佐々木泉の委員会質疑
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温暖化対策、医療体制、後期高齢者医療制度など
以下は、2008年7月4日に開かれた県議会環境保健福祉委員会のなかから、佐々木泉議員の質問を中心にまとめまたものです。
- 温暖化対策について
- 伊方原発の地震対策について
- クマタカ、オオタカなど県内の絶滅危惧種について
- 食の安全確保のため、膨大な放射能を放出している青森県「六ケ所再処理工場」の稼働の中止とその閉鎖を求める請願
- 看護学校について
- 採血器具の使いまわしについて
- 厚労省の療養病床削減計画報道について
- 歯科技術専門学校について
- 後期高齢者医療制度について
- 医療体制の整備について
- 人体の不思議展について
- 後期高齢者医療制度の廃止を求める請願について
温暖化対策について
- 佐々木委員
- ●温暖化の問題で質問したいと思います。
いよいよ洞爺湖サミットまであと3日ということで、愛媛県でも特別の努力が求められておると思うんですね。といいますのも、愛媛県は2010年までの目標を立てていたけれども、その目標に向けてCO2排出量を減らさないといかんのが逆にふえているということで大きく報道されました。6%減らさないといかんところに23%ふえてしまった。2010年まであと1年半ですけれども、プラス29%も減らさないといかんということで、前回のこの委員会でも問題になりました。
これはやっぱり家庭も運輸部門も、そして、特に企業部門が大きな比率を占めるわけで、それぞれ頑張らないといかんわけなんですが、特にCO2排出量の7割を占める産業部門の削減がかぎを握るわけです。国が県内企業の150社を受け持つ、残りの中小企業は県が受け持つということなんですが、排出実績や中小企業のこれからの削減方法についてお答えいただきたいと思います。 - 環境政策課長
- ●地球温暖化問題も洞爺湖サミット等含め非常に話題になりまして、マスコミ等にも大きく取り上げられているところでございまして、国民全体の関心が非常に高まってきていて、我々にとって非常にうれしいことだと思っております。
ご指摘のありました県の温室効果ガスの状況は、おっしゃるとおり6%削減を目標に努力してまいりましたけれども、2005年の実績では確かに23%の増加で、現在、新しい、またもっと細かい資料等を取り寄せまして、新しい実績を細かく分析していこうと計画しております。その準備中でございますが、また、でき次第ご報告させていただきます。今、お話がありました産業部門の削減部分でございますけれども、国では地球温暖化対策推進法に基づきまして、温室効果ガスの排出量を原油換算で1,500キロリットル以上を使用している特定事業所とか大きな運送会社から排出量の算定と報告を求めております。その結果、愛媛県の特定事業所、原油換算1,500キロリットル以上使っている事業所ですが、それが161事業所ございまして、その排出量はCO2換算で1,221万t、これは全国の2%で、順位でいいますと15位になっております。
これにつきまして、先ほど申しました平成17年に県が算定した温室効果ガスの排出量の概算値で見ますと、産業部門が1,283万t、事業系の事務部門等、いわゆるオフィス系が154万tございますので、企業全体では1,437万tぐらい出ているのではないかと推計しております。その部分と先ほどの161事業所から出ている分1,221万tを計算いたしますと、大体、大企業から85%、それ以外の中小企業から15%ぐらい出ているのではないかと我々は推計しております。
先ほど言いましたように、この大企業につきましては経団連の自主行動計画の中で、それぞれ業種ごとに数値目標を決めて定量的な削減に努めておって、かなりの成果は出ていると国は評価しております。
ただ中小企業についてはそういう十分な対策が出ておりませんものですから、県としては、中小企業に対しまして、ことしから温室効果ガスを自主的に自分で削減、排出量が計算できるようなプログラムをつくってお渡しして、自分で電気料とか石油とかガスとか、そういう使用量に応じた排出量を自己算定していただく。そういうことによって、まず温室効果ガスに対する意識を高めていただいて、これだけ使っているんだったらもっと削減できるんじゃないかというような啓発も含めてしていただきたい。それとあわせまして、省エネルギーセンターがやっております省エネ診断を受けていただくことを推進して、省エネにも努力していただく。それから、社員の教育のための研修会等は県で積極的にやっていきますし、温暖化とか省エネのための研修とか講習会に積極的に出てもらうようにお願いしていく。そういった形で中小企業に対して積極的な対応を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。 - 佐々木委員
- ●ちょっと思ったんですが、2010年目標というのは、今どういう位置づけになっておりますか。なかなか目標達成は絶望的みたいとされていますが。
- 環境政策課長
- ●県の地球温暖化防止指針は平成14年3月に策定しているものですけれども、この中で2010年の排出量を、基準年の1990年比で6%削減するという指針を出しております。それに基づいて県では努力を重ねておりますけれども、今度、国では地球温暖化対策推進法が変わったり、温暖化の達成計画が変更になってきておりますので、そういうことも見ながら、いわゆる国の指導方針に合った指針に見直していこうということで今計画をいたしております。国の内容等が固まり次第、着手していきたいと考えております。
- 佐々木委員
- ●頑張っていただかなければいかんと思うんですけどね。
その中で、最近、原発こそ温暖化対策の切り札だと、決め手だということが随分言われているわけですが、私は冗談じゃないやと、こう思うんですね。
第1に、CO2は減るかもしれないけれども放射能はふえるわけです。 2つ目に、既に日本は世界第3位の原発大国で、原発がCO2対策のかぎと言うんだったら、日本は温暖化対策先進国のはずだけれども、温暖化対策は先進国で最下位と出ているわけです。原発をいっぱいふやしたけれどもCO2対策になっていないということは、はっきりしているわけです。今求められているのは自然エネルギーの開発、普及、そして、ベストミックスの点からもさらに原発以外のところへ力を、自然エネルギーの方にいくべきだと。
それから、3つ目に、原発自体CO2を出しているというのがドイツなんかの研究者から出ています。
4つ目に、エネルギー効率が大変悪い。熱の相当部分が海を温めるために使われている、温排水の問題もありますし、送電コストの問題もある。夜とめるわけにいかないので無駄な電気を使わす。夜の電気で水をポンプアップして、昼流して発電するという揚水発電なんていうのも、なめるのもええかげんにせいというような不効率です。しかも、昼夜の差を火力、水力で埋めるわけで、独立して原発だけでやっていけるわけない。 こういう幾つもの点から温暖化対策になっていないと思うわけなんですが、さらに、IPCCの第4次報告でも、安全性、核兵器拡散、核廃棄物の問題が制約条件として残るから原発については要注意だと指摘されているわけで、温暖化対策とすべきではないと思うんですが、県としての考えはどうでしょうか。 - 環境政策課長
- ●委員のご指摘もございますけれども、国が定めております京都議定書目標達成計画の中では、いわゆる目標達成のための施策として、発電所などのエネルギー転換部門の取り組みは、排出原単位を下げていく、そして、新エネルギーを積極的に導入しましょうと。そういうような中身で、そういったものについて原子力発電につきましても着実に国としてやりたいという方針が出ております。いわゆる発電活動で二酸化炭素を出さない原子力発電につきましては、地球温暖化のためにも重要な地位を占めていると。そして、安全確保を大前提として原発の一層の活用を図り、貴重な電力として官民共同で着実に推進すると、議定書目標達成計画の中にはありますし、また、この6月27日に閣議決定されました経済財政改革の基本方針2008、いわゆる骨太の方針2008の中でも、低炭素社会というのが取りざたされておりますけれども、この低炭素社会構築のための行動計画の中で、安全性を一層高め、主要利用国並みの設備利用率を目指すなど原子力発電を推進するという形で、国は推進の方針を明確に出しております。 いわゆる資源を持たない日本にとって、現下の石油とか石炭の高騰の状況を見ますと、重要なライフラインである電力の安定供給を図るためには、委員がおっしゃるように、水力発電、火力発電、原子力発電に加えまして風力とか太陽光などの自然エネルギーをバランスよく活用するベストミックスを推進することが非常に大切であると我々も考えております。 ただ、原子力発電所を持つ本県にとりましては、いわゆる原発の安全性が第一でございます。これは県民を守る上では非常に大切なことでございますから、四国電力に対しまして、安全・安心を第一とした伊方発電所の運営を行ってもらう、これは我々も常に強く指導しておるところでございますので、ご理解いただきたいと考えております。
- 佐々木委員
- ●もう1つだけ。 あわせて、自然エネルギーの開発といいますか、この点では県はどうですか、利用方針は。
- 環境政策課長
- ●自然エネルギーにつきましては、地球温暖化の達成計画の中でも新エネルギーは地球温暖化対策に大きく貢献していると。そして、エネルギー源を多様化する、このためには国の支援策の充実導入が促進されるべきといわれております。いわゆる太陽光とか風力とかバイオマスといった自然エネルギーの開発事業につきましては、経済労働部で地域新エネルギービジョンを策定いたしまして、それに基づきまして、開発、利用等を示し、導入促進を図っております。 環境局におきましては、この中で愛媛の地域特性を生かしたバイオマスを活用していこう、その積極的な利活用を総合的、計画的に進めていこうということで、平成16年にバイオマス利活用マスタープランを策定いたしまして、このマスタープランに掲げました施策を推進するために、推進連絡会議のような形で定期的に開催して、情報提供、連絡調整を図りますとともに、BDF、そしてバイオエタノール等のバイオ燃料の生産、利活用を総合的に進めるバイオエネルギープロジェクトを進めておりますし、農林水産部局では、木質バイオマスに積極的に取り組まれているとうかがっております。 また、国がオフィスや家庭における新エネ導入とか省エネを推進する中で、太陽光発電の普及率がドイツに抜かれまして、非常に残念がっておりまして、先ほど申しました骨太の方針2008の中で、世界一の座を再び獲得することを目指して、2020年までに10倍、2030年までに40倍の導入量を目標というような方針も出されておりますし、いわゆるバイオマスにつきましては、食料と競合しない稲わらとか間伐材を利用して、バイオマスの利用、供給等を進めていこうという強い方針が出ております。今後、新しい予算とか枠組みができてくると考えておりますので、それに期待しながら我々としても積極的に努力していきたいと考えております。
