に通用する要素を持ち合わせながら、その良さを十分に生かしきれていないとも感じる。
大阪府泉南郡にある田尻漁協では、漁村の活力低下に危機感を抱いた民間企業出身の組合長がオピニオンリーダーとなり、漁協と漁業者が漁協前の小さなスペースで日曜朝市をスタートしたところ、徐々に地元の新鮮な魚の良さが浸透し、多くの観光客が訪れるようになった。また、その取組みは体験漁業や海洋レジャーなど多方面へと広がり、今では一大観光地に育っている。加えて、組合に20歳代が6人加わり、後継者の育成も進んでいると聞く。
今治・越智地域においても、地元の魚を活用した地道な活動が起爆剤となり、地域の活性化が果たせるのではないかと思う。
(1)漁村の活性化に向け、これまでの取組みをどのように検証し、今後どう進めていくのか。
(2)地域の魚介類や二次加工品の販売戦略を含め、今治・越智地域における浜のブランド化にどう取り組むのか。
4 今治新都市開発整備事業について
(1)新都市の中核施設予定地について
都市再生機構・県・今治市の三者の枠組みで推進している今治新都市開発整備事業については、第2地区のいこいの丘の土地利用をはじめ、決して楽観視できる状況にはないが、新繊維産業技術センターや民間企業数社の進出の決定、しまなみヒルズの創造、今治自然塾の開塾など、前向きな意味での市民合意が整いつつあるように感じる。
現在、造成工事が進む中核施設予定地の内容については、県と市の間で協議中と聞くが、市が提案を重ねるスポーツパーク内に、市内で完結する施設ではなく、国あるいは世界に向けたメッセージカが強く、交流人口の増大が見込め、多くの県民が集い交流可能な運動施設の建設を望む。
今治新都市開発整備事業の完了見込みや土地分譲の現況を踏まえ、新しい今治の象徴となる新都市の中核施設予定地について、所見を問う。
(2)今治小松自動車道第二期施工区間の整備について
今治新都市を一つの点とした場合、点をつなぐ線の役割も重要である。
今治小松自動車道の今治IC~今治湯の浦IC間10.3kmは、ミッシングリンクの状態のまま既に10年が経過している。
点在する地域資源を線で結び、一層の広域交流を可能にさせるため、この道路整備も今治新都市開発整備事業と一体となって進めてほしい。
今治小松自動車道第二期施工区間の整備に向けた今後の見通しはどうか。
5 愛媛国体について
(1)競技施設の整備状況について
現在、国体開催への準備状況については、競技開催が内定している県内市町において、県と協議を行いながら、競技会場である施設の整備計画や宿泊・輸送計画の策定などに取り組んでいるが、国体前のリハーサル大会などを控える施設整備について、財政負担が大きくなる県内市町からは、県に財政支援を要請する声が相次いでいると聞く。
今年度もしくは来年度に整備計画の策定を完了し、平成26年度もしくは27年度の完成を目指す市町にとっては、財政支援を含めた県の方針策定が焦眉の急と言っても過言ではない。
競技開催が内定している県内市町の施設について、整備状況をどのように把握しているのか。
今年度行われる中央競技団体の視察に伴う施設改修・新設などの要望への各市町の対応を含め、今後の施設整備に対する財政支援についてどう考えているのか、併せて問う。
(2)スポーツ大会の誘致に向けた助成制度について
国体開催を交流人口増大の好機と捉え、インバウンドを促進させるため、松山市で創設され利用実績も高い「コンベンション開催助成金」のようなスキームがあればより効果的と考える。
スポーツ大会の誘致に向けた助成制度を、県内市町との連携の下で構築してほしいがどうか。
(3)競技力向上の取り組みについて
競技力向上対策について、早急に対処しなければならない課題に、県体育協会や競技団体、学校、競技開催市町などとの連携と、情報の共有化がある。また、有望な選手を社会全体で受け入れる素地づくりや、ジュニア世代の一層の強化、メンタルトレーニングの導入も必要と考える。
山口国体の結果を踏まえ、来年度からの競技力向上対策基本計画の充実期に向け、どのような強化方針を描き、これまでの取組みを加速させていくのか。
6 交通安全対策について
(1)本年の交通事故の発生状況について
