本会議論戦(大要)
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2011年12月定例会
以下は、2011年12月5日の県議会本会議における、各議員の一般質問の大要です。
松尾和久議員(自由民主)の一般質問(大要)
1 知事の今後の県政運営について
東日本大震災で我が国が受けた影響は計り知れず、これから、国や地域をどのように建て直し、人々が安心して、将来に希望を持って暮らせるようにするのか、今こそ政治が、国民からの信頼を得られるよう結果を出していかなければならない。
2年前の総選挙で、国民は、マニフェストはこれまでの公約とは違い、実現可能な目標について、期限と財源を示して実行されるもの、これからの政治は変わるものと期待したことにより、政権交代が起きた。しかし、2年余り経過した今、国民の期待は裏切られ、マニフェストに対する国民の信頼は失われた。
国の政治が国民の信頼を得られていない状況下にあっても、県は、大震災後、県民の意識が高まっている防災・減災対策を含めた、安全で安心して暮らせる生活基盤の充実を図らなければならない。知事は、県民の信頼を得るため、多岐にわたる県民ニーズに応えていく必要がある。
知事は公約の実現に向け、今後、どのように県政運営に取り組むのか。
2 農業問題について
世界農林業センサスによると、5年前に比べて、我が国の農業就業人口は約74万人減少し約260万人となり、また、就業者の平均年齢は2.6歳上昇し65.8歳となった。本県でも、農業就業人口は、1万1,389人減の5万2,767人となって約18%減少し、就業者の平均年齢も2.5歳上昇し、66.9歳となっている。
農業は食料を生産するだけでなく、国土を守り、水を育むとともに、豊かな生態系や良好な景観を有する二次的な自然空間を形成し、地域の文化を生み出す役割を果たしてきた。
このような、農業の生産活動に伴い発揮される農産物供給以外の機能は、「農業の多面的機能」と呼ばれ、単にGDPに占める割合や、産業全体に占める生産額など、目に見える数字の大小だけでは測れない役割を担っている。
(1)TPP交渉参加の県内農業への影響について
現在の農業を取り巻く環境は、国際競争に立ち向かうだけの国内基盤が整っていないにもかかわらず、TPP交渉参加など、将来に対して大きな不安を抱えている。
TPPは原則、全品目の関税撤廃が求められ、WTOやFTA、EPAと違い、保護が必要な品目も基本的に例外は認められない交渉となる。米韓のFTAでは、コメは関税撤廃除外となったが、今回、日本が交渉の過程で保護が認められる保障はなく、農業分野で譲歩せざるを得なくなる可能性も十分にある。
TPPは、関税による消費者負担型の農業保護から、納税者負担型の農業保護への転換という可能性もある。アメリカでもEUでも、農業は手厚く保護されており、その負担を誰が負うのかという問題はある。
世界人口が10月末に70億人を超え、今後、世界の食料需要は大幅に増加する見込みだが、国内農業の衰退は将来の食料供給に不安を与える。
現在の県内農業の体制下でTPP交渉に参加することに対し、その影響をどのように捉えているのか。
(2)担い手育成の取組みについて
重点戦略方針にも、力強い農林水産業を支える担い手の確保が掲げられており、今後、若者が農業に従事し生活の糧とするためには、基盤整備と併せて、優れた農産物をより高く販売する販売力の強化も必要である。
しかし、農業就業者の平均年齢は上昇の一途で、高齢化した農家に販売力の強化策を求めるのは困難である。このため、販路拡大には行政が積極的に関わり、担い手の育成とともに、本県の全国に誇れる農産物を高く売っていく取組みが必要である。
将来の農業を支える担い手育成のため、どのような取組みをしているのか。
販路拡大へ県としてどのように取り組むのか併せて問う。
3 県立学校における職業教育用機材について
先般、松山工業高校を視察したが、職業教育を通じて、実社会で即戦力として活躍できる若者を育てたいとの強い思いを感じた。
生徒たちが実習で使用する旋盤には、昭和40年代に設置したものがあり精度の高いものを作ると少しのずれを生じ、一定のレベルまでの実習しかできないなどの不便さを感じているどのことであった。また、パソコンについても、平成12年に設置したものがあり、不具合を生じるとのことである。