伊方原発の地震対策について
- 佐々木委員
- ●3月28日に伊方発電所の耐震安全性の評価結果中間報告書というのが出ております。これについてお聞きしたいんですが、まず、伊方原発周辺の地質がどうなっているかという調査がこの報告書の土台になっていますので、地質調査を実施したのはどういう団体かということをご紹介ください。
なぜ聞くかというと、地質調査に関する実証性ということで、この報告の中に、例えば、調査会社の選定に当たっては、調査の目的に応じ、その経歴、技術内容等を配慮して選定したとあります。それから、先日の環境安全管理委員会でも、委員から、四国電力の報告書作成に当たって公正・中立性はどのように保たれているのかという質問も出ていましたので、ご紹介いただけたらと思います。 - 原子力安全対策推進監
- ●今般の伊方原発の耐震安全性評価に関する中間報告でございますけれども、地質を調査する者は、過去から、四国電力はもとより、いろいろな、高知大学の岡村先生等、あるいは国土地理院や産業技術総合研究所などが実際の調査はやってございます。そして、それらについて、今回、データを取りまとめるに当たりましては四国電力が行うわけでございますけれども、調査会社として四国総合研究所を使って調査をしております。ただこの四国総合研究所でもトレンチの実際の調査なども行った経験もございますけれども、協力会社として総合地質調査㈱とか、専門的な調査を行う機関も使って調査が実施されております。この調査の結果につきましては、四国電力が適切な外注管理のもとで調製をしていると聞いてございます。
- 佐々木委員
- ●今、名前の出ました四国総合研究所というところをいろいろ調べてみました。さまざまな調査研究の能力や実績のある会社のようで、地震や地質についても強いという印象を受けました。
ですが、この会社のホームページに出ているんですけれども、会社の四国総合研究所という頭のところに四国電力グループと書いてあるんです。公正・中立な報告書を求めるのに、その地質調査を担当した会社が四国電力グループ四国総合研究所というのでは公正・中立でいくのだろうかと思いました。
四国経済産業局のホームページを見てみますと、四国総合研究所というのは四国電力グループから1987年分離独立した研究機関で、四国電力100%出資の会社だと書いてあるんです。それから、これまでも地質や地震について最新の知見を取り入れて、絶えず地震対策を練っていると。こういう話の中に、その最新の知見を発表している論文というのが幾つか引用されていました。
その中に、やはり四国総合研究所研究期報というのがあるんですが、例えば、これは2001年12月に四国電力四国総合研究所研究期報77号というのがありますが、ここで論文を発表されている方が4人いらっしゃるんですが、例えば最初の方は高橋さん、四国電力建設部、お二人目が大野さん、四国電力建設部、3人目が佐伯さん、四国電力建設部、4人目が松崎さん、四国技術コンサルタント土木技術部と。いわば、これを見ると皆さん四国電力の方で、それが100%出資の会社で論文を発表する、それが最近の知見だと言われる。今度の中間報告に当たっても、そういう身内の会社が調査した結果に基づいてやっているわけですね。ここに問題がないかどうか。
なぜそういうことを言うかというと、そういう身内の会社で調査した結果から、これまでもずっと将来起こり得ると考えられる最強の地震というのは350ガルだと言ってきた。もう1つ、およそ現実的でないが、考えられる限界的な地震は473ガルだと言い続けてきたわけで、そのおよそ現実的でない地震473ガルというのが、いとも簡単に570ガルに変わったというのがこの調査結果であります。
それから、地質の評価について調査結果はこう書いている。敷地は三波川帯に位置している。敷地の地盤は三波川変成岩類のうち、主に塩基性片岩からなりと、こうあってですね、この塩基性片岩は、片理の発達、こういうふうに筋目があって切れるという点では発達があるが、一般的に剥離性が弱く、塊状かつ堅硬である。塊状というのは固まり状になっている。堅硬というのは、かたいという字を2つ並べて堅硬と読ませています。こんなふうに、この三波川帯というのは丈夫なんだとこの中間報告には書いてあるわけです。
ところがね、前にも紹介したと思うけれども、えひめ防災ブックという愛媛大学の情報防災研究会から出ているんですが、これを見ますと、この片岩は平たく薄く割ることができます。薄い片状に割れるので片岩と呼ばれるのです。この性質が岩石をもろく崩れやすいものにしています。地すべりや崩壊がたくさん発生します。こう書いてある。もう1つ、吉野川プロジェクトというので東京大学大学院の方が書いていますが、緑色片岩は美しい青石ですが、片理に沿ってはがれやすい性質が災いし、四国の分布地域は日本有数の地すべり地帯であります。日本有数の地すべり地帯に伊方原発がある。四国電力の調査は、やっぱり身内の調査だから、固まりで塊状で、かたいかたいと、堅硬であると。余りに評価が違う。
これは5月2日の環境安全管理委員会の専門部会でも委員から質問が出まして、三波川帯はもろいんじゃないかと疑問が出た。岩盤の上に設置しているから安全だと言うが、岩盤を構成する緑色片岩は、かたいがもろい。岩盤に対する耐震性の評価が必要ではないのかと言っています。四国電力はどう答えたか、答えられない。今回は基礎地盤の評価はないけれど最終報告では出しますと答えた。最も基本的な問題で答えられない。最終報告までお預けというのは、かなり問題じゃないでしょうか。 - 原子力安全対策推進監
- ●まず、この四国総合研究所に委託をして調査を取りまとめていること自身については、四国電力が外注委託先にそのような能力があると判断したんだと思うんですけれども、それについては特にそれ自体が問題であるとは考えておりません。この中間報告書につきましては、まず、基準の地震動がどうなのか今回の中間報告で報告されたわけでございまして、それに基づく原発の設備については、主要なものについては外注で行われておりますが、それ以外のものについては最終報告でまた出てまいります。
そのときに、今おっしゃられたような岩盤、いわゆる原子力発電所でいいますと基礎マットあたりだと思いますけれども、そのあたりの構造、あるいは新しい基準地震動による揺れがどうなるのか、機器にどういう影響を及ぼすのかといったことが最終報告で提出されることになっておりますが、そういった最終的な報告で出てくるいろんな情報について、今後、国に設置されております委員会でも審査がなされますし、我々県も技術専門部会でその状況を確認していくということでございますので、まだその結論といいますか、岩盤がどうかということについては、これから十分審査してまいりたいと思っております。 - 佐々木委員
- ●岩盤などというものは、そもそも原発を据えつける最初のときに問題にすべきものなので、これがこんなに解決されていないというのは、最終報告まで待っていれば大体最終報告どおり決まるわけで、これはやっぱり問題だと思うので、そこで、今度は我々の手でこの中間報告を読みかえていく必要があると。 ここでちょっと資料を配らせていただきたいんですが。 (資料が配られる) 地震に強いかどうかというのを目的にした報告書ですから、その地震がどうなっているかを我々が見ていく必要があると思うので、ここ、大体地震観測地域に指定されているところなんですが、この伊方原発周辺での大小の地震の発生状況はどうでしょうか。
- 原子力安全対策推進監
- ●まず、四国電力の中間報告によりますと、原子力発電所の敷地から半径200km以内でございますけれども、これまでに被害が発生した地震が107回発生しております。そのうち最も規模の大きいものが西暦684年12月29日に発生した南海地震で、これはマグニチュード8と4分の1という数値になっております。また、最近では2005年3月20日の福岡県西方沖地震、これがマグニチュード7.0、次いで2001年3月24日の芸予地震、これがマグニチュード6.7といった地震が起こっております。
また、敷地周辺の中小ないし微小の地震につきましては、今お配りいただいた資料を使ってご説明させていただきたいと思いますけれども、1枚あけていただきますと、図の第2の1の2の(1)になります。震源の深さが16kmから30km、この震源の深さのところでございますが、ご覧のように若干活動がございますが、地震の規模を示すマグニチュードとしては、マグニチュード2未満の地震が30kmよりも浅いところで起きているということでございます。
次のページをお開きいただきますと、図の第2の1の2の(2)でございます。これは深さが30kmから70kmのところでございますけれども、日本中に多くあります。フィリピン海プレートに沿って地震の活動が顕著にあるということが読み取れると思います。
そして、次の最後のページでございますが、図の第2の1の2の(3)でございます。これは深さが70kmよりも深いところでございますけれども、東経132度から西側でございます。これもフィリピン海プレートに沿って帯状に発生をしておると、そのような状況が見てとれます。 - 佐々木委員
- ●震源が30kmまでの浅い地震だと特徴がわかりませんが、30kmから70kmの地震だと、伊方など三崎半島と豊後水道は真っ黒で、よくこんなところに原発をつくったなと感じるんですね。それより深いところへいきますと、だんだん九州へ震源が移っていきます。
それで、このうち歴史的地震でマグニチュード6以上の記録というのは幾つありますか。時代的にさかのぼって、最も古い記録はいつのものですか。 - 原子力安全対策推進監
- ●マグニチュード6.0以上の地震は71回、その71回のうちの歴史的に最も古いものにつきましては、西暦679年、天武7年でございますが、西暦679年の東南海の九州の筑紫地域ですが、ここで起こりましたマグニチュード6.5から7.5の地震であると思います。
- 佐々木委員
- ●やはりこの地域は地震が多いところだということで、それにしても、一番古いものでも679年ですから、それ以前の記録というのは非常にないと。そこで、文献ではなくて、地質調査でどういう地震なり地質の状況なりがあったかが大事だと思うんです。伊方原発前面海域、一番大事なところのこの海底活断層の活動周期はどうなっていて、いついつ活動しているか、最も新しい活動時期はいつかお示しください。
- 原子力安全対策推進監