県内の交通事故による死亡者数は既に80人を超え、目標として掲げた交通死亡事故抑止アンダー60を達成するどころか、多くの尊い人命が失われている。
交通死亡事故を減少させるため、高齢者への交通安全指導や、悪質・危険なドライバーの取締りに加え、見える啓発活動にも一層の注力を望む。
本年の交通事故の発生状況をどのように受け止め、来年に向け、どのような目標を持って取り組むのか。
(2)自転車事故防止対策について
全国で15万件を超える自転車関連事故が発生し、交通事故全体の2割を占めている。
警察庁では、こうした事態を鑑み、10月には自転車交通についての総合対策をまとめたが、自転車通行可能な歩道の要件などの判断は、それぞれの警察本部とされている。また、ハード面の整備として、自転車道整備などの検討も求めている。
県警が主体となり、道路管理者との連携の下で環境整備を進めるなど、自転車事故防止に向けた総合対策を分かりやすい形で示してほしい。
自転車事故防止対策に向け、通行環境の整備やルール・マナーの周知など総合対策の推進に、今後どう取り組むのか。
逢坂節子議員(社会民主党県議団)の一般質問(大要)
1 TPP問題に関する情報提供について
11月14日、野田総理は、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る旨を表明した。TPPは、加盟国間での取引に係る全品目の関税を、原則100%撤廃する枠組みである。加えて、サービス貿易、公共事業等の政府調達、知的財産、人の移動等を含む包括的な協定であり、米国の輸出倍増、アジア戦略の一環となっている。
TPP参加の影響は、農林水産業への打撃だけではない。混合診療の全面解禁等による国民皆保険制度の崩壊や、遺伝子組換え等の表示基準変更による消費者擁護の仕組みの崩壊、さらに、外国資本の自由化により、公共事業入札に係る事務負担の増加や、郵政・共済の仕組みが変わる可能性もある。
国民世論が二分され、関係者の多くが反対し、知事も反対の姿勢を示しているが、国民生活に多大な影響を与えるおそれがあるにもかかわらず、十分な情報提供と説明がないまま、交渉のテーブルにつくことは問題である。
また、野田総理は「アジア太平洋地域の成長力を取り入れる」とするものの、中国、韓国、ASEANの一部の国は不参加となっている。
TPPでの交渉内容、論点、合意点など情報を公開し、地方にどう影響があるのか議論を深めていくためにも、例えば国と地方の協議の場での議論が必要と考える。その上で、県民に分かりやすく情報提供していく必要がある。
TPP問題に関する情報提供について、今後国にどのように求めていくのか。また、地方の立場からどう議論していくのか。
2 地域医療再生について
(1)県地域医療再生計画の重点について
医師不足と赤字経営により、自治体病院を中心とした地域医療の崩壊が全国的に深刻な問題となっている。地方公営企業法が適用される自治体病院は、2006年に全国で973あったものが、2009年には916と減少傾向にあり、本県においても厳しい現状と推測する。
その要因として、1998年度以降、国の医療費抑制策のもとでの診療報酬の引下げや、格差等が広がる中での患者負担の引上げと受診抑制、さらには、構造改革の推進による地方交付税の減額等が挙げられる。
住民が生活する地域に病院があり、いつでも受診ができる環境整備が重要である。
県地域医療再生計画は、どこに重点を置き、今後どう推進していくのか。
(2)医師不足への対応について
2004年に改正された新医師臨床研修制度が、医師不足の要因の一つと言われている。それまで大半の医師は大学で研修後一定期間を経て、中小病院に派遣されていたが、自由化でこのシステムが崩壊した。
医師不足の現状をどう受け止め、今後どのように対応していくのか。
県内の医師はどれだけ不足しているのか、地域的な偏在はないのか、また、診療科ごとに充足しているのかについて、実態を含めて問う。
3 子ども・子育てに関する問題について
(1)出産後の女性の仕事と子育てを両立することについて
1990年代半ば以降、共働き世帯が増える一方で、仕事をしている女性のうち、10人中6人が第1子の出産後に退職していると聞く。