老朽化した機材で学んだ生徒が、実社会に出たときに、最先端の技術に直ちに対応できないことも想定され、身に付けた技術が、採用された企業において、即戦力として生かされない状況も起こっていると聞く。
県財政が厳しいことは認識しているが、工業高校等において、機材が古いため十分な学習ができないのは残念であり、現在のニーズに合った機材を配備すべきと考える。
工業高校等の県立学校における職業教育用機材の配備状況や、今後の整備方針はどうか。
4 小・中・高校におけるキャリア教育の推進について
長引く景気低迷に加えて、東日本大震災や歴史的な円高、欧州金融不安、世界経済の減退などの影響もあり、新規学卒者の就職戦線は一段と厳しさを増している。
一方、厳しい就職活動を乗り越えて就職したにもかかわらず、平成19年3月卒業の就職者のうち、高卒者では40%、大卒者では31%が3年以内に離職しているほか、フリーターは22年現在で183万人にも上っている。
この背景には、生徒や学生が仕事の中身や実態を十分に理解せず就職し、失望や戸惑い、目に見える成果を求められる仕事の厳しさから、職場を去る例が後を絶たないことなどがある。
このような状況の中、新学習指導要領が本年度から小学校を皮切りに順次実施され、子どもの生きる力をより一層育むために、働く意味や社会人として必要な知識などを伝えるキャリア教育が、重要事項の一つとして盛り込まれた。義務教育の段階から一貫・継続して、次代を担う子どもの勤労観・職業観を育むことは、時宜を得た意義深い取組みで、学校教育の果たす役割に期待する。
子どもの勤労観・職業観を育むとともに、地元企業と学校とが連携し、子どもが主体的に自己の進路を選択し、決定できる能力を身に付けられるような取組みを積極的に推進してほしい。
小・中・高校におけるキャリア教育の推進に向けて、どのように取り組むのか。
5 がん診療に携わる医療体制の充実について
日本人の2人に1人が、がんになる時代と言われ、年間の死亡者のうち約3人に1人が、がんで亡くなっている。本県でも、死亡原因の1位を占め、県民の健康にとって重大な脅威となっている。
がんは、様々な病態に応じて手術、放射線療法等を効果的に組み合わせた集学的治療が必要であるため、がん診療連携拠点病院の整備が全国で進められてきた。本県では、四国がんセンターをはじめ7病院が拠点病院に指定され、専門的ながん医療の提供、がん診療の連携協力体制の整備、さらに患者への相談支援や情報提供が行われている。また、昨年3月には、県がん対策推進条例が制定され、県民総ぐるみの対策がスタートした。
がんは長期にわたる治療が必要な患者も多いことから、病院から診療所、在宅に至る医療を切れ目なく提供できるよう、地域における連携体制の構築が必要であるとともに、不安や悩みを抱える患者・家族の支援体制の充実が不可欠である。
しかし、県内の拠点病院については、国が定める指定要件が全国一律に適用されるため、宇摩圏域と八幡浜・大洲圏域には拠点病院が末整備であり、がん医療の均てん化に向けた更なる取組みが求められる。
がん診療に携わる医療体制の充実にどのように取り組むのか。
6 サイバー犯罪対策について
情報通信白書によると、パソコンや携帯電話をはじめとしたモバイル端末を通じて気軽に利用できるインターネットの発展は目覚ましく、平成22年末の利用者数は、9,462万人と推計されている。
インターネットは、生活の利便性を飛躍的に向上させるとともに、経済活動にも必要不可欠な社会基盤として定着している。
一方、国会議員や政府機関、防衛産業等を狙った標的型メールによるサイバー攻撃で、国の安全保障に影響を及ぼしかねない問題や、高い匿名性を悪用した不正アクセスやオークション詐欺等が後を絶たない。また、違法・有害な情報の氾濫も大きな社会問題になるなど、サイバー空間における脅威が、より一層高まっている。
(1)青少年のサイバー犯罪による被害状況について
出会い系サイトは、子どもでもパソコンや携帯電話を使って簡単にアクセスできるため、従来から凶悪犯罪のみならず、青少年が児童買春や児童ポルノに係る犯罪などにも巻き込まれる危険性が指摘されてきた。