- ●今回の中間報告で書いてございますけれども、前面海域につきましては、伊予断層と同じ規模であろうと、同程度の活動性と推定されておりますが、実際にこの伊予断層のトレンチ調査を行いまして、活動性を判定した結果、最新の活動時期は14世紀以降に活動したのだろうということがわかっております。また、平均活動間隔については、約2,500年程度の活動の間隔があると推定されております。
- 佐々木委員
- ●四国電力がいろんなところで説明しているのを見ると、かつて大体1万年以上動いていないと言っていたが、今は1万年以降に動いた可能性があるという説明をしていまして、この中間報告で14世紀というのが出たというのは一応聞いたことがなかったんだけれども、高知大学の岡村眞教授によると、地質を見ていたら、伊方の発電所の前面海域のところで6,200年前、それから4,000年前、2,000年前ということで大きな断層のずれがある。2,000年ごとに動いていると言っておられます。2,000年周期で2,000年前に起きたということは、そろそろ危ないなということでみんな恐ろしがるわけですね。そういうものがここの中間報告には反映されていないんじゃないかなと思います。
私もその音波探知の図を見ましたけれども、そこで線を通したように何mも沈んでいるということが、2,000年ごとに起こっているということが明らかで、これを見て岡村教授は、マグニチュード8以上、1,000ガル以上を覚悟せよとおっしゃっているんです。 先ほどの話をまとめてみると、要するに文献で見るものは一番古くても679年、天武天皇のころだけど、探査等して海底の火山層の調査からわかるのは、やっぱり何千年という単位のものだと。こっちをよく見る必要があるんじゃないかと思います。なぜそういうことが、2,000年ごとに動いているということが出ていないかというと、やっぱり身内の調査だからですよ。これはちょっと困ると思います。 それで、質問なんですが、これまで前面海域の地震による揺れの加速度を473ガルとしてきたのを、570ガルに今度改定するわけですが、柏崎刈羽では2,280ガルと想定しております。それから、現に起こった岩手・宮城内陸地震では4,022ガルと出ています。2,000とか4,000とか、こういうオーダーで物事が進もうとしているのに、100ふやしたからといって570というのは余りに規模が違い過ぎますが、やっぱり岩盤上か否かで説明がつくわけですか。 - 原子力安全対策推進監
- ●基準地震動の策定に当たりましては、基盤のかたさの指標であります剪断波速度が秒速700m以上のものを可塑的な岩盤としまして、そこの地震動を定めます。伊方では地表に剪断波の速度が2,000mを超えるようなかたい岩盤がありますので、その岩盤上で基準地震動を策定しております。柏崎刈羽につきましては、敷地から約150mから300m程度下がったところに剪断波速度が秒速700m以上のものがあるようでございますので、伊方と柏崎刈羽では、そもそもその基準地震動を策定する岩盤自体の地下の構造に違いがあるかと思いますし、当然のことながら想定される地震の地震動が違ってくることによりまして、委員ご指摘の柏崎では2,280、伊方では570という数値が出てくると思います。
ただこれにつきましては、柏崎の地震動もそうですけれども、まだ国の委員会で審査・審議中でございまして、これで決まったわけではありませんので、我々も国の審査の状況は当然のことながら、伊方の基準地震動につきましては技術専門部会で確認してまいりたいと考えております。 - 佐々木委員
- ●今度の中間報告については本会議でも議論がなされました。あれを聞いていて、ご答弁の中で二、三ちょっと気になったこともあるので、それをまとめて聞いておきます。
第1は、断層モデルから導き出されるマグニチュードについて、従来の松田式ではマグニチュード7.5、それから、90年の武村式ではマグニチュード7.3、四国電力によるとマグニチュード7.1と開きがあるが、本会議の答弁では、四電は98年の武村式を採用したと。それはより精度が高いとの説明だったですね。何をもって精度が高いというのか、その根拠を示していただきたい。これは武村式と松田式の対応関係を見るために、むしろ小数点以下2けた以降を切り捨てて精度を落として比較した式がこの98年式なのであって、正式なマグニチュード確定には採用できないんじゃないかと思うが、どうか。
それで、98年式を使っている電力会社というのはほかにないそうです。ただ四国電力が使っていると思われますが、これで地震の規模が、ぐっと何分の1にもなるわけですから、ここのところの根拠とよその電力会社はどうなのかお答えいただきたいと思います。 - 原子力安全対策推進監
- ●今、本会議でのご質問に対する私どもの答弁に対するご質問がありましたけれども、98年の武村式を使用しましたのは、95年の兵庫県南部地震以降に多くの地震記録が蓄積されてきたから、近年発生した地震のデータを用いまして90年の武村式と98年の武村式の比較を行った結果、地震規模の大きなマグニチュード7、このあたりでは98年の武村式の整合性がよかったという判断のもとに98年の武村式を使用したということでございます。
まだ、これにつきましても、これから国の審査を経て、私どもの技術専門部会での確認を経てまいりますので、しっかり確認してまいります。 それから、四国電力だけが使っているのではないかということでございますが、この状況についてご説明いたします。
結論は四国電力だけが使っておりますが、まず、各電力会社につきましては、応答スペクトルに基づく地震動評価において次の3つの方式を使っております。まずは、松田式を使っている、それから、2番目は、入倉式と90年の武村式を使っている、そして、最後に、四国電力のみが採用しておりますが、入倉式と98年の武村式を使っている。この3種類で地震動評価を現在のところ行っていると聞いているところでございます。今後、この評価の各種計算式の値が妥当であるかどうか、しっかり確認してまいります。 - 佐々木委員
- ●98年式の方が精度がいいとどこかに書いてあるんですか、それとも、だれかが言ったのか。保安院か四国電力あたりが精度が高いよというふうに言ったのか、そこの根拠を示してください。
- 原子力安全対策推進監
- ●精度が高いという文言がどこかにあるかというと、それはありません。ただし、マグニチュード7近辺では、マグニチュード7以上の地震規模のところでは、この武村の98年式の整合性が非常に高かったということで、言葉として精度が高いという言葉を使わせていただきました。
- 佐々木委員
- ●それから、2つ目に、四国電力の5月2日付の資料の中間報告の概要によりますと、新指針における評価として、敷地前面海域の断層の地震動評価上の規模をマグニチュード7.6にしていますね。それから、中央構造線断層帯の地震動評価上の規模はマグニチュード8もしくはそれ以上としています。ところがその概要にいくまでの途中の表では、前面海域はマグニチュード7.1、中央構造線130kmはマグニチュード7.5、360kmはマグニチュード8.4と、8.4が出てくるんですね。この場合、前面海域では7.1、これに傾斜を加えて7.5にしているわけですから、ほかの130km、360kmも、そのままではなくて傾斜を加えていく必要があるんじゃないかと思うんですが、もし傾斜を加えると幾らになりますか。
- 原子力安全対策推進監
- ●この今回の敷地前面海域の断層部の42kmについては、中央構造線の断層帯の中でいろいろと活動区間を考慮して検討が行われて、42kmが基準地震動に一番影響を与えるとなったわけですけれども、この中央構造線につきましては、断層の長さが130km、あるいは360kmが同時に動くと指摘されておりますので、それぞれ130kmと360kmが同時に動くということについて、まず事前の検討を行っております。
その事前の検討を行いました結果、いずれでも敷地への影響が変わらないということがわかったものですから、その後、内陸の地殻内の地震の、検討用の地震として何にするかといったときに、敷地前面海域の42kmが選定されて、その選定の後で、具体的な不確かさというものを使って、例えば断層面を傾斜させたりして、地震時に大きな揺れを発生させる、アスペリティーと呼んでいますけれども、それを発電所に近づけたりして、いわゆる安全側に評価したり、そのようなことでございます。130kmと360kmについて、すべてを傾けたりして検討したということではありませんので、その数値についてはございません。 - 佐々木委員
- ● いや、それにしてもですね、中央構造線の断層帯の地震規模を360kmにするとちゃんとマグニチュード8.4という数字が出ているのに、全体の概要を見ると、その辺は書かずに、マグニチュード8もしくはそれ以上として、8.4もそれ以上だから間違いではないけれども、8.4と言われるとやっぱりこれはびっくりしますよ、私は。それで、その部分も傾斜を加えるともっと大きくなる可能性があるということだから、ここはぜひちょっと辛い目に見ていただきたいなと思います。
それから、本会議関連は最後になりますけれども、政府の地震調査研究推進本部、推本と略していますが、ことしの4月11日に修正レシピというのを公表しました。いろんな式を新しくやり直すわけですが、修正レシピ、断層モデルの新しいレシピとして追加した。これで同じ断層面積でも地震規模が従来以上の大きな規模になる。これがいわば最新の知見です。
四国電力の報告書というのは、これをさかのぼる3月28日ですから、当然4月11日の修正レシピは使っていない、反映されていないということになるんですが、この1点だけでも中間報告は最新の知見を反映していないし、やり直しが必要であると考えますが、いかがでしょうか。最終報告を待つまでもなく、そのことを四国電力に指摘する考えはないかどうか。 - 原子力安全対策推進監
- ●今おっしゃられたとおり、推本はことしの4月11日に今までのレシピを改正した修正レシピを公表されました。この修正レシピでございますけれども、主な変更は、地表の活断層の長さから簡便に地震動の地震規模を推定する松田式を追加されてございます。
ただ四国電力では、従来からそのレシピに採用されております詳細な調査結果に基づいて震源断層を推定する方法で評価してございます。本会議で答弁させていただきましたけれども、細かな設定基準に変更があったようでございますが、基本的な仕組みには変更がないと考えております。四国電力では、今現在は松田式については使用してございませんけれども、今回の修正レシピに対しまして、今後、より適切な評価の根拠となる数値や仮定の設定について検討して、必要があれば最終報告書に反映するとしておりますから、県としては、今すぐに四国電力に指摘するという考えはありませんけれども、今回の修正された点がどのようなものであるか、そして、それを反映するべきなのかどうかにつきましては、技術専門部会で十分検討して確認してまいりたいと思います。 - 佐々木委員