大学までの子育てに係る費用は、全て国公立に通う安価なケースでも、文部科学省試算で約1,000万円とされ、共働きをしなければ家計的に苦しい中においても退職しているのは、子育てをしながら仕事ができる社会環境が十分保証されていないためではないかと考える。
2010年の子ども・子育て調査からも、若い世代が結婚・子育てに二の足を踏む姿が見られ、未婚化、晩婚化、晩産化が進んでいる。
この問題は、やがては更なる少子化問題に、次には年金給付問題にも発展するだけに、抜本的な対策が求められる。
女性が出産後も安心して仕事と子育てを両立できるよう、ワーク・ライフ・バランスの実現に県としてどのように取り組んでいるのか。
(2)子ども・子育て新システムについて
2010年の子ども・子育てビジョンの閣議決定や、子ども・子育て新システム検討会議の設置等を経て、この度、新システムに関する中間取りまとめが示され、2012年通常国会に法案が提出される見込みである。
新システムは、子ども・子育て支援に関わる施策の一元化と、幼稚園と保育所を一体化したこども園の創設が2本の柱となっており、「全ての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会」を目的に掲げているものの、各方面から不安の声が高まっている。
一つ目は、財源の問題である。国は、「子ども・子育て勘定」を創設し、国庫負担金や補助金と労使の拠出金を財源として一元化し、「子ども・子育て包括交付金」として市町村に交付する。市町村は、交付金に都道府県支援と自主財源を合わせ、現金給付と現物給付を行うこととされている。
政府は、一元化により自治体の使い勝手が良くなると言うが、自治体間で支援の格差が生じることへの懸念とともに、待機児童を多く抱えた自治体は加配を求めることが考えられるなど、交付金の配分基準も問題がある。
二つ目は、都道府県の役割である。広域自治体として、新システムの給付・事業が健全かつ円滑に運営されるよう、必要な助言・援助を行うことなどが示されているが、役割や推進方法に具体性がないため不安を感じる。
三つ目は、こども園についてである。幼稚園、保育所、認定こども園の垣根をなくし、学校教育と保育を一体化した給付制度を創設するものだが、これまでの児童福祉法に基づく公的保育制度が根底から崩れるのではないかと危惧する。
児童福祉法は、親の就労等で保育に欠ける子どもに対し、市町村が保育を実施する義務を定めているが、新システムでは、こども園に入園を希望する全ての保護者は、就労時間の長短に応じた保育の必要性の認定を市町村で受け、サービスを利用する地位を付与された上で、自らこども園を探して直接契約をすることになる。このため、障がいがある子ども、低所得者の子どもなどが、希望するこども園からサービスが受けられないおそれがある。
子ども・子育て新システムに関する中間取りまとめを受け、財源問題、県の役割、さらにはこども園の仕組みについて、県としてどう捉えているのか。
新システムに対する保護者や自治体の意見を反映させるため、どのように取り組んでいるのか併せて問う。
4 原発問題について
(1)伊方3号機の再起動について
原発震災を経験し、各種世論調査では脱原発方針に賛成の声が7割近くを占めるなど、各地で脱原発を求める声が高まる中、今こそ原発のない社会に向けた具体的な取組みや、工程表づくりが求められていると考える。
ストレステストは原発の安全性をシミュレーションによって再評価する仕組みであるが、いまだ多くの問題点が指摘される中、11月14日、伊方3号機のストレステストの結果報告が原子力安全保安院に提出された。
野田総理は「来夏までに原発の再起動を開始したい」と表明したが、原子力安全・保安院は「ストレステストの結果報告は原発再起動への第一歩とは言えるが、ハードルはまだ高く原発再起動が更に先送りになる可能性もある」と述べている。