最近では、青少年のコミュニティサイトの利用増加に伴い、様々な犯罪被害に遭ぅケースが増加しており、県内では今年に入り、県青少年保護条例違反事件や、児童買春、児童ポルノ禁止法違反事件が発生している。
特に、児童ポルノに関する問題は深刻で、一旦インターネット上に流出すると、拡散した情報を全て削除することは不可能であり、被害を受けた児童は、将来にわたり心に大きな被害を受け続ける。
県内において、青少年が出会い系サイトやコミュニティサイトに起因して犯罪に巻き込まれ被害者となった事件の発生状況と実態はどうか。
(2)サイバー犯罪から青少年を守る対策について
先般、青少年をサイバー犯罪から守るための取組みの一つとして、有害サイトへの接続を制限するフィルタリングの普及を図る目的で、県警が携帯電話販売店を対象に実態調査を行ったと聞く。警察は、引き続き、青少年を守る各種対策を推進し、犯罪の未然防止と健全育成に努めてほしい。
サイバー犯罪から青少年を守るために、どのような対策を講じているのか。
笹岡博之議員(公明党)の一般質問(大要)
1 県内のご当地グルメへの支援について
先日、兵庫県姫路市で開催された「第6回B級ご当地グルメの祭典!B-1グランプリ」に初出展した「今治焼豚玉子飯」は、第5位という大健闘の結果となり大きな話題になった。
第1回と第2回のグランプリを制した「富士宮やきそば」は、2001年から2009年までの経済効果が439億円、第3回グランプリの「厚木シロコロ・ホルモン」は3か月で約30億円などと、大きな経済効果を上げた。また、昨年神奈川県厚木市で行われた第5回B-1グランプリ自体の経済効果は、36億円とされている。
えひめ愛顔の助け合い基金を活用した被災地学校修学旅行支援事業の一環で行われた、福島県立浪江高校と新居浜商業高校との交流は、「なみえ焼そば」「白いもキャラもっち」というご当地グルメを食べながらのにぎやかなものとなり、「食の持つ力」というものを再認識した。今回の交流は、本県の将来にとっても大きな財産になったと確信した。
11月20日には、ひめぎんホール県民広場で県民総合文化祭協賛事業として「えひめの高校生ご当地グルメ甲子園」が開催され、県内13校の生徒が出展し、ほとんどの商品が完売になるほどのにぎわいとなった。
このように、ご当地グルメの経済効果は実証済みであり、「えひめの高校生ご当地グルメ甲子園」も、新たな可能性を予感させるイベントであった。県内には多くのご当地グルメの資源があるため、広く全国に発信していけば、食を通じた人と人との交流促進や大きな経済効果が期待できる。
愛媛発の仮称「全国高校生ご当地グルメ甲子園」を開催すべく取組みの強化についても提案したい。
今後、県内のご当地グルメをどのように支援していくのか。
2 台湾との交流について
11月3日から果樹議連の台北訪問団の一員として台湾を訪問した。卸売市場では、見たこともない果物が並び、かんきつ類もあったが、どれもまだ熟していないようで違和感があった。そうした中、愛媛のみかんは贈答品として珍重されているとのことであった。しかし、高級品であるため、これから販売数量と金額を伸ばすには、価格をいかに安くしていくかが課題であるとの現地のバイヤーからの指摘もあった。どこに行ってもグローバル化、国際競争の中を泳いでいかなければならないと感じた。
新光三越でのみかんPRイベントも大盛況で、台湾は親日的であることと2010年の実質経済成長率が10%を超えていることなどもあり、市場としての可能性を大いに感じた。
また、知事は、世界一の自転車メーカー、ジャイアント・マニュファクチャリングの会長を訪ね、来年会長が本県を訪問することになったと聞く。しまなみ海道を「自転車のメッカ」として世界に発信する絶好の機会になればと期待している。さらに、松山空港と台北の松山空港との直行便の可能性を探っているとも聞く。
(1)本県の物産を経済成長著しい台湾に輸出し、販路を拡げていく基礎はできているように感じた。
みかんをはじめ、他の物産も積極的に輸出に取り組むべきと思うが、見解はどうか。
(2) 今後の交流について
新光三越での愛媛みかルPRイベントの際、知事が3月11日の大震災に対し、世界のどこよりも真心の寄附をした台湾の人々に感謝をする旨の話をしたとき、何人かの婦人がハンカチで目頭を拭っていたが、こうした交流こそ、お互いの国と地域にとって大きな将来の財産になると確信した。