- ●今後のことなんですが、中間報告が出てから環境安全管理委員会の技術専門部会は開いていますけれども、このままいくと環境安全管理委員会の本委員会は開かれないまま最終報告が出ることになる。そして、最終報告が修正なしに通ることになりかねないと思います。本委員会を開いて、そこで修正の上、最終報告に臨めるように、早急に本委員会を開くべきではないかと思うんですが、どうなんでしょうか。
- 原子力安全対策推進監
- ●今、耐震安全性につきましては、技術的な内容が多いものですから、技術専門部会を開催して随時確認してございますけれども、その技術専門部会の審議の状況、そして、その結果につきましては、今後、その親委員会の環境安全管理委員会を通じ報告していくことにしております。 今後、四国電力から最終報告が出たとしましても、引き続き専門部会で確認してまいりますけれども、環境安全管理委員会にその結果は逐次報告するという姿は変わりませんし、最終報告が出たら、その内容については、それ以降、国が確認をして、私ども県も技術専門部会で確認していきますから、必要があれば追加の報告を求めたり、あるいは修正等を求めたりという場はありますので、そういったところで適切に対応してまいります。
- 佐々木委員
- ●環境安全管理委員会と技術専門部会の内容は、広く県民と専門家に公開されて、批判に供すべきだと思うんです。この間の環境安全管理委員会というのは、ほかの審議会等でこんなにやるのかなと思うぐらい激しい議論がありました。内容も以前と随分変わって、委員の側から厳しい追及もあったんですけれども、私、その内容を正確に紹介できないです、ここで。
というのは、録音できないかと思って、録音を許可してくださいと言ったら委員長が認めなかったよね。それで、録音はできないけれども、委員長がいいと言えばできるということになっていたので、委員長に聞いたらだめだという。それで、事務局の方から、録音はできないけど、議事録を早く出しますから、それでこらえてくださいということだったですね。 けさ、さっきホームページで見たら、いまだに公開されていないんですよ。ご苦労はわかるけれども、5月2日に開かれた技術専門部会の議事録が、2カ月以上たったきょう7月4日になっても、まだ準備中で出ていないというのはね、これは県民の批判、専門家の批判に供する気があるのかどうか言われてもしようがないような実態じゃないかと思うんです。ここはぜひ改善していただきたいと思いますが、どうですか。 - 原子力安全対策推進監
- ●その問題、伊方原子力発電所に対する安全性に対するいろいろな問題については、県民の関心が高いものでございますので、小委員会なり専門部会が開催されましたら、その都度資料は即座に公開いたしております。ご指摘のように、議事録につきましては若干テープ起こし等の作業に時間がかかっておりますけれども、なるべく早期に掲載できるよう努力してまいります。
クマタカ、オオタカなど県内の絶滅危惧種について
- 佐々木委員
- ●県内の絶滅危惧種のクマタカ、オオタカの問題についてお伺いしたいんですが、3つあります。それぞれ県内の生息数はどれくらいと推定されていますでしょうか。
- 自然保護課長
- ●県内のクマタカ、オオタカにつきましては、レッドデータブック作成のために平成11年から14年の4年間にわたります現地調査におきまして、クマタカにつきましては、局地的ではありますが県内の各地に分布しております。オオタカについては、里山の林、山林などで繁殖しますが、繁殖期の個体数は極めて少ないことが確認されておりますが、いずれも詳細な生息実態は把握できておりません。
ただレッドデータブックでの評価では、クマタカは絶滅危惧Ⅰ類とされております。これにつきましては、専門家による調査、また専門家の知見等で推定しまして、生息個体数が250羽未満であると推定しております。また、オオタカにつきましては絶滅危惧Ⅱ類とされておりまして、同じように専門家の知見等とか定量的判断といった点で、生息個体数が1,000羽未満という推定で、絶滅危惧Ⅱ類となっております。 - 佐々木委員
- ●県内各地に生息というのは、どこでもかしこでもおるというのでなくて、1カ所に集中しておるんでなくて、散らばっているということですね。
- 自然保護課長
- ●今治地域とか山鳥坂ダム地域、それぞれ地域地域に、住鳥ということで、生息しているということです。
- 佐々木委員
- ●「愛媛の野鳥」という野鳥の会が出したやつを見ますと、トンビなんかいうのは、生息箇所をぽんぽん出すと愛媛の地図が真っ赤に染まるぐらいあるんですけれども、クマタカの場合は11カ所、11の点が高知県境のところと今治のところにちょんちょんとあるぐらいで、総数が推定で250ですから、これは1羽でも見つかるとすごいものだということですね。
最近では、クマタカについてもオオタカについても、つがいとひなが大洲市肱川近辺で繁殖が確認されたと報道されているのですが、大洲市肱川地方の価値について、県はどういう見解を持っていますか。 - 自然保護課長
- ●国土交通省があの地域の環境影響評価をしたわけなんですが、食物連鎖の頂点にありますクマタカなどの希少な猛禽類が数種、複数、つがいが生息しているということも確認されております。それから、県も、この地域は多様な野生動物が生息する健全で豊かな自然環境が保たれていると認められる地域と考えております。
- 佐々木委員
- ●大変貴重な地域だと私も思います。
それで、あわせて、それだけではなくてミゾゴイという、ゴイですかね、世界に1,000羽しかいないというようなものがやっぱりこのあたりにおる。それから、本県では南予にしか繁殖していないヤイロチョウという鳥もおるということで、まさにそういう野鳥の宝庫です。ダムが予定されている山鳥坂という字も、山鳥坂と書くぐらい、鳥の名前が出ているというのはこういうところがあるんだというぐらいのところなんですね。それで、その世界に1,000羽しかいないミゾゴイやヤイロチョウについての保護方針はどのようになっておりましょうか。 - 自然保護課長
- ●このミゾゴイ、ヤイロチョウにつきましても、県のレッドデータブックでは、ミゾゴイは準絶滅危惧種、また、ヤイロチョウにつきましては絶滅危惧ⅠB類とされておりますが、この鳥類につきましては鳥獣保護法で捕獲等の禁止規制がとられておりますので、県下で知事が委嘱しております鳥獣保護員には狩猟の取り締まりとか鳥獣保護思想の普及啓発を業務としてやっていただいておりますが、そういった52名の方などによる監視に努めておるということです。
- 佐々木委員
- ●ちらっとお話しますけれども、山鳥坂ダムの対象地になっているもので、国土交通省にここの先行きが任されてしまう。ところがこれだけの大切な地域なので、自然保護の部局の方からも、ぜひ強力にここの保全を求めるように、日本だけじゃなくて世界的にも大事なところだと思いますので、お願いしたいと思います。
最後になりますけれども、これはまとめて鳥獣被害のことについて、シカとか猿とかイノシシの害獣の頭数などの実態がどうなっているか、2つ目に鳥獣被害防止特措法というのが12月に昨年国会を通りましたが、それによる市や町の被害防止計画作成の状況はどうか、このあたりお願いします。 - 自然保護課長
- ●野生鳥獣については、全国どこでも同じなんですが、特に農林業被害が多いということで、近年、愛媛県では4億円前後で推移しておりまして、農林水産部の調べによりますと、18年度は5億5,327万円、19年度につきましては3億8,962万7,000円ということで、その中でも特に7割が獣類によるもので、またその中でイノシシによる被害が一番が多い、続いてニホンジカ、この2つの鳥獣によるものが深刻な状況にあると。イノシシについての被害額なんですが、18年は3億2,600万円余り、19年度は2億400万円余り、ニホンジカにつきましては18年が4,280万円余り、19年は6,500万円余りで、シカによる被害は増えております。
それで、先ほどご質問の野生鳥獣の生息数でございますが、一定の指標をもとに、ある程度の生息密度を把握しておるわけなんですが、個体数の実態把握というのは困難な状況でありまして、イノシシにつきましては、1年間の出産数が1頭当たり5頭から8頭といった複数であることなどから生息密度を把握する調査手法が確立されていないということで、現在は被害額とか捕獲頭数、それとまた狩猟者がどの程度の労力を使って捕獲しているかといった点によって生息の増減を推定しているのが現状であります。
ニホンジカにつきましては調査手法が確立されておりますので、19年度から、被害が多いのはニホンジカは南予地域が多いということで、南予地域において調査を実施しております。中間報告が出ておりますが、それを見ますと、適正密度というのはキロ平米当たり3頭から5頭といわれておりますが、それより大幅に上回りまして、キロ平米当たり40頭と推定される地域もございます。なお、最終的結果につきましては近々報告を受けることになっております。
また、これまでの捕獲頭数なんですが、イノシシにつきましては、18年度は有害・狩猟合わせまして8,348頭、19年度につきましては合わせて8,385頭、ニホンジカにつきましては、18年度は狩猟・有害合わせて1,245頭で、19年度は1,303頭となっております。
もう1点、鳥獣被害防止特措法のご質問だと思うんですが、これにつきましては、特措法は、被害の現状を一番よく把握しております市町が主体的に対策に取り組む仕組みが必要ということで、議員立法によりまして制定されまして、本年の2月に施行されたものでありまして、これにより市町独自で被害防止計画を作成することができることになりました。市町村は、この計画を作成して、計画に基づきまして有害鳥獣の捕獲や防護さくの設置などの事業を実施した場合に、これらの事業に要する経費について農林水産省の所管の補助事業が優先採択されるほか、特別交付金措置が従来の100分の50から100分の80にかさ上げされるなどの支援を受けることができることとなっております。
本県におきます被害防止計画の作成状況につきましては、この法律の所管部であります農林水産部の話でございますが、県下で6市町が作成予定で、そのうち、現在、今治市と伊予市が県との計画の協議を行っていると聞いております。
食の安全確保のため、膨大な放射能を放出している青森県「六ケ所再処理工場」の稼働の中止とその閉鎖を求める請願
- 佐々木委員
- ●私はここに書いてあるとおりだと思うので、今の説明を聞きますと、大気中に放射能を排出するというのは当たり前みたいに言われていたんだけれども、規制基準値以内だから構わないというふうな組み立てになっていたと思いますよ。だけど、原発の場合はですね、今後、そういうものを原発の中から出さないということを前提にいろいろやっているんだけれども、伊方なんかから出た放射性廃棄物をそっちへ持っていって六ヶ所で再処理をする。そのときには大気中に、クリプトンを初め、トリチウム、ヨウ素などの放射能を出すんだと、これ自体が問題ですね。