くしくも伊方3号機の結果報告提出の日、我が党の脱原発,脱プルトニウム全国連絡協議会が国へ要請活動を行い、核燃料サイクル政策の中止を求めたのに対し、経済産業省から「来夏に向け、エネルギー・環境会議等での議論、原子力委員会での核燃料サイクル政策の検証等が行われており、プルサーマルの議論もこれらの対象」との答弁があった。それならば、少なくとも核燃料サイクル政策を巡る政府の方針が出そろわない限り、MOX燃料を再装荷しての3号機の再起動は認められないと考えるべきである。
また、知事は6月議会で「太陽光や風力発電等は、直ちに原子力の代替エネルギーとはなり得ないことから、現実的な対応として、当面は、安全対策を徹底しながら原子力発電を利用せざるを得ないものと考えている」と答弁した。しかし、伊方原発は来年1月中旬には、唯一稼働中の2号機も定期検査に入る予定となっており、3基全てが停止することとなる。
ア 伊方3号機のプルサーマル運転を認めるべきではないと考えるがどうか。
イ 伊方原発3基全て停止の可能性が指摘される中、来夏に向けての電力需給に対し、県としてどのように対処していくのか。
(2)食品の放射能汚染情報提供システムについて
福島・第一原発事故により、被災地の多くの食品が放射能汚染を受け、セシウムに汚染された肉牛が本県を含め多くの都道府県に流通する事態に至った。11月16日には、安全宣言後に暫定基準値を超えたセシウムが福島産の米から検出されるといった出来事もあった。
消費者から食の安全への信頼を取り戻すため、今後、国がモニタリングや検査体制を拡充し、自治体や地域へ迅速かつ目に見える形での情報発信を徹底していく必要性が一層求められる。
食品流通に係る国の安全管理及び消費者への情報提供システムの現状をどう受け止めているか。また、食の安全確保に今後どのように取り組んでいくのか。
(3)各自治体の防災計画の見直しについて
原子力安全委員会は、原発事故に備えて防災対策を重点的に充実すべき地域を原発の半径約30kmに拡大する方針を打ち出した。
本県では対象となる地域内の市町が7市町に拡大し、人口は約13万人と大幅に増加する結果となった。このため、住民への連絡体制整備や避難先の施設確保、緊急避難道路整備の見直しなどが新たな課題となっている。近く南海地震が想定される以上、一刻も早い県の対応が求められる。
自治体にどのように防災計画の見直しを呼び掛けていくのか。
また、30km圏内には山口県上関町も対象に含まれ、私が6月議会で指摘し、9月末に確認書を交わした大分県同様、山口県とも防災に向けた議論を早急に行うべきと考えるが、併せて所見を問う。
5 自転車の安全走行と交通事故防止対策について
警察庁の「自転車交通秩序の総合対策」に関する通達を受け、県警においても様々な対策に取り組んでいると聞く。
今後も交通違反者への指導、取締りが必要と思うが、自転車利用者の交通ルール厳守と交通マナー向上のためには、小中高校生への交通安全教育や、自転車事故の多発が懸念される高齢者に対する交通安全指導に、地域ぐるみで取り組んでいく必要があると考える。
また、自転車利用者が被害者となる交通事故も多く、歩行者と自転車利用者の双方が安心して通行できる交通環境の整備に努める必要もある。
国土交通省と警察庁は、自転車が絡む事故の増加を受け、自転車の走行環境整備や歩行者の安全確保について議論する有識者検討会を設置し、モデル事業として自転車専用通行帯等の整備を行い、事故件数が26~36%減少したと聞く。今後は本事業を検証の上、巻き込み事故の危険性が指摘される交差点内の自転車横断帯の見直しなどについても意見交換し、来年3月末までに自治体が道路整備をする際などに活用できるガイドライン案を作成するとのことであり、地域の実情に沿ったガイドラインの作成が望まれる。
(1)小中高校生や高齢者に対する自転車の交通安全教育の取組状況はどうか。
(2)有識者検討会の設置を始め、良好な自転車交通秩序実現に向けた交通環境づくりについて、今後どのように取り組むのか。
中田廣議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 高速道路の南予延伸の事業化について
3月に東日本大震災が発生し、多くの人命が失われたことから、津波の危険性が高い南宇和郡における高速道路整備の必要性、緊急性を痛感した。