台湾からの旅行客の誘致をはじめ、これからの台湾との交流をどのように進めていくのか。
先日台湾からのチャーター便で松山空港に到着した旅行客の入国手続きに長時間かかったとの報道があったが、このようなことが起こらないようにどのような対策をとるのか、併せて問う。
3 伊方原発について
(1)伊方原発3基停止と電力不足について
四国電力は、11月14日に、伊方3号機のストレステスト一次評価結果を国に提出した。評価には数か月かかる見通しであるが、2号機が定期検査に入る来年1月中旬には、9月から定期検査中の1号機と合わせて全3基が停止する可能性が高い。そうした中、四国電力は、冬場の節電協力のため、大口事業者に対して初めて戸別訪問を行っていると聞く。当然ながら停電などの不測の事態は避けなければならない。
来年1月に、伊方原発は3基とも停止することを前提として、県は電力不足の状況を生み出さないためにどのような対策を講じるのか。
(2) 停止中の原発に対する核燃料税課税について
11月10日に、福井県では停止中の原発も核燃料税の課税対象にする条例が全国で初めて施行された。停止中の原発に対しても一定額の課税をするとともに、税率の引上げも盛り込まれている。また、青森県でも停止中の原発を課税対象とする条例改正案を11月議会に提案するとの報道があった。
これから原発が再起動するかしないかにかかわらず、原子力災害を想定した防災対策などに、多額の費用がかかることが想定され、本県においても核燃料税を課税する方向で検討すべきと思うが、核燃料税の引上げは、総括原価方式によるコストとみなされ、電気料金に加算されることが懸念される。
停止中の原発に対して、核燃料税を一定額課税する方向で検討すべきと思うが、見解はどうか。
(3) 原発に対するサイバー攻撃対策について
原発の制御は、コンピューターによるものが多いが、伊方原発へのサイバー攻撃により、制御不能になるなどの事態は起こらないのか不安がある。
四国電力に対して、伊方原発におけるサイバー攻撃対策の確認を行うべきと思うが、所見はどうか。
4 新しい公共について
日本も世界も激動の中に入っているように見える。3月11日の東日本大震災などの自然災害、中東における民主革命やギリシャ危機をはじめとする経済的な問題もそうであり、ドラッカーによると、数十年前から転換のための期間に入っており、この転換朝における市民社会、コミュニティの問題の解決には、政府の公的セクターでもなく、企業の私的セクターでもない強力で有能な社会セクター、非営利セクターの興隆が必要であるとしている。
2010年の全米文系人気就職先ランキングでは、教育関係のテイーチ・フォー・アメリカというNPOが第1位になり、世界の転換期における変化の担い手として活躍する非営利組織の好例となっている。
また、日本では、1995年の阪神淡路大震災におけるボランティアの活躍をきっかけに非営利組織の活動に注目が集まり、1998年の特定非営利活動促進法(NPO法)の制定に至った。内閣府によると、2011年9月末時点でのNPO法人の数は43,631で、本県では348となっている。しかし、NPO法人の運営基盤は弱く、その多くが資金難に苦しんでいるのが現状である。
本年6月に議員立法でNPO法と寄附税制が改正され、寄附優遇税制が受けられる認定NPO法人の要件緩和など、NPO法人への寄附を促進する内容となった。特に、認定NPO法人の認定要件に関しては、条例個別指定基準が追加され、全国的な基準によるパブリック・サポート・テスト要件ではなく、自治体独自の基準により個人住民税の寄附金税額控除の対象とするNPO法人を認め、その法人は認定NPO法人を申請するに当たり要件は満たしているものとするといった、今までにない画期的な内容を多く含んでいる。
(1)本県におけるNPO法人の現況はどうなっているのか。また、行政とNPO法人の理想的な関係についてどのように考えているのか。
分野別と地域別、財政状況も併せて問う。
(2) 今回のNPO法改正と税制改正に呼応して、条例改正が必要になってくると思う。
認定NPO法人の認定要件に関して条例個別指定基準をどのような考え方で決めていくのか。
兵頭竜議員(維新の会)の一般質問(大要)