しかも、何かきょうの新聞を見たら、六ヶ所でまた何かあって、ちゃんと処理ができないと先延ばしになるというような、こんなところに稼働を続けさせることはできないと。私も青森のリンゴとか食べますけれども、やっぱり安全なものにしてほしいし、また、こっちからもそういうものをあそこへ持っていかないという点からいうと、この請願の趣旨は十分理解できるので、採択をしたいと思います。 - 河野委員長
- ●ほかに意見ございませんか。
- 白石委員
- ●この意見書の冒頭の、膨大な放射能を放出している青森県という文言、他県の施設にもかかわらず、やみくもにこのような表現をすること自体に私は問題があると思いますし、また、青森県産のリンゴやニンニク、長芋、ホタテなどにも影響が出ると。そういう意見書を提出すること自体に大きな問題があるのではないかと。このような意見書を受け付けること自体がおかしいと私は思いますので、これは賛成できない、そう思います。
(採択の結果、挙手少数により不採択に)
看護学校について
- 佐々木委員
- ●関連してお聞きしますが、看護学校はやっぱりどうしても必要なものですよね。今、医師不足、看護師不足が言われている中で、この金額を上げることで学校へ通えないというようなことも生まれてきかねないと思うけれども、そんな点は心配ないんですか。
- 医療対策課長
- ●県内には民間学校も含めて幾つかの看護学校があるわけですけれども、そういったところと比較いたしますと、必ずしも飛び抜けて高いというわけではございませんで、県内の状況を考えれば、入学者の確保という面でやっていけるのではないかと考えております。
- 佐々木委員
- ●きょうの新聞で、譲渡先を探しているけれども、なかなか条件が折り合わないので決まらないと。それで、当面県立でということの方針が載っていましたけれども、これはほかの、後で議論になると思いますが、歯科の専門学校のように廃止も視野に置くということになったら大変なことになると思うんですが、もしその引き受け手が決まらないという場合には、当面県でやっていくということでよろしいですか。
- 医療対策課長
- ●看護専門学校につきましては、公の施設のあり方の見直し方針の中で、団体等への譲渡が打ち出されているわけですが、その譲渡先が見つかるまでの間は県直営で運営を継続するという方針が出されておりますので、その間は県で運営してまいりたいと考えております。
- 佐々木委員
- ●聞くところによると、この春に卒業する方が30人ですかね。30人に対して全国から求人というか、オファーが1万9,896通来ていると。それだけ重要なところですね、30人に対して2万人近く探しておるということで。ぜひ存続しながら、今回のような値上げということではなくて、県の医療体制をどうつくっていくかという観点で考えていくべきであって、随分とてつもない値上げになると思うので一応私は反対ですが、そういう努力を続けていただきたいと思っています。
採血器具の使いまわしについて
- 佐々木委員
- ●採血器具の使い回しのことについて伺います。
使い回しの実態はどうであったか、施設、使用人数、感染などの被害の状況をお聞きします。 - 医療対策課長
- ●私どもは医療採血用の穿刺器具という呼び方をしているんですけれども、この問題につきましては、国からの依頼に基づきまして、その穿刺器具の使用の有無ですとか、あるいはその器具をどういった規模で使用したか、あるいは使用期間がいつごろだとかにつきまして、病院、診療所、あるいは県・市町が行う保健関係事業などにつきまして調査を行っているところでございます。松山市を除きまして978の施設に対して調査を行っているところでございます。
しかしながら、調査の途中で厚生労働省から通知がございまして、対象となった器具が24品目から30品目にふえたとかいったこともございまして、追加調査を余儀なくされたことがございました。また、国から示されました対象品目に関する情報、販売会社名とか販売された期間とかいった面でちょっと不確かな情報もございまして、各医療機関側にとりましても二度手間になってしまったり、あるいは調査に時間がかかってしまったりということがありました。
そういった現状でございまして、既に国への報告期限は来ているわけでございますけれども、県といたしましても中途半端な形で報告することもできないため、現在、少しその期限を延ばしてもらうように連絡いたしまして、確認等の精査作業を急いでいるところでございます。
なお、現在までのところですけれども、いわゆる針そのものを使い回す、針を交換せずに複数人に使用してしまったという例はございませんし、また、感染症等の被害の報告も出ておりません。 - 佐々木委員
- ●松山市なども含めて、ぽこぽことあちこちで、あそこでも何ぼ、ここでも何ぼとやっていて、そういうのを集計して、今のところ何ぼという形では報告できないんですか。
- 医療対策課長
- ●先ほどもご説明いたしましたように、現在調査中でございまして、最終の集計ができておりませんので、ちょっと現時点ではお答えはしかねるんですけれども、国にも確認いたしましたところ、今月中旬ぐらいには全国の結果を発表したいということもございますので、それまでには私どもも作業を間に合うようにしたいと考えております。
- 佐々木委員
- ●報道でしかわからないんですが、松山市なんかの場合は中間報告を出して、95施設でそういう不適切な使用があったということを言っていますね。それで、回収率90%の数字で、大体59.5%がそういうことになっています。
みんな不思議に思うのは、原因は何かと。それから、禁止の通知がなぜ徹底されなかったかと思うんですけれども、そのあたりどうでしょうか。 - 薬務衛生課長
- ●佐々木委員のご質問でございますが、この採血用の穿刺器具の取り扱いにつきましては、平成18年3月に厚生労働省から県に注意喚起の通知がありまして、県では、これを受けまして、県医師会、県薬剤師会、県保健所に通知を行ったところでございますが、結果として、この通知の受けとめ方が十分でなかったと反省をしております。
なお、基本的に、医療機器の使用に当たりましては、医療機関等が機器の取扱説明書など添付書類を十分に確認することが必要であると考えております。今回の問題となった採血用穿刺器具につきましても、取扱説明書等に複数患者に使用することを禁止する旨の記載がございまして、このような事態に至ったことは現場の認識不足であったのではないかと考えてございます。 - 佐々木委員
- ●やっぱり厚生労働省が都道府県に禁止の通知を出していたと。このことはやっぱり重く見ないといかんと思うんですが、これに関して、県、それから松山市が責任転嫁というような報道がありました。松山市は特別な都市になっていますので、その辺は非常に難しいところもあるかもしれませんが、これについてはどんな見解でしょうか。
- 健康衛生局長
- ●一部そのような報道があったと承知しておりますけれども、このことにつきましては6月3日に記者発表をしたところなんですけれども、その中で、厚生労働省の今回の通知については、松山市は保健所を設置してあるということで、厚生労働省から直接通知があるのではないかと考えて通知していなかったとご説明したところなんですけれども、このことについては県の確認不足で松山市への通知が漏れていたと考えておりまして、決して松山市に責任転嫁をするつもりはございませんので、ご理解いただければと思います。今後は、このようなことがないようにと思っております。
- 佐々木委員
- ●全然行かなかったというよりは、両方から行って、うるさいなと思われるぐらいの方が安全では大切だと思います。今のご答弁を言っていただきたいなと思います。
ただ使い回しによる感染例というのは余り載っていませんが、全国的、世界的なレベルでの感染の例はどうなっておりましょうか。 - 医療対策課長
- ●これによります感染例は、国内では報告されておりません。それから、海外につきましては、厚生労働省からの情報によりますと、イギリスにおきまして、平成17年から18年にかけて、こういった当該器具の使用による感染が疑わしい事例が報告されていると聞いております。
厚労省の療養病床削減計画報道について
- 佐々木委員
- ●5月24日付の毎日新聞に療養病床削減を断念という記事が載りました。療養病床のうち、医療療養病床25万床を13万床にしようという計画を立てていたけれども、都道府県から、需要を調査したらやっぱり25万は要りましょうということになったので、厚生労働省は削減を断念し、現状維持する方針に転換したとはっきり書いてあるんですが、これはどうなんですかねというのが1つと、もう1つはさっき出た地域ケア構想に向けての県内医療機関の意向調査ですね。1年前のはあるんですが、それ以後のは、予定というのは今あるんですか。
- 長寿介護課長
- ●最初のご質問は毎日新聞の内容でございましたが、私もこの内容は確認してございます。ちょっとたまげまして国に確認しました。結論から申し上げますと、あれは間違いだと、誤報という言い方をしておりました。
国の言い方は3点ほどございました。療養病床再編のこれまでの考え方に変わりはない。それから、愛媛県はもう既に国へ報告しておりますけれども、全国都道府県の計画を今、国は確認中だと。だから今、確定した数字、例えば22万とか何とかいう確定した数字は持っていないということが1つ。そういうことでございますので、その新聞の記事は誤報だと、事実とは異なるという回答を国からいただいております。
2点目、調査でございますが、18年度、19年度に1回、2回とやってございます。そして、今度3回目を実はことしの5月1日を基準日にして関係医療機関に対してアンケート調査をかけております。それで、現在、その結果の取りまとめの作業中でございます。 - 佐々木委員
- ●先ほどの毎日新聞の記事は、火のないところに煙は立たないというように、厚生労働省の中も非常に動揺していることがあると思うんですよ。やはり全国で見て、希望を募ってどんどん転換をしようというようなアンケートの結果が出ているかというと、そうではないわけですね。愛媛でもそうでしょう。
やっぱりここで、療養型の病床は必要なんだと、特に介護型だって要るんだということで強力に都道府県から働きかけてください。要望です。
歯科技術専門学校について
- 佐々木委員
- ●県立の歯科技術専門学校の問題について、新聞で報道されていますように、県歯科医師会が引き受けを断念したということで、県は、もうこれは閉校するしかないという記事が載りました。存続によるメリット、デメリットというのはどんなものでしょうか。
- 医療対策課長
- ●県立歯科技術専門学校を存続する場合のメリットといたしましては、県内の歯科診療所等にとりましては、歯科衛生士や歯科技工士の確保が容易となることが挙げられるかと思います。また、学生にとりましては、県内の専門学校であることで、授業料などの面で経費が少なくなる、あるいは県立という安心感があることが考えられようかと思います。