被災した仙台市若林区では、多くの住民が仙台東部道路に駆け込み一命を取り留めるなど、高速道路が防災拠点、避難場所として活用されただけでなく、瓦れき混じりの海水の住宅地への浸水拡大を防止するなどの機能も発揮した。
また、三陸縦貫自動車道は、過去の津波の教訓を生かし、高台に建設されていたことから被災せず、震災後の支援物資の輸送などに大いに役立った。
これらの震災の教訓を踏まえ、国では、高速道路のあり方検討有識者委員会を立ち上げ、高速道路のあり方について、防災効果、救急医療にも着目して、今後の整備計画が議論されている。
近い将来発生が予測される東南海・南海地震で既存道路の交通が途絶すれば、道路整備が遅れている南宇和郡は陸の孤島となるため、緊急時の避難用道路となる高速道路は、地域のライフラインであり命綱である。
このような中、報道によると、国士交通省では、宇和島市津島町岩松と愛南町柏を結ぶ高規格道路である津島道路の建設に着手する方針を固め、来年度の新規事業採択に向けた手続を開始したとのことであり、南宇和郡の住民の悲願である高速道路の南予延伸が現実味を帯びてきた。
なお、8の字ルートの早期実現に向けた取組みについても、四国他県と連携して引き続き進めてほしい。
高速道路の南予延伸の事業化に向けた現在の進捗状況はどうか。
2 緊急事態に対処できる血液製剤等の供給体制について
東日本大震災では、献血に必要な移動採血車が使用できず、被災地で輸血用血液製剤の不足が懸念されたが、被災地近圏域からの支援により、輸血用血液製剤が確保されたと聞く。
国は、血液製剤、特に赤血球製剤の安定供給を確保するため、国、都道府県及び採血事業者が、在庫水準を常時把握し、在庫が不足する場合には供給に支障を及ぼす危険性を回避するよう早急な対応を講ずることや、国及び地方公共団体が、あらかじめ災害時の対応を検討し、災害時における献血が確保され、血液が適切に供給されるよう所要の措置を講ずることを基本的な方針としている。
輸血用血液製剤は有効期間が短いことから、大量に保管することができず、一時期に献血が集中しても期限切れにより廃棄せざるを得ないといった問題もあるが、輸血が必要な患者の人命を救助するためには、災害時においても輸血用血液製剤が十分かつ安定的に供給されることが重要である。
また、大規模災害発生時には、主要道路が寸断される場合等が想定されることから、ヘリコプターによる供給体制等の構築も必要であり、こうした措置が講じられていなければ、災害時以外でも大量出血を伴う可能性のある産科医療などにも影響を及ぼしかねないと危倶する。
県内の緊急事態に対処できる血液製剤等の供給体制について、現状と今後の取組状況はどうか。
3 大規模災害時の対策・対応の県民の理解促進について
10月下旬に東北地方を視察した際、南三陸町の海沿いにある小学校では、東日本大震災の前日に実施した避難訓練の教訓が生かされ、生徒全員が助かったとの話を聞いた。
しかし、平成22年にチリで大地震が発生した際、津波警報に基づき、宇和島市や愛南町など宇和海沿岸5市町が7万5,000人余りの住民に避難勧告を出したにもかかわらず、避難が確認された者は約1,900人と全体の僅か2.5%であった。避難する時間が十分あったにもかかわらず、避難者が少なかったことから、住民を避難行動につなげるための取組みが課題として浮かび上がった。
地震が発生した際には、津波が来ることを想定し、警報や避難指示を待つことなく高台に避難すべきであり、津波に対する正しい知識や日頃の訓練によって、こうした行動を身に付けていなければならない。そのため、県民に対して防災教育を浸透させる必要がある。
大規模災害が発生した際に自らが取るべき行動や防災・減災対策について、県民の理解を促進させるため、どのような対策を講じているのか。
4 県産農林水産物のブランド化と販路拡大に向けた取組みについて
南宇和郡には、愛南ゴールドやカツオ、真珠、菓子など多くの特産品があり、各市町では、これらのブランド化を図り、販路を拡大すべく、東京や大阪などの一大消費地で販売フェアを開催している。
県においても、愛媛独自のブランドとなり得る農林水産物や加工食品の販路開拓を進めるため、えひめ愛フード推進機構を設立し、国内外でのトップセールスや台湾等への輸出促進などに取り組んでいる。