1 農林水産業の振興について
TPPについては、野田政権発足後、交渉参加の是非について、参加反対・促進、あるいは時期消早・慎重論など様々な意見が飛び交い、国論を二分するかのような大きな問題となっている。
TPPは、政府調達や労働、サービスなど21の分野で交渉が行われ、我々の生活の様々な分野で影響を及ぼすおそれが指摘されている。中でも関税の原則撤廃に向けた交渉を行う市場アクセス分野は、我が国の農林水産業、ひいては食料安全保障確保に対して、大きな影響を及ぼすと考えられている。TPPは、国が責任を持ち国益をかけて臨む交渉であり、農林水産業に関して言うならば、国内各地域の特色や実情を踏まえ、農林水産業が持続的に発展できる環境を整備することが国の責務である。
こうした中、国は10月25日に「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」を決定し、今後5年をかけて、新規就農の増大や農地集積の推進、6次産業化の促進などに取り組むことによって、全国的な競争力・体質強化を図るとの方針を打ち出した。これは、TPP参加の有無にかかわらず進めていくべき事柄を取りまとめたもので、農地集積問題一つをとってみても、民間だけで太刀打ちできる問題ではなく、行政と連携し進めていくことが必要との声を聞く。
この方針に示された事柄を確実に実行に移すことは、我が国の農林水産業を再生に導き、そこに従事する人々の不安を和らげる上で重要であるとともに、農林水産業の振興を柱とする本県の南予地域にとって将来の地域活性化につながるものと考える。
国が示した農林漁業再生への基本方針を踏まえ、本県農林水産業の振興に向けどう取り組んでいくのか。
2 森林施業の集約化について
山村地域では、過疎化や高齢化が進み、限界集落が増加しており、今後の山村地域の振興は大きな課題となっている。
先人の努力により守り育てられてきた森林は、山村の基幹産業でもある林業という貴重な就労の場を提供するとともに、水源かん養や国土の保全など多くの公益的機能を発揮してきた。しかし、長引く木材価格の低迷や生産コストの増大、外材の輸入増加等により採算が合わなくなり、生業としての林業を続けていくことが困難になりつつある。森林資源を地域活性化の切り札として活用し、林業を再生しなければ、山村地域の将来はないと考える。
久万高原町では、町と森林組合が一体となって、県の支援の下、平成17年度に久万林業活性化センターを立ち上げ、森林整備や木材生産を点から面へと拡大するとともに、森林施業の担い手を確保するため、積極的に建設業などからの参入を図り、現在では林業が大きな雇用の場となっている。この結果、森林整備の実績面積が年間700haとなり、木材生産の拡大はもとより、森林所有者と森林組合の信頼関係を構築した先進事例として取り上げられた。
(1)路網整備の状況と森林施業の集約化について
国は、「森林・林業再生プラン」を策定し10年後の国産材自給率50%以上の実現に向けた取組みをスタートさせた。県においても、森林を健全な姿で次世代に継承していくため、「えひめ森林・林業振興プラン」を今年3月に策定し、林業の再生に向けて積極的に取り組んでおり、11月には知事が先頭に立ち、東京で県産材のトップセールスを行った。しかし、木材を安定供給するには、基幹林道などの路網整備、機械化による効率アップ、施業の集約化などで生産コストを下げ、もうかる林業にしていかなければならない。
県内の路網整備の状況はどうか。また、森林施業の集約化をどのように推進していくのか。
(2)林業の新分野へのビジネス展開について
現在、森林の役割として、レクリエーションへの活用や、木質バイオマスの利用、森林整備によるCO2吸収クレジットの販売などの新たなビジネスがクローズアップされており、総合的に林業を展開していくことが重要である。
林業における新分野へのビジネス展開にどのように取り組んでいるのか。
3 県産柑橘の海外輸出について
11月3日から7日までの5日間、知事を先頭にした台湾での愛媛柑橘トップセールスに県議会果樹振興議員連盟の一員として参加し、愛媛の柑橘を輸入している現地の商社や仕入れバイヤーたちとの意見交換では、日本のみかん、特に愛媛みかんに対する高い評価を多く聞いた。