また、デメリットといたしましては、学校運営を継続した場合に、今後も大幅な赤字となり、さらなる財政支出が見込まれることもございます。また、歯科衛生士に関しましては、平成22年の4月から3年制に移行することになっておりますので、それに伴います施設の大規模改修ですとか、あるいは機器整備など多額の経費負担が必要となることなどが考えられると思います。 - 佐々木委員
- ●存続によるメリットの方で言われました供給が可能になるというのは、実は、すぐ閉校する場合の多少のメリットと比較にならないぐらい大きな問題だと思うんです。医師、看護師の不足の問題を考えると、この閉校によって歯科技術者が足りなくなるのは目に見えておりますので、そういう点では存続していくべきであると思いますが、徳島と香川では県の歯科医師会が実施主体となっていますが、本県ではなぜ無理なんでしょうか。
- 医療対策課長
- ●県立専門学校の譲渡先といたしまして、愛媛県歯科医師会に私どもも打診してきたところでございますけれども、同会でも検討を重ねていただいた結果、やはり大幅な赤字が予想されるということもございます。また、少子高齢化の影響などもございまして、これからは学生の確保が難しくなってくるのではないかということもございまして、同会からは実施主体として運営することは困難であるとの結論に至ったと聞いております。
- 佐々木委員
- ●なかなか運営しにくい、経費がかかって大変だというのはわかるんですが、学生がいなくなったら、これこそ最大の問題だと思うんです。現在でも技工士は不足ぎみということで大変です。廃止されると歯科技工士の養成学校が四国に2校しかなくなるわけで、将来的に供給不足となる心配がありますが、その際、その代替策はどうなりましょうか。
- 医療対策課長
- ●お話の歯科技工士につきましては、最近その就職の状況について見てみますと、今までと少し様子が変わってきているように思われます。
と申しますのは、県立歯科技術専門学校の場合ですけれども、平成19年度を見ますと、卒業者19名に対しまして求人数が238名あったんですが、そのうちの94%は県外からの求人でございました。それから、就職者につきましても、卒業生19名に対しまして、県内に残ったのは約半数の10名でございまして、さらに、県内の病院とか診療所に就職したという方は5名という状況でございました。
こうした状況の背景といたしましては、歯科診療所が以前はみずから歯科技工士を配置していたということがございましたが、最近では歯科技工所というところに外部発注するというパターンがふえてきておりまして、その影響でこういった卒業者の傾向が出てきているのではないかと考えております。
こういったことも考え合わせますと、県内での歯科技工士の養成施設がなくなった場合、もちろん影響が全くないというわけではございませんけれども、将来的に直ちに県内の深刻な供給不足に結びつくというものではないのではないかと考えております。 - 佐々木委員
- ●ところがこの見直し案が発表されたときのパブリックコメントを見ますと、現役の歯科技工士の高齢化が進んでいて、将来大幅に不足することは容易に想像できるとか、今後の供給体制を心配する人が結構多いんですね。
見てみますと、これは全国の資料ですが、歯科技工士の20代の7割が離職してしまうという状況があって、その背景には、週の労働時間が65.5時間、年収が436万円平均というので、非常に厳しい、そういう技工所で働いている人も含めて、大変労働条件が悪いということが大きな問題で、ここを見ていかないと、単に供給、需要が少なくなるということでは言えないんじゃないかと思います。
それで、現に国内の技工士さんに任せられないために、外国から入れ歯とかを仕入れているというところもあるわけで、こういう点からいうと、やはり、より全面的に見ていただく必要があると思うんです。パブリックコメントは、すべて存続を求める声だったわけですが、これに対する県の見解は、パブコメから学ぶ姿勢がないんじゃないかと思うぐらいです。 それで、まとめて反論しているわけですが、何のためにパブリックコメントを募集するのか、ちょっと疑問がわいたんですが、出てきたパブコメに全部どんどん反論して、状況が変わらないんですから、パブコメの意味がないんじゃないかと思うんです。そのあたりどうなんですか。 - 医療対策課長
- ●パブリックコメントにつきましては、歯科衛生士や歯科技工士の果たす役割が非常に重要であるということから、これらを養成する機能は必要であるというご意見が多かったものと受けとめております。ただ県が多額の負担をしながら運営し続ける必要性が希薄であるという点につきましては、特に反対の意見はなかったのではないかと理解しております。 このため、県といたしましては、パブリックコメントにございました意見を踏まえまして、現在の学校機能が何とか維持できないかということで、関係団体の方にも譲渡につきまして鋭意努力してきたところでございますけれども、調整が調わなかったということで、やむを得ず閉校ということにさせていただいたわけでございます。
- 佐々木委員
- ●一たん廃止すれば再建はほとんど不可能だと思います。地域医療に責任を持つ県として、やっぱり存続すべきじゃないかと。その点で、もう募集をやめているようですが、廃止も決まっていないのにそんなことができるのかなとちょっと疑問に思いましたが、そのことで、存続すべきじゃないかということですが、どうですか。
- 医療対策課長
- ●私どもといたしましては、歯科技術専門学校について、公の施設のあり方の見直しの方針によりまして明確に方針が打ち出されたところでございますので、これを受けとめまして、これにのっとって対応していかなければならないと考えているところでございます。地域医療に責任を持つという言葉もございましたけれども、歯科医療対策の推進につきましては、今後とも関係団体や歯科医療機関などと連携しながら積極的に対応してまいりたいと考えております。
後期高齢者医療制度について
- 佐々木委員
- ●後期高齢者医療保険制度について伺います。 本会議でもいろいろ議論がありましたが、それと重複しないように聞きたいんですが、4月に導入されて以降、どのような影響が出ているかという点はいかがでしょうか。保険料が高くなった、年金から天引きされて腹が立ったなどの声を聞きますが、県としてはその影響についてどのように把握しているかお伺いします。
- 国民健康保険室長
- ●後期高齢者医療制度は、市町によります保険料納付手続の事務処理上のミス、保険料の増加や年金天引きに対する不満などが新聞、テレビで報道されているところでございますけれども、高齢者が医療機関で受診を拒否されたなどの実際の医療現場における混乱や不安は、今のところ生じておりません。
しかし、制度実施後まだ3カ月が過ぎたところでございますので、また、政府・与党による見直し案も示されたところでありますので、今後とも制度の運用状況に当たりましては十分注視してまいりたいと思っております。 - 佐々木委員
- ●私たちのところに寄せられている意見では、やっぱり天引きは、少ない年金がますます少なくなるということで、これが一番不満が大きいようです。それから、保険料についても、例えば私の知り合いの80歳のご夫婦ですが、おととしの2006年には国保が1万9,270円、去年が国保が2万5,080円、ところがことしは2人分それぞれ取られて合計で5万3,817円で、倍以上に上がっているということなんですね。80歳のご夫婦ですよ。これは文句言わない方がおかしいと思うんだけど。
2つ目に、そうなりますと、保険料が高くなったとか、勝手に天引きするのはひどいなどの県民の不満に根拠はないのか。それは制度の周知によって解消されるのか。国は、制度は必要であり、よい制度だと、国民への周知と理解が不足しているため不満が起こったというものですが、それは違うんじゃないかと思うんですが、そこらはいかがでしょうか。 - 国民健康保険室長
- ●多くの高齢者の方は、年金収入を中心とした限られた収入の中で生活されていると思いますけれども、年金天引きにより強制的に保険料が徴収されたり、一部の高齢者においては保険料が上がったことによって年金受給額が減少するなど、生活に対して不安が生じたことが不満の根拠であると考えております。
そのため、制度の周知を図るだけでは、これらの不満をお持ちの高齢者全員の理解を得ることは難しい面があると考えておりますが、後期高齢者医療制度は国民皆保険制度を堅持するために必要な制度と考えておりますので、今後とも制度の趣旨を粘り強く県民の方に説明させていただき、少しでも不満の解消に努めてまいりたいと考えております。 - 佐々木委員
- ●6月28日に新聞に大きな広告が出ました。舛添厚生労働大臣が登場してですね、制度が始まってからこんなのが出るというのは恐らく前代未聞じゃないかと思うんです。それを見ると、やはり政府が75歳以上の人の受けられる医療はこれまでと変わりませんというような宣伝をしていますが、75歳以上の人を対象にして、医療費を6,000円で頭打ちという、医療報酬の定額制、包括払いが導入されたことを見ても、この制度が75歳以上の人が病院にかかるときの差別であるということは、厳然たる事実じゃないかと思うんです。
こういうふうに言いますね、75歳以上の人は病院にかかる機会が多いから別の医療制度にするんだと。こんな理屈が県民に受け入れられることはないだろうと僕は思うんだけれども、もし受け入れられているとするなら、その根拠は何か。今回の制度の実施で受診抑制につながっていないかということを答えていただきたいんですが。 - 国民健康保険室長
- ●今回の後期高齢者医療制度につきましては、75歳以上の高齢者の受診機会が多いことから医療そのものの提供の枠組みを別にしたものではなく、老人医療費に対する負担区分を明らかにするなどとした医療保険制度でございます。
委員お話の後期高齢者診療料につきましては、確かに月6,000円の定額制でございますが、これは患者の方がみずから選んだ担当医が、患者の心身にわたる総合的な評価や検査等を通じて患者を把握し、外来から入院先の紹介、在宅医療まで継続してかかわる仕組みをねらったものでありまして、この後期高齢者診療料による担当医を選定しなければならないものではございません。また、担当医や医療機関の変更も自由でございます。さらに、後期高齢者診療料を算定している場合でも、必要な場合はCTの検査等出来高払いとすることが可能でございます。このように、高齢者を対象とした診療報酬が創設されておりますが、診療そのものを制限するものではございませんので、その趣旨を十分説明すればご理解いただけるものと考えております。