本県には多くの良質な農林水産物があるが、将来花が咲くことが見込まれる産品に重点的かつ戦略的な投資を行い、着実な売上げの向上と愛媛ブランドの認知度向上を図ることも必要である。
県産農林水産物のブランド化と販路拡大に向けた取組状況はどうか。また、これらの取組みの実績として、生産者はどのようなメリットを受けたのか。
5 地域医療の充実・確保について
医療現場では、患者の高齢化や医療の高度化等に伴い、高度かつ専門的な疾病の治療に併せ、療養生活の質を向上させるための専門的なケアを安全かつ効率的に患者に提供するため、チーム医療の推進が必要不可欠と聞く。
南宇和郡の医療拠点である県立南宇和病院においても患者の高齢化が進み、期待される医療が高度化・複雑化する中で、過重な負担等のため常勤医師が滅少していることから、医療・療養生活の質の向上につながるだけでなく、医師の負担軽減にもつながり得るチーム医療の推進は、地域医療の充実・確保にとって重要である。同病院でも、医療秘書、渉外担当官を配置するとともに、検査業務は技術を習得した臨床検査技師が、患者からの相談や支援は専門教育を受けた専門看護師や認定看護師が担当していると聞く。
このような中、国では、更なるチーム医療の推進に向け、看護師の役割の重要性を認め、高い臨床実践能力を有する看護師について、これまでよりも幅広い医療行為を認める特定看護師制度の導入に向けた検討が進んでいる。導入に向けては不透明な部分も多いが、患者の高齢化が進み、医師不足による医師への過重な負担が問題となっている地域医療の現状を踏まえると、医療の質の向上や、医師の過重な負担の軽減につながる制度の導入には前向きに取り組み、その早期導入を図るべきと考える。
(1)県立病院におけるチーム医療へのこれまでの取組みにより、医療の質の向上や、医師の過重負担の軽減がどの程度図られているのか。
(2)特定看護師制度が導入された場合、県立病院における医療の質の向上や医師の過重負担の軽減につながるのか。
6 えひめ南予いやし博2012について
今年度末の宇和島までの高速道路の延伸にあわせ、県では、来年4月から11月までの間、えひめ南予いやし博を地元市町と連携し開催する予定と聞く。既に公式ホームページが設置され、県民によるPRキャラバン隊が結成されるなど、広報活動も活発化し始めており、暫定版ではあるが、イベント全体像が明らかにされ、開催に向けた機運の高まりを徐々に実感している。
いやし博に対し、最も期待することは、観光客が豊かで美しい自然に癒され、温かいおもてなしを受け、地元住民との心の交流を通じ、もう一度南予に行きたいと感じてもらうことで、イベントの効果を一過性のものにせず、継続した取組みへの発展やリピーターの確保につなげることである。
そのためには、受入れ側となる地元住民の参加意識の向上や一体感の醸成はもちろんのこと、地元住民グループによる自主企画イベントの主体的、積極的な展開こそが、イベント全体の成功の鍵を握る。
2004年のえひめ町並博では、住民グループによる80を超える自主企画イベントが実施され、イベント終了後もその取組みが受け継がれ、観光ビジネスとして発展したものもあると聞く。
いやし博については、自主企画イベントとして、うわじま伊達めぐりなど、地域の歴史、文化、自然を主体とした体験プログラムを認定したと聞く。できるだけ多くのプログラムの実施を期待するとともに、開催まで半年を切っており、自主企画イベントを担う地元住民グループや人材の発掘、育成、また、イベント内容のブラッシュアップに向けて早急に取り組む必要がある。
こうした中、関係者や住民との情報共有不足や、地元住民の意欲を引き出すことに苦慮しているとの報道があり、イベントの主役は地元住民であることを再確認した。行政、事業者、住民といった全ての関係者が一体となり、いやし博を契機とした地域活動を観光資源化するという長期的な視点で取り組むことを望む。
(1)地元住民グループの育成や支援、自主企画イベントの具体化にどのように取り組んでいくのか。
(2)宇和島だけでなく南予全体を盛り上げ、いやし博終了後も継続して地域の活性化を図るために、どのような取組みを行うのか。