また、財団法人交流協会がまとめたアンケート結果によると、台湾人が果物を購入する際33.6%の人が日本産を選ぶと答えており、他の食品のアンケートを見ても、台湾における日本食品のイメージはかなり良く、優位性も高いと感じる。
さらに、昨年の台湾からの訪日外客数は、861万人中127万人と、韓国、中国に次いで多く、日本への関心も高いと言われる。また、日本自体に興味のある台湾人が多いことから、日本の食品単独の売り込みではなく、日本の地域特有の文化、芸能、観光などと絡めた売り方で引き付けられる台湾人は多いと考えられ、台湾との交流を積極的に推進している本県は、うまくマッチングできると確信する。
台湾の面積は、九州地域よりも一回り小さいものの、人口は2,300万人余りと、非常に大きな、魅力的なマーケットである。台湾との交流を一層促進することはもちろんのこと、今回のトップセールスでまかれた多くの種を着実に育てていくため、みかん輸出についても更に推し進めていくことが重要である。
青森県産のりんごは、既に台湾へ多く輸出されており、その量は九州地方の年間りんご消費量に迫る勢いと聞く。愛媛産の柑橘も、りんごに負けない輸出量となるよう、確たる戦略を持って、意欲的に取り組んでほしい。
県産柑橘の海外輸出について、これまでの実績と今後の輸出戦略はどうか。
4 県の認知度向上のための広報活動について
本県には、「愛あるブランド」産品をはじめとする農林水産物や伝統工芸品、豊かな自然や歴史が育んできた観光資源など、誇れる魅力は多いが、全国各地を訪れて愛媛の話題を話すたびに、本県の認知度は決して高くないのではないかと感じる。
県が平成21年度に東京在住者を対象に実施した調査において、みかんは9割を超える人々に知られているものの、半数以上の人が知っていると答えたものは、坊っちゃん、道後温泉のたった2つだけという結果であり、全国から来てもらい、愛媛のものを買ってもらうには、愛媛の魅力を発信し関心を持ってもらうことが重要である。
先月、首都圏では初めてとなる観光物産PRイベントを秋葉原で開催し、知事がトップセールスを行った。発信力の強い知事が直接出向いてPRしたことを大変心強く思うとともに、首都圏のニュース番組でも特集で放送されたと聞き、愛媛を知ってもらう絶好の機会になったと思う。
このトップセールスには、誕生したばかりのイメージアップキャラクター「みきゃん」も登場して人気を博したと聞く。全国的には、「ゆるキャラグランプリ2011」で健闘した今治市の「バリィさん」が話題となっており、本県の魅力を発信していくためのけん引役として、こうした「ゆるキャラ」を活用することは有効だと思う。
県の認知度向上のため、どのような広報活動に取り組んでいるのか。また、イメージアップキャラクターを今後どう活用していくのか。
5 本県の介護給付費の推移について
介護保険制度は、高齢化の進展に伴う要介護高齢者の増加等に対応するために、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、平成12年度に始まった。この間、本県の高齢化は着実に進展し、65歳以上の高齢者人口は、平成12年度に約32万人であったものが平成23年度には約38万人と約2割増加するとともに、65歳以上の要介護認定者等の出現率が制度開始当初に11.25%であったものが、平成23年4月には20.4%に上昇した。
費用負担の面でも、本人負担分を除いた介護給付費は、平成12年度の約528億円が、平成22年度には約1,119億円に、そのうちの県の負担金だけを取り上げると、同じく約60億円であったものが約163億円にと、増加の一途をたどってきた。今後、団塊の世代が高齢化していくことを考えると、更に負担が増え、制度そのものの持続が困難な事態になることを危惧する。
介護保険法では、各市町は介護保険事業計画を、県はその計画を取りまとめ支援策を盛り込んだ介護保険事業支援計画を、厚生労働大臣の出す基本的な指針に即して、3年を1期として策定することとされており、今年度は第4期の最終年度であり、第5期の計画を策定する年度に当たると聞く。
本県の介護給付費は、今後どのような傾向で推移すると予測しているのか。
第5期計画の策定において、介護サービスの量をどのような手法で見込むのか、併せて問う。