また、制度移行後に受診抑制につながっていないかとのお尋ねでございますけれども、本県の1人当たり老人医療費の状況で申しますと、まだ確定値ではございませんけれども、19年4月の1人当たり老人医療費が6万9,600円でございまして、制度実施以降の本年4月の1人当たり医療費が6万9,100円となっております。本年4月から一部診療報酬が下がっていることもございまして、前年度とほぼ同様の診療が行われているものと考えております。 - 佐々木委員
- ●最後のところは、まだちょっとよくわからないということではないかなと思うんですね、その数字ではね。
それと、やはり受診抑制が起こって医療費が減らないと、何のために制度改正したかわからないというのが政府の考え方ですよ。ここはちゃんと見てほしいと思う。厚生労働省の担当者、これは高齢者医療制度施行準備室室長補佐という人が書いているんですけれども、後期高齢者が亡くなりそうになって、家族が1分でも長く生かしておいてほしいと要望すると500万円も1,000万円もの金額になると。延命を求めるから医療費が膨張するのであり、これを抑制する仕組みがこの後期高齢者医療制度だとあからさまに言っているわけです。だから、診療抑制にならないような制度だったらもともと意味がないというのが国の考え方です。
それで、加えて、先ほど言いましたような、保険料がこれまでに比べて下がるということをずっと言ってきた。これもおかしいんじゃないかと思ってさっき例を挙げたんですが、この政府の宣伝は間違いだったとは思いませんか。県はどう判断していますか。 - 国民健康保険室長
- ●国は、これまでの後期高齢者保険料と国保保険料との比較説明につきまして、両者を単純に比較することは困難とした上で、全国の8割の市町村が保険料の算定において採用している所得割額、資産割額、被保険者均等割額、世帯別平等割額の4方式をもとに試算しまして後期高齢者保険料と比較したものでございます。東京都のように、保険料が増額する場合についても説明するなど、意図的に負担軽減のみを強調したものでもなく、結果として両者の制度の変更点につきまして国民の十分な理解が得られていない部分があったと説明しております。
したがいまして、国の説明は間違いとは断定できませんけれども、説明の仕方としては、市町村ごとに保険料の算定方式が違っていることを前提とした上で、誤解を招かないよう、直接具体的な説明をするなど、もう少し配慮する必要があったのではないかと考えております。 - 佐々木委員
- ●もう、少しの配慮じゃ片づかないような深刻な内容だと思うんですがね。
舛添大臣がどう言ったかというと、4月15日に、七、八割の人は値下がりするのではないかと、こう言っちゃったんですよ。それを町村官房長官が紹介をして、安くなると、こう言ったら、その日の夕方には舛添さん自身が、正確な数字はわかりませんが、私の感じで申し上げたと、こう言ったので、翌日の記者会見は大変だったでしょうね、テレビで見たけど。詰めに詰められて、結局、詳しい数字はわからない、手元にないと、厚労省なんかで計算していると思うと。詳しくはそっちへ行って聞いてくれというようなことでやっていたわけですから、これは、これまでに比べて下がるなんていうことは絶対に、一部を除いてないというふうに見ないかんと思います。
今度政府がやろうとしている改定案というのも、私に言わせたら、これはそんな改定にならないだろうと思うので、具体的に聞きたいんですが、保険料が下がるという人は今度の改定案で県内で何人ぐらい、何%ぐらいと見ていますか。 - 国民健康保険室長
- ●国の調査によりますと、これはあくまでモデルケースによる世帯数での推計でございますけれども、見直し案実施前では全国平均69%の世帯において保険料が下がり、見直し案実施後では75%の世帯で減少するとされています。
なお、愛媛県では、見直し案実施前では67%、実施後では83%の世帯で減少するとされております。なお、国の調査は世帯での割合を推計したものでございまして、人数等については把握しておりません。 - 佐々木委員
- ●そこがやっぱり一般の県民の人と実感が大分ずれているということになってきますので、ぜひ調べていただきたいと思いますが、参考のために言いますと、今回の改定案で、国全体では1,300万人の加入者のうち下がるのはわずか65万人と。愛媛で言えば6,500人程度ですかね。5%しかその恩恵に浴さないということだそうです。
それから、天引きから口座振替にも変われるということを宣伝していましたけれども、それは県内には何人おって、どのくらいのパーセントかというのはわかりますか。 - 国民健康保険室長
- ●今回の政府・与党によります見直し案では、国民健康保険の保険料を確実に納付していた方及び連帯納付義務者が、世帯主または配偶者でございますが、いる方で、年金収入が80万円未満の方につきましては、申し出により保険料の年金天引きから口座振替により納付することができるとされておりますが、市町におきましては今回の見直し案に該当する人数を調査していないことから、該当しない方が県内に何人いるかは把握しておりません。
- 佐々木委員
- ●そうすると、天引きから口座振替にどれだけ変われるかというような効果は未定だと、よくわからないということですね。
東京都などでは、公費を投入して年金受給者の保険料を8,000円近く下げているということですが、こういう県が8都道府県あるという報道がありました。愛媛でも恐らくそういう負担軽減を検討したのではないかと思うんですが、したかどうか話を聞かせてください。 - 国民健康保険室長
- ●県の軽減策など、県独自の負担軽減策につきましては、内部におきまして追加軽減対策の検討はいたしましたけれども、後期高齢者医療制度の導入によりまして多大な負担が県に生じております。現下の厳しい財政状況の中では非常に厳しいと考えております。
- 佐々木委員
- ●これでこの問題は終わりますけれども、1980年から2005年にかけて国や地方の医療費負担がどう変わったかというのを先日見ましたら、国は医療費の30.4%の負担を25.1%に下げていると、5ポイント以上下げていました。事業主が24%から20%ですから、これも4ポイント近く下げている。国と事業主は下がっているんですね、3兆円ぐらい。ところが地方は5.1%が11.4%に6.3ポイント増、2兆円ふやしている。それから、家計も40.2%から43.3%と約3ポイント増、1兆円ふえている。結局、国と事業主が助かって、地方と家計が困っているわけですから、ひとつ、私ら家計を代表する者と地方を代表する課長や部長が力を合わせて、こういう状態を変えていくように心から訴えて、この質問は終わりたいと思います。
医療体制の整備について
- 佐々木委員
- ●医療体制の整備についてお伺いします。
八幡浜の2次救急が重大な事態になりましたが、ほかの圏域も含めて大変深刻と聞きます。圏域ごとのスタッフの不足数、特に緊急を要する診療科をどのように見ているかお答えいただきたいと思います。 - 医療対策課長
- ●確かに県内の2次救急につきましては大変厳しい状況に直面しております。こうしたことから、私どもといたしましても、本年5月ごろに各保健所を通じまして実態を調べたことがございます。
そのときの調査は、医師や看護師などの不足数まで把握したものではございませんけれども、その結果を見ますと、例えば、宇摩圏域や新居浜・西条圏域、あるいは八幡浜・大洲圏域といったところでは小児科医と産科医が不足しているということでありました。また、これ以外にも、西条地区では脳神経外科や麻酔科、それから、八西地区では内科、脳神経外科、さらに、愛南地区で申しますと外科とか麻酔科、こういった医師が不足しているという状況でございました。 - 佐々木委員
- ●前に、小児科、産科の集約化・重点化についての資料をいただきましたが、その検討状況というのはどうでしょうか。今度の地域保健医療計画でも、例えば小児科については、身近なところで小児診療が受けられるようにというのと同時に、高度専門的な小児科医を集約・重点化していくと書いてあるんですけれども、何さま小児科医の数が、どの圏域を見ても1,000人に1人とか、子供千数百人に1人の医師ということで、身近に受けようとすれば集約はできにくいし、集約すると身近で受けられないという矛盾も抱えると思うんですが、そこらあたりも含めて、小児科と産科の集約検討の状況、解決すべき課題についてお答えください。
- 医療対策課長
- ●小児科、産科の集約化・重点化につきましては、昨年度、保健医療対策協議会の中に小児医療部会と周産期医療部会という2つの専門部会を設置いたしまして検討いたしました。この2月に報告書を取りまとめたところでございます。
まず、小児医療につきましては、専門医療や、あるいは24時間体制で救急医療を確実に提供できるようにするために、小児人口ですとか、あるいは地理的要因を考慮いたしまして、新たに小児医療圏を4つ設定すると提案されております。4つと申しますのは、宇摩・新居浜・西条圏域が1つ、それから、今治圏域が1つ、松山・八幡浜・大洲圏域が1つ、宇和島圏域が1つというものでございます。
それから、医療機関につきましても、それぞれの機能分担あるいは連携を進めていくということで4つの区分に類型化いたしまして、それぞれの役割を担っていただくことを提案しておりまして、例えば、その小児医療圏の中で中心的な役割を担っていただく医療機関として連携強化病院というものを設定しておりまして、ここに医療資源の集約化・重点化をしていく。その中で各圏域ごとに連携体制を構築いたしまして、身近なところで小児医療を担っていただく、いわゆる中小規模の地域の病院ですとか、あるいは診療所といったところも支援していくと提案しているところでございます。
それから、周産期医療につきましても、ある程度集約が進んでいるという状況の中で、かかりつけ医と周産期母子医療センターとの連携体制を整備する。あるいは、異常分娩ですとか重症病的な新生児等に対しまして、総合周産期母子医療センターであります県立中央病院を中心といたしました周産期救急搬送体制の整備を図るといったことなどを盛り込んだところでございます。
こういった集約化・重点化の取り組みを実効あるものとするためには、医師の確保はもちろんでございますけれども、かかりつけ医の普及あるいは定着、それから、拠点機能を担う医療機関との連携が重要になってくると考えておりまして、今後とも、県内の医療機関、あるいは市町、消防機関、また大学、こういったところの理解をいただきながら連携協力体制を整備していきたい。そして、この提案がありました集約化・重点化の取り組みを着実に推進してまいりたいと考えております。 - 佐々木委員
- ●ありがとうございます。
産科医が不足しているのを助産師でカバーしようということで、助産師の活用というのが今度の計画の中にも載っていますが、具体的にどう考えておられるのか、そこを教えてください。 - 健康増進課長
