2012年度当初予算要望
重点要望項目
東日本大震災と福島原発事故から10カ月が経過しました。原発事故はいまだに収束していません。原子炉の中のようすも依然として明らかではなく、放射能汚染は被災地域に大きな被害を与えています。一方、伊方原発ではこの1月13日に2号機が定検入りで停止して、3基すべてが停止し、原発なしでもやっていけることが事実で明らかになりました。県民の生命と安全を守るために、停止中の原発はこのまま再稼働せず、四国から原発をなくすことに本格的に取り組むことを求めます。
働く人々の所得は10年以上も下がり続け、格差と貧困の広がりが県民生活を圧迫しています。これがまた中小零細企業や農林漁業の経営をいっそう困難なものにしています。この上消費税の増税などが実施されれば景気が確実に悪化することは、前回97年に3%から5%に引き上げられた時にすでに経験したことです。さらに医療・介護・年金・障害者福祉など社会保障の広い分野でその仕組みが脆弱になり県民の生活を守れなくなっています。
2012年度愛媛県当初予算の編成にあたっては、県政が今こそその役割を発揮して、県民生活最優先の施策に大きく転換することを求めて、以下の予算要望を提出します。
- 福島原発の事故は津波だけではなく、地震動そのものによって原子炉破壊が起こった疑いのあることが報道されている。伊方原発では津波対策に偏った見直ししかしておらず、大規模地震動によって想定外の過酷事故に至る可能性がある。膨大な被害をもたらした福島原発事故の反省に立ち原発ゼロへの道に踏み出し、伊方原発の再稼働断念、廃炉計画を四電に求めること。
また、採算の取れない原発依存のエネルギー政策を改め、安全で多様なエネルギー源へのシフトを進めること。特に自然・再生可能エネルギーの宣伝・普及に努めること。
- 今春、高校・大学卒業予定者の就職内定率は過去最悪となっており、雇用状況は依然として厳しい。非正規やワーキング・プアの若者も増大している。また、賃金の引き下げで、この間、県民の所得は減り続けている。県がこれら雇用と所得の諸問題に全力で取り組むことを強く求める。特に新卒者の雇用確保のため、知事先頭に県内企業を直接訪問すること。
- 野田内閣は消費税の増税を狙っており、将来的に10%と今の2倍に引き上げようとしている。消費税は所得の低い人ほど負担の重い最悪の税金であり、税率の引き上げは消費を冷え込ませ、景気の悪化を加速することになり、県民生活に大きな影響を与える。政府に対して消費税率の引き上げに強く反対するとともに、消費税そのものをなくすよう求めること。同時に「税と社会保障の一体改革」の名で、社会保障の改悪が進められようとしている。年金支給年齢の引き上げや年金掛け金の引き上げなど「改革」とは逆の福祉切り捨ての内容であり、これも中止するよう求めること。
- ムダをなくし、県民の暮らしと福祉、教育などを優先する予算とすること。特にフリーゲージ・トレインはわずかな時間短縮と乗り換えがなくなるという程度で、莫大な税金をつぎ込む必要のないものである。また、国の再調査により、元の予算を大幅に超えることになったFAZの13m岸壁は中止すること。山鳥坂ダムは治水効果もごくわずかで肱川下流の関係者も反対しているので、計画を中止すること。知事が松山市長時代に進めようとした県営黒瀬ダムからの松山分水は、平常時でも大量の水を買い続けなければならず、巨額の工事費を要するもので、松山市に対して中止を求めること。また県も工業用水の赤字を地域住民に押し付けないようにすること。
- 国保料が高すぎて滞納世帯が全体の15%にも上っている。資格証明書では窓口で全額支払う必要があり、事実上医療を受けられない深刻な事例が続いている。市町に対し、保険証の取り上げをやめるよう指導すること。さらに国保料を1人当たり年1万円、4人家族で4万円引き下げるよう県として市町に補助を行うこと。また、国に対しても現在25%の国庫補助をかつての50%に引きあげるよう求めること。
- 子育て世代にとって大きな負担となっている医療費を子育て支援のためにも中学校卒業まで無料にすること。すでに群馬県では3年前から実施しており、県内でも久万高原町に続き、上島町、松野町が昨年から実施している。また75歳以上の無料化についても実施を検討すること。
- 私立高校生の入学金・授業料を全員無料にすること。県立高校は昨年から無料になっており、私立高校生のほとんどが有料であることは不公平である。また、公立高校生の授業料無償制度を廃止する動きが出ているが、高校生を持つ親にもっとも喜ばれているこの制度をなくすことのないよう国に求めること。
- TPP(環太平洋経済連携協定)は日本と愛媛の農林漁業に壊滅的打撃を与え、食糧自給率のいっそうの低下をもたらし、食糧主権の放棄につながるものである。医療や福祉など日本の社会制度全体が米国など多国籍企業のもうけの標的とされるTPPには断固反対を表明すること。
- 近く必ず起こる南海地震だけでなく、東南海、南海、日向灘が連動する巨大地震が発生する可能性も指摘されている。これに伴う大津波にも警戒が必要である。地域防災計画を見直して、独居老人、障害者など社会的弱者にも十分目配りした防災対策を確立すること。観測体制を強化し、必要な防災・避難訓練を実施すること。