- ●助産師の活用方針ということでございますが、助産師のほとんどの者は、産科、産婦人科の医療機関に勤務しておりますが、助産師は助産所を開業することができます。県内に現在、助産所は7施設ございます。このうち、分娩、妊婦健診等を実施しておりますのは2つの施設でございます。
ただ産科医療機関のかわりという点から申し上げますと、現在、ほとんどの出産が病院や診療所で行われている現状でございます。全出生のうち、助産所で生まれる子供は大体0.3%程度でございます。したがいまして、県民の方々の助産所に対する考え方、またニーズ等を踏まえながら助産所の活用について検討していく必要があろうかと考えております。 - 佐々木委員
- ●妊婦の健康診査は、公費負担の対象になっているんですか。
- 健康増進課長
- ●助産所における妊婦健診の公費負担につきましては、先ほどご紹介申し上げた2施設のうちの1施設において公費の対象となっておりますが、医師がみずから行うべき検査、また、医師の立ち会いが必要である検査を除いた部分について公費負担を認めております。
- 佐々木委員
- ●これは市町の仕事なんでしょうけれども、こんにちは赤ちゃん事業の本県実施率が低い方から3番目と報道されたわけですが、この事業と、もう1つ、育児支援家庭訪問事業の現状と推進の方針はどんなでしょうか。
- 子育て支援課長
- ●こんにちは赤ちゃん事業といいますのは、生後4カ月までの乳児がいる家庭すべての家庭を訪問して、支援が必要な家庭に対する適切なサービスにつなげるという目的で、昨年度、国が創設しました。
本県の19年度の実施状況ですけれども7市町、実施率が35.0%で、全国平均は58.2%。もう1つの育児支援家庭訪問事業は5市町、本県実施率は25.0%で、全国平均が42.9%で、かなり下回っております。 県では、この未実施の市町に対しましては、5月に開催いたします市町の児童福祉担当者会議というのがあるんですが、そういうところでも要請しておりますし、今年度につきましては、それが功を奏したみたいなんですが、こんにちは赤ちゃん事業につきましては新規で5市町ふえまして、合計12市町の実施となりまして、実施率は60%、昨年度は35%ですから割とふえてきた。育児支援事業は新規が1市のみで、合計6市町、実施率30%、ちょっとふえたという感じなんですが、実施する市町は徐々にふえてきております。
これらの事業につきましては、育児支援というのはもちろんなんですけれども、児童虐待の防止にも効果があるかなと思われますので、そういう意味では、未実施のところに今後とも働きかけていきたいと思います。
人体の不思議展について
- 佐々木委員
- ●最後の質問になりますけれども、先日開催された人体の不思議展というのがありました。私どもは、これは人体の現物を展示していくもので、非常に倫理的に問題があるのではないかという立場から、中止または県としての後援を取りやめるように求めたわけなんですが、これについて開催結果はどうだったか。期間とか展示内容、参加者数などご紹介してください。
それから、一遍に言いますが、県が後援したこの展示会については、かなり批判が寄せられて、他県では県や医師会などが後援を断わったり取り消したりした例が出ています。本県として反省点はないのかどうか、そのあたりをお聞きしたいと思います。 - 健康増進課長
- ●人体の不思議展についてでございますが、主催者によりますと、平成20年4月5日から5月18日の間に、8万3,247名の参加者があったと報告を受けております。
展示内容は、献体によりまして提供を受けましたご遺体を常温保存でできるよう処置を施し、全身解剖を初め、頭蓋骨の断面や内臓、血管の仕組みがわかる標本約150点を展示したものでございます。
県の後援につきまして、人体の不思議展に対しまして新聞の投書欄等へ賛否双方の意見が掲載されるなど、さまざまな意見があることは承知しております。後援につきましては、人体標本の展示を通じまして、人間の身体の仕組みの理解を深め、県民に命の大切さ、健康のすばらしさを伝えるという趣旨から、県の基準に照らし、適正に後援名義使用を認めたものと感じております。
後期高齢者医療制度の廃止を求める請願について
- 横山委員
- ●民主党ですが、私どもは6月6日に野党4党で政府に対案を提出しておりまして参議院で既に可決しておりますから、余り細かいことは申し上げる必要はないと思いますけれども、先ほど出ておりました第5次愛媛県地域保健医療計画の骨子の5つのうちの1つの中に、患者本位の医療を目指すということを書いておられますが、この制度は患者本位ではないと思います。
たくさんありますが、3つだけ申し上げますが、まず、高齢者のみを現役層から除外して厳しい条件下に置くような制度は世界に例がない。年齢差別ですね。2つ目に、病気になるリスクの高い人のみを分離して制度をつくること自体が保険原理になじまない。お互いに助け合って保険を成立させていくのが基本原理です。それから、3つ目は、仕事をしている75歳以上の高齢者も被用者保険から脱退して後期高齢者に入らないといけない、医療制度に加入させられるために、従来、事業主負担であった分までも自己負担を課せられて、負担増になるということで、すなわち患者本位の医療ではないということにおいて、廃止に賛成を発言しておきます。 - 山本委員
- ●この請願を見ますと、同制度を、後期高齢者医療制度を廃止し、一たん老人保健制度に戻すことを強く望む。それで、現在の老人保健制度は、今、75歳以上の老人が平成17年に1,163万5,000人、それが20年後には2,166万7,000人になる。いわゆる倍の人口になるわけですね。ところが医療費自体は、17年度で約10兆円、20年度には34兆円、いわゆる3倍になるわけです。それで、国民全体の医療費の半分を占めてしまうということなんですね。
だから、こういうことが今の制度では維持できないわけです。維持できないからどうするかということで、こういう負担割合を決めて、何とかこのすばらしい制度を維持していこうという制度であります。そういうことから言いますと、この今の年金、医療制度は、私は世界的に見ても日本は非常にすばらしい制度ができておると。
先ほどもちょっと座談の中で言いましたけれども、いわゆる1961年、昭和36年に国民皆年金・皆保険というものが実施されました。それ以前は、私の祖母もそうだったんですけれども、80歳過ぎてきたときに、もう私はみんなに迷惑かけて、これ以上長生きするのはつらいということをしょっちゅう言っていたんです。おばあちゃん、何言っとるのということで私はしかっていたんですけれども、やっぱりそういう老人が、年金もない、そして仕事もできない、そうするとみんなに負担かける、迷惑かけるということで物すごくつらい思いして生きておった。
それで、1997年にいわゆる介護保険ができたわけです。それまではやっぱり家族が見ておった介護も、今、常識的に言うと、大体、普通でサラリーマンは20万円ぐらいの年金があるわけですけれども、1人を施設介護しますと約35万円から40万円ぐらいかかると思うんですけれども、いわゆる1割負担ですから4万円ぐらいで見てもらえる。そうすると年金の十五、六万円がそこで残っていくという制度に今なっているんです。
だから、そういう介護保険も年金のないときには本当に老人はみじめな思いをしておったというのも私は非常に若いときに見ておりました。この制度が維持できなかったら、そういうことにまた戻ってしまうという可能性もあるわけですから、私は、今すべてが完璧な法律ではないと思っております。ですから、今政府が言っております、国民の意見も聞き、そして、低所得者に対して、年金の少ない方にはそういう手厚い思いやりのある措置をしながら、この制度だけは絶対に堅持していかなくてはいけないと強く思いますので、こういう請願は絶対取り上げてはいけない。採択してはいけないと私は強く思います。 - 佐々木委員
- ●3つの点から、この請願を採択すべきだと思います。
第1は、国の宣伝でですね、保険料が安くなるとかサービスは変わらないとか、天引きは便利だから気をきかせてやったんだと言わんばかりの偽りの宣伝を進めて、ごり押しをされたのがこの制度だということなんですね。本当のねらいは、さっき言いましたように、国と事業主が手を握って、そして地方と国民の負担をもっとふやすという一環ですから、もっと国や事業主の負担を強めるということで解決することが絶対できる、これが第1点。
第2点目は、広範な国民が反対しているということです。全国の自治体からも反対の決議が上がっていますし、それから、特に、これまで長年政治をやってきた方、自民党の長老を含む方々が反対しています。塩じいこと塩川正十郎さんは、これは国が間違っとると、本当に冷たい政治だと産経新聞に書いておりますし、中曽根康弘元首相も、これは一たんもとに戻すべきだと。これだけの政治キャリアのある人がもとに戻せと言うんですから、責任のある言葉だと思いますよ。そういうふうに言っている。それから、自民党元総務会長の堀内光雄さんは、何と文藝春秋で、後期高齢者は死ねと言うのか、やはり冷酷な制度だ、もとへ戻せと、こう言っています。そのほかいっぱい、野中広務元官房長官も、人間の尊厳を踏みにじっていると。年をとって傘寿、白寿とお祝い事が重なっていくのに、早く死ねと言わんばかりですと反対しております。それも一貫して言っておられるのは、もとの制度に戻しなさいと言っているわけですね。今、対案なしにもとへ戻せというのが無責任だと見る方もいらっしゃいますが、そうではないということで。
3つ目には、保険というのはリスク分散のために設けているわけであって、後期高齢者制度のように75歳以上だけ集めるというのは、ちょうど事故を起こしやすいドライバーばかり集めた自動車保険のようなもので、必ず破綻するわけです。ここを見ていくと、そういう無責任な制度だから、このまま続けることが無責任と、責任を持って廃止することこそが大事だと、県もそういう立場に立ってほしいということで、この請願に賛成をいたします。 - 白石委員
- ●私は反対の立場で意見を言わせていただきます。
制度の中身についての改善点は、今ご意見がありましたとおり多々あるかもしれません。今、代替案も出そうとしているところでございます。野党4党が出しておられる代替法案は、そういうご意見をいただきながら、さらにこの制度をよくしていくことが一番大事なことだと私は思っております。
この制度の本来の意義である高齢者の福祉のすき間をなくしてしまう、在宅、通院、入院、すべての時点において切れ目のない老人福祉を実現しようとするこの制度の考え方は守るべきだと思っておりますし、改善すべきところは改善し、そして、この制度をよくしていくことが一番大事であろうと思っております。廃止するというこの請願に対しては、後ろ向きの請願と受けとめて、私は反対であります。
(採択の結果、挙手少数により不採択に)